宣戦会議と言うとんでもない時間が終わり、寮の部屋に帰る途中俺はメーヤさんと話をしている。
「それにしても久しぶりですねメーヤさん」
「直接会うのは3年ぶりでしょうか? 立派になりましたね優希」
基本的にメーヤさんは相手に対してさんをつけて呼ぶが俺の場合は下の名前で呼び捨てにされている。
メーヤさんとの出会いは簡単にいえば、姉さんと一緒にドイツに行った時、魔女連隊との戦いに巻き込まれたのが発端だ。
その時、バチカン側が全滅の危機に陥っていたが姉さん一人で状況をひっくり返した。
明らかに魔女連隊の使い魔と思われる化け物の軍団を素手で粉砕し、遠目にカメ○メハ見たいな光線で相手を塵も残さず消滅させた姿は忘れない・・・
まぁ、中立の時代とはいえ各組織も裏ではそれなりに戦っていたとういうことだ。
総力戦はなかったというだけで・・・
椎名の家だって魔女連隊とやりあったしな。
「日本に来るなら事前に連絡してくれれば迎えに行きましたよ?」
「フフフ、ありがとう。でも、宣戦会議の準備でバタバタしてたので」
柔らかなに微笑むメーヤさんは本当に理想的なお姉ちゃんだ。
姉さんもこんな柔和な性格だったらなぁ・・・
メーヤさんの場合、あれさえなければなぁ・・・
カツェとの戦いで豹変したメーヤさんを思い出しながら俺はアリアを背負って歩くキンジの背中を見た。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だろキンジ」
確かに油断し過ぎは駄目だが今夜はもう、襲撃はないだろうと思う。
「椎名の言う通りじゃ。所詮使者に過ぎぬ、はなっからこの周囲は式に見張らせておる。この長四角の島のどちらかに奴らが入ってきたらすぐに式神が知らせてくるから安心しろ。
それに、儂の耳によればどいつもこいつも海や空を渡って去っておるわ。ふふん」
と、玉藻が言った。
なるほど、結界かそれなら安心か?
うーん、ステルス関連はよくわからんから秋葉に後で聞いてみるか
「どうなんだ優?こいつもお前の知り合いなんだろ?」
とキンジが聞いてくる。
うーん、違うんだよな
「いや、知り合いじゃないぞ。メーヤさんとは知り合いだけど」
「本当にお前はいろいろな奴と知り合いだな」
呆れるように言われるのはなんか傷つくよキンジ
「まあ、全ては姉さんのせいというか・・・」
あれ?そういえば、姉さんどうしたんだろ?
「えっと、玉藻・・・ちゃん?」
「ちゃんとは失礼な奴じゃ!椎名のは礼儀をしらんのか?」
何て言えばいいんだ?
さっきの見る限り明らかに化け物系だから見た目が子供でも年上かもしれない
「じゃあ、玉藻さん?」
一瞬、ばあさんと呼ぼうかと思ったがやめといた。
「うむ、なんじゃ?」
なんでだろう?子供の姿の相手に敬語使うの激しい抵抗感が・・・
「姉さんどこ行ったかわかります?」
「水月希か? 奴ならアズマリアの娘の分身と戦っておったが分身が消えた後、学園島に戻る前にアズアリアの娘が離脱したため追撃していきおったわ」
そういや、分身がどうとか言ってたなあの子・・・
ローズマリーと並んで。ああいうにこにこした女の子って裏にどんな力隠してるか分からないから恐ろしいところだ。
姉さんも多分、本気だしていてはいないだろうからはっきりしたことは言えんが分身で戦い、更に姉さんと戦えるとなるとRランククラスだな・・・
少し、俺に興味会ったみたいだからやだななぁ・・・
そんな話をしていると寮の前まで戻ってきたので階段に向かおうとすると
「優希。あなたと遠山さんのお部屋は何階の何号室ですか?」
とメーヤさんが聞いてきたので
「どうかしたんですか?」
「ちょっと、買い物をしたくて」
とコンビニに視線を向けたので
「じゃあ、俺もコンビニ寄っていきますから一緒に行きましょう。キンジは玉藻・・・さんとアリアと先に戻っててくれよ」
「分かった」
アリアの容体も気になるところだが本当に危機的状況ならこんなのんびりしてるはずないから多分大丈夫だ。
アリスを呼ぶのも見送るか。
2人を見送ってメーヤさんとコンビニに入る。う・・・修道服の巨大十字剣を背負った女の人とコンビニなんて目立ちすぎる・・・
ここが、学園島じゃなければ通報される。
とはいえ、武偵という職業が出来てから剣を持っている人なんて少し探せば目に入るけどこんな特殊な武器はあまりというかほとんど見かけない。
「らっしゃせ~」
「で、何買うんですかメーヤさん」
流石は学園島のファミマ。店員さんも俺達を見てもやる気のないのんびりした声だ。
メーヤさんが口を開こうとした時
「何ィ!」
と雑誌コーナーからの声に振り向くと驚いた顔をしたRRR会長村上だった。
「よ、よう村上。怪我治ったのか?」
確かこいつ京都の病院に入院してたはずだが退院したんだな・・・
というか完全に忘れてた・・・すまん
「ふっ、レキ様のいない京都などに1秒たりともいてたまるか!根性で治して帰ってきた!それより、椎名ぁ貴様はまた!」
「あ?」
村上は拳を握りしめてメーヤさんを指差し
「なんだその女は!また浮気か!浮気なんだな!」
「人聞き悪いこと言うんじゃねえよ!なんだよ浮気って!」
「その言葉レキ様の前で言えるんだな!」
「はっ?なんで、レキの名前が出てくるんだよ」
「貴様はレキ様のこ、ここ・・・婚約者だろうが!」
ああ、それか・・・
そういや、そうだった・・・
風の洗脳が原因だったんだからレキは俺なんかと婚約したくないはずで勝手に解消されてると思うんだがこいつはそう思ってるんだった・・・
少し説明してやるかな?
一応、村上もランパンと戦ったんだし
「あのな、村上レキとの婚約なんだが・・・」
「あら?やっぱり優希はレキさんと結婚するんですか?」
メーヤさん!あなたは黙ってて!村上はレキ関連にはうるさいんだから!
「ちょっ、メーヤさん!」
「一体何人の女に手を出す気だハーレム野郎!やはり、貴様にレキ様はふさわしくない!どうせ、その女もこの後手を出す気だろう」
ああ、後ろで店員のバイトの女の子達がひそひそ話してるよ・・・
「いやだから違うって!村上聞けよ!」
「あのぅ。買い物しても?」
と、メーヤさんが聞いてきた。
そろそろ切りあげないと
「ええそうですね。買い物しましょう。上でキンジ達も待ってるし」
俺は村上に向き直ると
「京都の件は感謝してるよ。だけどな、レキのことはいろいろあるし複雑なんだよ。それと、俺は誰とも付き合ってないし女の子にも手をだしたりなんてしてないからそれだけは信じてくれよ」
「・・・」
村上は何も言わずにスマートフォンを手にコンビニを出ていった。
分かってくれたのかな?
あいつも、悪い奴じゃないんだよなレキ関連以外は・・・
「これとこれと」
メーヤさんが買い物している方に行く。
「何をか・・・」
ちょっとだけびっくりする。
メーヤさんはひょいひょいと洋酒の瓶を買い物かごに入れていく。
大きな冷蔵ケースの中から酒が消えていいく。
1つでは足りずにどんどん2つ、3つと買い物かごが増えていく。
そういや、そうだったな・・・ステルスというのは能力を使えば何かで補充する必要があるという。
秋葉の場合は甘いもの、メーヤさんの場合はアルコール。
つまりは、酒だ。
「よいしょ」
がちゃがちゃと瓶を放り込んでいく。
おいおいもう、ケースの中酒がないぞ。
アル中とかいうレベルを超えている。
店員さんも口をあけて絶句してるし
「ん!」
酒が満載されたかごをメーヤさんが屈んで持ち上げると白雪より大きな胸が揺れたので俺は慌てて目を反らすと1つのかごに手を伸ばす。
「手伝います」
「ありがとう」
2人でレジに籠を持っていき店員さんは泣きそうな顔でレジを打って、更に横で別の店員さんが袋に詰めていってくれる。
年齢確認しないのね・・・
まあ、メーヤさんの場合イタリア人だから16歳以上なら飲んでもいいわけなんだが日本でそれはいいのか?
「さ、32万9754円のお買い上げでございます」
そんな金額打ったのは初めてなのだろう。店員の女の子緊張してるよ」
「はい」
とメーヤさんは財布を取り出すと万札がびっしり詰まった中からお札を取りだしていく
「て、Tポイントカードはございますか?」
顔をひきつらせて別の店員さんが酒の部分が空になった冷蔵ケースとメーヤさんを交互に見ていった。
ちなみに、TポイントカードとはTTポイントの略でレストランやレンタルビデオなんかで使えるお得なカードだ。
「Tポンポンカード?」
首を傾げるメーヤさんは俺を見ると
「優希は持ってる?」
と柔らかく微笑んで聞いてきたので俺は財布からカードを取り出すと店員さんに渡した。
えっと、ほぼ、32万強って何ポイントつくんんだろう?
ギアを上げていきたいですがすごく最近は忙しいのでやになります。
早く理子メインのこの章書きたいデス