緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第230弾 追撃戦3!

サイドワトソン

 

小さく震えた携帯電話のボタンを押すと耳のイヤホンから聞きなれた声が聞こえてくる。

 

「ワトソン、椎名優希を無力化しました」

 

無力化・・・その言葉を聞いて僕が思うのは罪悪感だ。

どんな理由があるにせよ友達を裏切ってしまった。

彼は僕を許さないだろう・・・

運転席の隣で薬で眠りについているアリア・・・

大丈夫だ・・・僕のやっていることは正しい、結果的に優希もアリアも救う事に繋がるのだから・・・

 

「了解だよリゼ。彼はどうした?拘束したのか?」

 

「近くから公安警察の気配が感じられましたのでそのまま現場に倒したままですか数日は目覚めることもないでしょう。目覚めたとしても動けません」

 

公安警察・・・公安0課か・・・

中立の立場の上圧力もかかってるため、相当なことがない限り、動くことはないだろうが油断していい相手ではない。

優希は個人的にも公安0に知り合いが多い。

日本と言う国の中では本人が思ってる以上に手厚い支援体制が確立されているの。

今回は公安0の土方歳三には要注意だ。

彼自身の力も侮りがたいが彼の周りのチーム鈴・雪土月花は正面から戦えば確実にこちらが敗北する実力を持っているのだ。

そして、土方歳三達は極東戦役の師団よりだ。

立場上、簡単には動けないとは思うが・・・

 

「リゼ、後どれぐらいで合流できる?こっちは、予定通り彼女達と合流予定だ」

 

「もう、ワトソンの車が見えてます」

 

「そうか」

 

ブオンとわざとエンジン音を聞かせてきたリゼのバイクがポルシェの背後についた。

深紅のカワサキのニンジャ。リバティーメイソンが用意した改造バイクだ。

それを、バックミラーで確認しながら。

 

「リゼ・・・気付いているな?」

 

「ええ、ワトソン」

 

電話越しの声は淡々としたものだが、目的地に向かう途中の首都高。

まだ、夜も浅いこの時間に車の数が明らかに少なすぎる。

何者かがこの、首都高への車の通行を制限をかけているのだと考える。

こんな事が出来るのは公安0か裏社会の2家・・・

 

「武田か?椎名か?公安0はないな・・・」

 

武田と考えるならかなり厄介だ。

武田信冬は高位のステルス使い。

確実に足止めは食らう。

もし、椎名であるなら・・・Rランク月詠は海外。

では、椎名鏡夜か?

ならば敵ではない。

 

「リゼ、武田の姫の場合。足止めは任せたよ」

 

「了解です。ワトソン。椎名の場合は軽くあしらっておきます」

 

さて、周囲には僅かな車だけか・・・どこで仕掛けてくる?

そう思った時、着信が1つ。

合流予定の彼女達からかとディスプレイを運転しつつ見ると心臓が飛び出そうになった。

なぜ・・・いや、誰かが彼の携帯を使ってるだけだ。

だが・・・

通話ボタンを押す。

 

「誰だ?」

 

「そりゃねえだろ。エル、友達からの着信なんだから誰だなんて言うなよ」

 

この声はやはり・・・

 

「優希か・・・」

 

「ああ」

 

 

                 †

                 †

                 †

サイド優希

 それは、少し前にさかのぼる。

このままでは、絶望の未来が俺の前に用意される。

その話を聞いた瞬間、覚醒した意識。

夢だったのか・・・そうでなかったのかは今はどうでもいい。

 

「う・・・」

 

力はあまり入らないがなんとか上半身だけ起こして時計を見るとリゼと戦ってから10分も立ってない。

あいつはいないようだな。

頭がぼんやりする・・・

体全体にも力が入りにくい・・・

リゼの毒は神経系のものだったのかもしれないが・・・

 

「くっ」

 

近くのテーブルに杖代わりに立ちあがるが暗闇のレストランで周りがよく見えない。

アリアをさらったエルを追わないと・・・

ふらふらとエレベーターに転がりこみ下のボタンを押しながら考えるが状況は最悪だ。

アリアをさらわれ俺はぼろぼろ。

こんな状態であいつらと戦わないといけないのか・・・

 

「・・・」

 

戦える体じゃないのは理解している。

リゼが言うには1週間は動けない毒とか言ってたが一応は動けてる。

俺は薬が効きにくいなんて体質じゃないはずだが・・・

心当たりはアリアの血・・・緋刀の力が毒を緩和させたのかもしれない。

夢の中のあの声もスサノオだったのかもしれないし。

 

「スサノオ」

 

試しに呼んでみるが返事はない。

あいつは緋刀を発動させた時や血が強く反応する場合しか返事をしない、

それよりも、アリアがどこに連れ去られたか調べないと・・・

携帯を取り出すと着信・・・ん?ジャンヌか

 

「ジャンヌか?悪いんだが今・・・」

 

「アリアがさらわれたのは理解している。だから、簡潔に言うぞ椎名」

 

冷静だが静かな声が携帯から聞こえてくる。

状況は俺が寝ている間に動いているらしい。

 

「分かった聞かせてくれ」

 

ジャンヌに聞いた話はまとめるとこうだ。

俺やエルの会話はインフォルマの中知空が盗聴していたらしい。

エルの車から行き先もカーナビの音声音から特定済み。

リゼも後を追い更に、アリアがさらわれたことを知ったキンジも後を追ったらしい。

エル達の目的地はスカイツリ―がある場所だ。

隼の場所まで降りてエンジンをかける。

スカイツリ―にはおそらくヒルダがいるだろう。

それまでに追いついてアリアを奪還しなければならない。

そうしなければこちらが圧倒的に不利だ。

出来ればキンジと合流して連携したいが携帯が繋がらないし。

合流する時間もなさそうだ。

轟音を立てて隼が発進する。

道路に出て見るが明らかに何かがおかしかった。

車が1台もいない?

いや、正確には俺の進路上の道路に車や歩行者がいないのだ。

今回は実家に何も言っていない。

だが、これには見覚えがある。

人払いの結界が進路上にまんべんなく張り巡らされているのだ。

ここまで大規模に出来るのはおそらく・・・

 

「公安0か」

 

思わずににやけてしまうな。

表向き公安0は俺の味方はしてくれない立場だが間接的に支援してくれるらしい。

問い詰められても白を切るだろうが・・・

リバティーメイソンとことを構えたらイギリスと国際問題にもなりかねないのにぎりぎりの支援だな。

信号待ちなどをしたはずのエルやリゼの後を100キロ以上の速度で追い首都高に入る。

予想だがこの進路からエル達はスカイツリ―に向かうはずだ。

体調は悪いがやるしかない。

首都高はこの時間でも車が多いはずだが交通量が少ない気がする。

検問や規制などである程度のコントロールは出来るからこれも土方さん達か・・・

隼でバイクの特性を生かして普通なら確実に免停の速度で追いぬいていく。

このまま追いついて勝機はあるか・・・

何より気をつけるのはリゼの毒だ。

次にあれで無効化させられて効き目が薄いと分かれば拘束されるか最悪殺されるだろう。

有効な手段はくらわないことぐらいだが今の体調では・・・

出来ればヒルダと戦うまでは取っておきたいがあれを使うしかないか・・・

このまま追いつくのもいいが・・・

運転しながらエルへ電話する。

ヘルメットの中のインカムとヘッドフォンから接続音がし

 

「誰だ?」

 

エルの声

 

「そりゃねえだろ。エル、友達からの着信なんだから誰だなんて言うなよ」

 

「優希か・・・」

 

「ああ」

 

前のトラックを追い抜くと遥か前方にエルのポルシェと並走するバイク。

見つけたぞ!

 

一気に加速させようとするがバイク・・・おそらくリゼが下がってきて俺の横に付いた。

ヘルメット越しにバイクの主はリゼに間違いない。

互いに運転中だが殺気を感じさせる。

これ以上速度を上げたら攻撃されぞ。

 

「それ以上速度を出すな優希。出せばリゼが君を攻撃する」

 

「このまま目的地までドライヴか?それでもいいぜ俺は。ただし、アリアを返したらの話だがな」

 

「・・・ふぅ」

 

ため息をつく声が耳に聞こえる。

呆れたよって声だな。

 

「リゼは君を無効化したって言ってたんだけどね。動けるとは驚いたよ」

 

「詰めが甘いんじゃないか?俺はしぶといぜ」

 

「知ってるよ。だから、保険にリバティーメイソンの中でも最強クラスのカードを切ったんだ」

 

それがリゼか・・・

実際、俺はこいつに敗北してるからな。

横についているリゼと視線の火花を散らしつつ状況を把握する。

援軍はない。

このまま並走してスカイツリ―に到着したらヒルダいれたらと3対1と勝機は完全になくなる。

キンジも向かってるらしいがいつ、つくか分からんしここは仕掛けざる得ないだろう。

 

「アリアを返せエル!今ならまだ、冗談だったで許してやるぞ」

 

「僕は君が馬鹿だと知ってたよ。真っすぐで1度決めたことは信念として貫き通す・・・

そんな君を説得するのは無理だったのかな?」

 

一息を入れるエルのポルシェが加速する。

 

「さよなら優希」

 

それが高速戦の合図だ。

エルのポルシェが加速した瞬間俺は逆に速度をブレーキをかけて落とした瞬間、隣のリゼから撃たれた短機関銃が俺が一瞬前までいた場所を薙ぎ払う。

減速しリゼの背後を取ったがこれは一瞬の時間しかないチャンスだ。

片手でガバメントを握りリゼのニンジャのタイヤに向け3点バーストで発砲しようとした瞬間、リゼが急減速し左手からワイヤー突きの刃を飛ばしてくる。

それを俺はタイヤ攻撃を中断し迎撃に回す。

火花が散りながら刃を退けると再び加速しリゼと並走する。

前方に大型トラックが見え俺とリゼはそれを挟みこむように左右から抜きつつ互いの姿が見えない状況で攻撃の準備を整える。

トラックを抜いて互いに視認可能になった瞬間リゼは片手で再び短機関銃をばらまいてきた。

ちっ!こういう精密射撃が難しい場所じゃ短機関銃の方が有利だな。

戦いなれしてるぞリゼの野郎!

減速しトラックの影に隠れる。

運転手が悲鳴を上げてる気がするが頼むから真っすぐ走ってくれよ。

流石に一般人に死人は出したくないしな。

にしてもリゼの奴大型バイクを手足のように操りやがる・・・

リバティーメイソン最強クラスってのも嘘じゃねえか・・・

だが、この高速戦ならリゼ得意の薬も使用は難しいらしい。

エルと俺の距離は離れた。

切り札使わせてもらうぜ。

神戸の時にも使ったが改造隼の赤いボタンを押しこめば燃費と引き換えに爆発的な加速を得ることができる。

こいつでリゼを一気に引き離してエルを捕まえてやる!

トラックの背後に入り赤いボタンを押しこむ。

加速だ!

そう思った瞬間、ボンという音と共に隼が急減速する。

故障か!こんな時に!

リゼがトラックの対面から減速しヘルメットを脱いで何かを言った。

読唇術で何を言ったかを理解する。

 

「赤いボタンは自爆スイッチです。後20秒でその隼は爆発しますよ」

 

「!?」

 

細工されていたのか!俺が加速するボタンを押すのを見越して・・・

俺が追ってくる可能性をこいつは最初から考慮に入れていた。

 

「後3秒・・・」

 

リゼの言葉を読んだ瞬間俺はワイヤーを発射し隼から飛び降りた。

トラックの上部に降り立つと同時に倒れて行く隼が爆発し炎上する。

くそ!レザドはこれだから嫌いなんだ!罠ばかり仕掛けやがって。

リゼは微笑みを浮かべるとニンジャを加速させていく。

ガバメントで狙うがリゼはバイクを巧みに扱い射程外まで遠のいていった。

やられた・・・また、負けた・・・

後はスカイツリ―でヒルダを含めた絶望的な戦いをするしかないのか・・・

希望はもうないのか・・・

 

ブオンとトラックの横に1台のバイクが並走してきた。

リゼのじゃない・・・

ヘルメットをかぶってるが武偵高の制服?

バイザーが上げられその目と会った時、俺は再び笑みがこぼれた。

そいつは乗れというようにくいっと親指で背後を指した。

トラック上部から飛び降りバイクに飛び移る。

座りながら

 

「おいおいおい!いいタイミングすぎねえかキンジ!」

 

「もののついでだ。これを貸してくれた人も多分こうなることを予想してたんじゃないのか?」

 

BMW-1200R、改造を除けば世界最強クラスのエンジンを持つネイキッドバイク。

貸してくれたって武藤じゃなさそうだが・・・

 

「貸してくれたって誰だ?」

 

「季節外れのサンタさんだ」

 

多分土方さんだな・・・手回し良すぎないですか土方さん?というか今回、公安0表向き以外で協力し過ぎだが大丈夫か?

まあ、今は有難いよな。

 

「よし、じゃあサンタさんの贈り物でアリア奪還と行こうぜ相棒!」

 

「ああ、アリアは絶対に取り戻す!」

 

声に力が入ってるがヒステリアモードか?それは戦力的に有難い。

 

BMWがうなりを上げて加速していく。

目標は先行したリゼのニンジャだ。

 

「気をつけろよキンジ!リゼはバイクの運転技術も並みじゃない」

 

「ジャンヌから聞いてる。リバティーメイソンの中でも最強クラスの暗殺者だ」

 

毒使いの暗殺者だったわけか・・・

そう思った時、遥か前方にリゼのバイクが見えてくる。

 

「追いつくぞ!」

 

キンジがバイクを加速させる。

見る見るうちにリゼのバイクが迫ってくる。

あと少しで射程内と言う時リゼがいきなり振り返り短機関銃をばらまいてきた。

この距離で当たるわけがないが無視はできない。

 

「困ったじゃじゃ馬さんだ」

 

キンジがきざっぽく言ってからバイクを左右に振りながら巧みに射線を分散させリゼに迫る。

 

「攻撃は任せた!」

 

「了解!」

 

キンジの後ろからガバメントをリゼに向けて撃つ。

撃つ瞬間を見たのだろう。

リゼはバイクを左に切り射線から外してくる。

運転に集中してなきゃ1手増やせる!

3点バーストをフルオートに切り替えてリゼに向けて撃ちまくるがリゼはそれを全て交わしきる。

いや、ギギンとニンジャのタイヤに火花が散った。

跳弾射撃で当てたがあのタイヤ・・・

 

「防弾使用か」

 

キンジが言った時リゼが再び短機関銃をバラまく。

今度は距離が近いためキンジは少し減速し射程から外れる。

 

「どうするよキンジ!」

 

あの短機関銃は厄介だな。

この戦場においては特に・・・

 

「運転かわれ優」

 

「あ?」

 

言ってキンジがいきなり立ち上がったので慌ててハンドルを握るがお前何する気だよ!

 

「加速だ!まっすぐあの子に向かえ!」

 

「分かったよ!何か知らんがお前の考えに乗った!」

 

ヒステリアモードのキンジなら何か考えがあるはずだ。

標識は間もなくスカイツリ―に行くためには降りなくてはならない場所に差し掛かりつつある。

いや、リゼは高速を降りて一般道に入った。

当然俺達も後を追う。

だが、公安0の手が回っているらしいその道に車はいない。

スカイツリ―が見え始めてきた。

その瞬間、俺は一気にBMWを加速させた。

 

「!?」

 

リゼが再び片手で短機関銃をばらまいてくる。

俺達はその弾幕の中央に突撃する。

当然のことながら近づけば命中率は上がる。

いわば特攻のようなもんだ。

自殺行為としか言いようがない。

 

「おしおきの時間だ。この後、予定が詰まってるんでな!優!真っすぐだ!絶対に避けるなよ!」

 

 

凶悪な笑みを浮かべたキンジを見て思ったのは今日のキンジ攻撃的な気がするんだが気のせいか?

 

「死んだら恨むからな!」

 

あの神戸の時のレキのようにバイクの上に立ちデザートイーグルとべレッタを2丁構えパパパと発砲する。

空中で火花が散る。

当然のことながら短機関銃と拳銃では装弾数がまるで違う。

キンジが2丁構えてもその差は完全には埋まらない。

しかし・・・

 

「!?」

 

初めてリゼの目に驚愕が映った気がした。

き、キンジの奴当たる弾だけを選んで銃弾撃ちで迎撃したのか!

 

「下道ならこういう方法もある」

 

キンジがそう言って残りの残弾を何かに向けて放った。

閉店しているであろう店のガラスが砕けて窓際に置かれていたテーブルとイスがリゼのバイクの目の前に落下してくる。

 

「っ!」

 

明らかにリゼはまずいと思ったのだろう。

急減速するが速度が出過ぎている。

テーブルにニンジャが乗り上げバイクの上からリゼが投げ出された。

お、おい!こんな速度で落ちたら・・・

 

「くっ!」

 

一瞬見えたリゼの顔は冷静だ。

ニンジャは火花を散らし地面を滑っていくがワイヤーを発射し電柱に固定し空中で体制を立て直すとターザンのようにワイヤーで前方に進みスカイツリ―の中へ逃げていく。

 

 

「キンジ!」

 

「ああ、追うぞ優!」

 

俺達はバイクをスカイツリ―入口の前に止めるとリゼを追ってスカイツリ―に突入する。

その際。見えたがエルのポルシェもスカイツリ―の前に止められていた。

結局はスカイツリ―に・・・

ヒルダと面会とかエルは言ってたがここにヒルダがいるならハードすぎる展開だが困ったことにね・・・リゼとエルに対する怒りのせいでなっちゃってる戦闘狂モードの俺は高揚感を感じてるんだよな・・・

いくつかの切り札はある。

紫電はないがヒルダに勝つことは可能なはずだ。

綱渡りだがな

 

「キンジ、リゼに追いついたらお前は先に行け」

 

最初から決めていたことだ。

こういう展開になったらリゼとは俺が戦う。

 

「それならお言葉に甘えさせてもらう。俺はワトソンの野郎をぶっ飛ばしに先にいかせてもらうぜ」

 

「なめてかかるなよキンジ!エルは・・・」

 

エルの攻撃方法を教えようとした時、作業用の仮設エレベーターの前に少し開けた空間と人影がある。

リゼ・・・

逃げてきたと思えないほど静かにリゼは落ち着いた様子でエレベーターの前にいる。

服はメイド服だがその目は俺達を殺意に満ちた目で見据えている。

リゼの本領はバイクの上じゃない。

こういう接近戦が可能な場所でこそその本領を発揮できる。

人には向き不向きがあるものだ。

今からやろうとしてる選択は正直馬鹿としか言えない気もするな・・・

 

「リゼ!リベンジマッチだ!キンジは先に行かせろ!邪魔だからな」

 

にっと笑いながら俺はキンジより1歩先に出た。

 

「・・・」

 

殺意の目は俺だけに向けられてくる。

そして、エレベーターの前から離れるようにリゼは少し右に向けて歩きだし俺も同じく歩き出す。

左手でキンジに先に行けと腕を振る。

キンジは分かったと頷きリゼを警戒しつつ仮設エレベーターに乗り込み上にあがっていく。

これで1対1.リゼとの勝敗は2戦2敗。バイクの戦いは隼を失った俺の負けとカウントしておく。

つまり、俺はこいつに1回も勝ててないんだ。

レザドはやりにくいが今回ばかりは勝たせてもらう。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

互いに無言で右に歩く足は一定。

そして・・・

遥か上部でキンジのエレベーターが到着した音がした瞬間俺達は地面を蹴った。

互いに接近しながら獲物を取り出す。

俺は左手にガバメント、右に日本刀、リゼは左手に短機関銃右手に小太刀。

互いの銃器が火を噴いた瞬間。リバティーメイソン最強クラスのレザド、リゼとバスカービルのアサルト、椎名優希との最後の激突の幕は下ろされた。

 




お久しぶりの草薙です!
もう、見てる人いないんじゃないのというくらい開けてしまいましたがようやくスカイツリーに突入することができました。
流れ的にワトソンと優は戦いませんが正直、どうやって倒そうとヒルダ以上に頭を痛めてるのがリゼなんですよね。
この子オリキャラで姉さんのような化物とは一味違う厄介さがあります。
レザドってのは優が一番苦手な相手だと書いてて痛感しました。
実は追撃戦は優単体でリゼと引き分ける予定でしたが書いててリゼに勝てない!急遽キンジにも来てもらいかれのおかげで勝てましたがなぜかリゼと戦うと優が負ける(笑)
次の決戦でもヒルダ用にとっとく予定だった切り札も使わざる得ない状況に…
水やシン達も強かったですがリゼはなんだか本当に戦いにくい相手でした。

さあ、一気にスカイツリーを終わらせてオリジナルに入りたいです!
では!

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