転生者は静かに暮らしたい   作:あんにん

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救済措置(笑)


キラークイーンさんマジ主役

 

 

 

トリステイン魔法学院に入学

特に変わった事もなく、すんなり最初の授業を受けることになった

 

 

結果からして言おう―――騙された、否ノートを過信しすぎた

どうやら色々常識とはかけ離れているらしい

魔法は4系統しかない?じゃあ母さんが使ってた残り三つはなんだよ

普通の魔法具がミニ八卦炉?

皆スタンダードな杖じゃないか

飛行速度と魔法の制限?…これは流れからして嘘だろうね…多分、恐らく、メイビー

魔法を使う前に知って置けて良かった…こうなるとあのノート全く信用ならんな…

 

「次の方どうぞ?…其処の金髪の帽子を被った子、君ですよ?」

 

頭の禿げたおっさん、ノートの情報だと

ダングルテール虐殺事件を起こした元魔法実験部隊隊長

『炎蛇』のジャン・コルベールでキュルケの嫁? 最後は良く分からん

いや、ノート信用ならんしもうハゲで良いや

 

「はい、キラ・スターダスト・フォン・ノーレッジ

 『星屑』のキラです、宜しくお願いします」ペコリ

俺は顔が見えない様に帽子を深く被りながら挨拶をする

 

「はい結構、ですがミスノーレッジ

 室内では帽子を脱いで下さいますかな?」

 

クスクス… やれやれ、そんなマナーも知らないのかい…?

 

 

しまった、目立ってしまった!! 急いで帽子を取らなくては…

いや、しかし顔を見られては不味い…気がする

ここは顔に酷い火傷を負っている事にして…逆に目立つな…どうすれば…

「ミスノーレッジ?」

「……分かりました」グイッ

俺は他に選択肢も無さそうなので帽子を取る

 

 

ざわ…ざわざわ… これは…ビューティホー

 

 

さっき程じゃないが目立ってしまったな…今マクミラン居たぞ

中身は地味なおっさんだが外見は非の打ち所が無い…

体型自体は平凡な15歳相応だが、とにかく美少女だ

一度この顔が嫌で顔面を爆破しようとしたが母さんに涙ながらに止められた

整形?この世界の技術で出来る訳無いだろう?

風魔法のフェイスチェンジに関しては今気づいたよ畜生

 

 

「はい結構、では次の方どうぞ」

明日から…どうしようか…?

 

バイツァダスト!!

「『無茶言わないで』」

ですよね

 

 

 

顔の分は女子力の低さでカバー!!

『好きな食べ物?豚の丸焼きだぜ!!』←これで調整出来た

嘘です、あんなの食ったら一口で胸やけする

本当はハシバミ草のサラダが主食だよ、あの苦味が堪らなく良いね

他にも、ワザと寝癖を付ける、靴下を裏返しで履く、背中にハンガーを付ける

その他様々な努力の末

『見た目可愛いけど、女子力の低い読書好きな大人しい女子生徒』

と言う何とも素晴らしい立ち位置を獲得した

 

くそっくそっ!!何故平穏を望む俺がこんな苦労を・・・こんな目に会わなくちゃいけないんだ・・・!!

「『ギアッチョと混ざってるよ?』」 ・・・自分のスタンドにつっこまれるとは予想だにしていなかった

一応ノートを信じる限り、同じ立ち位置の眼鏡が一人居るけど、困った時は爆破すれば良いや

その時は頼んだキラークイーン

「『爆破は任せて』」

 

 

そんな訳で目立たず平穏な学院生活を送って来たはいいが、早速大きな難関にぶち当たってしまった

 

そう―

 

ダンスパーティーである

 

基本面倒事と騒ぎが嫌いな俺だが学院主催である催し物は参加しなければならない

被害を最小限に抑えるために出来るだけ静かなテラスに出ていた俺は

キラークイーン(風の魔法で人間に変えてある)に取ってきて貰った

ワインを楽しんでいた

 

「全く、こんなバカ騒ぎをして何が楽しいんだか・・・」

ダンスパーティーとはもう少し物静かに、且つ優雅にやるものだ

屋敷でもダンスパーティーがあったがあれはどちらかと言うと宴会だったし

この学院では少し期待していたんだがなぁ・・・

そうそう、なんかノートにイベントがあるとか書いてあったけど

関わる気ないし無視した、ノートとイベントは投げ捨てるもの

 

 

「キャァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!?」

ぬぅっ!?何だこの絶叫はぁっ! こっちに何か飛んできやがったぞっ!?

「キラークイーン、ガードだ」「『イエスマム』」 ガキィン!!

 

絶叫と共に俺とキラークイーンに放たれた風の刃

俺は目立たないようにキラークイーンに防御させた

 

「大丈夫か?」「『ノープロブレム』」プラプラ

そう言ってキラークイーンは刃を受けた右手を振るう

キラークイーンの持続力は最高ランクのA

わかりやすくいうと俺の意志並みに硬くて固いから

風の刃程度じゃあビクともしない、百人乗っても屁でもない

 

「キラークイーン…俺が何を考えているか分かるか?」

「『自分に恨みや妬みを持つ者が居る

  それらは危険分子、早急にジェノサイドしなくてはいけない』」

「そう、その通りだ危険分子は即ジェノサイド、それが俺の流儀、俺の平穏のあり方

 俺の平穏を脅かす輩は排除しなければならない、『シアーハートアタック』を使うぞ」「『……イエスマム』」

 

 

 

 

『シアーハートアタック』

 

 

キラークイーンの左手に付いている第二の爆弾

周囲で最も温度の高い物体に突進し、人間の体温ほどの温度で爆発する

コントロールの難しい能力だが、性能オールAのキラークイーンの場合少し違い

 

 

『俺ことキラに最も強い恨みや妬み

 関心を持つ者を感知し、衝突すると爆発する』

 

 

と言う風に、バイツァダストが合わさったような能力になっている

つまり、俺はこれを出し続けていれば俺にとって面倒な輩を一気に排除出来るのだ

最も、両親が近くに居る場合は使えないが

 

 

 

キラに風魔法の刃を仕掛けた貴族、ヴィリエ・ド・ロレーヌは

上級生の女性と4人と先ほどの成果を自分たち以外誰もいない廊下で話し合っていた

当初、彼らはキラを襲う気は無かった、が彼らが隠れていたテラスに居たので

口封じの脅しとして放ったのだ

勿論キラはそれを知らない、知らないからこそ使ったのだ

 

――後に死神と恐れられる悪霊を

 

 

『コッチヲ見ロォ!!』

「えっギャア!!?」ドゴォォォォオオオオオン!! グチャッ!!

内容は薄汚れながらも楽しく談笑していた5人、の内一人の女子生徒が右手だけを綺麗に残して無残な姿となった

『人ノ体温ダァ…マダ居ルミタイダナァ………コッチヲ見ロッテェ!!』

「ひぃっ!?何処だ、何処にいるんだ!?」「い、いやぁーーーっ!!」

『ダカラコッチダッテ言ッテルダロォ?

 マァ見ツカッタカラ良イカァ』ゴロゴロゴロゴロ!!

 ドゴォォォォオオオオオン!!

 

 

 

『モォ居ナイゼェ?』ゴロゴロゴロ

どうやら始末し終わったみたいだな、不可視だから声だけ聞こえ

何かが触れた瞬間爆死、さぞかし不気味で恐怖に塗れた最後だったろう

 

言い訳をするつもりはない

 

犯人が分からない以上する必要なんて無いからな…………

 

 

俺の平穏を脅かすからそんな目に会う

来世では俺と無関係な存在に生まれ変わるんだな

 

 

 




神速の速さで一年生編前半終了
この速さに(作者が)ついてこれるだろうか?

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