宇宙世紀0093
木星圏から帰艦したシャア・アズナブルは、再編成したネオ・ジオンの総帥の地位に着き、地球連邦政府に宣戦を布告。シャアの反乱ともよばれる第二次ネオ・ジオン抗争を起こし、彼は行方不明となった。
そしてその3年後、シャアの記憶を引き継いだフル・フロンタルは、ジオン残党軍『袖付き』を率いてラプラスの箱を巡る抗争の末、死亡した。
この間に、ジョブ・ジョンの所属する戦略戦術研究所は海軍戦略研究所、サナリィに再編された。
彼はそこで、ユニコーン開発のためのUC計画の一端を担った功績を活かし、後にフォーミュラ計画に携わる事になる。
ちなみにその後のマイクロ・アーガマ、ゼーレーヴェクルーについて少し述べると
キューベルはジョブ・ジョンと家庭を築き、彼を支える。
グランはパトリシアに連れられオリガの故郷へと向かった。
フィアはジョブ・ジョンの紹介で、アナハイムエレクトロニクスへ入社。
アルマはネオ・ジオンの准士官として第二次ネオ・ジオン抗争に加わり、その後地球へ移住する。
オスカとマーカーは今もどこかで艦長の手となり足となっているのだろう。
宇宙世紀0100、ジオン共和国は自治権を放棄し、一つの時代が終わりを告げた。
ジオンの名は、歴史に刻まれるのみとなった。
これと共に、シャア・コンティニュー・オペレーションはブラッド・ワインスタインの手によって、永久凍結されることになった。
しかし、人々からジオンの名が忘れ去られたころ、いつ誰かがそれを掘り返してしまうかもしれない。
もしそうだとしても、それは遠い未来の話である。今はまだ、深く考えても仕方がない。
「アベニール!ソーラくんが来てるわよ!早く支度しなさい!」
「えぇっ!?ちょっと待ってよぉ!」
「ったく、ナユタはしっかりしてるのになぁ~」
「俺に似てのんびり屋なんだよ」
時刻は朝8時、子供は学校に行く時間である。弟のナユタは一足先に学校へ向かったようだ。
テレビでは、ジオン共和国の自治権放棄に伴った特集をやっていた。≪では、本日は戦災地復興の第一線に立たれているアルフレッド氏にお話を伺ってみたいと…≫
「あれ?この人」クシナがテレビに映った人物を見て言うと
「ん?知り合い?」と迫水が言った。
「前にどっかであったような気がするんだけど…でもどこだったかなぁ・・・てか、あんた時間はまだいいの?」
「ん?あぁ、今日は遅いんだ」
彼は相も変わらず昼行燈のようにのんびりとしている。
玄関から、娘の「行ってきまーす!」という声が響いた。「いってらっしゃーい!」
「しかしあいつも色気づいてきたなぁ」
「もう中学生だもの」
「なぁ、アベニールってなんて意味だっけ?」
「えっ?」
「ナユタは俺と一緒に決めたけどアベニールは…クシナ一人で決めたからさ」
「・・・フランス語で未来って意味なの。それに、決めたのは私ひとりじゃないよ」
「そうか…いい名前だな」
「あの子には・・・未来を生きてほしいから」
『あぁ、そうだね』
「えっ?」
「ん?どうした」
「ううん、なんでもない!」
そして―――――――――――
人が、宇宙にスペースコロニーという名の島を浮かべ、200年の時が流れた
その中で、いくつかの戦争が起こった
それは、青き水の星を守るための戦いだった
星々の瞬きの中で、人は憎しみ、傷付き、倒れ、だが愛することも忘れなかった
多くの血が流れ、多くの悲しみが生まれ
死んでいった者たちの魂が、宇宙のしじまを彷徨い
光となって銀河に溶け込んでいった
膨大無辺な宇宙で、すべての人の思いをのみこみ
悠久の時を刻み続け
水の星が輝きを失い
人々の祈りが嘆きの吐息に変わるとき
一つの魂が刻を超えた
それは、人が目覚める魁であったかもしれない
ここまで読んで頂きありがとうございました。
最初はジョークのつもりでやり始めたのですが結末をどうしようかと考えて
フル・フロンタルになったら面白いんじゃないか?と思いつきこのようになりました。
最後の妹の扱いは「こんなふうにして大丈夫かなぁ」なんて悩みながらやっていましたが
鉄血がまさかの展開になり「先にやられた!」と思うと同時に「この発想は通用する!」と逆に勢いづいたりしました。
そして、最後のブラッドが兄に向け弾を撃つシーンではラフタを思い出し、とても辛くなりつつも、「鉄血が死の苦しみをやるのであればこちらは生の苦しみを」とわけのわからない状態になっておりました。
ラフタの死が本当につらくしばらく立ち直れません。
なにはともかく、同人作品ですがやっと一作品書き終えることが出来ました。これからはオリジナルも書いて行こうと思っています。
「宇宙世紀でその技術レベルはないだろう」と思うかもしれませんが、火星圏で起きた事なので記録に残っていないだけなのでそこはご了承ください。笑
それでは、本当にありがとうございました!
あ、ちなみに各タイトルのアルファベットとかを抜き出すとですね