東方ギャザリング   作:roisin

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01 大地に立つ

 

 

 

 

 

 

 どこまでも青い空、雄大に流れる白い雲、大地を埋める新緑の森、黄金のように降り注ぐ太陽光。

 そして、今まで嗅いだ事の無い澄んだ空気。

 

(すげぇ! 空気って美味いんだ!(注・能力のせいです))

 

 あぁ、今俺は見ず知らずの、どことも知れない地面に足を付けている。

 感動が感動を呼び、これから起こるであろう、不安や恐怖を一切吹き飛ばす。

 どうしよう。どうしよう。何をしよう。

 幼い頃、新年最初の日には『初寝起き~!』とか『初朝食!』なんて『初』を何でもかんでも付けていた。

 それは、その行動がこれからの行く先を決定するかのような、こう、何か特別なナニカを感じるのだ。

 

(どうしよう……体が超興奮してる……!!)

 

 今すぐ走り出したい衝動に駆られるが、第2の人生の初めてがそれで良いのだろうかと逡巡。

 しかし、もう抑えられないこの気持ちに全てを委ねる事にした。

 それは、

 

「あああああ!!」

 

 咆哮。

 ありったけの声を腹から出す。

 いや違うな。

 もう腹とかではなく、全身から振り絞る感じで。

 

「あああああ!!」

 

 しばらく叫び、それでも足りずに大地を駆け出す。

 我ながら馬鹿みたいだと第三者のように感じながら、踊るような心の躍動を、今確かに感じていた。

 楽しい。楽しい。―――とても、楽しい。

 親不孝な俺であった。自分勝手だとも思っている。

 だから、だからこそ。

 今生きているこの瞬間を命いっぱい楽しもう。

 粛々と生きるのは、俺を知る誰かが現れてからでいい。

 今を生きる。

 全ての存在にするものに与えられた使命を、俺は謳歌した。

 

 

 

 

 

 結果

 

「の”ど”が……」

 

 潰れる寸前です、はい。

 やり過ぎた。体力も限りなくゼロ。

 声も出せず、思考能力も著しく低下していた。

 

(……どんだけハッスルしてんだ俺)

 

 だが、心地良い。

 大の字で倒れこんだ地面は、思った以上にふかふかであった。

 気候も良いし、頬をなでる風も、少しひんやりとした草の布団も、疲れや熱をゆっくりと奪ってくれている。

 こんなことならもっと体鍛えておくんだった、と今更ながら後悔。

 それと同時に、ようやく今自分が置かれた状況を冷静に振り返った。

 身に付けているものは紺色Gパン、無地の白いTシャツ、白いスニーカーのみ。もちろん下着も確認済みだ。

 何処ぞの歌のように、ナイフもランプもカバンも所持していない。

 そしてココからが本題。ここ何処、今っていつの時代よってわけで。

 

(いやいや、まずは能力の確認か)

 

 命あっての何とやら。

 今の俺は考えを間詰めるのが早い一般人。

 殴られれば痛いし、打ち所は悪ければ死ぬ。

 ここで死んでしまったら、またおっちゃんのお世話になるし。違う人かもしれんが。

 

「ってことで早速」

 

 確か脳内で思い描くことでカードのものを召喚………だったか。

 何が良いかな。色々あるけど、初めての能力行使だもんな。

 そうだ。

 

「こういう時は、初心に戻るべし」

 

 ルールは基本、度外視とおっちゃんは言っていた。

 

 ならば、マジック・ザ・ギャザリンクのカードに割り振られたコンセプトを思い返してみよう。

 

 

 

 

 

 MTGには6種類の属性が存在し、それらは色で呼ばれている。

 

『白』

 平和や秩序、正義を表す。ライフの回復やダメージの軽減に長け、平等化という意味でリセットカードも多く存在する。行動の制限や抑制なども長けている。

 

『緑』

 自然の色であり、大地や生命・現実を表す。全般的に優れたクリーチャー(モンスター)が特徴。クリーチャー同士の正面衝突に持ち込み、強引にダメージを捻じ込むことに長けている。

 

『赤』

 火や混沌を表す。直接ダメージを与える呪文(通称:火力)や、形がある物を破壊するのが得意である。敵、味方を問わず自傷行為を求めるカードが多いが、その攻撃速度はMTGで1~2を争う。

 

『黒』

 死や悲哀、狂気・恐怖の色。クリーチャーの除去、ペナルティ能力を持つ高性能なカードなどが特徴的。自身の何かと引き換えに、相手を倒す事に長けたカードが多い。

 

『青』

 狡猾の色で水や空気、精神・知識・文明を表す。どの要素もカードの種類や強さ、対戦相手の戦力を無視するものがほとんどのため、常にマイペースな戦略をとることができる。 が、反面ダメージを与えることは苦手。

 

『無』

 無という色がある訳ではなく、どの色にも適合する色である。機械やアイテム、装備といった無機質なものがイメージに近い。ロボットや機械といった系のカードが多く、全ての色と相性は悪いわけではないが、決して良い訳でもない。

 

 

 

 

 

 上記の属性に加え、MTGには様々なタイプの呪文があるが、今は考えなくて良いだろう。

 

「だって今やりたいのはクリーチャーの召喚だしね!」

 

 アメリカ発祥なだけあって、キャラ―――とうか絵が全般的に濃いので、選ぶのが大変だ。俺濃いキャラ苦手だから!

 まぁそのうち慣れるんだろうが、初めくらいは心臓に優しいクリーチャーを見たい。

 色としては白か緑。

 で、その中で一番見やすそう&一番気になるカードは………。

 

「うん、これに決めた」

 

 某ポケ……ゲフンゲフン何とかマスター風な口調で、そのカードを思い浮かべる。

 難しいと思った空想も簡単に出来て、心でそれが、もう召喚出来るのだと判断出来た。

 

「カード名とか叫ぶのかこれ。あ、別に言わなくてもいいっぽいな。………いやいやいや、こういうのはノリが大事なんだ。これ叫ばなくて何叫べってんだ!」

 

 テンションは下がった筈だったか、クリーチャー召喚という儀式の為に、再度その炎が燃え上がる。

 よし、ここは某ガンダムファイターみたいにしてみるか。あれ一度言ってみたかったし。

 

「来い!ガンdゲフンゲフン」

 

 言い間違えくらいあるよね!

 しかも天丼!

 さらにベタというか狙いすぎて逆に引くレベル!

 でも今の俺は気にしない!

 

 

 

 では改めて。

 

「来い!【極楽鳥】!!」

 

 突如、どこからともなく光が集まり、それを形作る。

 瞬きする間すら与えず終わったそれは、まさにMTGのカードから抜け出した、【極楽鳥】そのものだった。

 0/1と飛行能力があるクリーチャー。

 戦闘能力は皆無だが、全ての色のエネルギーを少量生み出す能力を有している。

 炎のような赤い全身に、雄雄しいまでの翼。

 小鳥よりやや大きいであろうそれは、俺の目の前で悠々と飛び回る。子供の頃何度もお世話になったカードのうちの1つであった。

 

「凄い……本当に……」

 

 呟きつつ、手を上にあげ、この手に止まれと意思を送る。

 すぐ極楽鳥は俺の手に止まり、その存在感を教えてくれた。

 手を目の前に戻す。

 周りを伺いながら、時折こちらに目を合わせては首をクリクリ傾げるその行動に、俺の心は早くもKOされた。

 故に。

 

「生まれる前から好きでしたー!」

 

 空いていた片手で背中や喉をくすぐる様に撫でる。

 撫でる。撫でる。超撫でる。

 何だか目線が『うわコイツうぜぇ』みたいになっている気もするが、そんなんじゃ俺の衝動は止まらない。

 結局、我に返ったのは、我慢出来なくなった【極楽鳥】に手を突かれるまであった。

 

 

 

 

 

「だめだ、一瞬我を忘れてしまった」

 

 一瞬ではない気もするが、細かい事は流そう。

 そんな俺の態度が気にいらないのか、バッパラ(極楽鳥の愛称、英語名のBird of Paradiseより)は俺の頭に止まり、数回頭を突く。

 突くと同時に髪の毛をつまみあげるというおまけ付きで。

 

「いてぇ! 地味にいてぇ! すいませんでした! 以後気をつけますから許して下さい!」

 

 髪の毛数本の犠牲と引き換えに、バッパラの突く攻撃は終わる。

 頭上にいるので奴の姿は見えていないのだが、何となく『参ったか』とどや顔してるイメージが浮かぶ。

 まだ地味に痛むんだが………。血、出てなきゃいいけど。

 ズキズキする頭部をさすりながら、今の状況を鑑みる。

 

「召喚した時にそこそこの疲れ、か。召喚【コスト】が低いからなのかどうなのかは分からないけど、コスト1くらいならまだ召喚出来そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マナコスト(略称はコストやマナ)』

 魔法やクリーチャーの特殊能力などを発動させる為に必要なエネルギー。種類によって必要なマナの色や量は変わってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回召喚した【極楽鳥】は緑のコスト1。

 能力は、好きな色のマナを1つ生み出す。

 これによって他者より早く大量のマナを確保し、より巨大な魔法に繋げていく、通称【マナ・ブースト】要員の代表格。

 愛でてよし、食べてよしのスペシャル要員である。

 

「ごめん! 逃げないで! 食べるのなんて嘘! 嘘だから! ちょっとした茶目っ気だからー!」

 

 瞬間的に飛びのいたバッパラに、追いすがるようにその手を伸ばし叫ぶ男。

 それは恋人に振られてもなおしつこく付きまとう、へタレの見本のようだった。

 後に某バッパラAはそう述べたという。

 

 

 

 

 

 時刻は分からないが、日も傾きかけた夕暮れ時。

 結構な時間バッパラを出していたが、奪われた体力はずっと立っている程度のものだった。

 初めはそんなでもないけど、後半からボディーブローのように効いてくるなこれ……

 そんな事を考えながら、食事は空気か土でも食べるとして、寝床を確保したい。

 

「食事の心配しなくていいのはホント助かるな……。後は、雨風くらい凌げる場所があれば」

 

 辺りを見回してみるものの、洞窟なんてものはないし、人が木陰に入れるくらい大きな木もない。

 都合良くそんなものでもあればと思ったのだが、無いなら仕方ない。

 本日2回目の召喚能力で、寝床を確保すると致しましょうかね。

 

「何があったかなぁ。こういった方面での見方でカードなんて眺めてないから、何出したらいいかさっぱり分からん」

 

 家……家系……雨風凌げる系。

 城? はまずそうだな。大きさ的に。

 他は……なんだろう。【土地】か【アーティファクト】で何かあったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『土地』

 基本マナを生み出すことの出来るカード。つまり、このカードが多く出ていればいるほど強力な呪文が行使出来る事になる。マナコストがゼロで召喚出来るが、通常は1ターンに1枚か場に置けない。MTGではこのカードを基盤にして様々な呪文を行使し、ゲームを展開していく。

 

『アーティファクト』

「魔法の道具」や「機械」のこと。多くは「魔力で精錬された道具」や「古代の失われた技術によって創られた機械」としてデザインされている。『無色』マナの代表。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 脳内wiki(ただの思い出し作業)で検索をかけると、候補が幾つか上がってきた。

 その中で今一番良さそうなものをチョイス。

 お、これ良いんじゃないかな。

 そう思い、思い浮かべたカードを使用しても問題のない場所を見つける事にした。何も無いところにバンと唐突に建造物が出来ていたら目立つしね。

 

 ……が、体力があまり無い俺は数歩進んですぐにバテた。

 おいィ、さっきまで大声で走り回ってた俺はどこへ行った。

 かむばっく! その時の俺かむばっく!

 

 ……なんて思っても体力が戻るわけもなく。

 ふと、先程から俺の周りを飛んでいたバッパラに目が行く。

 

「……アイツに探してもらえば良いんじゃね?」

 

 

 

 ―――数分後、指定した条件どおりの場所を発見したとバッパラから報告あった。

 マジ早いッス、バッパラさん!

 この時に何となく分かったのが、この念話っぽい能力、どうも俺の声の届く範囲でのみ機能するらしい。

 生物電話とかは出来なさそうね、とか思いながら、バッパラが教えてくれた場所へと重くなった体を引きずる様に向かっていった。

 

 

 

 

 

「来い!【隠れ家】!」

 

 そこそこ大きな木の1本。

 その前で俺は、決めていたスペルを唱えた。

 次の瞬間、木の根元に、人間大の丸い木の扉の付いた入り口が出現する。

 隠れ家の召喚コストはゼロ。

 但しこのカードは【土地】と部類されるタイプのものなのだ。

 コストが無い代わりに、1ターンに1枚しか場にセット出来ない、というルールが存在していた。

 この1ターンというのが【土地】というカードに対してどう機能するのか不明瞭だが、先程のバッパラと違い、召喚維持コストはかからないようだ。

 これならもう少し召喚の幅を広げても大丈夫そうだと思いながら、召喚した【隠れ家】に目を落とす。

 こんなので隠れられるんだろうかと疑問には思うが、今は睡眠が俺の中で最優先だ。

 扉を開くと、ベットだと思わしき藁の敷き詰められた箇所があった。

 そして、それ以外には何も無い。

 ただ、どこまで続いているのか、この隠れ家は奥行きが半端じゃない………というより、部屋の端が全く見えない。

 そういやこのカードって何体でもクリーチャー収容出来るんだったか、と。

 ぼんやりその能力を思い返すが、些細なことだと思い―――、

 と、周囲を飛んでいたバッパラが目に入った。

 体力が続くのならずっとこのままでいたいのだが、生憎を体がだるくなってきている。

 気は進まないが、戻ってもらうとしよう。

 

「ありがとうバッパラ。戻れ」

  

 言うと同時、バッパラは優しい声でひと鳴きして、光にかえっていった。

 少し切ないが、今後何度もやる出来事でもあり、別に2度と会えないという訳ではないのだからと、気持ちを切り替えた。

 そして俺は、【隠れ家】に対する感想を洩らす。

 

「さすが【隠れ家】。必要最低限ですってか」

 

 せめて布の布団とかベットが良かったが、安全に寝られるだけ御の字だろう。

 新聞紙の1枚でもあれば大分違うんだけれど、そんな便利なものは手元にない。

 ならばとカードで生み出そうか考えてみるが、紙1枚の召喚とか少し悲しくなったので、気分を変えて別の方針で行くことにする。

 先程考えた、戦闘力のあるクリーチャーの召喚、だ。

 いざって時になって『何出そう』とかじゃ、きっと死ねる。

 

「護衛してくれるクリーチャーとかいても良いよな………体力的にキツいけど。人型はちょっと怖いから、馴染みなれた………あ、犬系とか良さそうだな」

 

 そうと決まれば脳内wikiだ。

 といっても、今召喚したい犬キャラは1匹しか思いつかないのだ。

 

「俺が知ってるのの大半が黒色か赤色だもんなぁ」

 

 赤や、特に黒のクリーチャーはおぞましいものが大半なのだ。

 好き好んでそれと一緒にいたいとは、少なくとも今の俺には思えなかった。

 偏った知識だと改めて突きつけられたが、今更どうしようもない。

 それに、今回は良いクリーチャーが思いつくのだ。それ以上何を望めというのか。

 

「ってことで、早速イメージイメージ」

 

 今回は、犬。

 継続力も考え、マナコストは最低クラスのを。

 絵柄は怖いが、きっと平時にはもふもふで可愛いであろう、アイツ。

 

「白くて忠犬でもふもふで―――来い!『勇丸』!」

 

 バッパラや隠れ家と同じように、一瞬で光が集まり、四散する。

 略称での呼び名だったが、問題はないようだ。

 そこに現れたのは、2Mはあろうかという、白い毛並みとトゲドゲの首輪がトレードマークの【今田家の猟犬、勇丸(こんだけのりょうけん いさまる)】である。

 

 特殊な能力はない、【バニラ(由来はアイスクリームのバニラで、何も入っていないシンプルな、ということから)】と呼ばれるカードの一種だが、白マナコスト1でパワー(攻撃力)とタフネス(防御力&HP)が2もあるという優秀なカードだ。(例・以下の表記はパワー/タフネス=2/2とする)

 

 

 

 

 

 MTGのクリーチャーには、パワーとタフネスという数値が存在する。

 先に記述されている通り、パワーが相手に与えるダメージを、タフネスがそれを防げる防御力を示している。

 そして、そのタフネスは1ターンの間にゼロになると、そのクリーチャーは死亡する。

 2という数値は少ないように思えるのだが、MTG内で、コスト1以下でパワーとタフネスが2を超えるカードは殆どない。

 あっても、それは殆どがデメリット能力を付随されている。

 よって、ゲーム序盤での勇丸は中々の制圧力を誇るのだ。

 

 

 

 

 

 召喚された勇丸は、四肢を揃え、背筋を伸ばしてこちらの顔をじっと見つめている。

 

 ―――ご主人様、命令を。

 

 そんな幻聴まで聞こえてきそうなオーラが伝わってくる。

 ど、どうしよう。完全に主負け? だ。

 家来(犬)が立派過ぎて主(人間?)の面子丸つぶれでござる。

 だが! 俺は諦めない!

 いつか勇丸の主として相応しい人物になるその時まで!

 

「【今田家の猟犬、勇丸】。以後、俺の手足となり、剣となり、盾となれ」

 

 とりあえず形から入って格好付けてみようか。そう考えて、それっぽい台詞を言ってみたのだが。

 ……吼えるでもなく、動くでもなく。

 ただ目線を細くして、勇丸は肯定の意をこちらに返す。

 主人らしくカッコつけて言ってみたのだが、逆に格の違いを見せ付けられたような気分になる。

 

(やばい。おっちゃんに続いて、勇丸にまで惚れちまう!)

 

 内心で色々な意味の涙を流しながら、寝床作りの為、周囲に散らばっている藁をかき集める。

 だが、藁で寝るなんて人生で初めての経験だ。

 どう使っていいのか分からないので、とりあえずは体の上にかけてみるのだが、やはりというか、寝心地は最悪。

 

(メンタルとボディのダブルパンチっすか)

 

 と、そんな事態に陥った俺を見かねたのか、勇丸はこちらの横に座り、背中だけだが、体と体を密着させる。

 ―――俺! 陥落!!

 思わず声を大にして叫びたい衝動に駆られるが、勇丸の背中に手をあてもふもふすることでそれを回避する。

 

(……決めた。俺、コイツずっと使っていこう)

 

 生前じゃ1回もデッキに組み込んだ事なかったけど、それも今日までさ!

 

 

 

 そんな新たな決意を胸にする俺とは裏腹に、勇丸はいたって忠実に周囲を警戒していたのを知るのは、もう少し先の事だった。

 

 


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