ストライク・ザ・ブラッド 錬鉄の英雄譚   作:ヘルム

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注意

今回、アーチャーにしては見慣れない描写がありますが、それに着きましては、フェイトステイナイトのアンリミテッドブレードワークスでアーチャーって霊核を傷つけられたのを魔力を貯めた概念礼装やら生肝でなんとか凌いだという話なのでそこから引用させて、少しばかりアレンジさせて頂きました。


観測者たちの宴 XV

『おいおい、どういう理屈だよ?コイツァ…』

「分からない…分からないけど、異常よ。こんなの!!」

 

彼女が使っているパソコンは絃神島の全システムを握るスーパーコンピュータにつながっている。当然のことながら、ただのノートPCとは圧倒的にスペックが違う。情報処理速度、セキュリティ共に現在で最高レベルにまで達している代物だ。

それ故、生半可なハッカーがそこに侵入してしまえば、その侵入口から蜘蛛の巣のように絡め取られ、最終的に浅葱に居場所を特定されて終いである。

 

そんな最新技術とハッキングにより保護されたそのコンピュータにて今現在、まるで何か超強力なコンピュータウィルスにでもかかったかのような前代未聞の異常事態が発生していた。

 

それは…

 

「次々消えていってる!絃神島にある情報、その全てが!?」

『こりゃ、まずいな。嬢ちゃん、分かってると思うが、コイツは…』

「分かってる!!こいつは、ハッカー(・・・・)じゃない!!」

 

妙に人間臭い口調で話すAIの声を遮るようにして、浅葱は叫ぶ。

 

ハッカーとは言わば、『スパイ』のようなもの。必要な箇所に必要な時間だけ侵入してしまえば、後は用済みという風に、即座に出ていくのが通常の場合だ。

いや、そうでなければならない(・・・・・・・・・・・)。いくら腕が良くても、まるで掃除機のようにやたらめったら、吸い込むようにして情報を消した後、自らのなそうとしていること(・・・・・・・・・・)を起こす。などというのは、三流以外の何者でもない。少なくとも浅葱ならばそのようなことはしない。

 

ハッカーとは詰まる所、誰にも気付かれずにパソコンに侵入するからハッカーなのだから…

 

つまり、この相手はハッカーとして、やっている手口で言うのなら下の下。とても浅葱が許容できるものではなかった。

 

最も、この全ての情報を使って何かすると言うのなら話は別だ。

ただし、そうなると現在使っているスーパーコンピュータよりはるかに効率、容量がいいサーバーが必要になる。なぜなら、その全ての情報を使って、何かする(・・・・)と言うのならば、必ずその全ての情報プラスαを加えなければならなくなるからだ。もちろん、例外なども存在するが、単純計算でそうなる以上、絶対に可能性としてそのプラスαは見逃せない。

 

つまり、自然、この絃神島を支えるほどのスーパーコンピュータの上位互換を用意して来なければならなくなる。そんなもの、どれほどの機材と予算が必要になるか分かったものではないし、そんな巨大な金がこの絃神島で動いているなどということが起きていれば、実質、彼女が掌握しているスーパーコンピュータの方へと情報が向かわないわけがないのだ。そして、彼女は今のところ、その手の情報を掴んだ試しがない。

 

よって、今現在、このスーパーコンピュータを掌握しにかかっている敵は、真っ当なハッカー(そもそも、ハッカーに真っ当も何もあるかどうかもわからないのだが)ではないということになる。

 

「…この私のセキュリティ掻い潜ってくるなんて、いい度胸してるじゃない!いいわ。そっちがその気なら…モグワイ!!」

『あいよ。嬢ちゃん。』

 

人間臭い口調で話すAIがそう応対した瞬間、監視カメラの映像、バラエティ情報、その他諸々の画面が一瞬で黒一色と白い文字で染まった画面へと切り替わる。その画面の色が示す意味、それはプログラミングに詳しくない素人でも理解できるだろう。

 

「やるわよ。モグワイ。この不法侵入野郎を徹底的にぶちのめす!!」

『おーおー、怖いねえ。だが、まあ了解した!飛ばすぜ!!嬢ちゃん!』

 

そう。その画面が示す意味とは明確な戦意。喧嘩をふっかけてきた挑戦者を殲滅する合図だった。

 

ーーーーーーー

 

「私が相手したいのは貴公だ。アーチャー。」

 

セイバーはアーチャーが持つ双剣と鍔迫り合いながら、そう呟く。

その言葉には実に真摯な意思が含まれていた。それはセイバーと共にその場にいた誰もが感じたことだ。だが、そんな言葉を受けたアーチャーの返答は次のようなものだった。

 

「そうか。それは大変光栄なことだ。だが、悪いな。セイバー。

 

今回、俺はあなたとは遊んでやれん。」

 

言い終わると同時に、アーチャーは曲線を描いた刃先を滑らせるようにしてセイバーの剣を受け流していく。受け流されたセイバーの剣は足元の屋根へと突き刺さり、錆びた鉄板がそこら中に飛び散っていく。当然、そんな鉄板にセイバーの剣が突き刺さったところで、止められるわけもなく、セイバーは剣を地面に突き刺したまま、這わせるようにして、剣の刃先をアーチャーへと向け、振り抜こうとする。

その剣をアーチャーはバク転する形で宙に飛びながら避け、一気に距離をとっていく。

 

「逃すか!」

 

距離を取られたセイバーは、そこから突進して距離を詰めようとする。

 

だが、その突進を阻むようして自分の目の前にランサーが出てくる。

 

ランサーに大剣を横に振り抜こうとするセイバー。だが、振り抜こうとした剣をランサーは手に持つ槍の柄を使って受け流し、逆に持っていた槍の穂先によって自らの頭蓋を砕かんとするほどの踏み込みと共に刺突の反撃を繰り出してきた。

 

その刺突をわずかに首を横に振ることで紙一重で躱すセイバーは、今まで右手による片手持ちだった剣を左手で持ち手の尾の部分を掴み、無理矢理方向転換するようにして横に振り抜いていたはずの剣を縦に振り抜く。

 

「ふんっ!」

「おっと!」

 

その無理矢理ながらも強烈な振り抜きをランサーは後ろに飛ぶことで躱す。

両者の距離が離れたところで、一呼吸置くようにして、ランサーが語り始める。

 

「釣れねえじゃねえかよ。セイバー。俺じゃ不足ってことか?」

 

ランサーの言葉にわずかな逡巡を見せたセイバーだが、やがて、問題ないと考えたのか、口を開き始める。

 

「そのようなことはない。こちらとしても貴公と決着を付けたいという気持ちは十二分にある。」

 

だが、とそこでランサーの背後に位置しているアーチャーを睨め付けながら言葉を続ける。

 

こちら側(・・・・)としてはそこのアーチャー…いや、正確にはそのマスター(・・・・)に随分な因縁があってな。まあ、もっとも本人からしてみれば八つ当たり以外の何物でもないのだが…」

「…なに?」

 

そういうとセイバーは何かを思い出すように目を細め、苦笑する。

一方でその言葉を聞いたアーチャーはセイバーに対し、警戒を強めながら尋ね返す。

 

「なぜ、マスターが関係してくる?マスターは君達に会ったこともないはずだが…」

「だから言っただろう?八つ当たり以外の何物でも……おっと」

 

と、そこでセイバーは片手で耳を抑えながらそっぽを向く。後ろで黙って今までの動きを見ていた那月たちは一体なにをしているのか理解はできなかったが、アーチャーとランサーにはその行為がなにを意味しているかすぐに理解できた。

 

アレはマスターと話して……いや正確にはマスターに叱られているのだ。恐らくは『余計な無駄話などするな!』と

 

「ああ…ああ…はは、申し訳ない。ああ、了解した。では今からまた戦闘を再開する。マスター」

 

 

言い終わるやいなや、一瞬にしてアーチャーの前に現れるセイバー。

 

(っ!?速いっ!)

 

そのセイバーの急な出現に対し、うまく反応したアーチャーは双剣を交差することでセイバーの上からの剣の振り抜きに対応しようとする。

 

柱のような大剣と双剣が衝突する。その衝撃により、両者が踏み締める屋根はアーチャーたちを中心に一気に亀裂が走り、瓦礫と化して舞い散る。

そして、自然、周りにいるランサーや那月たちにもその弊害は破壊の嵐となって襲いかかってくる。

 

「ちっ!」

 

舌打ちしながら、ランサーはその場から跳躍することで離脱し、他の者たちは那月が空間魔術を行使することで離れ、別の工場の建物上へと移動していく。

 

しばらくして、破壊の嵐が収まっていく。

 

収まった後、屋根は完璧に崩れ去り、最早、屋根など影も形も存在しなかった。どころか、その破壊は建物の壁にまで浸透し、あまりにも無残な姿を晒していた。

 

「は、はは、慣れた気でいたんだけど…マジかよ。」

 

アレだけの破壊があったのだからある意味当然だったとはいえ、その光景を見ていた古城は乾いた笑いを隠せなかった。

今のあの男はただ己が膂力のままに大剣を振るっただけだ。その力を舐めていたわけではない。

実際、その力を目の当たりにしているので舐められるわけがない。

 

だが、それでも、たった一撃で屋根が形どころか存在そのものを消すなんて、しかも、壊した屋根は一軒家などではなく、工場などの屋上にある平べったい巨大な屋根だ。いくら平べったいからと言って、アレを腕力のみで一撃で消し飛ばす。

 

今更ではあるが、アレは人間の持てる力ではない。

 

そんな彼の感想と感情を慮ってか、今まで敵であったはずのランサーが言葉をかけてくる。

 

「まあ、仕方ねえわな。だがよく見とけ。坊主、てめえがもしも、ライダーのマスターとして改めて腹を括ったつうなら、この闘いは目を離しちゃならねえ。それが何よりもてめえ自身のためだ。」

「あ、ああ。」

 

いきなり馴れ馴れしくアドバイスをされ、動揺する古城。そんな古城の気持ちを表すかのように古城の立つその背後から声がかかる。

 

「やれやれ、先ほどまで敵同士だったというのに…よくもそこまで明け透けに言葉をかけられるものですね。ランサー。」

「おう、何分、そういう性分なんでな。

 

にしても、ようやく起きたか。ライダー。」

 

ランサーのその言葉を受け、古城を始め、先ほどセイバーに相対した者達が一斉にライダーの方へと顔を向ける。

見ると、松葉杖のようにして剣で何とか体を支えようとするライダーの姿がそこにはあった。

 

「ラ、ライダー!?あんた大丈夫なのか!?」

「ええ。もちろん!…と言いたいところですが、正直、厳しいですね。」

 

そう言うライダーの体は、確かにそう言わざるを得ないほどボロボロだった。着込んでいる鎧は若干ひしゃげており、内臓の痛みによるものか、口からは血がたらりと垂れている。

立っているのがやっとだと誰の目に見ても明らかだった。

 

「それよりも、ランサー、あなたはあのセイバーと戦いたかったのでは?こんなところで油を売ってていいのですか?」

「おうおう、本当によほど効いてるみてえだな、セイバーが負わせた攻撃は。余裕が無くなってるぜ?ライダー。

俺をここから追い出してえなら、せめて、もう少しまともに喋れるようになってからにしな」

「……。」

 

返答に対し、無言で返すライダーを一目した後、ランサーは言葉を重ねるようにしてライダーの先ほどの質問に返答する。

 

「さっきと今とじゃ、勝手が違う。キャスターの方は理解できてるんじゃねえか?」

「うん。たしかにちがうわ。」

「……?その…勝手、とは?」

「だから、言ってんだろうが、せめてまともに喋れるようにはなっておけってな。ま、今に分かる。」

 

そう言うと、ランサーは先ほどの破壊で舞い上がった煙が収束していっている場面を再び見渡す。ライダーや古城たちもそれに続いてその場を見渡した。

 

「っ!?」

 

その瞬間、ライダーは理解した。たしかに状況は変わったのだと、まだ煙が立ち昇り、彼らの状況も何も分かったものではないのに、その特有の空気というのだろうか?それを感じたライダーは息を呑み、苦々しく眉を寄せる。

 

一方、古城たちにはその恐ろしいまでの並行的な変化に気づくことはできなかった。だが、煙が収束仕切った瞬間、その顔(・・・)を見て理解した。

 

煙が晴れ、青空教室よろしく屋根が無くなった工場の中にて、二人の男が対峙している場面が古城たちにも見え始める。そして、その顔(・・・)を見た。

 

それは絶望だった。悲哀だった。恐怖だった。困惑だった。不信だった。そして、それら全ての負の感情を宿しながら、塗りつぶさんとするほどの…怒りだった。

 

その顔の主が重々しくその口を開ける。

 

「貴様…」

 

男が言葉を口にした瞬間、その場にいるサーヴァント以外の全ての者たちが背筋と頰に冷や汗を流し、気付いた時には顔はびしょ濡れになっていた。

恐い。先ほどのセイバーから感じたものとはまた別種の恐怖が形となって襲い掛かってくる。

その形ある恐怖を目の前にした男は涼やかにその冷徹な視線を受け流して、言葉を紡ぎ出す。

 

「何だ?アーチャー。何か用か?」

「…よくもまあそう、ヌケヌケと……。だが、よく分かった。セイバー。貴様は、俺が相手しなければならんようだ。ランサー!前言撤回だ。

 

この男の相手は俺がする。すまんが……」

 

「あーあー、いい!いい!!

 

てめえなんぞに殊勝に物事を頼まれた暁には蕁麻疹で死んじまう。大体、今のてめえじゃ、俺が一騎討ちしようとしたって、何が何でも俺の決闘を邪魔しにかかるだろうが、そんな決闘(もん)俺としても望んでねえんでな。」

「……。」

 

返答を確認したアーチャーは今までセイバーへ向けていた視線をさらに強めた。

その影響で、先ほどまでの全体を覆っていた緊張の空気がわずかに緩み、いつの間にか忘れていた息をふき返すようにして、はーっと古城は息を吐くのだった。

 

そして、そのいきなりすぎる変貌に疑問が湧いた。先ほどまで、あのアーチャーはそこまで怒っていたわけではなかった。なのに、あの煙が晴れてからの彼はまるで別人だ。あの煙の中(・・・)で一体何が起こっていたのだろうか?と…

そのことを隣でなんとか立ち上がろうとしているライダーに聞く。

 

「な、なあ?一体、なんであいつはあんなに怒ってるんだ?」

「さぁ、わかりません。ただ、少なくとも先ほどの煙が上がっている間……

 

あの間にセイバーに何か(・・)されたのでしょう。

 

もっとも、あんな短時間のうちに彼があれほどの怒りを覚えるモノというと正直な話分かりません。ですが、なんであれ、これだけは言えます。

 

今のアーチャーには近づかない方がよろしいでしょう。」

「……。」

 

それだけは古城にも、そしてその他の皆にも理解できた。

 

彼らが今立っている場所は緩まったとは言え、未だ途轍もない殺気が充満した空間となっている。

 

この場所に新たに来客が来たとしても、おそらく同じ感想、意見を出して、できることならば即座に逃げ出しているだろう。もっとも、並みのものならば、その殺気に膝をは震わせ、足をつき、動けなくなっていただろうから結果的に誰もそこからは逃げ出せないだろうから、その仮定も無意味と化すのだが…

 

ゆらり、とアーチャーが手を上げ、手から人差し指を天に突き出す。そして、その指をゆっくりと、まるで川にある清流を思わせるようなゆっくりととした所作である方向へと向ける。

 

「場所を移すぞ。セイバー。本土ならばともかく、このような無骨な島では、我々の力を開放しただけで沈みかねん。そのようなことは貴様も望んではいないだろう?」

「いいだろう。こちらとしても、貴公と思う存分やり合えるというのならば、願ったりだ。」

 

会話を終えると同時に、どちらともなく跳躍し、その場から文字通り姿を消す。やがて、その場は静寂に包まれていき、先ほどまでたしかに存在していた緊張した空気が平常値に一気に戻る。

 

「っ!?はーーっ!!がは、ごほっ!?」

 

二人の男がいなくなったことで今まで忘れかけていたのか、呼吸を取り戻すように深呼吸する古城。だが、急な対応に体の方がびっくりしたのか咳き込んでしまう。

 

「だ、大丈夫ですか?先輩!?」

「あ、ああ。つーか、姫柊の方こそ大丈夫か?顔、汗でびっしょりじゃねえか?」

「それは、先輩とて同じでしょう?まったく、もう…」

 

雪菜の声を聞き、古城は先ほどまで耳の奥でずっと響いていた脈や心臓の音から意識をそらすことができた。

やがて、落ち着きを取り戻し、そして、疑問に思っていたことを口に出す。

 

「なあ、あの二人って、どこに向かったんだ?」

 

その質問に対し、アーチャーが指した指の方向を見つめ何事かと思案し、一番最初に答えを見出したライダーが答える。

 

「おそらくですが、あなたにも覚えがある場所に向かったはずです。古城。」

「俺にも覚えが…?」

「ええ。アーチャーの先ほどの言葉は脅しでもなんでもありません。事実、あのまま戦っていたのならば、この島は大惨事となっていた確率が高い。

であるならば、単純な話、彼らは島から離れよう(・・・・・・・)と思うはず」

「島から?…あっ!」

 

その言葉を聞き、一つだけ心当たりが存在した古城は声を上げる。

 

「もしかして、あそこか?けど、あそこって…」

「ええ、私もそれが意外だったので正直驚きました。ですが、生命(・・)が存在せず、誰にも邪魔されない。という意味で言うのならばあそこ以外に適任な場所も存在しないのも事実です。」

 

ライダーの言葉を聞き、その事件(・・・・)に親密に関わった一人の皇女もまたその答えにたどり着き、ハッとして声を上げる。

 

「まさか、その場所とは…」

「ええ、そうです。おそらく、彼らが向かった場所とは…

 

あのアーチャーのマスターが暴走した今は凍ってしまい、生命なき孤島と化したかの無人島でしょう。」

 

ーーーーーーー

 

「さて、用意が整ったようだ。ここからが本番だよ。マスター。」

「そう。なら、始めて、キャスター。」

「了解。マスター。では、始めよう。さて、僕と戦いし勇ましき者よ。君の健闘は素晴らしかったけど、ここで終わりだ。

 

君の能力は素晴らしい。現代においては、間違いなくトップクラスの知能を持っているのかもしれない。

 

僕は平等視を人生の座右の銘と言ってもいいくらいには掲げてるけど、それでも生前の経験から、平等視ができないものがあることは知っている。その一つが『知能』だ。

 

嗚呼、先ほども言った通り、君は間違いなくトップクラスの知能を持っている。

 

だが、残念ながら、この僕は、歴代最高の天才の一角と言ってもいいらしいからね。だから、君が負けるのは仕方がない。

 

この僕を頭脳で打ち負かせるものがいるとするならば、僕と同じく頭脳によってこの星を切り開きし者(・・・・・・・・)か、あるいはそれに類する天才だ。

 

まあ、僕の場合、この……」

「キャスター。」

 

キャスターの言葉を阻むようにしてキャスターのマスターが口を出す。

 

「ああ、ごめん、ごめん。じゃあ、始めよう。僕も魔術師人生は長かったけど、これほどの神秘を顕現させたことはないからね。ガラにもなく興奮してたみたいだ。

 

では、始めよう。人類史最高のマジックショーを!!」

 

バチン、とキャスターが指を鳴らす。

 

その瞬間、島の光という光が消え去った。

 

ーーーーーーー

 

(っ!?なんだ?アレは?)

(始まったか。それにしても、キャスターのヤツめ、存外に派手にやるモノだ。)

 

もちろん、その事態を島を走り続けているこの二人の英雄が認知しないわけもなく、彼らは走りながら、全く別の反応を浮かべながら、島から全ての明かりが消えたその様子を見る。だが、彼ら二人は切り替える。

 

目の前の敵に対する意識を高めるために…

 

走り続ける二つの影はぶつかり合うこともなく、そして、ブレーキをかけることもなく海へと突撃する。

海とは普通はどんなに身体能力が優れていようと沈むのが道理だ。だが、彼らにそんな道理は通じない。海へと突入しようと沈まず、全く同じ速度で駆けていく二人。

その速度はレースカーの最高速などとっくに超えており、音速に届かんとするまで来ていた。

ちなみにこの二人が海に沈まないのはそれぞれ別の理由が存在する。アーチャーの方は、駆けていくと同時に足場となる場所に小型のナイフを空間に凍結させながら投影し続けている。そうすることで瞬間的な足場が出来上がり、アーチャーに海を駆けるなどという無茶を可能にさせた。

一方のセイバーは違う。彼は足を海面に着きそうになると何故か、そこに同時に土が盛り上がってくるのだ。セイバー自体の脚力が強すぎるせいで盛り上がった土はすぐに崩れ去り、消えて無くなるが、そんな瞬間的な足場でも彼の身体能力ならば、難なく使いこなし、セイバーは走り続ける。

 

(いや、まったく、こんなところで生かされることになろうとは…人生、何が起こるか分かったものではない。いや、もう死んでいるのだが…)

 

アーチャーはそう思いながら、一つの思い出を思い返す。その思い出とは、世界の裏側である理想郷を旅し続けている内に出会った、黄金の輝きを腹に抱えながらそこに立ち続ける黒い竜とそれに寄り添うようにして座り続ける一人の聖女の姿だった。

 

そう。そこまでは実に美しい思い出だった。思い出だったのだが…

 

それとともに生み出された一つの苦々しい思い出が彼に『水走り』などという無茶を習得させたのだ。

 

では、その思い出は何かと言うと…

 

(…いかんな。ここで気を散らしていては後々の戦闘に影響が出る。)

 

思い出そうとする頭を一旦リフレッシュさせ、冷静になるよう言い聞かせる。

 

そうして、頭の中で言い聞かせるのを終えると同時に二人はある島にたどり着く。その島には何もなかった。ただ、氷の平原の上に天へと伸び立たんとするほどの巨大な氷柱が存在するだけであり、他には何かが暴れたのか少し時間の経った破壊痕が残っていた。

 

「…なるほど、生命のなき氷島か。たしかに我らの闘いにここまで適した場所は存在しないだろう。」

「気に入ってくれたようで何よりだ。さて、では始めるか。セイバー」

「ああ、行くぞ。アーチャー!」

 

アーチャーが双剣を、セイバーが大剣を両者同時に構え出す。

アーチャーの構えは、ダランと自然体を意識した立ち姿にまるで無造作に手に取ったような双剣が印象的な構えであり、セイバーの構えは剣を持たない左片手を突き出し、右片手の剣を地面に平行に剣の側面を当てるような構えだった。

 

両者はそこから近づこうとも、遠ざかろうともせず、しばらくその場に立ち尽くすのみだった。何かが合図になるのでは…と誰かが(・・・)思った。

 

だが、予想は外れ、開戦の合図は何もなく、無音のまま両者同時に虚空へと姿を消し、その中央にて激突する。

両者の力の波は波動となって伝わり、氷の大地に亀裂の波を与える。その亀裂はあっという間に島全体を覆い、先ほどあった島の光景など微塵も感じさせないほどの圧倒的な破壊の光景へと移り変わった。

 

「…ふーっ!!!」

「はあっ!!」

 

怒号を上げる。その瞬間、両者の剣が鞭となり、音速を超えて踊り出す。鞭となったその剣の舞は攻防の移り変わりは激しい。否、激しすぎる(・・・・・)。セイバーがその圧倒的な膂力と技術によって大剣を振るうことでアーチャーの双剣を攻め立て、大地に癒えない傷跡を残しながら前進したかと思うと、今度はアーチャーが絶妙な双剣の剣さばきにより、大剣の嵐をかいくぐりながら、近づき、首元、胴、腹といった人体の急所を迷いなく攻め立てていく。だが、その剣の動きを正確に予測し、セイバーはその筋骨隆々な肉体からは考えられないほど柔軟な動きと、持ち前の判断能力によって、いつの間にか間合いの死角から攻められているはずなのに大剣をアーチャーの前へと踊り出し、アーチャーを弾き返すことで距離を取り直す。

 

先ほどからその繰り返し。実に単純な攻防だ。だが、その攻防に交わされた技量、膂力、判断力それらは平均的に達人と見なされているものたちですら、青ざめるほどの力量が蓄積されている。

 

「トレース…オーバーエッジ!」

 

詠唱とともに、双剣が輝きを増すとともに刀身が長くなる。

 

その間にも、セイバーは剣を迫らせ、アーチャーから見て斜め右下から剣を振り抜こうとする。だが、その剣が突如として予想だにもしないほど前で止められる。

 

「…!」

 

見ると、アーチャーの干将が氷の大地へと突き刺さり、セイバーの圧倒的な膂力が剣にかかりきる前に止められているのが分かった。

そして、その一瞬の不明点が生み出した隙をアーチャーは見逃さない。バク転の要領で干将を中心に体を回転させると、莫耶を上へと投げ、莫耶の持ち手の尾を蹴りつける。

 

一見、力がかかり辛そうに見えるが、彼とて伊達に長くサーヴァント歴が長いわけではない。どの位置を蹴り出せば、力がよりかかり、高速で剣を打ち出せるのかぐらい瞬時に判断できる。

 

そのため、彼のその曲芸染みた攻撃がセイバーの顔面めがけて飛んでいく。

 

「ふっ!」

 

だが、セイバーとて伊達に最優として呼ばれ、召喚されたたわけではない。瞬時に状況を判断し、剣を手放す。

セイバーはわずかに後方に跳び、距離を取ると、体を回転させ、踵による回し蹴りを莫耶の側面へと喰らわせることで、弾き飛ばす。

しかもそれだけでは終わらない。いつの間に持ったのか、右手で剣を逆手に持ち直したセイバーは先ほど剣を振った回転とは逆に回りながらその剣をアーチャーへと迫らせていた。

 

「…っ!」

 

そこで、今度はアーチャーが距離を取る番となった。抜き取った干将を前にかざすような形でセイバーの剣を防御する。だが、その防御があまりに脆いことはアーチャーが一番よく理解できている。だから、少しでも衝撃を少なくするために腕で後方へと力を掛からせながら、即座に剣を抜き取っていた。

 

だが、そんな努力も虚しく、セイバーの一撃はアーチャーの芯を捉え、吹き飛ばしていく。中華剣の舞を彷彿とさせるような回転で、アーチャーは衝撃を散らしていき、回転を終えると、足でブレーキをかける。

 

アーチャーがブレーキをかけている間にもセイバーの攻撃は終わらない。セイバーが大剣を氷の大陸へ向けては振るう。その瞬間、その衝撃は氷の大地の隆起となってアーチャーへと襲い掛かっていく。

 

「ちっ!」

 

だが、それを黙って見ているアーチャーではない。干将、莫耶の能力は二つの剣を引き合わせることだ。単純な能力だが、それはこうした片手にしか剣がない状況では上手く働く。

 

干将に誘われるようにして、莫耶がアーチャーの手に戻る。そして、すでにセイバーの一撃をもろに食らったことでわずかに脆くなっている干将を隆起した大地へ向けて投擲する。

 

そして…

 

壊れた幻想(ブロークン ファンタズム)!」

 

彼が詠唱すると同時に、干将は勢いよく爆発し、先ほどの大地の隆起を押し留めた。

爆煙が立ち込める中、その爆煙の影からセイバーが突進してくるのを確認したアーチャーは莫耶にてその突進を受け留める。

その衝撃は今度は大地ではなく、空気を弾き、途方も無い爆音を生み出す。そして、両者が鍔迫り合いながら、相手の目を確認する。すると同時に両者距離を取る。

 

そうして、また、セイバーとアーチャーの距離は初めて相対した時同様のものへと立ち戻っていったのだった。

 

ーーーーーーー

 

その光景をずっと見せられているものたちが居た。それは…

 

「す、すげえ…」

「なんていう…戦い…」

 

古城たち一行…いや、正確にはこの絃神島に住んでいる(・・・・・・・・・)全てのものたちが見ていた。

だが、先ほど漏れた感想は間違いなく、古城と雪菜が漏らしたものである。ところで、なぜ、遠く離れた古城たちがアーチャーたちの様子を確認できているのか?理由は簡単である。

 

この絃神島の全ての映像機器が先ほどからアーチャーとセイバーの戦いの映像によって占拠されているからである。先ほど、島全体で停電があったのだが、その停電はすぐに収まった。それと同時に全ての映像機器にこの戦いの映像が一斉に流れて行ったのである。

 

その映像を見た島民の反応は様々だった。焦り、興奮、恐怖、歓喜、そんな様々な感情の渦を古城たちはビルの屋上から見つめ、再びショッピングのビルの一角にある巨大な映像機器へと目を移す。

 

「しかし、なんでこんなことが…」

「おそらく、ハッキングというものをされたのではないのですか?だからこそ、こうして…」

「いや、それはないな。」

 

古城の疑問に対し、返答したライダーの答えを遮るようにして那月が返す。

やけに断言してかかる那月に疑問を抱き、ライダーは質問する。

 

「なぜ、そのように断言できるのですか?南宮那月。」

「お前たちサーヴァントは知る由もないだろうが、ことハッキングにおいてだけいうのであれば、この絃神島はどの国よりも優れている。諸事情でそのあたりは言えないが、この世にこの島のハッキングシステムを妨害出来るものはいないだろう。それこそ、そのハッキングシステムの中枢を担っている人間が留守でもしない限りな。」

「だが、現にこうなっちまってる以上は、そういう判断は切り捨てといた方がいいだろう。それに今、あんた言っただろう。この世(・・・)にってことは今現在、この世にはいないはずの何者かがこの事態を引き起こしているってことだろう。」

「!それって…まさか…」

 

ランサーが那月の言葉に返すようにして、言葉を挟み込むと、優麻がランサーの言葉に反応する。

 

「ああ、もうこの世にはいないはずの何者か…つまり、サーヴァント。こいつなら、こういう芸当が可能だろうよ。もっとも、サーヴァントの中でもかなり強力な能力がなけりゃ、ここまでの芸当は不可能だが、今それを話しても無駄だろう。探すにしたって、あちらさんだって馬鹿じゃねえんだ。当然力を隠されている。」

 

そういうと、ランサーは先ほどからセイバーとアーチャーの戦闘が映し出されている映像を見る。

その様子を確認したラ・フォリアは質問する。

 

「どうですか?勝負はやはり互角ですか?」

「いや、わずか…ほんの僅かではあるが…」

 

ーーーーーーー

 

「ちっ!」

 

ビシリと、音がした方へと首を向ける。すると、そこには赤い外套が僅かに刀傷を負い、斬られている。それを確認したアーチャーはセイバーの方を再度確認する。セイバーの方は服に傷一つつかずにこちらを不敵な笑みを浮かべながら見つめ返していた。

お互いに傷を負っていない。だが、こうした戦闘における些細な差は後々になって響いてくる。それをセイバーもアーチャーも理解している。

 

だから、彼らは瞬間的に理解したのだ。このまま行けば、アーチャーの負けは確実だ、と…

 

ーーーーーーー

 

「そ、そんな…どうするのよ?それ…あいつが負けるってこと」

「あいつの擁護するわけじゃねえが、誤解すんなよ。アーチャーは別に、総合的な力量でセイバーに劣っているわけじゃねえ。寧ろ、互角と言っていい。それはあいつら二人と戦った俺が保証する。だが、だからこそ、アーチャーは今のまま(・・・・)だと負けちまうんだ。」

「ん?どういうことだよ?それは…」

 

疑問符を浮かべる古城たちに対してランサーは説明を続ける。

 

「アーチャーのヤツはすでにあの戦いで三連戦目だ。しかも、ただの三連戦じゃねえ。1戦目は俺と、2戦目はそこでぶっ倒れている魔女とだ。

 

戦いの激しさについては俺との戦いの方が断然上だろうが、消費魔力のでかさでいうのなら、おそらく、そこの魔女との戦いが大きかったはずだ。」

「え?」

 

と、そこで那月へと視線を移しながら言葉を続けていく。

 

「そこの魔女が持っている『闇誓書』っつったか?そいつはサーヴァントが現界を維持するための魔力を著しく消費させる。霊体化しなけりゃそれを防げねえほどにな。そんな環境下であのアーチャーはおそらく、本来お前ら生者が相手にするはずだった敵を相手に戦っていた。

 

俺たちサーヴァントは基本マスターから魔力を供給してもらわなけりゃ、存在もできねえ。アーチャーがあの戦いで相当の魔力を消費したのは言わずもがな、だ。

まあ、それでも、マスターの協力がありゃ、なんとか回復できるレベルのはずなんだが、なんでか知らねえが、あの野郎、あの体に『俺の前で戻ってみせた後』からずっとマスターからそこまで大量の魔力を供給していないらしい。

 

あれじゃぁ、回復するものもできねえ。」

 

ーーーーーーー

 

「なぜだ?アーチャー。」

 

セイバーが問う。

 

「なぜ、そこまでして、マスターを守ろうとする。いや、サーヴァントとして、それが義務なのはわかっている。だが、貴様のそれは一種異常と言っていい。

 

おそらく、マスターに事情の説明すらもしていないのでないか?そうでなければ、ここまで忌避する意味がない。

そのマスターがよほど争いに耐性がないのか、あるいは争いに耐性はあっても争いを許容できる人間性をしていないのかそのどちらかは知らないが、ここまで手がない以上、無断であれ、マスターから魔力を供給してもらわねば、

 

貴様の負けだぞ。」

 

最後の語気を強めに言い切る。セイバーを前にして、アーチャーは考える。

 

(いや、手がないわけではない。少なくとも、一つ手はある。あることにはあるんだが、正直この序盤ではあまり使いたくはない手だ。

 

しかし、『なぜ』…か…)

 

なぜ、自分はこんなになってまでマスターに何も伝えずに守ろうとしているのか?少なくとも、マスターに危機が迫っていることくらいは伝えるべきではないのか?そうすることがサーヴァントとして後々マスターを守ることにもつながるのではないのか?何も伝えずに、ただ見守る。それは許されざる傲慢なのではないのだろうか?そう考えた時期もあった。

 

だが、結局のところ、アーチャーはマスターである夏音に何も伝えないことを選んだ。その理由は…いまさらながら、少し疑問に思った。アーチャーは物思いに耽る。

 

なぜ、こうまで何も伝えずにマスターを守り切ろうとしているのか?ランサーとの問答で考えた『マスターが博愛主義者だから』というのも理由のうちには入るだろう。だが、それだけだろうか?もっと、根本的な…何か…大切な、いや、大切というよりも…

 

そこまで考えて、ある一つの記憶(・・)を思い出す。そして、その記憶を噛み締めながら、ふーっと息を吐く。

 

そして、今までとはまた一段と静かな殺気を視線に宿らせながら再びセイバーを睨む。

 

「…!」

 

その視線に応えるようにしてセイバーも剣を構える。

 

(そうだな…夏音。君を守ろうとした理由。それは何も難しいことではない。もっと単純なものだ。俺にとってそれだけでも十分に君は守るべき存在として写り、だからこそ、君には何も知らないでいてほしいと思ってしまうのだ。

 

この考えは間違っていて、セイバーの言う通り歪んだものなのかもしれない。いつか、君に全てを伝えなければならいときが来るのかもしれない。

 

だが、それは断じて今ではないはずだ。

 

ならば、多少の不利は抱えてでもこの男を討つ!確実に!!)

 

アーチャーはそう考えると同時に手を掲げる。瞬間、流星が絃神島を中心にアーチャーたちのいる無人島に向かって流れていく。無数のその輝きは、アーチャーの掌へと収まっていく。そして、やがてアーチャーの手に一つの掌ほどの大きさの塊ができていた。宝石に似ているが、それにしてはなんというか気持ちの悪い色だった。赤、黄色、青といった三原色をベースに、これでもか、と一緒くたに混ぜ合わされたような色合いをした、そんな石だった。

 

「なんだ?その石は?」

「さて、なんだろうな?」

 

言い終えると、アーチャーはその石をなんの躊躇もなく呑み込む。

静寂が辺りを包み込む。だが、そこからわずかな時間が経ち、セイバーは一つの異変を感じ取った。

その異変が段々と大きくなったことを感じ取った瞬間、それは起こった。

 

「ふぅぅぅぅぅっ……はあっ!!」

 

気合いの怒号、その一声とともにアーチャーの魔力が一気に周囲へと文字通り爆発した。

その膨大な魔力に驚愕の色を浮かべたセイバーだったが、やがてその異常事態を理解する。

 

「そうか。先ほどのアレは無数の概念礼装を一つに固めたものか。おそらく、その一つ一つに微々たるものながら魔力を少しずつ加え、蓄え続けたもの。

 

あらゆる場所、あらゆる条件に対応するためにそこかしこに様々な色、形を取らせて配置してきたものだったために、あのような不恰好な色と形になったということか。」

「一瞬でそこまで理解したか。全く恐れ入る。いや、ある意味(・・・・)当然か。では、語彙力がなくて申し訳ないが、先ほどの言葉をもう一度言わせてもらおう。

 

では、始めるか。セイバー。」

 

もちろん、この言葉は意図的なもの。セイバーにここからが真の戦いだと合図するための売り言葉だ。

ならば、こちらも買い言葉で答えるのみ!

 

「ああ、行くぞ!アーチャー!!」

 




今更ながら、バレバレだったとはいえ、セイバーの肌の色について言及することが非常に多く感じられ、質問させていただくのですが、やはりバーサーカークラス以外なので、黒ではなく肌色の方がいいんでしょうか?それとも見慣れている?からの方がいいんでしょうか?

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