緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第184弾 RRR最後の日(?)

逃げたら射殺します。

私はあなたのものです

ようはこの2つのメッセージを俺に伝えたかったんだなこの子は・・・

というか冗談抜きに逃げたら射殺される・・・

先ほどの戦い・・・いや、人間狩からそれが可能なことは実証された。

微動だにしないレキを見ながら俺はため息をついた。

とりあえずだ・・・

「えっとなレキ・・・結婚なんだけど・・・」

キロとレキは俺を見てくる。

今更できないは許さないという目だ。

「に、日本の法律では男は18歳までは結婚できないんだよ。だから、結婚は18になるまで・・・な?」

「・・・」

こくりとレキは頷いた。

ふー、よかった。

日本以外の国で結婚するようなことになったらそのまま、レキが花嫁になっちまうからな

この状況で助けてもらうのは・・・

信冬しかいないが・・・

あいつに助けを求めたとしてなんていうんだ?

友達に結婚迫られて受諾してしまいました。

この子は昔、姉さんが決めた俺の許婚です。

駄目だ殺される・・・特に雪村辺りが激怒しそうだ・・・

信冬は・・・

「どちらが正妻なんです?」

とにっこりと聞いてくるのが思い浮かんだ。

こ、こえええ駄目だだめだ!あいつに助けを求めるのはアウト!

となると大人に助けを求めるのがベストだろう。

ここは土方さんに・・・

携帯の電話帳を呼び出してから手を止める。

パチンと携帯を閉じてからレキを見る。

微動にしないレキだがじーと俺の行動を見ているな。

傍から見ればどんな状況か知らんがまあ・・・

「とりあえず、ここにいてもしょうがないから行こうぜ」

こくりとレキは頷いて歩き出した俺の後ろをついてくる。

「後ろじゃなくて横に並んで歩けよ怖いじゃないか」

「はい」

とレキは素直に俺の横に並んで歩き出す。

「というかこれからどうするんだよ? 結婚はとりあえず18までおいといてだ」

「あなたに従います。どんな命令をしてもいいですよ」

「じゃあ、結婚を撤回してくれ」

「それは出来ません」

やっぱりね。

じゃあ、レキがやらなさそうなことを・・・

「両手の甲を頭に当てて少し曲げてにゃんと言ってみろ」

レキは黙ってそのポーズをとり

「にゃん」

と普段絶対に言わないようなポーズで無表情のままそれを言った。

すみません悪乗りしすぎました・・・

ちょっと上目遣いのそのポーズかわいすぎる・・・

「もういい・・・」

というとレキは手を下げてくれた。

どうしよう・・・

「一応な言っておくがなレキ俺は、家族と友達の親を殺した犯罪者だ分かってるのか?」

「知ってます」

「だったら・・・」

「それはあなたの本意ではない。それを私は聞きました。それを責めるようなことはありません」

だろうな・・・

「まあ、お前は一緒に実家言ったもんな。知らないわけじゃないか・・・とりあえず、今日はもう、別れようぜ

家に帰ってまた、学校でな」

と一刻も早く逃げたい俺は早足になろうとした瞬間くいっと袖を掴んできた。

「え?」

「私から離れないでください」

「なんで?」

「敵に襲われてはいけませんので」

「敵って・・・まあ、心当たりは山ほどあるが・・・」

主に姉さんのせいで世界中の組織から間接的に狙われてる可能性があるがな。

ローズマリーは最近現れないからどうなってるのか知らんが・・・

「で? 離れないってことは俺達の寮に住み着くのか?アリアみたいに」

レキはふるふると首を横に振り

「優さんはアリアさんと共にいてはいけない。私の部屋に来てください」

「アリアと一緒にいてはいけない? どういうことだ?」

「風が言っているのです」

また、風か・・・

この際、この洗脳みたいな状態からレキを開放してやるのが近道かもしれないなこの状況を打開するには・・・

幸いレキは俺のこと心から好きなわけじゃなく風とかいう電波に従ってるだけらしいし。

土方さんたちに相談したらなんとかしてくれるかもしれないが荒事になる可能性が非常に高い。

こんな状況でもレキは俺にとっては大切な友達なんだ。

実家では俺の過去を受け入れてくれたしこれまで何度も俺を助けてくれた。

できるだけ穏便にレキの風の洗脳を解く。

このロボットのような性格もきっと洗脳のためだ。

レキの人間化計画だなこれは。

よし!決めた!

「じゃあ、お世話になるかな」

幸い女子寮には秋葉もいる。

フォローしてもらうとするか・・・

そこまで、言った時だった。

カシャンと何かが落ちる音がしたので振り返ると眼鏡をかけた男が・・・む、村上?

レキ様ファンクラブRRR会長村上だった。

「か、会員ナンバー59が妙な会話を傍受したから来てみれば・・・まさか・・・」

ショックを受けたように村上は後ずさる。

「れ、レキ様どうか答えてください。椎名 優希にプロポーズしたというのは本当なのですか?」

「・・・」

レキが俺のほうを見てくる。

俺が頷くと

村上を見ると

「本当です。私は優さんに求婚し、優さんもそれを受け入れました」

「のおおおおおおおおお!」

村上は発狂したみたいに頭を抑えて地面に倒れる。

ゴオオオンとやばい音を立ててアスファルトに頭を打ち付ける。

「嘘だ!嘘だ! おのれ椎名優希!レキ様を脅したな!そうに違いない!」

「脅してねえ!むしろ脅されてるのは俺だ!」

「嘘をつくな! あのレキ様がそんなことなさるはずがない! こうなったらRRRの総力をあげて貴様を抹殺してやる!

全軍かか・・・」

その瞬間、レキが動いた

とっさに俺は

「レキ!殺すな!」

紛れもない殺気を俺は感じたのだ。

レキはドラグノフを構えると3発、更に路地から出てきた2人に

向けてドラグノフを撃った。

防弾制服越しだが肩を抑えてのた打ち回る2人

RRRの会員だな。

「れ、レキ様どうして」

チャキとレキはドラグノフを村上に向けた。

村上はショックなのか動けないでいる。

トリガーに力が入った瞬間

「やめろレキ!」

と俺が怒鳴るとレキはぴたりとロボットのように動きを止めた。

こ、この場を収めるにはこれしかねえ!

俺はレキの肩を掴んで抱き寄せると腕の中に抱いて

「お、俺とレキは付き合うことになったんだよ。お前らいい加減にしないと俺の彼女に射殺されるぞ」

付き合っているということにすればこの状況も村上たちは理解できるかもしれない。

だが、俺は甘く見ていたRRRという存在はレキを神格化しているのだ。

「み、認めるものか!レキ様は孤高の・・・」

「私は優さんのものです。 これ以上優さんに害を与えるというなら私は1発の銃弾となりあなたを滅します」

村上の声をさえぎるようにはっきりとレキにいわれてしまい村上は完全に言葉をなくししばし、呆然として黙ってしまった。

魂が抜けたという表現が正しいのか・・・

くいとレキが俺の袖を引っ張る

「私の部屋に行きましょう。ここは危険です」

と、非公認とはいえ完全に自分のファンクラブを危険物扱いをしたレキに引っ張られ俺はそこを後にした。

最後に聞こえた村上達の言葉は

「もう・・・レキ様ファンクラブは・・・おしまいだ」

と悲劇に満ちた声だけだった。

 

 


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