緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

158 / 261
第157弾 ヤンデレvs優希

「後はてめえだけだ砂漠の魔女!」

 

姉さんがまとめて、外に放り出した敵と戦闘する音を聞きながらパトラに言った。

秋葉と俺で2対1だ。

 

「たわけたことをぬかすな椎名優希、水無月希はともかくお前らなど妾の敵ではないわ」

 

「へ、そのわりにはさっきはびびってたなおかっぱ頭」

 

「汝……」

 

怒気がパトラの回りに立ち上った。

 

「優君私がパトラを抑えます。アリアさんを」

 

「分かった。だが、秋葉、お前……」

 

ステルスを相当消費してるだろうと言おうとしたが秋葉は頷いただけだった。

もう1度、緋刀の力を使いたいが反応がない。

まだまだ、自由にはいかないか……

なら、ステルスには秋葉をぶつけるのが上策か

 

「行ってください!」

 

右腕を振りかぶった秋葉の右手から竜巻がパトラを飲み込むと同時に柩に向かい走り出す。

 

「動くな!椎名優希」

 

バチバチと突風と同時に砂嵐が俺を包み込むが構わず突っ込む

 

「迂闊ですね」

 

「なんじゃと!」

 

秋葉が左手を俺に向けると

 

「風は私のものです」

 

砂嵐の風が消滅する。

秋葉が中和したのだ。

 

「小娘!」

 

激昂したパトラが竜巻に逆らって一歩前進してきた。

 

「行かせません!」

 

更に、秋葉は竜巻の威力を高めるがその顔は苦し気だった。

 

「ホホ、ここに来るまで相当ステルスを使ったようじゃの椎名の近衛、妾は無限、汝はガス欠寸前、何時まで持つかのう?」

 

「う……く」

 

秋葉は長くは持たないか!

黄金柩の前にワイヤーを撃ち込んで飛び上がった瞬間

アリアの黄金柩を足元に置いていたスフィンクスが動き始めた。

10メートルクラスの怪獣みたいだな。

 

「邪魔だ!飛龍一式風凪!」

 

ステルス無効のカマイタチがスフィンクスに直撃するとガラガラと砂に戻っていく。

アリアの柩まで後少し……

今、助けてやるからな!

 

「止まらんか!椎名優希!」

 

ヒステリックな声に振り向くとステルスを使い果たした秋葉をパトラが踏んでいる。

 

「てめえ!秋葉から汚い足をどけろ!」

 

ガバメントをパトラに向けるが秋葉から水蒸気が立ち上ぼり始めた。

 

「飛び道具を捨てて棺から離れるのぢゃ、椎名。この女をミイラにするぞ」

 

そういうと秋葉の体から水蒸気の量が増す

 

「ゆ、優君……私に構わずに……」

 

「黙っておれ!」

 

ドカッとパトラが秋葉の体を蹴飛ばした。

 

「うっ」

 

苦悶の声を上げた秋葉に俺の中の何かが反応する。

 

「パトラ貴様!秋葉になんかあったらてめえは絶対に殺す!」

 

熱く、体があの感覚に支配されそうになった時

 

「緋火星鶴幕!」

 

飛び出してきた白雪の袖の中から無数の折り紙の粒が飛び出し石つぶてのようにパトラに飛びかかり空中で燃え盛る火の鳥に化けてパトラに体当たりして爆発していく

 

「むお!」

 

パトラは慌てて、秋葉から離れる。

白雪はデュランダルを抜くとパトラのイロカネアヤメと切り結んだ。

 

「優!」

 

「キンジ!白雪!」

 

どうやら、時間までには間に合ったらしいが助かった。

 

「キンちゃん、優君!私は5分しか持たない!その間にアリアを救出してっ!」

 

「キンジお前が行け!」

 

「分かった!」

 

パトラに牽制のためにガバメントをフルオートで撃ち込みながら気絶した秋葉をお姫様だっこすると端まで走る。

 

その間にキンジがアリアの柩に迫った。

 

「止まらんか遠山キンジ!」

 

 

白雪がぶっとばされ距離が開くとパトラが手をキンジに向けた瞬間

 

がんっ!

 

その音はピラミッドの外から聞こえてきた。

がんっ、がんがんざざぁッ

なんだ?この音は?姉さんか?いや

がしゃあああんとガラスが割れて赤く塗装されたオルクス潜航艇が室内に乱入してきた。

その中から武偵高女子制服を着たカナが飛び出してきた。

 

「トオヤマ、キンイチ……!いや、カナ!」

 

かああと顔を赤面させたパトラ

 

パパパパパパッ!

長い三つ編みを翻し、華麗なムーンサルトを見せたカナの周囲で6つの光がほとんど同時に閃いた。

インヴィジビレ、見えない射撃の6連射だ。

パトラはバック転してせれをかわしたが猫みたいな姿勢で金の砂漠に降り立った膝に一筋の血を流している。

す、すげえな銃だけであのパトラを簡単に負傷させるなんて……

姉さんは力づくだがカナさんはエレガントという言葉が似合う。

本当に男かと疑っちまうよ。

 

「出エジプト記34章13―汝ら彼等の祭壇を崩し、偶像をこぼち、きり倒すべし」

 

聖書の一節を呟き空中で片手で6発の銃弾をばらまいたカナはジャキンと振りかぶった銃を右から左へ空中で銃弾をぶつけるよう払った。く、空中リロードか!

昔、やってるやつみたことあるがもの凄い技術だな……

あれを修得できてれば今回だって……

 

「キンジ。私があげたナイフは、まだ持ってるわね。緋色のバタフライナイフを」

 

キンジが頷いた。

 

「あのナイフを持ったまま、アリアに口づけしなさい」

 

「く、口づけええええ!」

 

うわ!白雪の前でカナさんそれは……

カナさんが俺を見るとニコリと微笑んだ。

ちょ!カナさんまさか!

 

「キンちゃん駄目!キスするなら私私私ぃ!」

 

我を忘れた白雪の前に紫電を抜いて立ちふさがる。

秋葉は端に寝かせてある。

 

「邪魔するの優君……」

 

「お、落ち着け!白雪!カナさんにも何か考えが……」

 

 

なぜ、キスなのか激しく疑問だがお姫様はキスで目が覚めるのか?

いや、それより黒雪さん!今、戦ってる場合じゃ……

 

「天誅!」

 

ガアアアアンとデュランダルと紫電が激突する。

なんだって、アリアを助けに来て白雪と戦ってるんだ俺は!

 

「パトラ。今の私は女にも容赦しないわよ」

 

「カナ……トオヤマキンイチよるでない。妾はお、お前とは戦いとうない」

 

「パトラ。あなたは獣のように獰猛に見えて実は、とても頭のいい子。左右の手で別々の文字を書くように、幾つもの物をテレキネキツソで動かせる。でも、その集中力にも限界があるはず」

 

「バカにするでない!妾は、妾は、おお、お前のことなど好きで、あ、す、好きにできるのぢゃぞ」

 

セリフを噛みながら大皿のような砂の盾を6つ展開させ、カナとパトラの戦いが始まった。

 

「ヒノカカビ・ソウコ!」

 

 

「うわ!」

 

ミキサーみたいに振るわれた炎の刃を紫電で受けると炎が霧散するが紫電と離れると炎が復活する。

熱ちち!ローズマリーもそうだったが炎使いは厄介すぎだ

 

「白雪落ち着け!」

 

まさか、本気で戦うわけにもいかないが

 

「キンジ早くしろ!」

 

「駄目ぇ!キンちゃんとキスしていいのは私だけ!邪魔するなら抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺ぅ!」

 

引いた白雪が正面からは刀剣が見えなくなるほど、背後に大きく振りかぶる。

げ!あれはまさか!

 

「星伽そう天流奥義双重流星!!」

 

十文字にクロスさせるように、渾身の力を込められたパトラとカナとの戦いでこぼれ落ちたのか取り戻していたらしい両方の刃を俺に向けて振るった。

ずあああああああと刀剣から放たれた深紅の光がXの刃になり紫電で迎撃した俺は凄まじい衝撃を受けて俺はぶっとばされて壁に叩きつけられた。

ずるずると壁から落ちつつ、白雪が力を使い果たしたのか前に倒れていく。

白雪さん……力の使いどころ間違ってるから……

横目にはカナが巨大な大鎌でパトラを追い詰めておりキンジは……

 

「キンジ!」

ダメージが大きく紫電を砂に刺して起き上がりながら俺はキンジとキンジがアリアの棺によって、蟻地獄のようにアリアの棺ごと沈んで言っていた。

罠か!

ワイヤーで二人の元に行こうとしたがダメージがでかすぎる。

 

「キンジ!アリアぁ!」

 

絶叫する俺の声が広間に響き渡り二人は砂の中に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘だろ……


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。