仮面ライダーフォーゼ~IS学園キターッ!~   作:龍騎鯖威武

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第6話「中・国・実・力」

ハウンドが現れた次の日。

今日はクラス対抗戦前日。一夏は千冬から指導を受けていた。

「すっかり忘れてた!」

「全く、クラス代表としての自覚が足らんぞ」

とりあえず、一夏はクラス対抗戦の練習をやりながら、スイッチャー探しは箒とセシリアが行なっていた。

「一夏。おまえ、何に首を突っ込んでいる?」

「え…」

どうやら、感づかれているようだ。姉弟の関係は侮れない。

一応、山田にも仮面ライダー部の事は口外しないように言っているので、おそらく知られてはいない筈だが。

「具体的に何をしているかまでは聞かん。だが…無茶はするな。助けが欲しければ、私に頼め。出来る限りの事はする」

「ありがとう、千冬姉」

お互い、唯一の肉親。絆も深い。全てを教えることは出来ないが、頼もしさは感じた。

「…さて、始めるか」

 

スコーピオンは学園から少し離れた場所に、ハウンドの女子生徒を連れてきていた。

「スコーピオン様。あなたは一体…誰なんですか?」

「まだ教えることは出来ない。君が我々と同格になれば、自ずと分かるだろう。そのためにも、鳳鈴音を引き摺り下ろすのだ。そうすれば君は人の躯を捨てて、十二使徒となれる」

正体を知りたがっている女子生徒に、スコーピオンはやんわりと断り、更に優しく諭す。

その言葉の裏に狂気を秘めつつ。

「大丈夫だ、君は素晴らしい力の持ち主。私は全力でサポートしよう」

「はい!」

 

宇月は自分の部屋で写真を見つめている。

父の吾朗と母の三咲、そして幼い日の自分自身が映っている、唯一の家族写真だ。

ラビットハッチから出てきた箒。

「それは…両親か?」

「あ、箒か…。そう、父さんと母さんが映っている唯一の写真」

古びているが、そこには昔とずっと変わらない微笑みを湛えている。

気になる事を、箒はおずおずと聞く。

「宇月のお母さんは…元IS使いって言ってたな」

「あぁ、確か世界で3番目のIS使いだった。でも…千冬さんも関わっていた、白騎士事件を最後に行方不明。フォーゼに変身していた父さんも一緒に…。残されたのが、ラビットハッチにフォーゼシステムと、壊れた母さんのISだった」

少しだけ溜息をついて続ける。

「父さんの遺してくれた物は沢山あるけど、母さんが遺したのはISだけ。だからずっと倉庫で埃を被ってるのがイヤだった。ISを理解しなかったから、なんだか母さんから目を背けてる気がして…。鈴音なら、任せられると思ったけど…。ゴリラだってさ、笑っちゃうよな」

宇月の掠れた笑い声が響き渡る。

クローゼットの扉、ラビットハッチへの入り口へ続く扉の向こうで、鈴音はずっと眺めていた。

「…傷つけちゃったな」

 

クラス対抗戦の前夜…。

<LAST ONE>

「遂に到達したようだね。さぁ、勇気を振り絞りたまえ」

女子生徒は、スコーピオンに促されるままにスイッチを押した。

その肉体は、女子生徒とハウンドに分離する。

「これが…ラストワン…!」

「今なら上手くいく。君の願いを果たすときだ」

ハウンドの肩に手を置くスコーピオン。ハウンドは自分の両手を握り締めながら見つめ、自身の力を感じる。

その様子を、箒が見ていた。

「あいつがスイッチャー…。宇月に知らせないと!」

 

そして、クラス対抗戦当日。

初戦は一夏と鈴音。

「鈴。初っ端から、おまえと当たるなんてな!」

「うん…」

一夏は気合十分。大きな声で鈴音に呼びかけるが、当の鈴音はいつになく気分が沈んでいる。

「どうした?いつもの明るさがないぞ」

さすがに心配になったのか、そっと尋ねる一夏。

「あ、あのさ、一夏…」

「うん?」

鈴音は顔を上げて強く言った。

 

「あたしが勝ったら、仮面ライダー部に入れて!」

 

「り、鈴…?」

突然の申し出に困惑する一夏。

「昨日、宇月はあたしを信用して、お母さんの形見をあずけてくれたのに…あたしはそれを知らずに棒に振った。それどころか、あんな酷い事を…。もう一度チャンスが欲しい。タダでもう一度なんて思ってない。だから、一夏に勝ったら…!」

彼女の思いが理解できた一夏は、フッと笑いながら返事をする。

「あぁ!宇月にはおれから言っとく。でも、手加減はしないぞ?」

「上等、決着をつけるわよ!」

両者とも、ISを装備する。一夏は白式を、鈴音は「甲龍」を。

 

一方、観戦中の宇月とセシリア。

「さて、どっちが勝つかな…」

「一夏さんもわたくしに肉薄できたましたが、彼女も代表候補生。予想するのは難しいですわね」

2人が予測しているところへ、理雄が現れた。

「ま、あの中国女も織斑も、そこそこしか、楽しませてくれねェだろうな」

「なんですの、理雄さん?」

セシリアは明らかに敵意を見せながら、理雄に詰め寄る。

「言っておくがオレは事実上、オマエに勝った。あそこに居るのはオレでも不思議じゃないんだぜ?」

楽しそうに笑いながら、挑発気味に言う。

「何が言いたい?」

「勝者の余裕って所だ。今に分かる」

意味深な言葉を残して理雄は去っていった。

そこへ、箒がやってきた。

「宇月、スイッチャーが分かったぞ!」

「ホントか!?」

突如、大声を上げて立ち上がる宇月。観客の目線は一度、宇月達に集まる。

「あ…ごめんなさい、なんでもないです」

そう言って再び座り、改めて箒に尋ねる。

「で…誰だった?」

「2組の元クラス代表。昨日の夜で既にラストワンに到達している」

「やばいな…早くオフにしないと…!」

宇月が焦るが、その詳しい理由を聞くセシリア。

「どうして、やばいですの?」

「ラストワンに到達して、元の肉体を放置しすぎると、ゾディアーツの肉体に精神が定着し過ぎて、本当に戻れなくなる。もしそうなったら…ラストワンのスイッチをオフにした時点で精神ごと消滅して、その人間は二度と目覚めない」

 

「つまり…死ぬんだ」

 

「そんな…!?」

箒とセシリアも驚愕する。そうなれば、宇月は人殺しになってしまう。

「いま、ハウンドがどこにいるか分かるか?」

「バガちゃんに探させて、山田先生にも教師に声かけして探してもらってる。でも…」

見つかっていないようだ。宇月は頭を抱える。

「もし間に合わなかったら…見逃してホロスコープスに覚醒させるしかない。ホロスコープス化すれば、肉体が戻るから」

それは避けたい。敵の脅威が増える事を放っておくことになるのだ。スコーピオンに続く強敵が増えてしまえば、かなりの不利に繋がる。

「なんとか、ハウンドを見つけないと…!」

そう言って、宇月は席を立ってハウンドを探し始めた。

「わたしも行くぞ!」「わたくしもですわ!」

 

そして場面はクラス対抗戦に戻る。

「はあああああああああああぁっ!」

鈴音は大型の青龍刀型の武器「双天牙月」を握り締め、一夏に向かっていく。

「やばっ!」

一夏はそれを避けて距離を置き、雪片弐型を装備する。

「なかなか速いわね。でも、こっちだって!」

再び、一気に距離を縮める鈴音。

今度は武器があるため、真正面からその攻撃を防ぐ。

ガキィィン!

「くっ…!」

重い一撃だ。なんとか打開の技を考えなければいけないが…。

「隙あり…」

鈴音はそう言って、肩にある衝撃砲「龍砲」を起動させ、衝撃波を放つ。

ドガアアアアアアアアアアアアァ!

「うああああああああああああああぁ!」

防ぐものもなく、まともに受けて吹き飛ばされる一夏。

「今のはジャブだからね。次は…!」

今回は両肩の龍砲が光を纏いはじめる。

「くそっ!」

反射的に動き、その衝撃波を避け続けた。

「避けた…見えないのに…!」

「すばしっこさだけは、自信ありだからな」

再び、両者とも互いを見据える。

その時…。

 

ドガアアアアアアアアアァ!

 

突如、大きな轟音と共に黒い物体が現れた。

「なんだ、あれは…!?」

「試合中止よ、一夏!」

鈴音が言い放ち、一夏の少し上空に向かう。

「試合中止だって…?」

一夏が困惑していると、山田が通信で呼びかける。

「織斑君、正体不明のISが現れました!今、教師達が事態の収拾に向かっています!」

「逃げろってことですか!?」

一夏は山田に強く拒絶の意志を見せ、鈴音と共に並び立つ。

「ばか、逃げなさいよ!」「女を置いて逃げられるかっ!」

口喧嘩を続けていると…

バシュッ!

「危ない!」「きゃあっ!?」

鈴音に向かってビームが放たれる。それを一夏が抱きかかえて避けることで、大事は免れた。

「気をつけろ…来るぞ!」

一夏がそう言って、構えた瞬間…。

ズガアアアアアアァ!

「ぐああああぁっ!」

突如、奇襲を受け、一夏はよろける。犯人は…。

「邪魔。鈴音を潰すのはアタシよ」

ハウンドであった。既にラストワンに到達しているため、能力も格段に上がってしまっている。

「この前のオオカミ怪人!」

鈴音がハウンドに向かって叫び、双天牙月を構えて攻撃を仕掛ける。

しかし…。

バシュッ!ドガアアアアアアアァ!

「きゃあああああああああああああああああぁ!?」

黒いISの攻撃を受け、地面に激突した。

そこに現れたのは…。

「ほう…確か「ゴーレム」だったかな?」

スコーピオンだ。ゴーレムと呼ばれたISに対してなんら驚く様子も見せない。

「利用させてもらう」

バシュッ!バシュッ!

「ムンッ!」

バキィ!

突如、ゴーレムと呼ばれたISの放つビームを避けつつ近付き、機体の中心を破壊し、無理矢理に搭乗する。

「あのIS…無人機だったの!?」「スコーピオンが…ISに!?」

同時に起こった信じがたい2つの事実。事態は最悪な方向へと向かいつつある。

「さぁ、ハウンドよ。君は鳳鈴音を潰したまえ。私は…」

「試合会場に来たか!」

そこに、轟音を聞いて駆けつけた宇月、箒、セシリア。

「ブリュンヒルデの弟を潰そう。相手になってくれるかな?」

ゴーレムを再起動させ、一夏に近付く。

「させませんわ!宇月さん、わたくしもお手伝いいたします!」

「あぁ、一刻を争う!」

<3><2><1>

「変身っ!」

宇月はフォーゼBSに変身する。

「はぁっ!…一夏、セシリア!おれはハウンドを止める!頼む、5分持ちこたえてくれ!」

「スコーピオン相手にか!?」「無茶、言いますわね…!」

2人とも驚いたが、拒絶ではないようだ。

「出来るだけ早くな!」「あまり、長持ちはしませんことよ?」

「すまない!」

そう言って、フォーゼBSはハウンドに攻撃を仕掛けに向かう。

 

「う…動かない…!」

鈴音は焦燥にかられている。甲龍が損傷しているために動かないのだ。

ハウンドがゆっくりと近付いてくる。

「アンタはお終いよ…!」

「させるかああああああぁ!」

<ROCKET-ON>

あと一歩の所で、フォーゼBSが鈴音を抱きかかえ、ロケットモジュールで距離を置いた。

「大丈夫か、鈴音!」「う、うん…」

フォーゼBSは鈴音の安否を確認し、再び戦いの場へ赴こうとする。

「待って!」

だが彼の腕を持って、引き止める。

「待てねぇ!時間が無いんだよ!」

「時間が無いから、聞いて!」

無理矢理、振り払おうとするが、どうしても聞いて欲しいらしく放してくれない。

「本当は、一夏に勝ってからお願いするつもりだったけど…」

「何を…?あ、まさか…!」

 

「パワーダイザー、あたしに預けてくれない?」

 

一方、一夏とセシリア対スコーピオン。

「オオオオオオオオオオオオオォ!」

ドゴオオオオオオオオオオォ!

「うわあああああああああぁ!」「きゃあああああああああぁ!」

もともと、専用機と互角以上の力を持ち、さらにISに乗ったスコーピオン。力の差は歴然としている。

まるで相手にならない。傷一つつけることも出来ない。

「ISと言うのは、乗り手が強さを決めるようだね。君たちはまるで…」

 

「クズだ」

 

そう言って、トドメを刺すべく強力な一撃の準備に入る。

「まだ…3分しか…!」「これまでですの…!?」

もうだめだと感じたその時…。

「はああああああああああああああああぁ!」

ドゴオオオオオオオオオォ!

「ムゥッ…!?」

巨大な黄色い物体が、スコーピオンに襲い掛かる。

いきなりの事に、スコーピオンも少ないながらもダメージを受けた。

「一夏、セシリア、応援に来たわよ!」

 

その正体は…パワーダイザーだ。

 

聞こえる声は、鈴音のものだ。

「鈴か…!?」「鈴さん!」

「こら、サソリ怪人!あたし達に勝てるかしら?」

パワーダイザーは、大きく腕を振り上げながらスコーピオンを挑発する。

完全に怒り心頭になったスコーピオン。簡単に挑発に乗った。

「舐めやがって…。一人残らず、ブチ殺すッ!」

今までの口調が打って変わって、荒い言葉にかわる。

「さぁて、暴れるわよ!」

 

そのころ、フォーゼBSはハウンドと交戦中。

「まったく…なんで邪魔ばっか!」

ドガアアァ!

「ぐああああああぁ!…やっぱ速い!ここには柱もないし…」

「宇月ぃ!」

フォーゼBSが毒づいていると、箒が何かを持ってきた。

「この子達を使おう!」

「…ポテチョキンにフラシェキー…その手があったか!」

箒が持っていたのは、つい最近にロールアウトしたフードロイド達。

「頑張ってこい!」

ポテチョキンにシザーススイッチを、フラシェキーにフラッシュスイッチを挿入して放り投げると、ロイドモードに変化し、フラシェキーが光を放つ。

「キャアッ!?」

それは小さいが閃光であり、一時的にハウンドの動きを止めた。そのときにポテチョキンがハウンドの頭にしがみつき、鋏状の腕で攻撃する。

「イ、イタタタタ…!やめてってば!」

「よし、もういいぞ!」

<ROCKET-ON><DRILL-ON>

フォーゼBSが叫ぶと同時に、ポテチョキン達はハウンドから離れ、箒の元に戻ってきた。

その隙にロケットとドリルをオンにして、レバーを引く。

<ROCKET DRILL LIMIT-BREAKE>

「これで終わりだ!ライダアアァァロケットドリルキィィィィィック!」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!

爆発の中から出てきたスイッチ。キャッチしたフォーゼBSはそれを良く見る。

「良かった…間に合ってる…!」

安堵してオフにした後、一夏たちの場所に向かった。

 

「くらえええええええええぇ!」「はああああああああぁっ!」

一夏の雪片弐型とセシリアのスターライトmkⅢから放たれる攻撃が、スコーピオンに向かう。

「無駄だアアアアアアアアアアァ!」

ドゴオオオオォ!

それを難なく弾き、次の攻撃に備える。

「あたしを忘れんな!」

「ゼアアアアァ!」

ガキイイイイイィ!

パワーダイザーの攻撃も何とか防ぎ、距離を置く。

「互角って所か…!」

このままでは勝負がつかない。

そこへ…。

「なら、もうちょい戦力を増すか!」

<FLUSH-ON>

「みんな、目を閉じろ!」

「ヌウッ!?」

一夏達は介入してきたフォーゼBSの言葉に反応し、目を力いっぱい閉じる。

反応が遅れたスコーピオンはフラッシュモジュールの閃光で目が眩む。

「クソオオオォ!邪魔しやがってエエエエエェ!」

目を押さえつつ、大きな絶叫を上げるスコーピオン。

「今なら行ける!スコーピオンを倒すぞ!」

「おう!」「了解ですわ!」「任せて!」

フォーゼBS、一夏、セシリア、パワーダイザーが並び立ち、スコーピオンに攻撃を仕掛ける。

「「「「はあああああああああああああああぁっ!」」」」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアァ!

「グアアアアアアアアアアアアァ!」

フォーゼBSのキック、雪片弐型の斬撃、スターライトmkⅢのビーム、パワーダイザーの拳が、同時にスコーピオンに当たる。

遂にスコーピオンに強力な一撃を与える事ができた。

「よしっ!」「宇月!」

ガッツポーズを決めるフォーゼBSに向かって、パワーダイザーが拳を前に持ってくる。

「おう!」

意味を理解し、拳をぶつけた。

ゴーレムは崩壊し、スコーピオンのみが現れる。

「チィッ…!今回はここまでか…!」

そう吐き捨てて、スコーピオンは姿を消した。

「あっ!お待ちなさい!」「逃げんな、卑怯者!」

セシリアとパワーダイザーは後を追おうとしたが、無駄だった。

フォーゼBSは無理に追うことはせず、パワーダイザーを見つめた。

「母さん…おれ、少しは母さんと向き合えたかな…?」

 

そして、箒はハウンドだった女子生徒を抱き起こしていた。

「なぁんだ…ダメだったの?」「あぁ」

そこへ、フォーゼBSがやってきた。

「クラス代表にはなれなかったけど、別のことで1番を目指せよ。人間は誰にでも可能性がある。応援してるぜ!」

フォーゼBSの激励に女子生徒はおかしそうに笑う。

「面白いわね…白いロケットさん」「フォーゼです…」

 

そして紫苑は…。

「いたた…ちょっと無理したかな…?」

そういいながら、足を引きずっている。

「もう少しの辛抱だね…。もう少し…」

 

その日の夕暮れ。

ラビットハッチで、改めて鈴音は仮面ライダー部に入部する事になった。

「よろしく、宇月!」「おう、頼むぜ!」

2人は強く握手をした。

「あの子も入ってくると…」「またライバルが…」

箒とセシリアは、半分歓迎半分拒絶。一夏をめぐるライバルが増えるからだ。

「ところでさ」「ん?」

宇月は、鈴音をまっすぐ見据えながら両肩を持つ。

「な、何よ…?」

 

「酢豚、おれにも作ってくれよ!」

 

「は…?」

「一夏から聞いたけど、飯作るのうまいんだよな?いや、おれ腹減っちゃってさ!」

肩をポンポンと叩きながら宇月は目をキラキラさせながら聞く。

忘れてるかもしれないが、彼は大喰らい。彼女が料理がうまいと聞いて、かなり楽しみにしているのだ。

「あんた達ねぇ…」

「鈴音?」

鈴音は拳を握り締めて震えている。

「乙女心がわかってなあぁぁぁぁい!」

「うおっ!?」「なんでだよ!?」

またしても、追いかけっこが始まった。

箒とセシリアは火花を散らしながら、鈴音を睨んでいる。

山田は困ったように笑いながらも、楽しそうにそれを見つめていた。

 

その日の夜…。

IS学園に一人の少年がやってきた。

「宇月…。もってきたぞ、アストロスイッチの素体」

その手には、いくつかの黒いアストロスイッチが握られていた。

もう片方の手には、別のスイッチが握られている。

それは…。

 

同時刻…。

リブラはSOLUの回収中、ある人物達と対峙していた。

「あれがゾディアーツ…!」「確か…リブラ!」

「龍騎…久しぶりだね。それに…月宮あゆだったかな?」

そう、仮面ライダー龍騎。ある世界で、様々なモノを仲間と共に守り抜いた存在。

そして月宮あゆ。ここにいる龍騎に愛され、彼と何よりも強い絆で結ばれている女性。

「その声…もしかして!?」「ご名答、月宮あゆ。やはり分かったようだね」

どうやら、あゆはリブラの正体が分かったようだ。龍騎も同様である。

「あなたは…どうしても、あの人の邪魔がしたいんですか!?」

「そうだ。私はヤツを消さねばならん。それが私の役目だ!」

「あの人の邪魔はさせない!」

龍騎は強く言い放ち、リブラに攻撃を仕掛ける。

「待ちたまえ。私は君と戦うつもりはない。今の狙いはSOLUだけだからね」

リブラは手で龍騎を制しディケを奮って、姿を消した。

「あゆ…。危険かもしれないけど、着いてくる?」

「もちろんだよ!ボク達はいつまでも一緒だから!」

龍騎の問いにあゆは大きく頷く。

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

次回!

 

                       言ってた男子だ!

 

おれは辻永礼

 

                       シャルル・デュノアです

 

僕と同室なの!?

 

                       気安く話しかけるな

 

このスイッチ…エレキだ!

 

                       強力すぎて、エナジーが逆流している!

 

 

第7話「礼・仏・参・戦」

 

 

青春スイッチ・オン!

 

 




キャスト


城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

スイッチを持つ少年

白石紫苑
裾迫理雄

女子生徒=ハウンド・ゾディアーツ

織斑千冬
山田真耶

???=スコーピオン・ゾディアーツ
???=リブラ・ゾディアーツ

???=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ




あとがき
如何でしたか?
ISの本編をちゃんと見れてないから、劇中の再現が飛び飛びです(汗)。
ここで、やっと全戦力投入でスコーピオンに勝てる状態です。メテオ登場以降も踏ん張りますが…ちょっと正体を明かすタイミングを見極めかねてます。
更にちょっとですが、私の前作の主人公とメインヒロイン、龍騎とあゆが登場です!本格的に絡んでくるのは、もう少し先ですが…。この2人、リブラの正体を知ってます。つまり…。
次回は、スイッチ担当とシャルルの登場です!メインストーリーに紫苑も絡んできます。ステイツチェンジも、少しずつ…。
次回をお楽しみに!

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