緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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遅くなりましたが最新話です! 
緋弾のアリアAA始まったぁ!


第239弾 修羅場

さて、時刻は昼休みだ、

バスカービルの面子が揃い全員で弁当を広げている。

俺、キンジ、秋葉、アリア、レキ、理子、白雪。

そして、信冬

俺の前には2つの弁当・・・

どうしてこうなった。

男物のプラスチックの容器に入っているのは秋葉の弁当。

そして、2段ボックスになっているのは信冬の弁当だ。

彼女たちではなく俺のための・・・

 

「優希はいつも近衛にお弁当を作ってもらってるんですね」

 

何その笑顔怖い!

 

「・・・」

 

秋葉は秋葉で少し離れた所でこちらを見てるし

 

「あ、ああ」

 

とりあえず両方食うぞ!そうしないと色々とやばい気がするし・・・

 

「はい、キンちゃんお口に合うといいんだけど」

 

キンジはキンジで白雪の重箱に絶句している。

お昼休みにご飯食べながらなんて書いたらそりゃこうなるな白雪の場合・・・

と、とにかく集まってもらった面子で話を進めるぞ

 

「話ってのはこいつの事だ。白雪以外は合宿で会ったな?信冬、自己紹介」

 

信冬はすっと立ち上がる。

 

「優希、星伽白雪さんとに自己紹介は必要ありません。何度か顔を合わせたことがありますので」

 

「へ?そうなの?」

 

白雪が頷いた。

 

「うん、家同士の交流で何度か会ったことがあるよ。知り合い程度の関係だけど」

 

なるほど、星伽も裏の社会の人間ということだから知り合いでもおかしな話ではないか

実際、俺も白雪とは東京で会う前に顔だけは合わせてたからな。

 

「星伽からも連絡が来てるよ。武田の当主が家出して東京武偵校に転校したって」

 

探るように白雪が言うが信冬は表情を変えず

 

「そうです。私はさる事情から家を出たのです」

 

「じじょうって聞いてふぃいの?」

 

理子がサンドイッチをもぐもぐしながら言った。

食いながら喋るな理子お行儀悪いぞ

 

「詳しくは話せません。家庭の事情・・・あることを押し付けられそうになった私はそれを拒否して家を出たのです」

 

「当主である信冬がか?」

 

押し付けられるって武田の当主なら拒否だって出来るだろう。

 

「武田信春。私のお婆様です」

 

御隠居様ってことか・・・

よくある話だ。

引退して奥に引っ込みながらあれこれ口を出してくる奴。

となると信冬の当主という座も

 

「当主とか言いながらも権力はあんたのお婆様が握ってるってことね」

 

アリアはアリアでももまんをほおばりながら言う。

何個あるんだよ!

 

「恥ずかしながらその通りです。お婆様は口を出してくる回数は多くはありませんがお婆様の決定は絶対です」

 

ふーん、信冬の実家もいろいろと複雑な事情があるんだな・・・

椎名は俺が外れてるから本来鏡夜が信冬の位置にいてもおかしくない。

母さんは当主代理を名乗ってる間は当主にはならないのかもしれないが・・・

つまり、俺の家で言うなら母さんが信冬の婆さんの位置か

 

「でだな。みんな、信冬は俺に護衛を依頼してきたんだ。それでみんなにもというかバスカービルというチームで信冬の護衛のクエストを受けたいんだが・・・」

 

「でも、それって武田との刺客と戦うってことだよね。期間は?」

 

「そうね。ずっと守るわけにはいかないのよ優。武田に諦めさせる方法を選ぶか妥協点を探らないといつか限界が来るわ」

 

「分かってる」

 

それには、信冬がなぜ家出した所から話してもらわないといけないが話してくれない。

 

「心配はいりません。この護衛は最大でも1カ月以上は絶対にありません。短ければ数日で終わります」

 

「なんでそれがわかる?」

 

キンジが白雪のおにぎりに手をつけながら言った。

 

「予知のステルスといえば納得してもらえますか?キンジさん」

 

「なるほどな。最大1カ月だな?」

 

「はい、間違いありません。報酬はみなさんにお支払いします」

 

マスターズを通してこのクエストは正式に受理されるわけだが任務難度はAかSは免れないだろうな・・・

 

「で?みんな受けてもらえるか?」

 

「私はいいわよ」

 

アリアの言葉にキンジ、レキ、秋葉が受けると言った。

だが・・・

 

「理子は保留かな」

 

「ごめんね優君。私、別件の用事で受けられないの」

 

理子と白雪が断ってきた。

白雪は忙しいとしても理子はちょっと意外だな。

 

「保留?どうしてだ理子?」

 

「んん?知りたい?知りたいのかなユーユー。じゃあ、2人きりになれるとこで教えてあげる」

 

あ、おい!腕に胸を押し付けるな!

理子のでかい胸が!腕に柔らかい感触がぁ!

 

「・・・」

 

無言で睨む3人の目・・・レキ、信冬、秋葉・・・

俺が何をした。

 

「理子さん」

 

立ちあがったのは信冬だ。

笑顔が怖い

 

「なーに?信ちゃん」

 

理子は理子でからかいモードっぽい

 

「優希は私の婚約者です。婚約者の前でそういうことをするのは道理に反していると思いませんか?」

 

きょとんと理子は目を丸くしていたずらっぽく可愛い笑みを浮かべ俺の腰に抱きつきながら

 

「反してないよ♪優希は私と結婚してくれるっていったもんね」

 

ビシ

 

何かが割れる音がした気がする・・・

そう、空間が割れたようなそんな・・・

 

「・・・」

 

レキが無言で顔を上げた。

無表情だが怒ってる?

 

「それは、事実ですか?」

 

信冬と秋葉より先にそう聞いてきた。

 

「い、いやまあ、それは・・・その」

 

ど、どうしたらいいんだ!こ、このままではまずい!まずすぎる

 

「事実だよレキュ。スカイツリ―から降りる時、理子と結婚してくれるっていったもんね。

だから、理子も婚約者だよ」

 

「それは事実なんですか?」

 

信冬が今度は言ってきた。

ここで黙ってもおそらく次は秋葉に聞かれるだけ・・・

逃げ場はない。

 

「い、言ったのは言ったがあれはだな・・・」

 

死に際の理子に死んでほしくない必死の言葉だった。

だって、あんな場面で言われたら普通断れないだろ?

 

「言ったんですね」

 

「いいました」

 

観念してそう言う

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

無言の3人の目が怖い。

 

「聞きたいことはありますがそれは、後にとっておきましょう」

 

と、信冬があっさりと引きさがってくれたので空気が緩和する。

 

「立場が同じになった。そう、思っておきましょう」

 

レキと理子を見回して信冬が言った。

その言い方からしてレキとの事も調べて知ってらっしゃる信冬さん!

 

「・・・」

 

秋葉もちょっと離れた所からこちらをジト目で睨んでる。

ひ、表情豊かになるのはいいことだようん。

 

「ですが最初に婚約したのは私と言う事はお忘れなく」

 

と、釘をさすように信冬が言った。

「順番なんて関係ないよね。ユーユー」

 

「と、とにかくだ!話を戻すぞ!今回の信冬の護衛は全員でやるわけじゃなくて俺がメインで他のみんなにはサポートに回ってほしい」

 

これ以上続けたらチームが崩壊してしまう気がして無理矢理話を戻す。

最低一人は信冬について後は交代で2人態勢で常に信冬を刺客から守る。

連絡が行けばチームが援軍として駆け付けるという体制を作って今回の護衛任務は遂行される。

まあ、信冬のことは俺個人のことと関係あるから他のチームメイトにあまり迷惑はかけたくない気持ちもある。

その場での話は簡単に打ち合わせ、腹いっぱい2人分の昼飯を食べ終えて解散し時間は放課後だ。

 

「優希帰りましょう」

 

と、信冬が鞄を持って立ちあがったので俺は頷いてから後ろのキンジに

 

「悪いキンジ。ちょっとアリアと一緒に信冬の護衛頼むな」

 

「ああ、分かってるよ」

 

事前に打ち合わせていた通りキンジに言うが信冬が首を傾げる。

 

「優希はどうするのですか?」

 

「ちょっと、秋葉と用事があるんだよ。買い物付き合う約束してるんだ」

 

スッと信冬の目が細くなった気がする・・・

 

「なるほど、またあの近衛の子ですか。主人の予定を自分の都合で埋めるとは随分とわがままな子のようですね」

 

「そういうわけじゃない。事情があるんだが埋め合わせの意味もあって出かけるんだよ」

 

「埋め合わせ? 近衛の役割は自分を犠牲にしてでも主を守ることにあります。そんな埋め合わせの必要はないと思いますが?」

 

「その考え方好きじゃないんだよな」

 

近衛を犠牲にして自分が生き残るそのやり方は指導者としては正しいのかもしれないが個人的には嫌いだ。

秋葉だってあいつを前面に立たせて俺が逃げるなんてことは絶対にしない。

横に並んで戦うか俺が前に出て戦うだろう。

ちなみにその秋葉は先に待ち合わせ場所に行っている。

 

「優希は優しいのですね」

 

少しだけ呆れたように信冬が言った。

 

「ですがそういうあなたには好感を持ってます。いいでしょうその、買い物私も同行します」

 

「え?いや、でも」

 

「私の護衛引き受けてくださるんですよね?」

 

「それはそうだけど・・・」

 

信冬連れていったら絶対秋葉が怒る!かといって連れていかかったら信冬が怒りそうだ。

どうする!そうだ!

名案を思いついたぞ。

それを実行すべく俺はスマホを取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

案の定というべきだろう。

それから、30分後の都内の駅で待っていた秋葉は俺の顔を見た瞬間に明らかに不機嫌になった。

もちろん、横にいる信冬が原因なのは間違いない。

 

「よ、よう秋葉待たせたな」

 

「いえ、今来たところです:

 

そんなはずはないないのに無表情に言った。

 

「近衛とは主の行動を制限する存在ではありません、むしろ、サポートするもの。いくら待たせても顔に出るものではありません。それに関しては評価に値しますね」

 

「・・・」

 

秋葉は静かに目を閉じ信冬に軽く頭を下げる。

だ、だから信冬秋葉になんでそんな態度を取るんだよ。

立場が立場なだけに強く言えんし・・・

 

「・・・」

 

「・・・」

 

く、空気が重い・・・街中だというのにみんな不穏な気配を感じて距離取って歩いていくし・・・

まだか、まだなのか・・・

 

「それでは行きましょう優希」

 

そこに秋葉の名前出してあげて!

 

「い、いやちょっと待ってくれ。もう少しだけ」

 

「? 誰か来るのですか?」

 

「あ、ああ実はな」

 

「信冬」

 

救世主の声が聞こえた。

信冬がその声に振り返ると目を丸くしたのが見えた。

 

「雪羽姉様」

 

「久しぶりね信冬。何年ぶりになるのかしら?」

 

「え、ええそれは確か・・・」

 

雪羽さんと目がある。この子のことは任せておいてと目がそう言っている。

今だ!

 

「行くぞ」

 

「あ・・・」

 

小声で秋葉の手を握ると全力で人ごみの中に突入する。

信冬は気付いていない。

雪羽さんとの思わぬ再開に動揺しているようだった。

そう、俺が電話したのは雪羽さんだ。

秋葉と先約の用事があるあるから信冬の護衛を頼みたいと連絡したのだが勝手な願いなだけに受けてくれるか心配だった。

だが、家にいたらしい鈴さんがサポートに回り雪羽さんが少しの時間信冬の相手をしてくれると快く引き受けてくれた。

そして、信冬が武田を出た理由を可能なら聞いてくれることになっている。

姉の雪羽さんになら信冬も真実を言ってくれるかもしれないからだ、

なんにせよ情報が第一。

敵を知らなければ戦いようがないからな。

前途多難なのは間違いないがとりあえず、今は秋葉のご機嫌取りのために買い物に付き合うとしよう。

 

 




というわけ理子のカミングアウトに=宣戦布告?
信冬は優に説明求める=浮気は許しません
秋葉は引いた場所ですが見るからに焼きもち焼きマクリ=優は焼きもちとは気づかない。
レキな無表示ながらも睨む=やはり焼きもち?

そんな最新話で修羅場でしたがそろそろ優君の胃に穴があきそうですねw
オリジナル章の今後としては大体10話くらいを目標に書いてますがやはり、増えるか減るかはありえます。
サード編もはやくやりたいですがどうしても、ある事情から秋葉メインヒロイン編のオリジナル章をとある巻までに2回やらないといけなくなりました。
やらないと物語が破綻するくらい大変なことになるので…
なので信冬の後もサード編には入らずに秋葉オリジナルメインヒロイン編になるかもしれません。

さて、話は変わりますが緋弾のアリアAAはじまりましたね!

二期を待ってる身としては動くアリア達を再び見ることができて感激です!
守るものではAAの面子はちょこちょこしか出てませんがたまにはがつんとオリジナル章に組み込みましょうかね。
漫画も読んでますが最新刊読むとキンジのアミカの風魔も可愛いことに気付かされます。
やっぱりAAの面子は風魔も加えて2年になったらチームを組むのかとか想像しちゃいます。

ちょとネタバレしますからこの先は嫌な人は読まないでくださいね。








原作緋弾のアリア最新刊もやっと緋弾関連に蹴りがついたら不知火がなんか公安0?みたいな連中連れてきてるし!
でもなぜにアリスベルのせいじか?
キンジ大ピンチ!
「お前は子供Level99かも知れないが大人Levelは1だ!」
優も言われそうw
まあ、優の場合は周りがサポートLevel99ですからキンジよりは遥かにマシですけどねw

ではまた、次回に

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