仮面ライダーフォーゼ~IS学園キターッ!~   作:龍騎鯖威武

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絆=コズミックステイツ!
第26話「水・瓶・臨・海」


 

あの休日から1週間が経ち、臨海学校へ出向く事となった。

「臨海学校だ!泳ぎまくるぞぉ!」「城茂君…まだ早いよ…」

気合十分の宇月は、頭にシュノーケルを装着済みである。よっぽど楽しみらしい。

数時間後、クラス一同は砂浜へと来ていた。

千冬が指示をする。

「各自、これからは自由行動だが、危険な行為は行わないように。もちろん、禁止区域などに入ることも認めない。見つけた場合、厳しい処罰が待っているからそのつもり…」

「はいはいはい、分かりましたから、早く…」

スパァン!

「あいてっ!?」

泳ぎたい一心で千冬を急かした宇月は頭に出席簿を喰らう羽目になった。

「話しは最後まで聞け。心配しなくても時間はある」

「はい…」

それを見ていた一夏は…。

「なんで出席簿を持ってるんだ…?」

砂浜にまで出席簿を持ってきている理由が分からず、首を捻っていた。

「白石、少し話がある。来い」

「は、はい…」

千冬に呼び出され、手首足首まである競泳水着姿の紫苑は、すごすごと彼女についていった。

「紫苑、行っちゃった…。せっかく、一緒に…。水着だって選んだのに…」

シャルロットは紫苑がいなくなったことに不満を感じていた。

 

千冬は山田も引き連れ、紫苑に話を聞く。

「白石、単刀直入に聞く。おまえの父親はゾディアーツに関わっているのか?」

その言葉を聞いた瞬間、紫苑の様子が激変する。

「お父さんを…!?お父さんを見たんですか!?何処で会いました!?何をしていましたか!?」

「白石君、落ち着いて!」

「あ…すみません…」

山田に揺すられ、我に返る。

「私達も、つい一週間前に見たんだ。気になるのは、そのときの会話だ」

「会話…?」

 

「白石勇士は、ゾディアーツに関わる私達に警告をしていた」

 

「もしやとは思うが…ゾディアーツか、新たなホロスコープスかもしれない」

「そんなの…有り得ません」

やはり否定したいのだろう。紫苑は首を横に振る。

「だから、お前の知っていることを教えて欲しいんだ」

「…今は、僕もお父さんとは連絡を取ってなくて…」

どうやら、紫苑でも分からないらしい。

「そうか。嫌な事を思い出させてすまなかった。もう良いから行け」

「はい」

紫苑は頷いて、すぐさまそこから離れた。

「白石君…お父さんとも離れ離れなんですね…」

「本当のことを言ったのなら、白石はゾディアーツとは無関係か…。なら、あの男は何故…?」

 

そのころ…。

礼は海など見向きもせず、スイッチカバンを開いて、40番目のスイッチを調整していた。

そのスイッチは大きな青いスイッチになっていた。

「完成はしたが…おそらく何かが足りない。その何かが分かれば…」

「あ、ここにいたんだ、礼」

シャルロットの声を聞いて、振り返ると…。

 

目の前に、布でぐるぐる巻きの少女が立っていた。

 

「ぎょああああああああああああああああああああぁっ!?」

「礼、大丈夫だよ!」

悲鳴を上げる礼にシャルロットが落ち着かせる。

「ビックリした…。シャルロット、こいつは何だ!?」

良く見ると、その少女はもじもじしている。

「ほら、ラウラ。いつまでもそんな格好じゃダメだよ」

「う…うぅ…」

「こいつ、ラウラか!?」

確かに体型などはラウラそのものだが、こんな姿では判別は不可能だ。

「それじゃ、礼はのほほんさん達と遊んじゃうよ?」

「そ、それはダメだ!…うぅ…もう、どうにでもなれ!」

意を決し、ラウラは巻いていた布を取り払った。

「…笑いたければ、笑え」

そこにはかなり大胆な水着を身につけたラウラがいた。

「…」

その姿を見た礼は、自分の中だけで時間が止まっていた。

「礼、なにか感想言ってあげてよ?」

「あ、あぁ…つい見とれてな…。まぁ…その…なんだ…。か、かわいい…。似合ってると思う」

シャルロットに促され、顔を少し紅くしながらも感想を言う礼。その言葉を聞いて、ラウラは彼以上に顔を紅くした。

「か、かわいい…?わたしが…?」

「ぬああああぁっ!何言ってんだ!?」

礼は恥ずかしさから、走り去ってしまった。

「ホワチャアアアアアアアアアアアアァッ!!!!!」

「礼って…本当に女の子にはウブなんだね…」

 

そして…。

「一方その頃、一夏はイギリスと中国の美少女に取り囲まれてました」

「なに、語り部してるんだ?」

宇月の独り言に一夏がツッコんでいる。

その状況は、一夏の上に鈴音が肩車をしている。

羨ましがるセシリアは、鈴音を引き摺り下ろそうとしている。

「移動式展望台~。良く見えるわね~」

「あのな、降りろって!」

「ズルイですわ、鈴さん!わたくしも!」

言ってしまえば、一夏の取り合いだ。

そこへ…。

 

「盛り上がってるわね、相変わらず」

 

聞き覚えのある声。

振り返ると…

「あっ!楯無さん!それに簪も!」

生徒会長の更織楯無である。後ろには簪と虚もいた。

以前、キャンサーの戦いで協力してくれた存在だ。

「この前は、妹の簪がお世話になったわね」

「あ、まぁ…」

おそらく、休日のことだろう。だが、感謝をしているような雰囲気ではない。

「城茂君、ちょっと来て」

「へ?あ、あの…あらら?」

そのまま、宇月は楯無に連れて行かれてしまった。簪も後からついてきている。

「どうしたのでしょう?」「簪に何かしたんじゃないの?」

 

連れて行かれたのは、岩で少し隠れた場所。

「あの…一体…」

「貴方の気持ちは理解できるけど…それでも許せない」

そう言って、ミステリアス・レイディを展開する。

「そんな、ちょっと!?」

「よくも簪をおおおおおおおおおおおおぉっ!」

凄まじい威圧で、ラスティー・ネイルを振りかざしてくる。

「うわあああああぁ!?」

ドガアアアアアァッ!

その切っ先は…岩肌に当たっていた。そこは粉々に砕け散っている。

「へ…はへ?」

「ふっふっふ…」

開いていた左手には扇子があり、そこに「ドッキリ大成功」と書かれていた。

「ビックリした?」

「こ、殺されるかと…」

緊張が一気にほぐれ、地面に座り込む宇月。

「宇月、大丈夫?ごめん、お姉ちゃんが驚かせたいって聞かなくて…」

どうやら、簪があの日の事を伝えたとき、楯無が悪ふざけを思いついたらしい。

「か、勘弁してくださいよ…!」

「ごめんごめん。いや、君の怯えた顔が見てみたかったのと…」

 

「ありがとうって言い易くする為」

 

「え…?」

「君のおかげで、簪も自分から動き出そうとしている。それに、弐式さんのことも、ちょっとだけど吹っ切れた。ありがとう」

「ど、どうも…」

簪も楯無も宇月には本当に感謝していたようだ。

 

その背後で…。

「あの少年が…フォーゼ!」

勇士が恨めしそうに宇月を睨んでいた。

その背後には…。

「君も動いたらどうだね?」

ヴァルゴ・ゾディアーツもいた。

 

その頃、宇月を放って遊んでいる一夏達。

「一夏~!」

「降りろって、お、おおぉっと!?」

鈴音を下ろそうとしてよろけてしまい…。

ゴッ…!

「ぐっ!?」

近くの岩に頭をぶつけてしまった。

「い、一夏、ごめん!あぁ…どうしよう…」「大変ですわ!すぐに手当てを!」

鈴音は半泣きになりながら、一夏に謝る。セシリアは応急処置が出来るものを探すが見つからない。

このままでは一夏は危険な状態になるかもしれない。

そのとき…。

「大丈夫ですか!?」

一夏の身を案じて呼びかけてくる声。

振り返ると…。

 

「ぞ、ゾディアーツ!?」

 

そう、ゾディアーツだった。

青い体に、金色の瓶を両肩に背負った姿が印象的だ。

その姿を見た一般女子生徒達は逃げ惑う。

「わたしに任せて下さい!…はぁぁっ…!」

そのゾディアーツは両肩から青い液体のようなオーラを吐き出し、一夏に振り掛けようとする。おそらく、負のコズミックエナジーだろう。

「やめて!一夏に何を!?」

一夏の身を案じ、やめさせようと近付くが…。

「ふんっ!」

グイッ!

「きゃぁっ!?」

突如、何者かにその手をつかまれ、鈴音は関節技をキメられた。

「ちょっと!満子の邪魔をしないで!」

現れたのは気の強そうな少女。面識はないが、おそらく1年だろう。

「は、離してよ!?」「そうですわ!あなた、ゾディアーツを庇って…!」

「安心してください、危害は加えません!」

ゾディアーツは、鈴音とセシリアを安心させるように言い放ち、オーラをさらに一夏に振り掛ける。

すると…。

「ん…何が…?」

まるで眠りから覚めたような様子で一夏が立ち上がった。その体には全く傷がない。

終わったと知り、少女も鈴音を開放する。

「良かった…。大丈夫ですか?」

「うわっ!ゾディアーツ!?」

一夏も驚き、白式を展開させようとするが…。

「ま、待ってください!わたしは、あなた達と戦いたくありません!」

ゾディアーツは首を振りながらスイッチをオフにする。

そこから現れたのは、ショートカットヘアで前髪が目を隠すまでに下がっている少女だった。鈴印に関節技を決めていた少女とは正反対に気が弱そうである。

その手にあるのは…。

「それは…ホロスコープススイッチ!」

「わたしは清水満子って言います。つい1週間前にアクエリアス・ゾディアーツに覚醒しました」

「また新たなホロスコープスが…」

一夏達は驚愕した。

これで10体目。残りは2体までとなってしまった。

「でも…わたし、戦いたくないんです」

「ホロスコープスに入ったのは良いんだけど、ヴァルゴやレオのヤバさに気づいてね。逃げてきたってこと」

少女も説明を始める。

「それで、あなたは何者ですの?」

「彼女は陽野瑞希ちゃんって言います。わたしの親友なんです」

どうやら、瑞希はホロスコープスに関わりのある人物らしい。

「ということは、あんたもゾディアーツに?」

「本当はね、わたしがスイッチを押す予定だったんだけど、満子がどうしてもって聞かなくてね。わたしの代わりに、スイッチを押してホロスコープスに覚醒したの」

つまり、満子は瑞希の代わりにアクエリアスとなったのだ。星の運命は満子にあったとは言え。

そこへ…。

 

「裏切りは良くないな」

 

そう言って現れたのは、ヴァルゴだった。

「ヴァルゴ様!?」

「アクエリアス。君は確かに優しくて有能な逸材だ。だが、優しさゆえに我々が理解できないのだね?」

「残念だけど、あんたの言う事はもう聞かないわよ!」

瑞希が満子を庇うようにして、ヴァルゴの前に立つ。

「…では、聞かざるを得ないようにしよう」

ヴァルゴは意味深な言葉を言って、ロディアを地面に叩きつける。

 

その瞬間、その場にいた一夏達、満子達、その場にいなかった宇月、簪、楯無、礼もまとめてIS学園に送られた。

服装も元に戻っている。

だが、肝心のヴァルゴがいなくなった。

代わりに学校に残っていた虚が彼等の出現を怪しんで近付いてくる。

「あ、お嬢様…?」

「虚…一体何が…?」

状況を把握しようとした瞬間…。

 

ゴオオオオオオオオオオォッ!!!

 

「うっ!?」

凄まじい殺気と風に体がよろける。

その場所に目を向けると…。

「ウゥゥゥゥゥゥ…!!!」

 

身体中から負のコズミックエナジーを噴出しているレオ・ゾディアーツがいた。

 

今までのゾディアーツやホロスコープスとは、まるで違う。

見ただけで、何も分からないはずの虚や簪すら、強烈な何かを感じる。

レオはゆっくりと満子を指差した。

「アクエリアス…。まずオマエから血祭りにあげてやる!」

「レオ…ゾディアーツ…!?」

「グワオオオオオオオオォッ!!!!!」

突如、大きな雄叫びをあげた瞬間、エネルギー波のようなモノが満子を襲う。

しかし、範囲が広すぎて結果的に宇月達にも被害が及ぼうとしている。

「やべっ!?」

ドガアアアアアアアアアアァッ!!!!!

「うわあああああああああぁっ!?」「きゃあああああぁっ!」

避けようと動いたが、避ける術はなかった。その咆哮の攻撃の餌食となり、全員吹き飛ばされた。

「ウオオオオオオオオオオォッ!!!」

一声咆えた後、ゆっくりと宇月達に迫ってくるレオ。身の危険を感じ…。

「に、逃げるぞ…!」

一夏が白式を展開して、満子や残りの者達に逃げるように誘導する。

だが、レオはそれを良しとしない。

「戦わない気か…?…グワオオオオオオオオォ!!!!!」

ドゴオオオオオオオオオオォ!

「きゃああああああぁ!」「いやああああぁ!」

戦意を感じないと思うや、レオはIS学園を攻撃した。その拍子に、戦いを見ていた生徒達が瓦礫の下敷きになろうとしている。

「危ないっ!」

ドガアアァッ!

真っ先に一夏が動き出し、その瓦礫を破壊して生徒達の安全を確保する。

「ハハハハハハハハハ!オマエ達が戦う意志を見せなければ、オレはこの学園を破壊し尽くすだけだ!」

どうやら、逃げる選択肢はないようだ

ヴァルゴの言っていた、聞かざるを得ないようにするというのは、レオの強制的な戦闘にあったらしい。

「くそ…」「ごめんなさい…こんなことに巻き込んで…」

止むを得ず、宇月はフォーゼドライバーを、礼はメテオドライバーを取り出し、満子はアクエリアススイッチを握り締めた。

<METEOR-READY?><3><2><1>

「「変身っ!」」

フォーゼBS、メテオ、アクエリアスに変身し、セシリア達もISを装備した。

今回は楯無と、先日に専用機が完成した簪も戦闘に混じる。

だが…。

「やめて!勝てるわけがない!相手は最強のホロスコープスなのよ!?」

瑞希が必死に止める。レオの強さは、このメンバーでも勝てる可能性は皆無だと知っているからだ。

「ウオオオオオオオオォ!!!」

レオの両腕にはツメを模した武器が装備される。

楯無は防御力には、いささか自身がある。無傷とは行かずとも、ダメージを抑えることは可能だろう。

「暴れん坊も、いい加減に…」

ドガアアアアアアアアアァッ!!!!

「なっ…!?ああああああああああぁっ!」

たった一撃、腕の一振りで、ミステリアス・レイディはシールドエネルギーが一桁になった。ここまで強い攻撃は受けたことがない。

「そんな…こんなに強いの!?」

「お姉ちゃんっ!」

簪が姉を守るべく、立ち塞がる。

「グルルゥッ…!!!」

「ひぃっ…!?」

今度は軽く唸るレオ。何も攻撃を受けていないはずなのに、簪はまったく動けなくなってしまった。

「その程度の精神力では、このオレに歯向かう事は出来んぞ」

簪を見ながら、嘲笑するようにレオは述べた。

「おやめなさいっ!」「今度はわたし達が相手よ!」

「これ以上、みんなを苦しめないで!」「絶対に倒す!」

続いて、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラが攻撃を仕掛ける。

ドガアアアアアアアアァッ!

一斉の同時攻撃が直撃したにも拘らず…。

「ISはこの程度か?」

「うそ…うそですわ!」

レオは無傷だった。なにも外傷はないし、ダメージを受けた様子も皆無だ。

「なら、増やす!」「行くぞ、レオ!」

<N-MAGNET><S-MAGNET><N・S MAGNET-ON>

<METEOR-STORM><METEOR-ON READY?>

フォーゼMSとメテオSへステイツチェンジし、レオに向かって走る。

「フン、雑魚がいくら集まったところで、無駄だ!」

レオの言葉は威嚇などではなく、本人にとって事実を述べているだけに過ぎない。

「一夏、簪、楯無さん、おれ達も力を合わせるぞ!」

「わかった!」「う、うん…!」「ちょっと、厳しいけど、黙っちゃいられないわね」

一夏と楯無は頷き、簪も恐怖心を必死に振り払って立ち上がる。

「おりゃあああああああぁっ!」「アチャアアアアアアァッ!」

マグネットキャノン、メテオストームシャフトでレオに攻撃を仕掛けるが。

ドガアアアアアアアアアアアアァッ!

「…もっと力を込めろ」

ズガアアアアアアアアアアアァッ!!!!!

「うわああああああぁ!?」「ぐあああああぁっ!」

攻撃に全く効き目がなく、逆に吹き飛ばされた。

「宇月っ!」

一夏がフォーゼMS達を救うべく、近づくが…。

「また一匹、虫ケラが死にに来たか。ガアアアアアアァッ!!!!!」

ドガアアアアアァッ!!!!!

「うわあああああああぁっ!」

レオの咆哮で、それは叶わなかった。

「一夏っ!?」

「ククク…織斑一夏!あの女たちが可愛いか!?」

地面に這い蹲る一夏に対して、楽しそうな声で言うレオ。

その視線の先には、セシリア達がいる。

「…まさか!?」

「グギイイイイイイイイィッ!!!!!」

更なる攻撃に移ろうと、身体中のコズミックエナジーを集中させていくレオ。

だが、それを許す事はしない。

<LIMIT-BREAKE><LIMIT-BREAKE OK>

「ん…?」

音声に反応したレオが振り返ると、ランチャーとガトリングを装備したフォーゼMSと、メテオSがリミットブレイクを発動していた。

その一瞬の隙を突き、セシリア達も攻撃を放ち、一夏は零落白夜を発動した。

「ライダー超電磁ボンバー!一斉掃射あああああああああああああぁっ!」

「メテオストームパニッシャァァァァッ!」

『はああああああああああああああああああああああぁっ!』

ズガアアアアアアアアアアアアアアアァ!

先ほど以上の凄まじい攻撃。現時点で思いつく、最大の攻撃だ。

しかし…。

「…」

煙が晴れた場所にいたレオには、傷一つなかった。

「な…ばかな!?」「効いてない…!」

ガッ!

「ぐっ…!?」「うおぁ…!?」

目の前にいたフォーゼMSとメテオSの頭をつかみ、高く持ち上げる。

「…何なんだ、今のは?」

レオにとっては、彼等の渾身の攻撃すらその程度にしか感じないのだ。

ドガアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!!

「ぐああああぁ…!」「がはっ…!?」

強い力で近くの壁に叩きつけられる。

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!!!」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!!!

次に上を向いて大きく咆え、そのエネルギー波をセシリア達や楯無達に浴びせる。

「きゃああああああああああぁっ!」

それを防ぐ事は出来なかった。エネルギー波が消えたとき、ISを解除して地面に倒れ伏した少女達がいた。

「やめてください、レオ様!この人達は関係ないはずです!」

アクエリアスは彼等に癒しの水を振り掛けて癒しながら、レオを説得する。

「無関係だと思っているのか?フォーゼやメテオ。そして、その者達に関わった時点で、無関係ではない」

レオの次の標的はアクエリアスだ。

「ウオオオオオォッ!!!!!」

大きく咆えた瞬間、彼の姿が消えた。

「あっ…!?」

アクエリアスがそれに気付いて、振り返ったときは既に目の前にレオのツメが迫っていた。

ドガアアアアアアアアアァッ!!!!!

「あああああああああああぁっ!?」

そのツメはアクエリアスの両肩に深く突き刺さっていた。癒しの水の源である瓶を破壊されたのでは、癒しも出来ない。

信じられない痛みが彼女を襲う。

「もう終わりか?」

「うっ…く…!」

ズッ…!

爪を引き抜くとアクエリアスは地面に倒れ、スイッチを取り落として満子の姿に戻った。

「終わったな。所詮、クズはクズなのだ」

レオは吐き捨てると、アクエリアススイッチを拾い上げる。

「今の貴様らでは、蚊に刺されたほうが痛く感じるな」

彼にとっては、フォーゼ達の全てを込めた攻撃は、全く意に返していなかった。

「次に会うときは、もっと楽しませろ」

歩き去るレオに、必死に手を伸ばすが何も出来ない。

「清水満子。この学園が愛しいならば、一人でこのスイッチを取り戻しに来い。この言葉の意味が分かるよな?」

最後に痛みで這い蹲っている満子に言い放ち、姿を消した。

「くそおおおおおおおおぉ!」「まるで…歯が立たなかった…!」

 

これが…彼等とレオの力の差なのだ。

 

今の彼等では…勝つ術はない。

 

その頃、箒は海岸である者をじっと待っていた。

「箒ちゃん、待った?」

現れたのは束だ。彼女と秘密裏に待ち合わせをしていた。

「…あの話は本当ですか?」

箒は束の言葉を無視して、本題に入る。

「うんうん、本当だよ?いっ君やみんなの力になりたいモンね?」

そう言って手を挙げると、赤いISが振ってきた。

「これが、わたしの…?」

「箒ちゃんのために作った「紅椿」だよ。ホロスコープスもへっちゃら!」

説明をしながら、調整を進めていく束。

本来は、このISを受け取るのは気が引けていた。姉とは和解しておらず、その彼女から恩恵を受けたくはなかったが、戦いも激化していく。悠長な事は言っていられなかった。

「あ、そうそう。いっ君達、ヴァルゴにIS学園へ連れて行かれたよ。レオ君からボッコボコにやられたみたいだね」

「みんなが!?」

何故か、彼女はヴァルゴとレオの動向を知っているが、そんなことはどうでも良い。

「これで戻りなよ。頑張って!」

「…はい!」

箒は紅椿をさっそく装備して、IS学園へと戻った。

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

次回!

 

                              このままじゃ、学園はおしまいだ…!

 

もう一度、立ち上がらなければ…

 

                              スイッチはあげます!だから…!

 

                              最後に扉を開くのは…

 

人間同士の絆…!

 

                              みんなの絆で…

 

宇宙を掴むッ!!!!!

 

 

 

第27話「銀・河・之・絆」

 

 

青春スイッチ・オン!

 

 

 





キャスト

城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

辻永礼=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ
布仏本音

シャルロット・デュノア
白石紫苑

更織簪
更織楯無
布仏虚
陽野瑞希

織斑千冬
山田真耶
白石勇士
篠ノ之束

清水満子=アクエリアス・ゾディアーツ
???=レオ・ゾディアーツ

???=ヴァルゴ・ゾディアーツ



如何でしたか?
臨海学校前編・アクエリアス編・コズミック編です!…多すぎ(汗)
結構ヤバイと思います、レオの強さ。やりすぎかもしれません(大汗)
現時点では何をどうしようが、レオには勝てません。ちなみに、紅椿投入でも変化無しです。それくらい強いです。
ちなみに今回、彼の正体に関する重要なヒントがあります。それは秘密ですが…。

しかし次回、遂にTVシリーズ・フォーゼ最終形態の「コズミックステイツ」が登場します!

これで、どう巻き返せるか!?
お楽しみに!

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