緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第112弾 弟登場!

「つきましたよ」

 

「「「「「……」」」」」

 

おい、みんな無言になるなよ……

まあ、仕方ないか?

俺も見るのは久しぶりだからな。

 

「じ、実家と同じくらい大きいわ」

 

これに匹敵する屋敷って……

アリアはやっぱり貴族なんだな。

 

「まさか、これほど大きいとは想像してなかった。優お前金持ちだったんだな」

 

「俺の金じゃないけどな」

 

キンジに言ってからレキを見たが相変わらずレキはドラグノフ狙撃銃を背負い、無言で屋敷を見上げている。

 

「ユーユー嘘つきだぁ!」

 

「何がだよ!」

 

屋敷に入りながらホールのようなとこに出ながら理子に言う。

 

「いつも貧乏みたいなこといってたのにユーユーお金持ちぃ!」

 

「いや、だからな!高校からは一円も俺は援助しともらってねえぞ!実家からは」

 

まあ、実は金額無制限のクレジットカードがあるんだがあれは中学の学費意外には使ってない。

高校からは全部、クエストで稼いで学費も納めてるからな。もう、このカードは使わないと決めている。

まあ、自衛隊とか実家の力を借りたのは事実なんだけどな

 

「くふふ、ユーユーと結婚したら逆玉だぁ」

 

聞いてねえな馬鹿理子……

 

「失礼します。お荷物を……」

 

すうと寄ってきたのは数人の仲居だ。

屋敷はメイドと決まりものだがこの家は少し変なとこがあるからな……

 

「ああ、わる……」

 

ボストンバックを渡そうとして40代くらいの仲居の手に触れた瞬間、その仲居は

 

「ひい!」

 

悲鳴をあげて後退り、俺のボストンバックが床に落ちる。

 

「だ……」

 

「も、申し訳ありません!」

 

その仲居は悲鳴をあげて土下座してきた。

大丈夫かと言うつもりだった俺はため息をついてボストンバックを肩に担いだ。

「いや、いいから顔をあげろよ」

 

だが、仲居はぶるぶる震えながら申し訳ありません申し訳ありませんと繰り返しながら頭を上げない。

 

他の仲居に荷物を渡していたアリア達もびっくりした顔でこちらを見てる。

他の連中もそうだな……仲居達は我関せずを貫き、俺と視線が会わないようにしている。

 

「もう行っていいですよ」

 

秋葉だった。

ぽんと仲居の背中を叩くと仲居は弾かれたように立ち上がり失礼しますと走り去ってしまった。

 

「優君の荷物は私が持ちます」

 

「いや、いいよ。部屋に案内してくれないか?」

 

「はい」

 

「ち、ちょっと待ちなさいよ優!なんなのよこのメイド達の態度!」

 

 

怒りで顔を真っ赤にしたアリアだった。

ハハ……タコみたいだな

 

「いいんだよ」

 

「よくない!あんた、実家ってことは主の子息でしょ!メイドは主の関係者には敬意を払うのが普通よ!」

 

まあ、蔑ろにしちゃダメなのはなんとなくわかるけどな

 

「だから、いいんだアリア。俺を避ける理由はわかるからな」

 

「何よ理由って!説明しなさい優!」

 

戸惑ったように仲居達がアリアを見ている。

理子は成り行きを見守るためか静観してるな……

さて、どうごまかすか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのクズが犯罪者だからだ」

 

唐突に頭上から響き渡った声に顔をあげると、ホールの正面の階段の上に少年が立っていた。

右手には刀、トレーニングをしていたのかタンクトップにジャージという姿

一言で言えば日本男子という言葉がふさわしいそいつは……

 

「久しぶりだな鏡夜。直接会うのは家を出て以来か?」

 

「黙れクズ、お前と話す気はない」

 

ぎろりと怒気、殺気をぶつけながら鏡夜は言った。

直接、会っても態度変えないか……

 

「だ、誰よあんた!」

 

アリアが口を挟んでくる。

鏡夜は殺気を止めるとアリアを見て

 

「俺は椎名鏡夜、そこのクズの弟だ。お前も名乗れ。礼儀を知らないのか?クズの仲間は」

 

「く……クズって……あんた優の弟なんでしょ?なんで、そんなに優にかみつくのよ」

 

鏡夜は不愉快な顔をしながら

 

「黙れ、他人が俺をクズの弟と呼ぶな!それより名前も名乗れないのか?」

 

「あたしは貴族よ!神崎・H・アリア!」

 

「H?なるほどな」

 

ふんと馬鹿にしたように俺を見下す鏡夜

 

「クズが必死になって免罪を証明するために動き回ってるホームズ家の女はお前か」

 

調べたのかお前……

 

「女女って!あたしはアリアって名前があるのよ!」

 

ガバメントに手を持っていこうとするアリアの手を慌てて止める。

 

「ゆ、優放しなさいよ!あいつ貴族を侮辱したわ!」

 

「いきなり、ぶっぱなすな!一応実家なんだ!」

 

近衛の連中がアリアを抹殺対象にしたら大変なことになる。

「ふん、お前らは名乗らないのか?」

 

鏡夜はキンジ達の方を見て言う。

 

「遠山キンジだ。あいにく、アリアみたいに貴族じゃないがな」

 

「峰・理子だ」

 

 

理子怒ってるのか?男しゃべりに戻ってるぞ

 

「レキです」

 

最後に名乗ったレキを鏡夜は見てから

 

「なるほどな。クズの仲間というから見に来たが弱いものは群れるとはよくいう」

 

 

顔を真っ赤にしてアリアが口をパクパクしている。

怒りで声もでないらしいな。

 

「おい……お前、あんまりあたしの友達を侮辱するな」

 

げ!理子のやつ!

 

「あ、秋葉!」

 

「はい、理子さん。落ち着いて下さい」

 

「くふ、理子悪い子なんだぁ」

 

ざわざわと髪が動き出したぞ。

ま、まずいぞ!

思わずレキの方を見たが幸いレキは微動だにしていなかった。

助かったと思った瞬間、レキがドラグノフを肩から外して……

ちょ!レキ!お前、妙な風の指令でも受けたのかよ!

 

「レキ!やめろ!」

 

「ふん、面白い」

 

鏡夜も刀に手を付けて構える。

あ、あれは風凪の構えか!

 

「みんなやめろ!」

 

もうだめだと俺が思ったその時だった。救いの天使は現れた。

 

「優兄!」

 

ホールに響き渡る声、二階から和服を来て、右目に眼帯をつけ小柄でおかっぱ頭の少女が満面の笑みで階段を降りてくる。

そして、アリアを抑える俺に向かい飛び込んできた。

当然、アリアの胸に飛び込む形になるから……

 

「きゃあああ!」

 

「うわ!」

 

アリアと俺の悲鳴が重なり俺達三人は押し倒されるのだった。


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