緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第119弾 零式

新たな敵の出現に、鬼の仮面も出方を伺っているようだ。

下に落ちた鬼の仮面の動向も気になる。

 

「気を付けろよ鏡夜、あいつAランク並みの力がある」

 

「Aランク?ふん、雑魚だな」

 

鏡夜はずいっと俺の前に出ると赤い柄の日本刀に手を置いた。

 

「手を出すなクズ。お前の力なんか借りなくても十分だ」

 

そういや、こいつが戦うのを見るのは随分久しぶりだな。

俺が答えるより早く鬼の仮面が動いた。

爆発するような加速で4本の西洋式の剣鏡夜に振りかぶる。一瞬、鏡夜と交差する。

普通のひとが見たらただ、すれ違ってだけに見えるだろう。

ぎちぎぎち

 

鬼の仮面が再び攻撃しようと振り返り走り出した瞬間、鬼の仮面が真っ二つになって地面に倒れる。鏡夜はそれを蹴飛ばすと地面に落下した残骸は炎を出して燃え始めた。

 

「飛龍零式瞬影

 

燃える残骸を見ながら鏡夜はふんと息を吐いた。

零式を極めてたのか鏡夜……

椎名の剣の一刀流の中の上位種の1つ、瞬影。

こいつは、居合いから剣を抜いて仕舞うまでの動作がまるで見えない。

超高速の斬撃だ。

子供の頃の俺は筋肉不足でできなかった技で今なお、俺も練習中の技。

そうか、お前俺を越えたか

子供の頃は泣き虫だったお前がな

 

ボンと爆発する音に振り向くと一体の鬼の仮面が正門に向かい逃げるところだった。

まずい、あんなもん町中に逃がしたら……

 

「……」

 

鏡夜はそれを見てるだけ

 

「くそ!」

 

屋根から飛び降りると走り出す。

だが、運動能力は格段に相手が上らしい。

森の中に、鬼の仮面は入っていく。

 

「優!」

 

正門から飛び出すとアリア達が丁度到着したらしかった。

 

「何かあったんですか?優君?」

 

そうだ、秋葉なら

 

「秋葉、東京で出た木偶人形だ!上位種らしいそいつと鏡夜と俺は交戦して一匹逃がした!お前なら風の乱れを追って追跡できるはずだ!仕留めてきてくれ」

 

「はい」

 

秋葉は事態を理解したらしくだん、と飛び上がる。

風を身にまとい10メートルくらい飛び上がると森の中に消えていった。

 

「な、なんなのよ?」

 

事態を詳しく理解してないアリア達は困惑している。

ただ、レキだけは何かを感じているのか秋葉が消えた方を無表情に見つめている。

そういや、木偶人形の件、アリア達に話してなかったな……公安0に話さないように言われていたのもあるが……

 

「ユーユーそろそろ白状した方が理子いいと思うなー」

 

情報を秘匿されて

ああ……理子なんか怒ってるのか?

 

「実は……」

 

断片的に情報を伝える。

東京で起こっている事件と関連性を

 

「魔女連隊……厄介な連中がでてきたわね」

 

「おい、アリア、魔女連隊って?」

 

キンジが聞いてくる。

 

「北朝鮮やイランなんかで暗殺やテロなんてしてる犯罪集団だよキー君」

 

「なんだってそんな連中が優の家に?」

 

「さあな?最初は公安0に喧嘩を売ってまで手に入れたいもんが東京にあるのかとも思ったが違うみたいだな」

 

「じゃあ、東京は陽動?」

 

俺は頷いた。

 

「公安0を東京に釘付けにしてここに現れたんだ。連中が狙ってるのはし……」

 

「し?」

 

いや、これは言っちゃっいけないか……

 

「まあ、ともかく心当たりはある。そっちは任しといてくれ」

 

「待ちなさいよ優!秋葉を追わなくていいの?」

 

「やばくなったら撤退できる判断能力は秋葉にはあるさ。それより、俺忘れ物したからちょっと戻る。じゃな」

 

「待ちなさいよ!理子!キンジレキ!」

 

「りょーかい!逮捕だぁ」

 

右手を理子の腕に巻かれぐいっと右手の人差し指と親指で背中を引っ張っるのは無表情のレキ、

 

「すまん」

 

キンジには左手を捕まれてしまった。

 

「お、おいお前ら!」

 

「さあ、優忘れ物取りに行きましょう。絶対に逃がさないわよ」

 

にこりと微笑むアリアさん。

うん、逃げられないねこれ……


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