ハウンドが現れた次の日。
今日はクラス対抗戦前日。一夏は千冬から指導を受けていた。
「すっかり忘れてた!」
「全く、クラス代表としての自覚が足らんぞ」
とりあえず、一夏はクラス対抗戦の練習をやりながら、スイッチャー探しは箒とセシリアが行なっていた。
「一夏。おまえ、何に首を突っ込んでいる?」
「え…」
どうやら、感づかれているようだ。姉弟の関係は侮れない。
一応、山田にも仮面ライダー部の事は口外しないように言っているので、おそらく知られてはいない筈だが。
「具体的に何をしているかまでは聞かん。だが…無茶はするな。助けが欲しければ、私に頼め。出来る限りの事はする」
「ありがとう、千冬姉」
お互い、唯一の肉親。絆も深い。全てを教えることは出来ないが、頼もしさは感じた。
「…さて、始めるか」
スコーピオンは学園から少し離れた場所に、ハウンドの女子生徒を連れてきていた。
「スコーピオン様。あなたは一体…誰なんですか?」
「まだ教えることは出来ない。君が我々と同格になれば、自ずと分かるだろう。そのためにも、鳳鈴音を引き摺り下ろすのだ。そうすれば君は人の躯を捨てて、十二使徒となれる」
正体を知りたがっている女子生徒に、スコーピオンはやんわりと断り、更に優しく諭す。
その言葉の裏に狂気を秘めつつ。
「大丈夫だ、君は素晴らしい力の持ち主。私は全力でサポートしよう」
「はい!」
宇月は自分の部屋で写真を見つめている。
父の吾朗と母の三咲、そして幼い日の自分自身が映っている、唯一の家族写真だ。
ラビットハッチから出てきた箒。
「それは…両親か?」
「あ、箒か…。そう、父さんと母さんが映っている唯一の写真」
古びているが、そこには昔とずっと変わらない微笑みを湛えている。
気になる事を、箒はおずおずと聞く。
「宇月のお母さんは…元IS使いって言ってたな」
「あぁ、確か世界で3番目のIS使いだった。でも…千冬さんも関わっていた、白騎士事件を最後に行方不明。フォーゼに変身していた父さんも一緒に…。残されたのが、ラビットハッチにフォーゼシステムと、壊れた母さんのISだった」
少しだけ溜息をついて続ける。
「父さんの遺してくれた物は沢山あるけど、母さんが遺したのはISだけ。だからずっと倉庫で埃を被ってるのがイヤだった。ISを理解しなかったから、なんだか母さんから目を背けてる気がして…。鈴音なら、任せられると思ったけど…。ゴリラだってさ、笑っちゃうよな」
宇月の掠れた笑い声が響き渡る。
クローゼットの扉、ラビットハッチへの入り口へ続く扉の向こうで、鈴音はずっと眺めていた。
「…傷つけちゃったな」
クラス対抗戦の前夜…。
<LAST ONE>
「遂に到達したようだね。さぁ、勇気を振り絞りたまえ」
女子生徒は、スコーピオンに促されるままにスイッチを押した。
その肉体は、女子生徒とハウンドに分離する。
「これが…ラストワン…!」
「今なら上手くいく。君の願いを果たすときだ」
ハウンドの肩に手を置くスコーピオン。ハウンドは自分の両手を握り締めながら見つめ、自身の力を感じる。
その様子を、箒が見ていた。
「あいつがスイッチャー…。宇月に知らせないと!」
そして、クラス対抗戦当日。
初戦は一夏と鈴音。
「鈴。初っ端から、おまえと当たるなんてな!」
「うん…」
一夏は気合十分。大きな声で鈴音に呼びかけるが、当の鈴音はいつになく気分が沈んでいる。
「どうした?いつもの明るさがないぞ」
さすがに心配になったのか、そっと尋ねる一夏。
「あ、あのさ、一夏…」
「うん?」
鈴音は顔を上げて強く言った。
「あたしが勝ったら、仮面ライダー部に入れて!」
「り、鈴…?」
突然の申し出に困惑する一夏。
「昨日、宇月はあたしを信用して、お母さんの形見をあずけてくれたのに…あたしはそれを知らずに棒に振った。それどころか、あんな酷い事を…。もう一度チャンスが欲しい。タダでもう一度なんて思ってない。だから、一夏に勝ったら…!」
彼女の思いが理解できた一夏は、フッと笑いながら返事をする。
「あぁ!宇月にはおれから言っとく。でも、手加減はしないぞ?」
「上等、決着をつけるわよ!」
両者とも、ISを装備する。一夏は白式を、鈴音は「甲龍」を。
一方、観戦中の宇月とセシリア。
「さて、どっちが勝つかな…」
「一夏さんもわたくしに肉薄できたましたが、彼女も代表候補生。予想するのは難しいですわね」
2人が予測しているところへ、理雄が現れた。
「ま、あの中国女も織斑も、そこそこしか、楽しませてくれねェだろうな」
「なんですの、理雄さん?」
セシリアは明らかに敵意を見せながら、理雄に詰め寄る。
「言っておくがオレは事実上、オマエに勝った。あそこに居るのはオレでも不思議じゃないんだぜ?」
楽しそうに笑いながら、挑発気味に言う。
「何が言いたい?」
「勝者の余裕って所だ。今に分かる」
意味深な言葉を残して理雄は去っていった。
そこへ、箒がやってきた。
「宇月、スイッチャーが分かったぞ!」
「ホントか!?」
突如、大声を上げて立ち上がる宇月。観客の目線は一度、宇月達に集まる。
「あ…ごめんなさい、なんでもないです」
そう言って再び座り、改めて箒に尋ねる。
「で…誰だった?」
「2組の元クラス代表。昨日の夜で既にラストワンに到達している」
「やばいな…早くオフにしないと…!」
宇月が焦るが、その詳しい理由を聞くセシリア。
「どうして、やばいですの?」
「ラストワンに到達して、元の肉体を放置しすぎると、ゾディアーツの肉体に精神が定着し過ぎて、本当に戻れなくなる。もしそうなったら…ラストワンのスイッチをオフにした時点で精神ごと消滅して、その人間は二度と目覚めない」
「つまり…死ぬんだ」
「そんな…!?」
箒とセシリアも驚愕する。そうなれば、宇月は人殺しになってしまう。
「いま、ハウンドがどこにいるか分かるか?」
「バガちゃんに探させて、山田先生にも教師に声かけして探してもらってる。でも…」
見つかっていないようだ。宇月は頭を抱える。
「もし間に合わなかったら…見逃してホロスコープスに覚醒させるしかない。ホロスコープス化すれば、肉体が戻るから」
それは避けたい。敵の脅威が増える事を放っておくことになるのだ。スコーピオンに続く強敵が増えてしまえば、かなりの不利に繋がる。
「なんとか、ハウンドを見つけないと…!」
そう言って、宇月は席を立ってハウンドを探し始めた。
「わたしも行くぞ!」「わたくしもですわ!」
そして場面はクラス対抗戦に戻る。
「はあああああああああああぁっ!」
鈴音は大型の青龍刀型の武器「双天牙月」を握り締め、一夏に向かっていく。
「やばっ!」
一夏はそれを避けて距離を置き、雪片弐型を装備する。
「なかなか速いわね。でも、こっちだって!」
再び、一気に距離を縮める鈴音。
今度は武器があるため、真正面からその攻撃を防ぐ。
ガキィィン!
「くっ…!」
重い一撃だ。なんとか打開の技を考えなければいけないが…。
「隙あり…」
鈴音はそう言って、肩にある衝撃砲「龍砲」を起動させ、衝撃波を放つ。
ドガアアアアアアアアアアアアァ!
「うああああああああああああああぁ!」
防ぐものもなく、まともに受けて吹き飛ばされる一夏。
「今のはジャブだからね。次は…!」
今回は両肩の龍砲が光を纏いはじめる。
「くそっ!」
反射的に動き、その衝撃波を避け続けた。
「避けた…見えないのに…!」
「すばしっこさだけは、自信ありだからな」
再び、両者とも互いを見据える。
その時…。
ドガアアアアアアアアアァ!
突如、大きな轟音と共に黒い物体が現れた。
「なんだ、あれは…!?」
「試合中止よ、一夏!」
鈴音が言い放ち、一夏の少し上空に向かう。
「試合中止だって…?」
一夏が困惑していると、山田が通信で呼びかける。
「織斑君、正体不明のISが現れました!今、教師達が事態の収拾に向かっています!」
「逃げろってことですか!?」
一夏は山田に強く拒絶の意志を見せ、鈴音と共に並び立つ。
「ばか、逃げなさいよ!」「女を置いて逃げられるかっ!」
口喧嘩を続けていると…
バシュッ!
「危ない!」「きゃあっ!?」
鈴音に向かってビームが放たれる。それを一夏が抱きかかえて避けることで、大事は免れた。
「気をつけろ…来るぞ!」
一夏がそう言って、構えた瞬間…。
ズガアアアアアアァ!
「ぐああああぁっ!」
突如、奇襲を受け、一夏はよろける。犯人は…。
「邪魔。鈴音を潰すのはアタシよ」
ハウンドであった。既にラストワンに到達しているため、能力も格段に上がってしまっている。
「この前のオオカミ怪人!」
鈴音がハウンドに向かって叫び、双天牙月を構えて攻撃を仕掛ける。
しかし…。
バシュッ!ドガアアアアアアアァ!
「きゃあああああああああああああああああぁ!?」
黒いISの攻撃を受け、地面に激突した。
そこに現れたのは…。
「ほう…確か「ゴーレム」だったかな?」
スコーピオンだ。ゴーレムと呼ばれたISに対してなんら驚く様子も見せない。
「利用させてもらう」
バシュッ!バシュッ!
「ムンッ!」
バキィ!
突如、ゴーレムと呼ばれたISの放つビームを避けつつ近付き、機体の中心を破壊し、無理矢理に搭乗する。
「あのIS…無人機だったの!?」「スコーピオンが…ISに!?」
同時に起こった信じがたい2つの事実。事態は最悪な方向へと向かいつつある。
「さぁ、ハウンドよ。君は鳳鈴音を潰したまえ。私は…」
「試合会場に来たか!」
そこに、轟音を聞いて駆けつけた宇月、箒、セシリア。
「ブリュンヒルデの弟を潰そう。相手になってくれるかな?」
ゴーレムを再起動させ、一夏に近付く。
「させませんわ!宇月さん、わたくしもお手伝いいたします!」
「あぁ、一刻を争う!」
<3><2><1>
「変身っ!」
宇月はフォーゼBSに変身する。
「はぁっ!…一夏、セシリア!おれはハウンドを止める!頼む、5分持ちこたえてくれ!」
「スコーピオン相手にか!?」「無茶、言いますわね…!」
2人とも驚いたが、拒絶ではないようだ。
「出来るだけ早くな!」「あまり、長持ちはしませんことよ?」
「すまない!」
そう言って、フォーゼBSはハウンドに攻撃を仕掛けに向かう。
「う…動かない…!」
鈴音は焦燥にかられている。甲龍が損傷しているために動かないのだ。
ハウンドがゆっくりと近付いてくる。
「アンタはお終いよ…!」
「させるかああああああぁ!」
<ROCKET-ON>
あと一歩の所で、フォーゼBSが鈴音を抱きかかえ、ロケットモジュールで距離を置いた。
「大丈夫か、鈴音!」「う、うん…」
フォーゼBSは鈴音の安否を確認し、再び戦いの場へ赴こうとする。
「待って!」
だが彼の腕を持って、引き止める。
「待てねぇ!時間が無いんだよ!」
「時間が無いから、聞いて!」
無理矢理、振り払おうとするが、どうしても聞いて欲しいらしく放してくれない。
「本当は、一夏に勝ってからお願いするつもりだったけど…」
「何を…?あ、まさか…!」
「パワーダイザー、あたしに預けてくれない?」
一方、一夏とセシリア対スコーピオン。
「オオオオオオオオオオオオオォ!」
ドゴオオオオオオオオオオォ!
「うわあああああああああぁ!」「きゃあああああああああぁ!」
もともと、専用機と互角以上の力を持ち、さらにISに乗ったスコーピオン。力の差は歴然としている。
まるで相手にならない。傷一つつけることも出来ない。
「ISと言うのは、乗り手が強さを決めるようだね。君たちはまるで…」
「クズだ」
そう言って、トドメを刺すべく強力な一撃の準備に入る。
「まだ…3分しか…!」「これまでですの…!?」
もうだめだと感じたその時…。
「はああああああああああああああああぁ!」
ドゴオオオオオオオオオォ!
「ムゥッ…!?」
巨大な黄色い物体が、スコーピオンに襲い掛かる。
いきなりの事に、スコーピオンも少ないながらもダメージを受けた。
「一夏、セシリア、応援に来たわよ!」
その正体は…パワーダイザーだ。
聞こえる声は、鈴音のものだ。
「鈴か…!?」「鈴さん!」
「こら、サソリ怪人!あたし達に勝てるかしら?」
パワーダイザーは、大きく腕を振り上げながらスコーピオンを挑発する。
完全に怒り心頭になったスコーピオン。簡単に挑発に乗った。
「舐めやがって…。一人残らず、ブチ殺すッ!」
今までの口調が打って変わって、荒い言葉にかわる。
「さぁて、暴れるわよ!」
そのころ、フォーゼBSはハウンドと交戦中。
「まったく…なんで邪魔ばっか!」
ドガアアァ!
「ぐああああああぁ!…やっぱ速い!ここには柱もないし…」
「宇月ぃ!」
フォーゼBSが毒づいていると、箒が何かを持ってきた。
「この子達を使おう!」
「…ポテチョキンにフラシェキー…その手があったか!」
箒が持っていたのは、つい最近にロールアウトしたフードロイド達。
「頑張ってこい!」
ポテチョキンにシザーススイッチを、フラシェキーにフラッシュスイッチを挿入して放り投げると、ロイドモードに変化し、フラシェキーが光を放つ。
「キャアッ!?」
それは小さいが閃光であり、一時的にハウンドの動きを止めた。そのときにポテチョキンがハウンドの頭にしがみつき、鋏状の腕で攻撃する。
「イ、イタタタタ…!やめてってば!」
「よし、もういいぞ!」
<ROCKET-ON><DRILL-ON>
フォーゼBSが叫ぶと同時に、ポテチョキン達はハウンドから離れ、箒の元に戻ってきた。
その隙にロケットとドリルをオンにして、レバーを引く。
<ROCKET DRILL LIMIT-BREAKE>
「これで終わりだ!ライダアアァァロケットドリルキィィィィィック!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!
爆発の中から出てきたスイッチ。キャッチしたフォーゼBSはそれを良く見る。
「良かった…間に合ってる…!」
安堵してオフにした後、一夏たちの場所に向かった。
「くらえええええええええぇ!」「はああああああああぁっ!」
一夏の雪片弐型とセシリアのスターライトmkⅢから放たれる攻撃が、スコーピオンに向かう。
「無駄だアアアアアアアアアアァ!」
ドゴオオオオォ!
それを難なく弾き、次の攻撃に備える。
「あたしを忘れんな!」
「ゼアアアアァ!」
ガキイイイイイィ!
パワーダイザーの攻撃も何とか防ぎ、距離を置く。
「互角って所か…!」
このままでは勝負がつかない。
そこへ…。
「なら、もうちょい戦力を増すか!」
<FLUSH-ON>
「みんな、目を閉じろ!」
「ヌウッ!?」
一夏達は介入してきたフォーゼBSの言葉に反応し、目を力いっぱい閉じる。
反応が遅れたスコーピオンはフラッシュモジュールの閃光で目が眩む。
「クソオオオォ!邪魔しやがってエエエエエェ!」
目を押さえつつ、大きな絶叫を上げるスコーピオン。
「今なら行ける!スコーピオンを倒すぞ!」
「おう!」「了解ですわ!」「任せて!」
フォーゼBS、一夏、セシリア、パワーダイザーが並び立ち、スコーピオンに攻撃を仕掛ける。
「「「「はあああああああああああああああぁっ!」」」」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアァ!
「グアアアアアアアアアアアアァ!」
フォーゼBSのキック、雪片弐型の斬撃、スターライトmkⅢのビーム、パワーダイザーの拳が、同時にスコーピオンに当たる。
遂にスコーピオンに強力な一撃を与える事ができた。
「よしっ!」「宇月!」
ガッツポーズを決めるフォーゼBSに向かって、パワーダイザーが拳を前に持ってくる。
「おう!」
意味を理解し、拳をぶつけた。
ゴーレムは崩壊し、スコーピオンのみが現れる。
「チィッ…!今回はここまでか…!」
そう吐き捨てて、スコーピオンは姿を消した。
「あっ!お待ちなさい!」「逃げんな、卑怯者!」
セシリアとパワーダイザーは後を追おうとしたが、無駄だった。
フォーゼBSは無理に追うことはせず、パワーダイザーを見つめた。
「母さん…おれ、少しは母さんと向き合えたかな…?」
そして、箒はハウンドだった女子生徒を抱き起こしていた。
「なぁんだ…ダメだったの?」「あぁ」
そこへ、フォーゼBSがやってきた。
「クラス代表にはなれなかったけど、別のことで1番を目指せよ。人間は誰にでも可能性がある。応援してるぜ!」
フォーゼBSの激励に女子生徒はおかしそうに笑う。
「面白いわね…白いロケットさん」「フォーゼです…」
そして紫苑は…。
「いたた…ちょっと無理したかな…?」
そういいながら、足を引きずっている。
「もう少しの辛抱だね…。もう少し…」
その日の夕暮れ。
ラビットハッチで、改めて鈴音は仮面ライダー部に入部する事になった。
「よろしく、宇月!」「おう、頼むぜ!」
2人は強く握手をした。
「あの子も入ってくると…」「またライバルが…」
箒とセシリアは、半分歓迎半分拒絶。一夏をめぐるライバルが増えるからだ。
「ところでさ」「ん?」
宇月は、鈴音をまっすぐ見据えながら両肩を持つ。
「な、何よ…?」
「酢豚、おれにも作ってくれよ!」
「は…?」
「一夏から聞いたけど、飯作るのうまいんだよな?いや、おれ腹減っちゃってさ!」
肩をポンポンと叩きながら宇月は目をキラキラさせながら聞く。
忘れてるかもしれないが、彼は大喰らい。彼女が料理がうまいと聞いて、かなり楽しみにしているのだ。
「あんた達ねぇ…」
「鈴音?」
鈴音は拳を握り締めて震えている。
「乙女心がわかってなあぁぁぁぁい!」
「うおっ!?」「なんでだよ!?」
またしても、追いかけっこが始まった。
箒とセシリアは火花を散らしながら、鈴音を睨んでいる。
山田は困ったように笑いながらも、楽しそうにそれを見つめていた。
その日の夜…。
IS学園に一人の少年がやってきた。
「宇月…。もってきたぞ、アストロスイッチの素体」
その手には、いくつかの黒いアストロスイッチが握られていた。
もう片方の手には、別のスイッチが握られている。
それは…。
同時刻…。
リブラはSOLUの回収中、ある人物達と対峙していた。
「あれがゾディアーツ…!」「確か…リブラ!」
「龍騎…久しぶりだね。それに…月宮あゆだったかな?」
そう、仮面ライダー龍騎。ある世界で、様々なモノを仲間と共に守り抜いた存在。
そして月宮あゆ。ここにいる龍騎に愛され、彼と何よりも強い絆で結ばれている女性。
「その声…もしかして!?」「ご名答、月宮あゆ。やはり分かったようだね」
どうやら、あゆはリブラの正体が分かったようだ。龍騎も同様である。
「あなたは…どうしても、あの人の邪魔がしたいんですか!?」
「そうだ。私はヤツを消さねばならん。それが私の役目だ!」
「あの人の邪魔はさせない!」
龍騎は強く言い放ち、リブラに攻撃を仕掛ける。
「待ちたまえ。私は君と戦うつもりはない。今の狙いはSOLUだけだからね」
リブラは手で龍騎を制しディケを奮って、姿を消した。
「あゆ…。危険かもしれないけど、着いてくる?」
「もちろんだよ!ボク達はいつまでも一緒だから!」
龍騎の問いにあゆは大きく頷く。
続く…。
次回!
言ってた男子だ!
おれは辻永礼
シャルル・デュノアです
僕と同室なの!?
気安く話しかけるな
このスイッチ…エレキだ!
強力すぎて、エナジーが逆流している!
第7話「礼・仏・参・戦」
青春スイッチ・オン!
キャスト
城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ
織斑一夏
篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音
スイッチを持つ少年
白石紫苑
裾迫理雄
女子生徒=ハウンド・ゾディアーツ
織斑千冬
山田真耶
???=スコーピオン・ゾディアーツ
???=リブラ・ゾディアーツ
???=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ
あとがき
如何でしたか?
ISの本編をちゃんと見れてないから、劇中の再現が飛び飛びです(汗)。
ここで、やっと全戦力投入でスコーピオンに勝てる状態です。メテオ登場以降も踏ん張りますが…ちょっと正体を明かすタイミングを見極めかねてます。
更にちょっとですが、私の前作の主人公とメインヒロイン、龍騎とあゆが登場です!本格的に絡んでくるのは、もう少し先ですが…。この2人、リブラの正体を知ってます。つまり…。
次回は、スイッチ担当とシャルルの登場です!メインストーリーに紫苑も絡んできます。ステイツチェンジも、少しずつ…。
次回をお楽しみに!