緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第150弾 カジノ警備戦

あの女か?

周りを見渡しながら悲鳴を上げて逃げまとう客達

 

ハイマキを首に噛みつかせたまま、ジャッカル男が起き上がるとぶんと頭を振り回しハイマキを床にぶち当てて振りほどいた

 

「ハイマキ!」

 

ハイマキが朦朧としている中こちらに赤い眼をぎらつかせてくる

 

「気をつけてください優さんあれは。人間ではありません」

 

「ああ、操ってるのは多分……」

 

簡潔にレキに首なしライダーの話をしてから、ガバメントをジャッカル男に向ける

 

「蟲人形」

 

目を丸くして飛び込んできた白雪が言ったキンジもいるな

 

「優君!」

 

秋葉が俺に向かい紫電を投げつけてきた。

 

「サンキュー秋葉!」

 

「みんな気をつけて!この敵の中身に触れると呪われちゃう!」

 

白雪は背中に手を伸ばすが刀はない。

キンジに聞いたんだが白雪の実家が取り上げて、その後、何者かに盗まれたのだ

 

一瞬眉を寄せた白雪は、すぐさまバニーガールの衣装の尻尾から何枚化の紙切れ、いや、お札を出した

 

「伍法緋焔札」

 

白雪がお札をばらまくと横一列に滞空さバッ!と一斉に燃え上がる

 

「キンちゃん伏せて!」

 

ぱちん! 叫んだ白雪が両手の甲を合わせて鳴らすと火球とかした5枚の札が昭明弾のように迫り、ジャッカル男が気づくと視線を避けるようにバラバラになり火炎放射機のように、炎を浴びせかける

 

す、すげえな

 

「ダメです。あれはおそらく火に強い」

 

熱風にショートカットの髪を揺らすレキがテーブルの裏に隠していたらしいドラグノフ狙撃銃を取り出した。

昔、姉さんに聞いたのを思い出したが超能力には複雑な属性がある。

超能力者達が使う術は70~80もの複雑な属性と相性がある。

例えば、紫電の雷神と呼ばれた男の属性は雷で公安0の沖田は水、水は電気を通しやすく文字通り最悪の相性だ。

逆に白雪の炎と沖田の水なら相性は沖田にとっては最高となる。

姉さんに聞いたが相性なんてものは達人になれば覆すのは不可能ではないらしいが……

なんにせよ、今は白雪にとって相性は最悪だ。

分からないわけないのに

 

「来なさい傀儡!キンちゃんには指一本触れさせません!」

 

「白雪さん、ここは私が」

 

炎は相性が悪いと秋葉がだんと上空に風を纏い飛び上がると右手を空に上げて

 

「潰れなさい」

 

一気に降り下ろした。

圧倒的質量の暴風がジャッカル男を押し潰す。

ズウウウウンとクレーターがジャッカル男の回りに現れ、ジャッカル男はざぁと黒い砂になってしまう。

なるほど、首なしのからくりはあれか!

秋葉の竜巻に突っ込んでも砂になれば巻き上げられて消える。

同様に再構成されたか予め用意されてた首なしライダーが後から現れるというからくりだったらしい。

 

「白雪さん、落ち着いて下さい。相性はあなたに悪すぎます」

 

「で、でもキンちゃんの……」

 

「落ち着け白雪、俺は大丈夫だ。秋葉の言うことを聞け」

 

「う、うん分かったよキンちゃん」

 

なんとか向こうも落ち着いたらしいな

 

びびび

 

ん?

砂の中から黒いコガネムシ?どっかで見たような……

 

「優さん、前に出てはいけません。あの虫は危険です」

 

「どういうことだ?」

 

「……」

 

説明しろよレキ

 

「優さん」

 

抑揚のないしかし、緊張感があるレキの声

見るとレキはミンやシンと戦った時につけていた銃剣をドラグノフにとりつけている。

 

ドラグノフ狙撃銃はアサルトライフルをベースにした銃だからな

 

「まずは白兵戦で敵を減らしつつ、場所を変えましょう。ここは狙撃に向きません」

 

そう言われて初めて気付いた。

なるほど……

 

「私の銃弾はあと4発しかありません。弾数より、敵の方が多い」

 

斜め上の方を見てから

 

「秋葉!キンジと白雪をサポートしろ!レキは俺がサポートする!」

 

「はい!」

 

戦闘だから、秋葉は余計なことは言わずに従ってくれる。

 

絢爛なシャンデリアの向こう、ホールの天井にジャッカル男がウジュウジャと張り付いていたのだ。

ざっと見て30体ぐらいか

秋葉が周囲に風を纏っている。

いざとなれば、咲夜を守ったときのような風の防護壁を貼るつもりらしい

さて、やるか

 

バスバスバスバスバス

 

ガバメントの発砲音と共にジャッカル男が2、3人天井から落ちた。

お、俺じゃないぞ

 

「はぁー。また、こういうタイプね」

 

と呆れるようなアニメ声と共にアリアとが現れ、バスバスと足元の敵に45ACP弾をぶちこむ

へー、慣れてるなアリア化け物のとの戦いに

 

「ほらバカキンジ、バカユウ、何ボーとしてんの!」

 

バンザイしながらジャッカル男達を叩き落としていくアリア。

ジャッカル男達はゴキブリみたいに天井の四方発砲に逃げていく

 

「こういうときは敵が降りてくるのを待つんじゃなくて、自分から上がるの!優!」

 

スツールとテーブルを踏み台にした瞬間気付いた。

はいよアリア

ワイヤーを発射して天井に刺して引き戻すアリアと二人でシャンデリアに乗る

 

「レキ!」

 

アリアが言うとレキが発砲し、シャンデリアの金具を掠める。

その衝撃で、シャンデリアはアリアを乗せたままメリーゴーランドみたいに回り出す

俺とアリアは回転しながらガトリング砲のように撃ちまくる

雨のようにジャッカル男達が落ちていく

 

「ハハハ!害虫退治だな!」

 

戦闘狂の高揚感で楽しみながら撃つ撃つ撃ちまくる。

 

ジャッカル男は床に落ちてコガネムシを飛びたたせる。

落ちた奴はキンジ達が止めをさしていた。

 

後2体!

シャンデリアから飛び降りると紫電を抜き放つ

 

「飛龍一式!雷落とし!」

 

紫電がジャッカル男の頭に触れた瞬間、ザアアとジャッカル男が砂に戻った。

やはり、ステルスで作られたものなら紫電に触れただけで瓦解する。

さて、後1だ!

 

「てめえで最後だ!あの女出しな!」

 

「ぉぉぉーん」

 

ホルンのような遠吠えと共に窓を体当たりでぶち破り出ていった。

 

逃がすかよ!

 

「レキ!」

 

接近戦では一流には及ばないレキの腰を右手で抱えると左のワイヤーを発射し、外に飛び出した。

 

あいつら!

水面を滑りながら奴は逃げていく

 

「レキ!」

 

「はい」

 

この距離は拳銃の距離じゃねえ

狙撃でやるしかねえ!

 

「私は一発の銃弾……」

 

レキが引き金を引こうとした瞬間、レキの前で何かが突き刺さり爆発を起こした

 

「!」

 

レキが発砲をやめる。

紫電を構えながらレキの前に出る

 

 

「ワハハハハハ!君の相手は俺だ」

 

土煙が晴れていく。

そこには二人の人影

腕を組んで豪快不適に笑う大男、そして、もう一人はおっさんくさいポロシャツをきた……

 

「よう、まあ会ったな嬢ちゃん」

 

「……」

 

レキの前に立ったのは実家でレキと戦い月詠との戦闘を避けた荒木源也だ。

 

「荒木源也よ。あの少女の相手は任せるぞ」

 

20代くらいの青年は笑いながら俺を見る

 

「少年!君の相手は俺だ」

 

「誰だよてめえ!」

 

「ジャンと呼んでくれていいぞ」

 

ちっ、こういうタイプは厄介なんだよ……姉さんみたいな性格の相手はな……

横のレキを見ながらやるしかねえかと紫電を構えた。


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