緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第20弾 優希vs武偵殺し

弾を補充した理子のワルサ―と撃ちあえば結果は見えてる。

理子の銃撃を銃弾撃ちつまり、ビリヤード撃ちで弾く。

ガバメントの弾数が3を切った瞬間、俺は右のガバメントを撃ちながら理子に向けてワイヤーを発射した。

 

「きゃはは!」

 

理子は笑いながらそれを軽々と避ける。

予想済みだ!

俺は左のガバメントを発射しながら左のワイヤーを発射した。

 

「!?」

 

理子の顔に驚愕の表情が浮かび上がった。

隠してきた切り札の1つ!

 

「なーんちゃって♪」

 

理子は口元を歪めながらそれをかわした。

俺がずっと隠してきた2つ目のワイヤーの攻撃をかわしたのだ。

でもなぁ違うんだよ!俺の狙いは!

 

理子を交差するようにワイヤーは後ろの壁に突き刺さっている。

一気に両側のワイヤーを引き戻し俺は前方に加速した。

 

「なっ!?」

 

接近戦は出来ないとたかをくくっていたのか突っ込んでくる俺に理子は目を見開いた。

だが、それは一瞬で理子は俺に向けワルサ―を2連射する

甘いな理子

右の腰から再びワイヤーが飛び出し機内の壁に突き刺さり、左のワイヤーと同時に巻き戻し操作をする。

左手は壁から放して巻き戻しているので理子はその動きを見ざる得ない。

右にぐんと引っ張られた俺は機内の斜め上の空中で右越しのワイヤーを外し右のワイヤーの巻き戻しで理子に突撃する。

この間1秒もない。

理子も腰のワイヤーがあるのは予測できなかったかあるいはこんなタイミングで使われるとじゃ思っていなかったのか致命的な隙を俺は見つけた。

 

「俺は女だからって手加減したりなんかしねえぜぇ!」

 

超加速を加えた右ストレートが理子の腹にめり込んだ。

 

「ぐっ!」

 

同時に右のワイヤーを壁から回収し巻き戻す、理子は通路に沿うようにぶっ飛び地面にたたきつけられるかと思ったが爆転し、体制を立て直す。

浅かった。

理子は打撃の瞬間、衝撃を和らげるため後ろに飛んだのだ。

距離的に5~6メートルの距離

俺は追撃をかけずにこの間にガバメントの弾の補充をし、理子に向ける。

 

「フフフ、きゃははは」

 

なんだこいつ?いきなり笑いだしやがった。

 

「何がおかしいんだ4世ぃ?」

 

今の俺は徹底的に相手を罵倒し戦闘を楽しんでいる。

キンジのヒステリアモードとは少し違う。

これは暗示だ。

特定の動作と条件で俺は普段の数倍の集中力を高めることができる。

集中力だけだからキンジのように身体能力が上昇するわけじゃないがな。

だが、困ったことにこの状態、戦闘狂になっちまうんだ。

 

「くふふ、ひっどいなぁユーユー、うそつきだねぇ。 接近戦はEランク並みだったんじゃないのぉ?」

 

「はっ! 授業が全てだとでも思ってたのか? それにお前が言えるセリフじゃねえだろ?」

 

俺は笑みを浮かべて返してやる。

そう、俺は接近戦はできないと装ってきた。

Aランクにいるのもそれが理由だ。

Sランク任務は銃技だけじゃ死ぬ危険があるからな。

だが、強さをセーブし、ここぞと言う時に投入する。

理子もおそらくは俺のことを調べていたはずだ。

何せ、こいつには左のワイヤーのことはすでにばれてるんだ。

入学試験の時にキンジと戦った時に使ったからな左のワイヤー。

 

「アハハハ! 私達も似てるねぇ! 切り札を隠し持つ状況とかさ。 それでどうするの優希?」

 

「アリア達の復帰を待つまでもねえよ。 ここでお前は逮捕だ!リュパン4世」

 

ぐっと加速のため右足に力を入れたその時、機がぐらりと揺れた。

 

「っ!」

 

体制を崩されガバメントの発射ができないため右腰のワイヤーを発射した瞬間、ワイヤーに銃撃が命中した。

やられた。

アリアにやられたワイヤー撃ちだ。

失速してワイヤーは壁に突き刺さらず床に落ちて行く。

その一瞬で、理子は滑るようにして接近してきた。

アリアと同じように銃撃戦、に持ち込まれる。

まずい!

本能がそう告げている。

こいつと長期間の接近戦は不利だ。

銃を撃ち手を弾きながら俺は理子の髪が動いているのが見えた。

ナイフが来る。

ばーいというように理子に髪のナイフが一閃、二閃する。

 

「くそったれが!」

 

ナイフを手に持つガバメントで受け止める。

理子の目が獲物を捉えた鷹の目のように細まる。

ワルサ―が俺の胸を向き・・・

 

その瞬間、俺は後方に飛んできた。

普通に飛んだのではない。

ワイヤーの力を借りている。

腰の後方に設置されたワイヤーに引かれ後ろに飛びつつ理子の放った弾丸をビリヤード撃ちで迎撃した。

アリア達が逃げたドアの前まで後退した俺は再び理子と対峙する。

 

「・・・」

 

「やるじゃない。 その技能ならSランクとして通用しちゃうよ優希ぃ」

 

「ランクには興味ねえよ。 Aランクで十分だ」

 

「キャハハハ! でもね。 理子知ってるんだよ! その両手もう、限界じゃない?」

 

「何のことだ?」

 

笑みを崩さず言うが内心ではばれたかと思う。

そう、バスジャックのあの日に受けた傷が、ぶり返してきてる。

通常ならあの、理子に叩き込んだ腹の一撃で決めるつもりだった。

理子が後ろにとんだのもあるが威力がかなり低かった。

正直、ガバメントを持つ左手はぶるぶる震えており感覚がほとんどない。

右手はまだ、あるが後1発撃てればいい方だ。

時間稼ぎはしてやったぜ。キンジ、アリア後はお前らがやれ

押しつけるようになっちまうがな。

 

「決着をつけようぜ4世ぃ」

 

「その名前で呼ぶな! 私は理子だ!」

 

俺は理子を睨みなながら発砲。

互いの銃弾が激突したその瞬間、激しい光が当たりを包んだ。

 

「なっ!」

 

理子の声が聞こえる。

こいつは武偵弾の1種閃光弾だ。

一流の武偵しか持てず特注のため、1発100万はするとてつもない弾丸。

俺はそれを躊躇なく使い。

理子に気付かれないため目を閉じなかった俺も視力が飛ぶ。

一時的な失明だ。

理子も一時的失明したはずだがこの腕でとどめは難しい。

背後のドアに入り閉めて歩き回り記憶した廊下を走り感覚でアリアの部屋の前まで来る。

まだ、目は何も写してはいない。

ここにアリア達がいる保証はないがキンジならここに逃げ込むだろうと言う確信があった。

俺は扉をあけると転げこむようにその中に飛び込むのだった。

 


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