ラビットハッチで、山田が宇月達の応急処置を行なっている。
「痛って!」
「が、我慢してください…手当てですから…」
あの後、箒も駆けつけたが、そこには既にレオの姿はなく、倒れ伏した彼等がいるのみであった。
「やっぱり、あのレオ・ゾディアーツ…強すぎます…」
「こんな事になっているなんて…」
「あぁ…。残念だが、今の時点ではこれが現実だ」
拳を握り締める包帯姿の礼。
「このままじゃ…IS学園はおしまいだ…」
ラウラは珍しく、諦めかけていた。
彼女の心に影を落としたのは、レオとの戦いでまったく手足も出なかったこともそうだが、何も守れなかった事が大きかった。
横では、満子が両肩を抱えて、痛みで苦しんでいる。
「わたし…スイッチを取り戻しにいきます。わたしの所為ですから…」
「違うわ!そんなこと間違ってる!」
自分を責める満子に鈴音が異議を唱える。
「あんた、ホロスコープスなのに、自分で過ちに気づいて逃げられたじゃない!それだけでも、他のホロスコープスより優しいでしょ?それなのに、また戻るって言うことは、自分の正しさを否定してしまうことになるのよ!?」
「…そうですけど、でもこのままじゃ!」
「今は、城茂君達に協力することが、良い方法じゃないの?」
楯無は静かに告げる。
「そうだけど、満子の言うとおりこのままじゃ、レオからコテンパンにやられるのがオチよ」
瑞希は溜息をつきながら言った。結果的に、レオに対抗する手段は持ち合わせていない。
だが…。
「まだ、終わってないだろ!コイツがまだある!」
一夏が見せたのは、調整が終わったばかりの最終最後、40番目のスイッチだ。
宇月がそれを手にとって、説明を始めた。
「これは…フォーゼが、より宇宙に近づくためのスイッチ…「コズミックスイッチ」だ。コレを使えば、確かにフォーゼも格段に強くなれるはずだ。でも…」
彼が俯くのは納得できた。今までステイツチェンジ用のスイッチは、使用者の感情で使えるか使えないかが左右されたものが殆ど。今回も同様だろう。
問題は、何の感情に反応するのかだ。
「たしか…エレキは何かを受け入れる気持ち、ファイヤーは全てを吸収、マグネットはゾディアーツを割り切る気持ち、メテオストームは感情を曝け出すでしたわ。コズミックなら…」
セシリアが必死に頭を捻る。
「それらを全部…と言うのはどうです?」
「つまり…?」
「それは…わかりませんけれど…」
確かにコズミックスイッチは、40のスイッチ全てのデータが入っている。そう考えれば、今までの感情を全て持てば良いということなのかもしれないが、それは結論に至っていない。
彼等は、頭を抱え続けていた。
一方、レオはアクエリアススイッチを見つめている。
そこへ、ヴァルゴが現れた。
「どうやら、回収したようだね」
「はい。ですが、ただ回収するだけでは芸がないと思いまして…」
彼はヴァルゴに、先ほどの戦いとアクエリアスを泳がせたことを伝えた。
「おそらく、フォーゼ達も現れるでしょう。そこを叩きます」
「ほう…」
彼の作戦を聞いたヴァルゴは、少し仮面の中で笑みを浮かべて、3つのスイッチを渡す。
「これは…」
「スコーピオン、カプリコーン、キャンサーのスイッチだ。君は肉体の状態から特異体質。このスイッチも使えることは理解しているだろう」
手渡した後、さらに3つのスイッチを取り出す。
それは、アリエス、ジェミニ、リブラのスイッチだった。
「SOLUの力は興味深くてね。スイッチャー無しでゾディアーツを実体化させることも出来る。無論、ホロスコープスも」
そう言って3つのスイッチを投げ、手に持っていたSOLUスイッチを押すと、青白い光が3つのスイッチを包み…。
アリエス、ジェミニ、リブラが実体化した。
「せっかくならば、徹底的に叩きのめす方が良いだろう。スイッチャーがいる時ほどの強さではないが、それでも一般ゾディアーツよりは遥かに強い。きっと力になるだろう」
「使わせていただきます」
レオはヴァルゴに軽く会釈をして、3体のコピーホロスコープスを連れて歩き去った。
残されたヴァルゴは、一人呟く。
「白石勇士…まさか、彼にあの運命が…?」
宇月は学園の校庭で膝を抱えて座っていた。
「ここにいたのか」
「あぁ、一夏か?」
声に振り向くと、一夏が歩いてきた。
「コズミックスイッチ、どうしたものかな…」
「そんなこと、おれに言われても分からねぇよ」
相談をするように尋ねてみたが、一夏も首を横に振った。
「おまえってさ、初めてフォーゼに変身したとき、どんな感じだった?」
ふと、唐突に気になったことを一夏が聞く。
「初めて変身したときか…」
あれは2年前。
父である城茂吾朗、母の城茂美咲の二人が書類上で「死亡」扱いをされて間もない頃だった。
宇月は一人暮らしをしながら、コズミックエナジーを独学で学び、研究していた。
そうすることで、両親に近づけるような気がしたのだ。
ある日…。
「なんだ、これ?」
彼の家に、2通の手紙と金色のゲートスイッチが入っている箱が届けられた。
その手紙にはそれぞれ、こう記されてあった。
『この力を持って世界を守るも良し。また滅ぼすも良し。総ては、この全宇宙に広がる神秘の導きである』
『君の親から預かったモノだ。時が来たら、君に託すように言われていた。この「扉」を開いた瞬間、君は宇宙に近づく。キーワードは…「FOURZE」』
キーワードには心当たりがあった。
「フォーゼ…。父さんが使っていたコズミックエナジー用の強化スーツ…」
行方不明になった日、宇月が初めて見た、父のもう一つの姿。
あれも白騎士事件以降は、母の使っていたISと一緒に行方不明になっていた。
しかし、それらは…ラビットハッチの中にあったのだ。
父と母の残した、彼への希望として。
そして1年後…。
ラビットハッチに残されていたデータ通り、ゾディアーツが出現した。
「これが…人が到達した星座の怪人…」
「退け…死にたくなければな」
このとき初めて対峙したのが、礼の変身するアリエス・ゾディアーツだった。
だが、準備は整っていた。
改造に改造を加え、アストロスイッチに対応させたフォーゼドライバーを装着する。
「父さん、力を貸してくれよ!」
<3><2><1>
「変身っ!」
「はぁっ!」
煙のオーラに包まれて生み出された新たな戦士…。
それがフォーゼだった。
その日から、彼の「フォーゼ」としての戦いの日々が始まったのだ。
「何度も礼と戦って、あいつとは分かり合った。仲間になった礼はメテオに変身して、おれと一緒に戦うようになったって事だ。それ以来、ずっとゾディアーツと戦い続けている」
「そうやって、フォーゼに…」
彼のフォーゼへの生い立ちをじっと聞いていた一夏。
「結局、ゲートスイッチの送り主は誰だったんだ?」
「分からない。多分、父さんか母さんの古い知り合いとは思うけど…」
その始まりにもまだ多くの謎が残っているようだ。
宇月が受け取った手紙…。
その言葉から、一夏は何かに気付いた。
「扉…。その扉って何なんだ?」
「扉か…。あっ!!!!!」
どうやら、宇月には心当たりがあるようだ。
立ち上がって、ラビットハッチへと急いだ。
ラビットハッチにある女子更衣室。
「これを着るのか…?」
箒は着替えながら、先ほど宇月に渡された「OSTO」と描かれた宇宙服を見つめる。
「どうしたのです、急に!?」「分からないわよ!とにかく宇月が大慌てで…」
「何が起こるんだろう…?」「まぁ、コズミックスイッチに関わる事は決定的だな」
セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラも話しながら急いで着替えている。
「コレを着るって事は…」「もしかして~?」
「あぁ~全部言わなくても分かるわよ」「ちょっと不安ですが…」
ついでと言われ、簪、本音、楯無、虚の4人も着替えている。
そして…。
ここに居ない紫苑と礼を除いて…
ラビットハッチの外…つまり「月面」に飛び出したのだ。
宇月のみ、フォーゼBSに変身している。この2つのスーツは宇宙服の役割も兼ねているのだ。
「宇宙だ~!」「あぁっ、本音、危ない!」
ピョンピョンと跳ね回っている本音を、姉の虚が必死に止めている。
「で、何がしたいの?」
「みんなで、コレを見たくてな…」
彼が持っていた手紙。
あの封筒の裏にも、こう記されていた。
『もし君が仲間を見つけ、それでも乗り越えられない困難が立ちはだかり、扉が開けないとき…始まりの扉を見つめると良い。きっと「答え」が、そこにある』
その言葉に従い、ラビットハッチの外側の扉を全員で見に来たのだ。
砂埃で何も見えなかったが、それを手で払うと…。
「…父さんの書いた文字だ」
城茂吾朗のメッセージが刻まれていた。
~宇月へ~
これを読んでいるということは、お前に大きな困難が立ちはだかっているのだろう。
だが恐れる必要はない。お前は既に「仲間」を手にしているはず。それが「答え」だ。
ここに、最後の扉を開く鍵を残しておく。
最後の扉を開くのは…
「絆」
この言葉の意味が分かるなら、お前に乗り越えられない困難はない。
宇月の友人達。
私の息子を支えてくれて、本当に感謝する。
もし、君達が宇月を信じるならば、彼の「扉を開く鍵」になって欲しい。
その手で…宇宙を掴め!
~吾朗より~
読み終わったフォーゼBSは地面に膝をつく。
「宇月、大丈夫か!?」
一夏がなんとか抱き起こす。
「は…ははは…」
乾いた笑い声が、一夏達の宇宙服の音声伝達装置に響く。
「どうしたんだ?」
さらに箒が尋ねる。
フォーゼBSは彼等のほうを向いて、こう言った。
「なんだよ…。もう…持ってるじゃねぇか…」
そう、コズミックスイッチの起動に必要だったのは「絆」。
彼はもう手にしていた。悩む必要などなかったのだ。
「ほんと…悩んでたのがバカバカしいわよ」
鈴音が軽く笑う。
「こんなこと確認しなくても…」「もう、何一つ隔たりのない仲間ですわ!」
フォーゼBSの肩にシャルロットとセシリアが手を置く。
「もう良いな。覚悟を決めるぞ!」「わたしも弱気になんてなっていられない!」
箒とラウラが拳を握って宣言する。
頷いたフォーゼBSは立ち上がって拳を上に掲げる。
「行くぞ…仮面ライダー部!!!!!」
『おおおおおおおおおおおぉっ!!!!!』
同時刻…。
遂に戦いの時が来た。
IS学園に、再びレオが襲ってきたのだ。
「清水満子を出せ。さもなくば、この学園を破壊する!」
ツメを研ぎながら、学園の返答を待つ。
すると…。
「私達が相手になろう」
ラファール・リヴァイヴを装備した千冬が現れた。隣には同じ機種を装備した山田もいる。
ドガアアアアアァンッ!
さらに黄色と青の発光体が飛来し、メテオSを形作った。
「闇に蠢く星の運命…この嵐で打ち砕くっ!!!」「生徒には手を出させません!」
「フン。いくら力を合わせようが、このオレには勝てんぞ!」
言うが早いか、レオは高速移動を始めた。
狙いは千冬。
「ウオオオオオオオオォッ!!!!!」
ガキィンッ!!!!!
「…くっ!」
背後に現れたレオに反応し、防いだ。しかし、その腕には早くも亀裂が走っている。
「さすがは世界最強のIS乗り。この攻撃に反応できたのは、オマエが最初だ。…だがッ!!!」
確かにレオは速い。だが、それ以上に力も強い。
「させるかっ!オオオオォォォォ…アタアアアアアァッ!」
メテオSは、メテオストームシャフトを振りかざし、千冬の救出に向かう
だが…。
レオはスイッチを使い、スコーピオンに変化した。
「他のホロスコープスに変化した!?」
「乗っているISが量産では、本調子ではあるまい!!!」
ドガアアアアアアアァッ!!!!!
「ぐううぅぅっ…!」「うああああぁぁっ!?」
Lスコーピオンはまわし蹴りを放って千冬を吹き飛ばし、駆け寄っていたメテオは彼女の体がぶつかって地面を転がる。
さすがに千冬といえど、本気を出せる状態ではないうえに、ホロスコープス最強のレオ相手には分が悪すぎた。
「織斑先生っ!メテオ君っ!」
山田が二人に駆け寄ろうとするが、その道をレオが塞ぐ。
「次はオマエだ、山田真耶…!」
「…来なさいっ!」
ドガガガガガガガガガガガァッ!
勇気を振り絞り、山田はLスコーピオンに攻撃を仕掛けた。
だが…。
「…面白くない」
無傷だった。
そして、その姿はカプリコーンへと変化している。
「次はカプリコーン…!?」
「オオオオオオオォッ!!!」
ドガアアアアァッ!!!!!
「きゃああああぁっ!?」
Lカプリコーンのウルクによる音波で、山田はあっさりと吹き飛ばされた。
「くそっ!ウオァタアアアアアアアァッ!」
メテオSはメテオストームシャフトを握り締め、Lカプリコーンに襲い掛かる。
しかし、Lカプリコーンはそれにも動じず、スイッチを押す。
次はキャンサーへと変化した。
ガキィンッ!
メテオSの攻撃はLキャンサーの甲羅に阻まれ、ダメージは皆無となった。
「メテオストームでも砕けないだと…!?」
「オレの肉体は特殊でな。獅子座の運命に他の星座の運命を重ねる事ができる。つまり、レオの状態から他のホロスコープスに変化できるのだ。そして…その力は元のスイッチャーよりも増している!!!!」
ズバアアアアアアァッ!!!
「ぐあああああああああぁっ!?」
元に戻ったレオはゆっくりとIS学園へ歩みを進める。
それでも彼女達は負けずに立ち上がり、戦おうとしている。
「させません…!」「まだ、私は倒れていない!」
「…邪魔だ」
ガッ!!!
苛立ちながら、レオは二人を足で蹴り飛ばし、学園のほうへ向かっていく…。
ガシッ…!
「それくらいでは、倒した事にならん…!」
それでも、千冬と山田はレオにしがみつく。
「…出来る事なら人は殺したくない。退いてくれ」
ふと、レオは静かに告げた。先ほどの殺気が一瞬で消えた。
何か…悲しみを込めているようにも見える。
だが、それでも彼の思い通りにさせるわけにはいかない。
「あなたが…IS学園の生徒に手を出さないなら、離れますっ!」
山田が強く叫び、千冬も頷く。
レオは俯き、少し考えて…。
「オマエ達の生徒を想う気持ちは理解した。おそらくオレがどれだけ痛めつけようとも、清水満子を出す気は無いだろう。望みどおり、生徒を守るために殺してやる」
トドメを刺すつもりになったようだ。ゆっくりと近付いてくる。
「役割を果たせた喜びを味わいながら、八つ裂きにされるが良い…!」
「ふっ…だからガキは嫌いだ…!」
皮肉を言いながら、彼の攻撃に備える。
おそらく、無駄なものになるようだが…。
そこへ…。
「そこまでだっ!」
大きな声と共に、仮面ライダー部の正式メンバーと布仏姉妹と更織姉妹が現れた。
使える者は全員がISを装備している。
「レオ!次こそは勝つ!」
「本来の実力が出し切れないとは言え、織斑千冬と山田真耶をこの有様にした、このオレを?」
レオは彼等の言葉に嘲笑する。
「勘違いするなよ。織斑先生も山田先生も…おまえより100万倍は強い!」
「根拠は?」
「絆だ!確かに一人や二人じゃ勝てないかもしれない。でもな…おれ達全員で力を一つにすれば、おまえになんか、絶対に負けないっ!!!!!」
宇月は自信を持って、そう宣言する。
「…青臭いガキだな。やはり…あの二人の息子だ」
千冬は肩を庇いながら立ち上がり、彼等の姿を見つめながら呟いた。
宇月はフォーゼドライバーを装着する。
<3><2><1>
「変身っ!」
レバーを引き、フォーゼBSへと変身した。
その右手には…コズミックスイッチが握られている。
「みんな、力を貸してくれよ!」
フォーゼBSがそう言い放つと、その場にいるレオ以外の全員…。
一夏、箒、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、メテオS、本音、簪、楯無、虚、満子、瑞希、山田、千冬。
そして…青白いコズミックエナジーがゆりこを形作る。
この者達がそれぞれ手を、フォーゼBSの背中に当てる。
「最後に扉を開くのは…人間同士の絆だ!!!!!」
<COSMIC>
ドライバーのソケットにコズミックスイッチを挿入する。
レバーを引いて安全装置を取り外し…。
<COSMIC-ON>
遂に最後のスイッチを押した。
その瞬間、39個のアストロスイッチが転送され、フォーゼの体を纏い、光り輝いた。
「…到達したか」
レオはそれを見て、考えているように言った。
その輝きが収まった場所には…。
フォーゼの最終形態「仮面ライダーフォーゼコズミックステイツ」がいた。
「みんなの絆で…宇宙を掴むっ!!!!!」
右手に握られた「バリズンソード」のレバーを握り、少しずつ引いていくと、ロケットを模した部分が割れ、青い刃が飛び出した。
「コズミックステイツ…その力、見せてもらう。ウオオオオオオオオオオォッ!!!!!」
レオは咆え、フォーゼCSに走っていく。
<ROCKET><ROCKET-ON>
一方、フォーゼCSは胸のスイッチボタンを押し、具現化したロケットスイッチをバリズンソードに挿入し、突発力を高めた。
「行っくぜええええええええええええええええええええぇっ!!!!!」
ドガアアアアアアアァッ!!!!!
「ヌゥッ…!」
想定外のことがレオに起こった。僅かながら、彼に初めて痛みを与えた者が現れたのだ。
<ELEKI><ELEKI-ON>
更にエレキスイッチを具現化し、その力を纏う。
「うおりゃああああああああぁっ!!!!!」
バリイィッ!!!!!
「ウオオォ…!?」
通さないはずの電撃すら、レオの体にシビレとして巡った。
信じられないといった表情だが、彼の心にはまだ余裕がある。
「フンッ…そう来なくちゃ、面白くない!」
レオも反撃に移ろうとするが…。
「レオ、退くんだ」
突如ヴァルゴが現れ、彼の右腕を掴んだ。
「何故です…!?」
「我々の目的の一つが果たされた。そして、タウラスも覚醒が近い」
その言葉を聞き、レオは様子を変えた。
「タウラスが…!?」
どうやら、タウラスはレオにとって特別な存在であるらしい。
「…分かりました。コピーを残しておきます」
そう言うと、レオの呼び出した闇からリブラ、アリエス、ジェミニが現れた。
「まてっ!」
追おうとフォーゼCSは走るが、それよりも先にヴァルゴは空間転移でレオを自分諸共、送った。
そして、リブラ達が立ち塞がる。
「ラウラと礼のゾディアーツ…。2人の因縁もここで断ち切る!」
<GYRO-ON><SCISSOUS-ON>
ジャイロにシザースの切断力を混ぜ合わせ、ジェミニとアリエスを攻撃した。
ズバババババババァッ!!!
「グアアアアアアァッ!」「ウアアアアァッ!」
その威力はコズミックステイツの力も上乗せしているため、更に強力だ。
リブラが向かってくるが…。
<SPIKE-ON><HOPPING-ON>
スパイクにホッピングの力を混ぜ、左足で思い切り蹴る。
「くらえっ!!!」
ドガァッ!!!
「ウオオオオオオオォッ!?」
それにぶつかった途端、ホッピングのバネの力で吹き飛ばされた。
「トドメだ!」
バリズンソードを閉じ、コズミックスイッチを挿入する。
<LIMIT-BREAKE>
「うおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!!!」
ドガアアアアァッ!!!
「「「ウワアアアアアアアァッ!?」」」
3人のゾディアーツの背後に光が現れ、そこにフォーゼCSが突進していく。
その先は、宇宙空間だ。
再度バリズンソードを開き、コズミックスイッチを引き抜く。
「離脱・セット!!!」
<LIMIT-BREAKE>
バリズンソードとフォーゼCSが青白く輝いた。
彼の最強最後の一撃を放つのだ。
「ライダァァァァァァァァァッ…超銀河・フィニィィィィィィィィッシュ!!!!!」
「「「グワアアアアアアアアアアアァッ!!!!!」」」
巨大な光の刃が3体のゾディアーツをまとめて切り裂き、大爆発を引き起こした。
こうして、フォーゼ達は一応の勝利を収めたのだった。
IS学園の近くで勇士がそれを見届けていた。
「いずれ私の力で…。紫苑…おまえも…」
そう呟き、凄まじい力で拳を握っていた。
それから数時間後。
彼等は再び臨海学校へ戻ってきた。
迎えたのは紫苑だった。
「みんな、大丈夫だった!?」
「あぁ!あのレオ・ゾディアーツも退けられた!」
胸を張って報告する宇月。
だが、それは彼だけの力ではない…。
「みんなのおかげだ!おれだけじゃ、レオに負けてたんだからな…」
そこでは、仮面ライダー部を始めとした、彼の仲間達が微笑んでいた。
満子と瑞希が歩いてくる。
「宇月君、本当にありがとうございました」
「あんたやみんなのおかげで、ホロスコープスから足を洗えたわ」
この二人も大丈夫のようだ。もうゾディアーツに関わる必要はないだろう。
それよりも…。
「そうだ!まだ臨海学校は終わってない!よぉっしゃ、泳ぎに行くぞおおおおおおっ!!!」
どこからかシュノーケルを取り出して頭に付け、走り出した宇月。
「あ、おい!今は夜だぞ!?」「全く、懲りない奴だな…」
一夏と箒は2人で彼の後を追う。
そして、礼も立ち上がった。
「たまにはハメを外すか。どうする?」
彼の問いに一番早く動き出したのはラウラだった。
「礼に賛成だ。よし、行こう!」
続いて、シャルロットが紫苑の手を引いていく。
「紫苑、ほら!お昼は全然、楽しめなかったから!」
「うわぁ!?ま、まって!転ぶぅ!」
次にセシリアと鈴音。
「箒さんだけに抜け駆けはさせませんわ!」「待て、一夏ぁ!」
狙いは一夏のようだ。競争するように走っていく。
さらに本音、簪、楯無、虚も歩いて着いていく。
「わぁい!夜の海ー!ばきゅん!」「いいよね、こんなときも」
「ま、付き合ってあげましょうか!」「ふふ…楽しそうですね…」
残された山田。
「本当はいけないんですけど…。わたしも行きます~!」
結局、雰囲気に流されてしまった。
新たな絆の形を手に入れた、仮面ライダーフォーゼとその仲間達。
彼等は、果たして宇宙への扉は開けるのだろうか…?
続く…。
次回!
暴走!?
銀色の福音…
やっぱり、ホロスコープスが絡んでるか?
紅椿の初陣だ!
仮面ライダーもお助けだ!
第28話「福・音・暴・走」
青春スイッチ・オン!
キャスト
城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ
織斑一夏
篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音
辻永礼=仮面ライダーメテオ/アリエス・ゾディアーツ(回想シーンのみ)
ラウラ・ボーデヴィッヒ
布仏本音
シャルロット・デュノア
白石紫苑
ゆりこ/SOLU
更織簪
更織楯無
布仏虚
陽野瑞希
織斑千冬
山田真耶
白石勇士
リブラ・ゾディアーツ
アリエス・ゾディアーツ
ジェミニ・ゾディアーツ
清水満子=アクエリアス・ゾディアーツ
???=レオ・ゾディアーツ
???=ヴァルゴ・ゾディアーツ
如何でしたか?
遂にコズミックステイツが解禁です!
最初の相手に関して募集させていただいたのですが、断空我さんとジャマールさんの意見を混ぜた形にさせていただきました!
今回の話のイメージとしては…
「絆」と、フォーゼの過去・現在・未来を繋ぐ話にしようとしてみました!
次回はISのアニメにあった福音の話です!
多分、一夏と箒がメインになると思います
お楽しみに!