・祈願型プログラムのインテリジェントデバイスで
・なぜか和名だったり、「ラグナロク」「エターナル」と言った類の名前はつけないように
・レイジングハートと同じで、俺にしかまともに使える人がいないように――なんか適性のある人じゃないと大した機能は使えなかったり、全く使えなかったりとか、そんな理由つければ良いんじゃないですかね?
夕方、とある動物病院の待合室にて――
「でもビックリしたわ。なのはがいきなり走り出したと思ったら貴裕達がいたんだもの……貴裕からおばさんの匂いでもしたの?」
「あはは、なのはちゃんのおばさん好きは凄いもんね?」
「に、匂いなんて追えないよ! 私は『助けて』って声が聞こえたような気がしたから――」
少女達がからかい交じりに和気あいあいと会話を弾ませる一方では――
「あのフェレット大丈夫かな……いやいや、大丈夫だってあの位! たぶん……きっと……」
「初めての原作改変がこれでいいのか……もうちょっと何かあったんじゃ……いやでもな……」
少年達がうなだれ、どこか湿った様な空気を垂れ流しているのだった――
第5話 「オリ主による弊害、二分の一の確立って怖い……」
あの後、
今は先生の診療報告待ちだけど――女の子側は母の話で盛り上がってるのね……
――アリサちゃんすずかちゃんの二人とは、なのはちゃん経由で知り合った。
友達と言えるかどうか微妙なラインだけど、普通に話せるぐらいの関係にはなっている。
あと、なんで俺の方が年上なのにアリサちゃんにタメ口&呼び捨てされてるかって言うと、個人的に一度は言ってみたかった、『俺の方が年上だけど敬語とかいらないよ? 呼び方も好きにしていいから?』なんて少しカッコつけたセリフを言ったら、ああなりました……
別にいいんだけどね、うん…………まさか本当にタメ口くるとは思わなかったヨ?
そんなワケで、我が家にもなのはちゃんと一緒に遊びに来たことがあり、初期よりは大分マシになったものの未だに続くなのはちゃんと母のラブラブっぷりも目撃している……
ええ、今でもなのはちゃんは少なくとも月に2・3回は
まあ、普通に俺とも話したり遊んだりするようにもなってるけどさ……
――っと、先生が戻って来たか。診療終わり?
「怪我はそんなに酷くないけど、随分衰弱してるみたいねぇ」
「大丈夫なんですか? 怪我して弱っている上にかなり揺さぶられてたんですけど……」
「このぐらいなら大丈夫でしょう。今日中にも目は覚ますと思うわよ?」
「良かった……先生、ありがとうございます!」
『ありがとうございます!』
「いいえ、どういたしまして」
うん、本当に良かったよ。
これで再起不能になったら目も当てられないもの……喋れるようになったら謝るべきか?
「先生、これってフェレットですよね? どこかのペットなんでしょうか?」
「フェレット……なのかな? 変わった種類だけど……」
いいえ、それは人間のショタっ子です……っておろ? 今動いたか?
「それに、この首輪についているのは2つの宝石は……あら、起きたみたいね?」
『わぁー……』『おおー……』
おー、ユーノ君復活?
周りをきょろきょろと見回して……小動物って観てるだけで心癒されるなー……
この後は確か、なのはちゃんと見つめあった後に指舐めるんだっけ――ってあら?
なのはちゃんじゃなくて、別の方見て固まった?
なんか恐ろしい物を見たかの様に震え始めたし……
「あれ? この子震えてる?」
「あら、どうしたのかしら? やっぱりまだ具合が悪――あ、そういうこと……」
先生何を納得して…………ああ、それは仕方ない……
「何かコイツ、俺のこと凄い怯えた目で見てるような気がするんだけど……気のせい?」
「えっと……多分気のせいじゃないと思います……」
言いづらいことを言ってくれてありがとう、なのはちゃん。流石主人公だね!
そしてお前はいじけるなよ……本人?としては気を失うまで自分をぶん回した相手だって感じるんだから、怯えられても仕方ないって。
「しばらく安静にした方が良さそうだし、とりあえずこの子はウチで明日まで預かっておくわね?」
『はい、おねがいします!』
「それと、明日からはこの子を誰の家で預かるかを決めて欲しいんだけど……いいかな?」
あー……動物病院だってボランティアでやってる訳じゃないんだ。何日も預かる訳にもいかないわな……
むしろ、子供に対してお金がうんぬんって話をしないだけ、大分優しい対応か……
「えっと……どうしよう?」
「家には犬がいるから危ないかも……」
「私の家にも猫がいるから……」
「俺ん家ならペットいないし大丈夫だぜ!」
あ、佐藤が立候補した瞬間、ユーノ君の震えが一層激しくなった。
「お前は前科があるから安心できん! フェレットも滅茶苦茶怯えてるし……」
「えー……」
原作崩壊しかねないんで勘弁して下さい……
そしてユーノ君や、こっそり拝むな。気持ちは分からんでもないけど色々バレるぞ。
ちなみにあなたの拝んでる相手が居た影響で、本来なら可愛い女の子が助けに来てくれるはずが、やんちゃな男の子にぶん回されて気を失う事になったんだけどネー?
うん、なんか本当にスイマセン……
「うーん……家も食べ物商売だから原則としてペットは駄目だし……そうだ! 貴裕くんの家は!? 貴裕くんもおばさんも動物好きだったよね!?」
「うえっ!?」
嘘、まさかの俺ん家!?
というより、何をそんなに目をキラキラさせて期待して――――ああ、頻繁に家に来る理由づけにか?
それで母といちゃつきたんいですネ、分かります…………おのれ母め……
「一応聞いてみるけど、父さんが動物苦手みたいなこと言ってた様な気がしないでもないから期待しないでね?」
まあ、父は今日は帰りが遅いって言ってたから、預かって良いか確認しようがないんですけどネー。
ちなみに父も動物は好きですけどネー。
「あー……そっか、おじさんもいたんだもんね……うん、私のウチでも聞いてみるよ!」
――誤魔化すためのネタにしてすいませんでした父上……
恐ろしいことが分かりました。なのはちゃんの認識からあなたは抹消されていたようです……
俺は大丈夫……だよな?
「大丈夫そうかな? じゃあ、明日も様子を見に来てくれるかしら?」
『わかりました』『はーい』
「あ、やばっ、塾の時間!」
「ホントだ!」
「じゃあ院長先生。すいません、また明日来ます! 貴裕くん、後で連絡するから!」
「あいよー! したら俺たちもそろそろ行くか?」
「そうだな。アイツも待ってるし」
「ん、じゃあ先生ありがとうございました。フェレット君もバイバーイ?」
ちょっくら最後に毛並み確認……おお、想像以上に触り心地良いなコレ。
「……キュッ」
「おおッ!? 舐めてくれた!?」
ヤダ何これ嬉しい改変……!
あれ? でもこれって外人のショタっ子に指を舐められてるのと同じなんじゃ……
そう考えると凄い微妙な気分なんですけど……え? 誰得?
◇
晩飯も食い終わって、時刻は夜の8時半――
いつもならパジャマに着替えている所だけど、今日は外出する格好でスタンバってます!
いやー楽しみだね! 夜になってからはテンション上がりっぱなしだね!
デバイスは何て名前なんだろうか? 魔法はちゃんと使えるだろうか?
なのはちゃんのこれからの活躍はしっかりと観れるだろうか? あのキャラ達と会えるのかだろうか?
そんなこと考えて、もう期待と不安で心拍数が半端ない――お? メール来た……ああ、なのはちゃん?
「えっと? 『アリサちゃん、すずかちゃん、貴裕くん、あの子は家で預かれることになりました。明日、学校帰りにいっしょにに迎えにいこうね。 なのは』っと……あれ、このメールが来たってことは……!」
もうすぐユーノ君からの念話が来るって言うことじゃ――
<――――聞こえますか? 僕の声が――聞こえますか?>
よっしゃ、キタアアアアアアアアアアッ!!
バッチリ聞こえてますよユーノ君!
さーて、さっさと外出の準備を――
――あれ? 何コレまた胸が……
<聞いてください――>
うん、聞きたいんだけどちょっとだけ待ってくれないかな?
少し胸のあたりが苦しい、ってか気持ち悪いんだけど?
<僕の声が聞こえるあなた――お願いです! 僕に少しだけ、力を貸してください!>
うん、そうしたいのは山々なんだけどね?
ちょっとだけ念話止めてもらえないかな? 連続で使うとかもっての外だよ?
明らかに魔法受けてるせいで、リンカ―コアが変に影響受けてるんだよなコレ?
あれか? 実はあの肺活量上昇トレーニングが効果あったのか? 悪い方向に。
何これ、魔力酔いとかってあったりするの?
<お願い、僕のところへ! 時間が――危険が――もう……!>
お願い、僕のところへ! 時間が――吐き気が――もう……!
――口から何か出ましたが、ゴミ箱があったので大惨事は防げました……
もう、念話来てから10分ぐらい経っちゃったかな……
うん、動ける程度には大丈夫。だいじょうぶ……だからおそとにいこう。
「母さーん、ちょっと出かけてくるねー……」
「え? こんな夜遅くに何……顔色悪いわよ? 大丈夫?」
「だいじょーぶ……『元気があれば何でもできる』って、誰かが言ってた様な気がする……」
「いや、その元気がなさそうなんだけど……あ、貴裕! コラ待ちなさい!」
ごめんなさい、待ちません! 吐き気がしようと何だろうと、ここで動かなかったら何のために『リリカルなのはの世界』に来たのか分からなくなるっての!
とういより間に合うだろうか?
しばらくゲロゲロやってたから、到着してみれば「もう全部終わってますけど? 今更何オマエ?」なんて状況とかだったら泣くよ?
とりあえず今から全力で自転車こいで――あ、やっぱ全力は無理……今気張り過ぎるとまた吐く……
◇
現在、夜の住宅街を自転車で走行中――
動物病院に向かって走っていたら、途中で結界らしきモノに入ったし方向は間違ってないはず……
その時も気持ち悪くはなったけど、吐き気まではしなかった。耐性でも付いた――ってか慣れたのかね?
とりあえず今はさっき大きな音した方に向かっているけど……
あ、
どうにか全部終わる前には間に合ったっぽいか……
うわ、何アレ? 思ってたよりデカいし、何かモゾモゾ動いてるしキモッ……
ちょっと曲がり角に隠れよ。今見つかったら洒落にならんし――ってあら?
あそこでモゾモゾするだけで一向にその場から動かないな……あ、もしかして地面に埋まって動けなくなってるシーンか?
ということは、なのはちゃんとユーノ君は近くで――――いた! 電柱の裏でなんか喋ってる……?
「――契約の元、その力を解き放て」
「えと……契約の元、その力を解き放て」
あら、もう起動用パスワード詠唱の所までいっちゃたの?
出来れば最初から加わりたかったけど……間に合わなかったんだから仕方がないか。
変身終わるまで出るのはこのまま待ちましょうかね……ここで入ると詠唱の邪魔になるだろうしな。
「風は空に、星は天に――」
「風は空に、星は天に――」
いやー、でもいよいよですよ! やっとこさですよ! これからですよ!
この世界に産まれ落ちて11年。耐えがたき日々を耐え忍んで今までやって来ました……
「そして
「そして
この日この時より、魔法少女リリカルなのは! ようやく開幕しま――――ん?
『この胸に!』
ねえ? 今何て言ったの? 俺の聞き間違いかな?
不屈のじゃなくて、
『この手に魔法を!
――なにそれ知らないデバイスなんですけど!? え? レイジングハートさんは何処行った!?
あ、もしかしてそれ俺が使うはずのデバイスか!? まさかの主人公の愛機変更!?
逆に俺がレイジングハート使えってか!? そんなの駄目に――
《Stand by ready――》
ちょっ!? いやああああああああああああああッ!?
《――Not match》
「……え?」
「そんな!? 失敗した!?」
……え?
《Sorry, I am uncongenial to you(申し訳ありません、あなたは私との適性がありません)》
「え? え?」
え? え?
《But, maybe you congenial to Raising Heart(おそらくですが、あなたはレイジングハートの方となら相性が良いかと)》
「レイジング……ハート?」
「くそっ! シンシアハートの方には適性が無かったのか……! じゃあ、すぐにレイジングハートの方を『グオオオオオオオオッ!!』――あ……」
え? え? えええええええええ!?
何この展開、聞いてないよ!?
なのはちゃんがレイジングハート使わなかったのも予想外だけど、他のデバイス使ったら起動しないってどういう――いやいや、それより一旦逃げて!
ユーノ君も絶望した時に出る「あ……」とかいいから! とりあえず逃げ――固まってらっしゃる!?
なのはちゃんも呆然としてないで早く逃げ――尻もちついて震えてらっしゃる!?
――あ、思念体さん何その構え?
何か「今から二人まとめてタックルでミンチにしてやるぜ!」って言いたげに力を溜めてるその構えは何?
そんなことしませんよね? だってあなたチュートリアル的な存在だものね?
こんなところで『リリカルなのは』が終わる訳が――
「だれか……」
あ、ダメっぽい。
まあ、そりゃ9歳児が命の危機に晒されることなんて早々ないもんね。固まってもしょうがないか……
――いやいやいやいやいやいやいやああああああああ!?
撤退!! 俺が自転車で二人回収して撤退せねば!?
「のおおおおおおおおおおおおおおッ!! そぉいッ! そぉおいッ!!」
「わっ!? 痛い!?」
「ふぇ? いだっ!?」
「戦略的撤退! さあ、逃げるぞチクショウ!!」
すぐさま二人の元に行って、ユーノ君、なのはちゃんのケツの順で自転車の籠にシューット!! 超! エキサイティング、した後は即逃走!!
火事場の馬鹿力って凄いね!? 11歳でも小学3年生持ち上げられたよ! もう何も怖くないね!!
あ、思念体さんにロックオンされたのを感じる。こっち見んな怖いから――
「いたたた……あれ? 貴裕くん? え? なんで? さっきの化け物みたいなのは?」
「一体何が……あ、君は僕を助けてくれた……いや、結界の中に入ってるって事は君も――」
「ちょっと黙らっしゃい!! (なのはちゃんが)死ぬかと思ったんだから!! (リリカルなのは)終わりかと思っんだからた!! っていうか(原作通りに行かなさ過ぎて)何が起きてるのか全く分からん!! 誰か考える時間をば!?」
何なのこれ!? 初っ端からなんでこんなピンチになってんの!?
もうわけが「貴裕くん後ろ!?」――思念体様!? ちょっと移動速度速すぎやしませんか!?
俺大したことしてないよね!?
デバイス一緒のタイミングで持ってきてもらっただけだよね!?
なのにどうしてこうなったし!?
>なんか
つまりオリ主の安易な考えが全ての原因
◇
原作アニメ一話にて
『ユーノのSOS念話後、なのはがふらつく』『ユーノが結界貼ると、なのはが耳を塞ぐ』といったシーンありましたけど、あれも『魔力酔い』みたいなもんなんですかね?
英文・日本語訳ですが、基本は翻訳サイト頼りの物を手直し・意訳してます。
明らかに「おかしいぞコレ?」っていう時はガンガン指摘しちゃって下さい。