深海棲艦になった。夢だと思った。   作:ガンタンク風丸

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この小説は一人でも浦風のことを好きになってくれる人がいて欲しいから書いてます。浦風素敵!ハグして癒して!俺に駆逐水鬼とPT小鬼群にボコボコにされた心を癒してぇ…


ながもんに会った。鎮守府があるそうだ。

 

 

青い空、白い雲、そして、ポケモンた―――なわけないです。

 

俺は今。沿岸の建物がかろうじて見えるぐらいの遠さのところを移動している。深海棲艦クオリティか、目をカッぴらいて陸地の方見てみたら視覚が拡大化された時は驚いた、ついでに『このラーメンは世界一ィィィ!』という名のラーメン屋の看板があって驚いた。著察権侵害だろあれ。

ということで、あの看板から分かる通りここ日本でした。つーか漁船のおっちゃんも日本語話してたしな。当たり前か。

そんな訳で、俺が浮かれて鼻歌歌っていることは別におかしくもなんともないのだ。

 

「うっらかぜうっらかぜー♪」

 

ああ、浦風よ。愛しの浦風よ待ってておくれよ浦風ぇい!

 

「ふふふふ…世の浦風勢は羨むだろうなァ夢とはいえここまでリアルな夢で浦風と会えるのだ。絶対に抱きつく」

 

そんでもってナデナデして……。

 

ヨダレがたれてきた。ヤバイヤバイ落ち着け俺。こういう興奮した時に限って第四艦隊を開けたいのに持ってる霧島が出たりするんだ。ほんとなぜあの時出てくれなかったのだ霧島ぁ…。

 

湿っぽいのはやめよう、どうせ大半の提督がぶち当たる壁だし、あの四姉妹集めんの。

そんな感じでふと顔を上げた瞬間。

 

 

「敵艦発見っぽい!さあ、素敵なパーティしましょ!」

 

 

……え?

 

なんか夕立の幻聴が聞こえたなって思ったら身体の左側面に衝撃が走った。

 

「痛っ!?」

 

俺は痛みの方向にバッと振り向いた。そこには夕立改二がこちらに砲塔を向けて肩幅に立っていた。砲身の先からは煙が立ち上っている、きっと撃ったのは夕立だろう。

そして、その後、なんか長門さんいるんですがどうしてこんな鎮守府正面海域と言ってもいいような場所にいるんですか!?貴女主力艦でしょうが!?あれか!?もしかしてそこまで駆逐艦と一緒にいたいんか!?このロリコンめ!

 

ガルッ!と歯をむきだしにして唸りながら心中叫んだ。因みにほかの編成は……え?

 

金剛改二に大鳳改、龍驤改二、時雨改二…………!?ガチ編成やん!?

 

だがしかし、この編成なかに浦風はいない。レベリング途中なのかそれとも持ってないのかは定かではないがもし持ってたら提督に向かって叫ぼう「何故浦風を育てん!?育てろよ!」と。

 

そんなことよりもそれより現状だ。目の前のガチ編成、ヤバイですわぁ。

長門は大和型に次ぐ高火力持ち、被弾したら夕立の比では済まないだろうことは容易に想像できる。しかしここで逃げても逃げれ切れるだろうか?アニメでは長門と同じ射程が『長』の大和さんが敵艦載機が爪サイズにも満たない大きさのを綺麗に撃ち抜いていた……いや、徹甲榴弾だったかな?

そう考えるとピンポイント射撃とかは無理なのかも、弾着観測射撃は枠に入れないが。

ヤバイ……どうする?対話?いけるか?この格好で?嫌だがしかし俺のこの溢れる人の良さを発揮できれば行けるのでないか……!?

 

……どうやって発揮するんだか俺のバカァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……動きがないな……?」

 

長門は新手の深海棲艦を見ながらそう呟いていた。

深海棲艦といえばだいたい皆攻撃的、姫クラスなどは人語を解することもあるが「シズメェ!」とかしかだいたい言わない。それが長門の深海棲艦に対する認識だ。

 

絶対的な敵。こちらを見たらすぐ襲ってくるし。まあ逆もまた然り。

そんな経験故からか、思ったのだ『この深海棲艦はどこか違う』と。

 

近くの漁船がヒト型の深海棲艦と遭遇したと言っていたがそもそも遭遇した時点で生きて帰ってこれること自体可笑しい、その面からもこの深海棲艦が『違う』と判断…否、思うことができる。というかアレはどう見ても姫クラス。提督が私達を送り出したのも納得がいく。

 

「長門さん、どうしたんですか?」

 

ふと、隣に大鳳がいた。

この大鳳は提督が大型建築をして二回目に出た艦娘だ。ちなみに一回目はまるゆ。中破しても艦載機を飛ばせる装甲空母の彼女はこの艦隊の大黒柱とも言えるだろう。

 

「いや、な……少しあの深海棲艦が『違う』と思ったのだ」

 

「『違う』…ですか?」

 

「ああ、現にこうして夕立が先制砲撃を行ったのにあちらは反撃してこない」

 

※ただガチ編成を相手にどう切り抜けるか考えているだけです。

 

「そうですね…。確かに私も違和感は感じます」

 

大鳳も同様に、温度差はあれど戸惑っていた。『何故敵は攻撃してこないのか?』と。

 

しかし考える暇はなかった。突如あの深海棲艦が剥き出しの殺気をこちらに向けてきたからだ。

歯をむきだしにして唸る深海棲艦。若干中腰で彼女の背面に浮いている艤装の先端がこちらを向いている。

 

「ッ!?」

 

「どうするネ!?」

 

「とりあえず複縦陣で行く!艦隊、戦闘準備!」

 

長門は咄嗟に叫んだ。攻撃してくるのか?やはり同じなのか?そう心の中で問答しながら。

 

「…………」

 

「…………」

 

長門達は新たな姫クラスであろう深海棲艦を警戒の色をもって見つめる。

 

しかし、攻撃はいつまでたっても来なかった。

 

逆に、攻撃態勢を崩してこちらに近寄ってきたのだ。

 

艦隊一同いつでも攻撃できるような臨戦態勢のまま、彼女はこちらに滑って来て言った。

 

「あー…うん。君らの鎮守府にさ、浦風っているか?」

 

その質問に思考がフリーズした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤバイなんか臨戦態勢なっとるよどうしよう逃げれるこれ逃げれるのか俺!?いやもうダメもとで行ってみようかな…話しかけに。

俺の知性あるこの顔を見ればわかるだろう。おれが理性を持った深海棲艦だって!

 

いやだがしかしだ。話題はどうする?どう切り出す?どうしようというかながもんさん臨戦態勢じゃんヤバイって俺が攻撃態勢なってんじゃんヤバイ直そう自然体自然体だ。つーかおれヤバイ言いすぎじゃね?「ぽい」みたいにそれだけ入力したら予測変換で夕立が予測変換で来る時代とか来らやだなぁ……無えな、うん。

 

にしても本当にどうしようoh淀!おせーて!

………今のは無かったな、なんだよ『oh淀』って。やっぱもう話しかけにこう、そうしよう男なら決めたらやらなくてはいけない時が来るんだそれが今だッ!!

 

俺は緩やかなスピードで彼女達に歩み寄る。

 

うわーん。みんな臨戦態勢、怖いやめてくださいちびりそうです。そうだな、こんな時こそ解体要員である那珂ちゃんの『4・2・11』を脳内再生しながら行こうじゃないか。

 

カンカンカカカン…

 

………あれ?でも話題は?どう切り出すかまだ考えてねーじゃんヤベェよもうヤダこの夢でも浦風に会うまで覚めるなこの夢!

 

………あ、そうだ浦風のこと話せばいいんじゃんそうだよ。共通性もあり無害度もアピールできるかもしれん。たぶん。

 

故に、この発言となる。

 

 

「あー…うん。君らの鎮守府にさ、浦風っているか?」

 

 

言った瞬間、五mほど前にいる長門達がフリーズした。

 

……え、なんか俺おかしい事言った?浦風の話題やばかった?まじでどうしよう逃げる?逃げるか…!?

 

俺がにこやかな笑顔の裏側で内心自問自答していると長門が言った。

 

「……い、居ないが…それがどうしたんだ……?」

 

「な……!?い、居ない、だと……!?」

 

まじ?まじかる?ラスカル?え、居ないのマジかよハズレかよちくせうッ!!!

俺はあまりの衝撃に海に四つん這いになって崩れ落ちた。半場存在を忘れていたポニーテールが肩口から垂れる。

 

「……居ないと、なにか問題があるのか?」

 

おずおずとした様子で聞いてくるながもん。

 

「……いや、いいんだ……それより浦風のいる鎮守府って何処にあるか分かるか?」

 

「いや。私は分からないが提督なら、知っているだろう」

 

「え!?マジ!?」

 

そうだ提督いたじゃん。こんだけのガチ編成をこんな俺なんかにカマしてくる暇人だ、あとガチ勢だ。どうせ結婚カッコカリだって重婚してるんだろう?え?どうなんだよ俺は浦風一直線だったが文句あるかいリアリィ?レベ99艦作ってる時に浦風に出会った衝撃は凄まじかったな。金剛には失礼だが本当に浦風と結婚カッコカリしてよかたとです。

 

しかし提督、長門の言い方からよるにどうやら情報網あるようだな。どうする、ついて行くか?その場合は浦風に限りなく近づけるだろう。が、罠の可能性もある。陸地に上がった瞬間捕獲とか敵わんからな。

というか俺って陸上型……じゃねえな。もし捕まったらこの海にいる港湾水鬼よ、ヘルプミー。顔合わしたことないけどなんか助けてくれそうな気がする。

 

「よし、じゃあ俺を鎮守府に連れてけ。そんでもって浦風紹介してくれ」

 

「あ、ああ…」

 

「なんだ長門よ?その変な生き物を見るような目は?」

 

ムズかゆいです、やめてください。正直俺は君に撃たれないかとヒヤヒヤしているんです。真面目にやめて、試しうちとかしないよね!?

俺がそんな心配をしていると、長門一瞬フッと笑ってから言った。

 

「…いや、貴様のような深海棲艦もいるのだなと思っただけだ」

 

俺はその言葉に一瞬瞠目した。

 

「…当たり前だ。俺をあんなアンチ艦娘のような奴らと一緒にするな。というか本当に浦風と会えるの?ねえ?」

 

「提督なら分かるだろう」

 

そうか、提督ならか。提督への信頼度たけーなぁおい。

 

 

……にしても、罠とかないよね?

 

 

 

 

 




この主人公、重巡棲姫とでも仮名しておこうかな。

……そのうちイベででてきそーな名前やわー。

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