週末 バベル 演習場
屋外演習場に、チルドレンと陽の姿が・・・。
「今日は陽対チルドレンで演習をしてもらう。」
皆本が離れたところから、通信機を使って話しかけてくる。
「了解です。」
陽が返事をしていると薫が・・・。
「いくぜ、にーちゃん!!」
[念動 大槍]
辺りにある木を引っこ抜くと、手当たり次第陽に向けて投擲する。
「待て! やめろ薫、まだ開始の合図をしてないぞ。」
皆本があわてた様子で薫を止める。
「大丈夫ですよ皆本さん」
[発火能力 大発火]
迫りくる木々を、一瞬で灰すら残さず燃焼させる。
「さぁ、薫、葵、紫穂・・・始めようか!」
そういいながら、足元の小石を超能力で持ち上げると、高速で打ち出す、陽。
「あかん!」
そういって、3人まとめて瞬間移動しよとする葵。
「あまい!」
そういって陽は、小石の軌道を変化させる。
「くそ!」
そういって薫は念動力で小石を防ぐ。
「いつも言ってるでしょ、受け止めるんじゃなくて受け流すんだよ」
そういうと、小石の制御を止めて、近くに瞬間移動する。
「で、油断しない!」
背後に回った、陽が薫の頭にタッチする。
「葵も、まだまだ空間認識が甘いね」
葵の頭もタッチする。
「よし! そこまで!」
そういって皆本が、訓練を終了させる。
「にーちゃん強すぎ!!」
「せや! 陽はん強すぎる!」
薫と葵が文句を言ってくる。
「そんなことないよ、使い方がうまいだけだよ潜在的には、同じ位の力を持ているはずなんだけど・・・。」
陽は答える。
むしろ、複合能力者の陽より伸び幅があると言っても過言ではない。
「いかにして応用するかだよ」
そういうと陽は少し離れた位置に瞬間移動すると・・・。
「薫、さっき僕がやったみたいに石を飛ばして」
そう指示する。
「よっしゃー!!」
念動力で小石を飛ばす薫。
「さっきの薫みたいに、正面から石を受けるのは完全に格下の相手にやることだよ」
そういうと陽は、石を静止させる。
「もう1回やってみて」
小石を、薫の近くまで戻すともう一度指示する陽。
そういわれた薫が、もう一度小石を飛ばす。
「相手が、ただの念動能力者で実力が解らない時は、無理に受けと止めずに受け流す。」
今度は、小石を受け止めることなく、後方に受け流した。
「こうすれば最小限の力で、防御できる。」
さらにつづける陽。
「余力を残しておけば反撃もできるからね」
そういうと、葵の近くに移動する。
「瞬間移動能力者の戦い方は複雑だけど・・・薫、もう1回石飛ばしてみて。」
「オッケー!」
薫に話しかけ、薫が小石を飛ばすと、再び葵に話しかける陽。
「たとえば相手が、念動力を使うなら・・・相手を盾代わりに使う。」
そういうと陽は、飛んでくる小石と自分との間に薫を瞬間移動させる。
「えっ!!」
薫は短い悲鳴を上げると、飛んでくる小石を受け止める。
「なにすんだよ!! にーちゃん!!」
薫が猛抗議してくる。
「ごめんごめん」
しばらく、薫たちと雑談していると・・・。
「陽!! 単独で緊急出動要請だ!!」
皆本が血相をかえて近づいてきた。
つづく