緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第107弾 秋葉

「いててアリアとマリの野郎本気で撃ちやがって……」

 

なんとか誤解は説けたが(最終的に土方さんに嘘の説明をさするはめになった)まだ、怒りが収まらないらしいアリアは寮に戻っちまった。

 

「大変だな優」

 

「うるさいぞキンジ……最近、俺の方がアリアに撃たれること多くないか?」

 

「いいことじゃないか」

 

キンジと歩きながらんなことあるかと隼の前まで来て、キンジにヘルメットを渡す。

アリアは今日は女子寮から来るのでなら、乗せて行ってくれとキンジに頼まれたのだ。

断る理由はないからな。

行くか……

エンジンを始動させて男子寮を飛び出して学校に入り、アリアに睨まれ、理子のお馬鹿トークに付き合う、そして、ホームルームに……

ここまでは普通の日常だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「山洞 秋葉です。よろしくお願いします」

 

なんでだよ!

アリアの時のキンジのように俺は頭を変えた。

なんであいつが武偵高の制服を来てるんだ!

昨日と同じなのはスパッツぐらい。

 

「うおおおお!」

 

うるさいぞ男子!秋葉は確かに美少女だが、あいつの性格と付き合うの大変なだぞ

 

「じゃあ、山洞さんの席は……」

 

「先生、わたしはあそこがいいです」

 

「あら?椎名君の後ろの席?」

 

うわあああ!

 

「はい、優さ……」

 

だんと俺は飛び上がると一瞬で秋葉の背後に回り込んで口を封じ手抱き抱えると廊下に飛び出してた。

 

「おーお!ユーユーが女の子さらっちゃったぞ!」

 

理子の声と男子の怒号が聞こえるが気にしてられるか!

屋上に出ると秋葉を立たせてから

 

「あ、秋葉お前、いきなり教室で優様って言おうとしただろう!」

 

秋葉は首を傾げて

 

「何か問題が?」

 

お前はレキか!いや、この際どうでもいい。

 

「どうせ、月詠辺りの差し金だろう!だから、深くは聞かんが教室では椎名君と呼べ!」

 

「ですが先程私は優様の後ろを指示しました。親密な仲だと思われてるかと……さらに、ゆうさ、まで言ったので椎名君では違和感を感じます」

 

なんてこったい!

 

「う……じゃあ、せめて優希君か優君にしろ……」

 

「はい、わかりました」

 

「で?俺を連れ戻しに来たお前がなんでここに?」

 

「優さ……優君の護衛です」

 

な、なんかこいつに優君と言われると違和感が……

 

「護衛?いらねえよそんなもん」

 

「いえ、私は椎名の近衛です。帰っていただけるまでどこまでも護衛します。永久までも」

 

それってつまり、家に帰らないならずっと俺に付きまとうってことか!

 

「いいから帰れ!」

 

「嫌です」

 

「帰れ!」

 

「嫌です」

 

強情な奴だ……

昔から、融通がきかんやつだとは思ってたが更に、拍車がかかってやがる……

 

「……」

 

絶対に引きませんという目でこちらを見ている秋葉に俺は諦めた。

 

「分かったよ。帰らねえけど近くにいていい」

 

あきらめたよ申し出るが……

そう思い俺は歩き出すと

 

「優君」

 

振り替えると秋葉がお辞儀していた。

 

「ありがとうございます」

 

まあ、こいつがいたら助かるといえば助かるんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前言撤回だ……こいつは疫病神だ……

教室に入った俺達に待ってたのは質問攻めだった。

 

「ねえ、変なことされなかった?」

 

「たらしの優希に連れてかれてみんな心配してたんだよ」

 

「おい、優!あの子とはどんな関係だ!白状しやがれ」

 

ぐえ!首を絞めるな武藤

 

「椎名君はハーレムでも作るのかい?」

「みたいだぞ」

 

こら、不知火!キンジ!何言ってんだ

秋葉も女子に囲まれて質問攻めだし……

 

「ねっね!アッキーはユーユーとどんな関係なね?Sまでした仲?」

 

こら、理子!何聞いてんだ!Sってなんだよ!

アリアもなんか聞き耳立ててるし

 

「私はと優君ね関係ですか?主従関係です」

 

 

こ、こら秋葉!

 

「主従関係!?おお!おおぉ!ユーユーが攻めでアッキーが受けな訳ですな。ご主人様お慈悲をみたいなかな?」

 

鼻を膨らませて興奮するな理子!

 

「よくわかりませんが主は優君で私は下僕です」

 

爆弾発言に周囲がざわめく

 

「まじかよ!椎名どれだけ女の子に縁があるんだよ」

 

「不潔だわ!」

 

「リア充爆発しろ!」

 

「で?本当のとこはどうなんだい椎名?」

 

「もう嫌だぁ!」

 

教室を飛び出して言った俺の背後から様々な声が聞こえてきたが無視だ!

平賀さんからワイヤーを受け取ってからいつもの屋上に向かう。

秋葉の奴……あいつが来たせいでめちゃめちゃだ……

東京都内は木偶人形、内は秋葉かよ……ああ、どうしたらいいんだと頭を抱えた時、

キイイイイイイと鉄の扉が開く音

 

「レキか……」

 

ドラグノフ狙撃銃を肩にかけてレキだった。

ハイマキは……いないみたいだな……

 

「……」

 

レキは無言で俺の横に来ると外を見ながら体育座りを……

慌てて、一歩下がる。

武偵高のスカートは短いんだよ!一瞬見えちまったじゃえか!その……しろの……

 

「その、レキもう少し座り方に気を付けろよ?」

 

「?」

 

レキが無表情にこちらを見て首をかしげる。

まあ、いいか……

ごろりと寝転がり、空を見上げながら目を閉じる。

ああ、この沈黙がいいなぁ……騒がしい教室とは大違いだ。

レキがいるがレキは騒いだりしないからな

 

「優さん……」

 

「ん?」

「よくない風を感じます。気をつけてください」

 

もしかして、レキは知ってるのか?木偶人形が都内で殺人を犯してる状況を……

だが、そうと決めつけるのは早すぎる。立ち上がりながら

 

「レキ、都内でクエストを受けたときに万が一変なものに襲われたら胸を撃てば止まる」

 

「……」

 

レキが無言で見上げてくる。

やっぱり知ってるか判断つきかねるな……

公安0が動いてるとはいえ、知り合いが木偶人形に殺されるなんて事態は避けたいからな……

 

「分かったかレキ?」

 

「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優!」

 

授業が終わると休み時間だけ逃げて秋葉や他の連中の追求を避けながらなんとか授業をこなしてから専門分野の時間、アサルトの授業になった。

 

「山洞秋葉です」

 

なんで……アサルトなんだぁ……

槍を手に、現れた秋葉に俺は頭を抱えた。

 

「転校生が美少女で知り合いって割りとポピュラーなことだよね椎名君」

 

「そんなポピュラーはいらねえ……」

 

教室で囲まれてように秋葉を囲むアサルトの連中、秋葉が使う槍が珍しいんだろう。

槍使いはアサルトではほとんどいないからな。

 

「何、デレデレしてんのよ優」

 

「デレデレなんてしてない!」

 

後ろから聞こえたアニメ声に振り返えるとアリアだった。

となりには……

 

「き、昨日はありがとうございました椎名先輩」

 

間宮 あかりか……

土方さんに聞いた話では暴漢に教われて、俺が片付けたがあかりは一発殴られて気絶したという記憶を埋め込んだらしい。

殺人人形の件は完全に忘れてるようだな。

 

「いや、後輩を守りきれなくて悪かったな間宮」

 

「いえ」

 

昨日までは敵対心丸出しだったが仮の記憶でいい先輩ぐらいにはなったらしい……よかったよかった

 

「それで優?あの子本当は誰なの?仲いいみたいだけど……」

 

「ああ……まあ、秋葉は……」

 

なんとでも言えるんだがなんか罪悪感がある……まあ、アリアだしいいか……

 

「秋葉は俺の実家がの戦闘集団『近衛』の一人だ。小さい頃から一緒にいるがまあ、幼なじみだな」

 

言ってないこともあるがこれは事実だ。

 

「近衛?」

 

あかりが首を傾げる。

まあ、馴染みがない言葉だよな

 

「ま、うちの警備や護衛の専門部隊と思っていいさ」

 

「で?なんでその子がいきなり転校してくるの?」

 

それは話せば長くなるが……

 

「私は優君を守りに来ました」

 

うわ!びっくりした!いきなり現れるなよ

 

「守る?」

 

「はい、優君は私達にとって大切な人です。優君を守るためなら私は全てを差し出して構いません」

 

こ、こら秋葉!言い方がまずいだろ!

補足するなら代々、山洞家は椎名の近衛として支えてる一族だ。

今の言い方も様なら違和感ないが君だと違和感ありすぎる……

 

「す、全てを差し出すって……」

 

何を想像したのかアリアが真っ赤になってるぞ。

 

「はい、この体全ては椎名のために」

 

その顔を見て、俺はため息をついた。

忠誠心は立派だが昔以上に頑固になった秋葉はなんか見ていて悲しくなる……

 

「それって山洞さんと椎名君は深い仲ってこと?」

 

し、不知火このタイミングでそれは……

秋葉は誇らしげに

 

「はい」

 

「優!風穴ぁ!」

 

「や、やめろ!」

 

俺は逃げようとしたが俺とアリアの間に秋葉が立つ。

 

「優君に手を出さないで下さい」

 

さすがにいきなり発砲はまずいと思ったのかアリアが躊躇している。

助かるか?

 

「なんや、お前ら喧嘩か?」

 

げ!蘭豹!こいつがくるとろくなことにならんぞ。

 

「転校生の実力もみたいしなぁ……神崎、山洞お前ら模擬戦やれ」

 

「ちょ!蘭豹……先生!」

 

何考えてやがるこいつ!

 

「いいわ」

 

「はい、わかりました」

 

アリアも秋葉もおい!

二人ともきめてしまえば強情だ……

もう、止められないんだうなぁ……

はあ……

こうして、アリアvs秋葉の模擬戦が決まってしまった。

どうなってもしらんぞ


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