緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第218弾 運命のドロー 

さて宣戦会議といったってとりあえず学校はある。

メーヤさんを空港まで送ってちょっと話したいことがあったので土方さんと軽く朝ごはんを食べてから寮に戻ったが時刻は3時間目が始まるころか・・・4時間目は確かロングホームルームだったからその時間に行こう。

「そういや月詠は?連絡会ったんだろ?」

つうかなんでお前宣戦会議の時いなかったとついでに聞いてみると秋葉は俺の後ろをついてきながら

「宣戦会議の時は知らされていませんでした。月詠様は現在、どこかの殻金を追ってるはずですが私にはいつも通りにするように言われています」

月詠は日本のRランク。1つぐらいなら取り返してくれるかもしれないが海外に出られるときついんだよな・・・

Rランクの国外の移動はいろいろと制限がある。

まあ、小国の軍隊なら殲滅あるいは互角に戦えるような化け物を無条件に国の中にいれたくはないよな。

姉さんのように勝手に入ることは不可能ではないがリスクはある。

まあ、月詠のステルスならやろうと思えば可能だろう。

「鏡夜は実家で近衛は情報収集ってとこか?まあ、お前がこっちに残るのはありがたいがな」

「私の近衛としての役目は優君の護衛ですから」

近衛と言う名前はいろんなことに使われる。

少数精鋭の殿をつとめる精鋭部隊であったり、ファンタジー小説ととかなら近衛騎士なんて王様を守る専用の騎士みたいなものも出る。

椎名の近衛は今でいうボディガードのような精鋭の兵隊のようなもの。

そして、椎名の血縁者は1人専属の近衛がつけられる。

咲夜はまだだが、鏡夜にもいるはずなんだが見たことないんだよな・・・

新幹線の戦いでも出てこなかったし・・・

「なあ秋葉」

「はい?」

「鏡夜の専属の近衛って誰か知ってるか?」

 

「鏡夜様の近衛ですか?確か・・・」

秋葉の言葉を聞きながら部屋のドアを開けて中に入った瞬間、秋葉から名前が聞こえた気がするが俺はそれを耳に入れることができなかった。

いないと思ってた奴がいたからだ。

「あれアリア?」

「ゆ、優!入るならノックぐらいしなさいよ!」

そこにはなにやら顔を真っ赤にし、首筋をなでているアリアがいたのだ。

後遺症的なものはないんだろうな?

「自分に部屋はいるのにノックする必要ないだろ?何やってたんだ?」

首筋のバンソコ―はヒルダに噛まれた後のようだが・・・

ん?なんで赤くなってんだ?

「あ、あんたが昨日部屋にいないから!あ、あたしキンジとキンジとと!」

昨日?昨日は部屋にいたんだが・・・

ああ、出かけてる間になんかあったのか?

「おいアリ・・・」

「出てけぇ!」

「なんでだぁ!」

理不尽なガバメントの猛連射から逃れるため俺は寮のテラスからダイブしてピンクの悪魔から逃れるのだった。

秋葉に風で受け止めてもらいつつ部屋を見上げて思うのは体調は全く問題ないわけかと確信できるな。

                †

                †

 

                †

4時間目は3クラス合同のLHRだ。

幸い制服を着ていたのでそのまま投稿すし、俺達が登校して少ししてからアリアも登校してきた。

「眠い・・・」

知識としては知っていたが酒飲んで寝ると深い眠りができないらしい・・・

おかげで寝た時間はそれなりなのに眠気だけが残っちまってるぞ。

横目でキンジを見るがなにやら考え事の真っ最中。

メーヤさんの話ではキンジにも話はしてあるそうだからそれ関連だろうな。

土方さんにもアリアには宣戦会議のことはまだ、言わないように言われている。

どこにあるかも分からんが敵本拠地を探し出して突撃するわよとか言われてもやだしなぁ・・・

勝手な考え方だがアリアなら攻撃あるのみと突撃してしまいかねんし・・・

日本国内ならまだいいが外国とかになると圧倒的に不利になる。

今まで俺が曲がりなりにも強者と渡り合えたのはサポートが手厚かったのも勝因の1つだしな。

なんだかんだで、実家にもいろいろ世話になったりしてるわけだし・・・

「ガキ共!それじゃ文化祭でやるリストランテ・マスケの衣装決めするぞ!」

蘭豹が天井に威嚇射撃しつつ言った。

うるさいな。口でいや聞こえるのに。

そういや、A、B、Cのクラスが体育館に集まってるのにジャンヌの姿が見当たらんな・・・

追いかけていってそれっきりなののか?

「よおーし!各チーム同士集まって待機ぃ!ゴホゴホ」

綴が煙草でむせているのを横目にチーム同士が集まりだす。

ってもABCだけだけどな。

同じAのアリア、秋葉、キンジ、理子、Bの白雪、Cのレキも集まってくる。

昨日のこともあるからレキにもちょっと聞いときたい気もするがアリアの前だしなぁ・・・

一瞬、レキと目が合ったのでなんとなくヘッドホンを取って装着してみる。

風の音じゃないかチェックだ!

ってうるさい!なんかの音楽らしいがこら音上げるな!

慌ててヘッドホンを外してレキに返すが怒るなよちょっと聞いただけじゃないか!

 

「おのれ・・・」

と後ろから声がしたので後ろをちらりと見るとってRRRかよ・・・村上を筆頭に結成されたチームだがお前らそんなことでチーム決めていいのかよ・・・まあ、無視だ。

「キンちゃんくじが来たよ」

白雪がキンジに話しかける。

う、来たか・・・ある意味このくじ地獄なんだよなある意味・・・

これはリストランテマスケの衣装を決めるくじなんだがそこで決まった衣装の存在になりきらないとやばいのだ。

潜入捜査の技術を一般にアピールする機会だからふざけてやったら死の恐怖を味わう事なる。

キンジが引いて戻すのを見ながら俺は神に祈った。

頼むからやりやすいのにしてくれと・・・

同じチーム内で成績悪い奴でたら連帯責任にされかねん。

ちなみに、このくじ1回だけやり直しが認められている。

「よし」

ん?いいのひいたらしいな?

覗き込むとキンジは警察官、巡査だ。

分かりやすくていいな。

続けてキンジはジャンヌに指名されていたらしくくじを代理で引くとそこはウェイトレスと書かれており店名も記載されている。

次に理子がくじを引き、1回目の泥棒キャッツアイ風というありえないはまりを戻し、2回目はガンマン西部開拓時代を引いて楽しそうにやるやるとはしゃいでいる。

理子のガンマン・・・合う気もするな。

「次は私が引きます」

そう言いながら今度は秋葉がごそごそと箱の中を漁り

取り出す。

そこには

『お嬢様。箱入り娘』と書かれていた。

秋葉はそれをじーと見ていたが俺を1回だけ見て

「キャンセルです」

とそれをやめてしまう。

うーん、秋葉のお嬢様・・・ちょっとみたい気もするが・・・

しかし、偉くアバウトな気もするが

「では次で確定でござる」

キンジのアミカの風魔が箱を差し出してきた。

「・・・」

秋葉は無言でごそごそと箱の中を漁っている。

かなり慎重だがこれは完全に運だからな・

秋葉は紙を取り出し俺の運命のカードと言うようにカット目を見開いて紙を見た。

そこには・・・

『魔法少女リリカル風、黒い方。ジャケット装備必須』

うわぁ・・・

よくわからんが魔法少女という時点でかなり外れじゃねえのか?

だが、もう後戻りはできない2回目だ。

見るといつも無表情の秋葉が冷や汗を流して固まっている。

俺は無言で秋葉の肩に手を置いて

「諦めろ秋葉・・・」

と言っておいた。

「魔法少女・・・しかも、あっち・・・」

と秋葉がつぶやくのが聞こえた。

「おお、秋ちゃんコスプレだぁ」

と理子が楽しそうに言った。

まあ、やりようによっては合うのかもな魔法少女・・・

何せ、ステルスって魔法に似てるしな。

続けて、白雪がチャイナドレスを引いてキャンセルし小学校の先生に収まり次にレキが魔法使いというくじを引いた後RRRがうおおおと叫んでいたがそれを戻し科学研究所職員を引いたのでRRRが再び叫び声をあげたので蘭豹がRRR全員にかかと落としを食らわせ沈黙。

次に、アリアだが・・・

深呼吸をしながら引いたのはアイドルと書かれた紙だ。

「あ、アイドル?日本のテレビに出てるぶりっこのこと!?」

ちょっと想像してみたが可愛いんだろうが違和感もありそうなアリアアイドル・・・というかチャイドル?

チーム全員が笑いをこらえている気がする・・・理子なんて完全に笑いかけてるし

「くっ・・・エン!」

キンジがくしゃみしたが何かごまかしたな?何想像したんだよ。

だが、アリアは気付いていないらしく

「チェ、チェ、チェンジよ!」

「か、神崎殿それでは次で最後でござる」

殺気の満ちた目で見られ風魔が後ずさりながら箱を差し出す。

かわいそうに・・・

そして、アリアが引いたのは・・・

なんと!『小学生』

「ぎゃははははは!」

あまりのはまり具合に俺は笑っちまったぞ!

「やった!やったよアリア!ある意味はまり役だよきゃははは!」

俺と同じように理子も大爆笑しアリアの周りを転げまわる。

キンジも爆笑しかけたらしいがその動作が止まりアリアが叩きつけるような殺気を風魔に向ける。

おいこら!

「今のは無し無し無し無し無し無し無―し!あんたは死刑!」

ガバメントを抜いて風魔に向けたので俺とキンジが慌てて飛びかかる

「やめろアリア!蘭豹もいるんだぞ!」

「そうだ!まとめて処分されるぞ!やめてくれ!」

「あきらめようよアリアちゃん。理子が衣装作り手伝ってあげるキャハハハ」

「誰がアリアちゃんよ!風穴!風穴流星群!風穴ビックバーン!」

俺達が全力でアリアを抑えている間、風魔がまきびしを巻きながら逃げていく。

早く逃げろ!

「死ね!死ね!死ね死ね!みんな死ね!見た奴みんな死ねばなかったことになるんだわ!むぎぃ!」

理子は目の前で爆笑してるし白雪がアリアを後ろからはがいじめにする。

レキは体育館の外に逃げており秋葉は紙を見たまま

「魔法少女・・・」

と、固まったままだ。

お前ら手伝えよ!レキも分かってたなら俺も連れってくれよ!

などと言ってた後、蘭豹が30回ほどジャーマン・スープレックスを食らわせ続けようやくアリアは小学生やりますというのだった。

ちなみに秋葉は最後まで紙を見たまま

「魔法少女・・・」

とつぶやいていた。

そんなに嫌だったのか?

それで、小学生やりますと言って気絶したアリアを横目につ、ついにきやがったぞ。

風魔が逃げてしまったので別の知らない後輩が持ってきた箱に手を突っ込む。

そして、紙を掴んで引っ張り出して開く。

頼むぜ

『新撰組1番隊隊長沖田』

「チェンジ」

迷いなく言った。

新撰組は好きだしある意味神がかったものだがなんで、1番隊なんだよ・・・

沖田の物真似とか・・・正確には本人じゃないが冗談じゃない。

他なら喜んでやるんだがな

「それでは次で最後になります」

後輩が差し出してきた箱を見て俺は目を閉じた。

なんとなく、前に見たカードゲームの主人公がラストターンで最高のカードを引かないと負けるシーンが頭をよぎる。

俺の運命を決めるカード・・・

カードじゃないが箱に再び手を突っ込み1枚掴む。

この1枚に全てをかける!

そして、緋いたカードそれは・・・

『武偵高制服(女子)』

「嫌だ!」

俺は心の底から叫んだ。

最悪じゃねえか!これ、最悪のパターンだぞ!

「こんなものチェンジだ!おい!もう1回だ!」

「む、無理ですよ!」

後輩が泣きそうな顔で逃げていく。

こら待て!

「椎名あぁ?」

がしっと頭に手が置かれ万力のように力が入る。

痛い痛い!

離せ蘭豹!

「変更はなしや。大人しくやるな? それとも神埼みたいにしたろうか?」

ごくりと気絶しているアリアを見る。

アリアはあれだけ抵抗したのに結果は変わらなかった。

つまり、抵抗は無駄だ。

周りではキンジ達が大爆笑している。

くそぉ・・・

「やります・・・」

「それでええんや」

頭から手が離れた瞬間、俺は激しく落ち込んだ。

また、女装かよ・・・

「魔法少女・・・」

秋葉はまだ、放心しているようだった。

はぁ・・・最悪だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




新年あけましておめでとうございます!
まだ、正月です!

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