金のレギオン結成宣言から早くも3ヶ月
そして現在金のレギオンの構成員の数は12人で領土は豊島区、北区を支配下としており隣接している黄と青のレギオンと週1回行われる領土戦が行われている。
そして今日、カズ君とナギちゃんがレベル4に上がった事により金の王から領土戦の参加を認められたので現在領土戦前に行われる3人で来ている、どうやら他のメンバーはまだ来ていないみたいだった。
「やっとオレとも領土戦に参加出来るんだな、く〜腕が鳴るぜ!」
そう言って両手のハサミをカチカチ鳴らし気合いを入れるカズ君、そしてその右肩にはがちょこんと座っていた。
「それだけじゃ有りませんよ、レギオンの方々への私とクレイ君の挨拶も兼ねてるんですから忘れたら駄目ですよ」
「分かってるって」
そう2人はレギオンに入るにあたってレギオンマスターであるフェニックスとは会っているがそれ以外のメンバーとは会った事が無い、なので今回の領土戦は2人の顔合わせも兼ねてる。
そんな事を話していると2人のアバターが出現した。
「おっすスカやん!おっ!今日は1人やないんか?」
「見た限りではそちらの御二方が貴方が仰っていた子達ですか?」
出現したアバターはそれぞれM型とF型のアバターだった。
「この人達がスカ兄が言ってた人達?」
「そうだよ、ほら2人共自己紹介しないと」
「俺はカーディナル・クレイフィッシュでレベルは4になったばっかでセレスとはリアルでも兄妹だから共々よろしく!」
そう終えるとナギちゃんはユウ君の肩から降りて続いた。
「初めまして私はセレスタイン・デスストーカーと申します、クレイ君とスカ兄さんからはセレスと呼ばれていますので気軽にそう呼んで下さい」
「カーディナル・クレイフィッシュとセレスタイン・デスストーカーってこの辺りでここ最近めきめきと腕上げとるって評判のタッグやん、は~まさかスカやんの子やったとは・・・」
「これは驚きですね・・・っとそう言えばワタシ達も自己紹介させて頂きましょう、ワタシはカーボン・マジシャン、元紫のレギオン所属のしがないバースト・リンカーです。
ワタシは我等がレギオンマスターに興味を抱きましたのでレギオンに参加させて頂きました、以後おみしりおきを」
彼の姿は僕やカズ君のような特異な姿ではなく一般的な体型のM型のアバター色は全体的に黒でシルクハットとマントを装備し姿は奇術師を思わせる物となっている。
「んじゃウチも」
次はやや関西弁の彼女。
「ウチはインディゴ・スワローや、知っとるか知らんかは知らんけどこれからよろしゅうな!」
彼女の姿は全身を黒いアンダースーツが包み所々ツバメイメージしたかのような軽鎧を身に付け腰に刀を吊っており顔はツバメの頭部を模した兜を被りアイレンズはパチリと大きく活発的な印象だ。
「「よろしくお願いします」」
「ん、元気な子らやな」
「期待の新人ですね」
取り合えず2人には好意的な印象を持ってもらったみたいで良かった、さて次は誰が来るかな?
そして今度は光が同時に3つ出現し中から3人のアバターが出て来た、どうやら全員F型みたいだ、
そしてその内の1人銀色の装甲を付けたアバターがじっとナギちゃんを見詰めている。
「・・・?」
視線に気付いたナギちゃんが不思議そうに見詰め返すと彼女はナギちゃんに近付いていきそのまま持ち上げ「・・・かわいい。」と言って抱きしめた。
「はわわわ!?」
突然抱きしめられて驚きじたばたもがくがしっかりホールドされている為脱出は不可能だった、ナギちゃんも脱出を諦めされるがまま抱きしめられている。
それを見兼ねて彼女の後ろに控えていた少女が助けに入った。
「リア殿、初対面の方にいきなり抱き着くとはそんなうらやましい・・・じゃないです、失礼な事なさっては駄目なのです」
「・・・駄目?」
「そんな目をされても駄目なのです、とにかくまずは互いの自己紹介をしなくてはいけないのです。
抱きしめるならその後アンにして下さい。」
「・・・分かった」
そして抱きしめていたナギちゃんを解放して自己紹介を始める。
「チタニウム・ウォーリア、リアでいい・・・よろしく」
身長は160Cm位で細く華奢な体格をしているが全身を白身をおびた銀色の西洋風の鎧が包み、頭部はアイレンズではなくバイザーとなっており背中には強化外装であろう少し形状が変わったハルバードを背負っている。
「次はアンの番ですね」
次はその隣にいる背がナギちゃんと同じ位の子だ。
「我が名はフレイム・アント、リア殿が一の家臣なり!これから仲良くしてやるのです」
黒のアンダースーツの上に身体の所々に丸みをおびた装甲を付けていて色は鮮やかなは炎の様な色で目はややつり目のアイレンズだ。
先程の自己紹介でわかるがあの子はリアの仲間で寡黙なリアとは反対にやや活発的で二人とは無制限中立フィールドのとあるダンジョンで偶然であったのだがそれについてはまた今度話そう。
自己紹介を終えたアントの前にナギちゃんがやって来た、僕の見立てではこの2人はリアルでの年齢がそんなに変わないと思うので仲良く出来るだろうと思っているとじっとアントを見ていたナギちゃんが小さなガッツポーズをしながら一言。
「私の方が大きいです」
「なっ!?アンの方が大きいのです!」
そのまま2人はどちらの背が大きいのか言い合いになった。
傍から見たら姉妹の可愛らしい小喧嘩にしか見えない、それを僕等は微笑ましく見ていたがカズ君が漏らした声により事態は急変した。
「俺からしたら2人共ちっちゃいけどな。」
「「ピキッ!!」」
カズ君が漏らした1言が運悪く2人の耳に入りその瞬間2人の雰囲気が変わり何やら黒いオーラの様な物を出し始めた。
「「「(2人共それ心意じゃないよね?)」」」
この時偶然にも何人かが心の中で同じ事を考えていた。
「ふ、2人共落ち着いて、・・・そうだ私はまだ自己紹介してなかったね、私はマリー・プラント、マリーって呼んでね」
2人と一緒にワープして来た女性が2人から発せられる何かを察知したのか自分がまだ2人に自己紹介してないのに気付き場の雰囲気を変えようしてくれた。
彼女はこのメンバーの中では比較的大人しいタイプの女性だ、赤味を帯びた黄色のワンピースと体の所々に何かの花をモチーフにした装甲を身に付け頭部はこの世界では珍しい腰にまで届く髪が有り目はアイレンズとなっている。
「あっこれはご丁寧に、私の事はアスと呼んでください」
「俺はクレイでいいよ」
彼女のおかげで何とか場の雰囲気を変える事が出来がそこである疑問が生まれた。
「そう言えばマリーさん、ダガー君とは一緒じゃないの?」
マリーさんはまだ来ていないダガー君とよくコンビを組んだりして大抵一緒にいるので今回も一緒だと思ったのだけど。
「すみません今日は一緒に来ていなので・・・もうそろそろ来ると思うんですけど」
すると彼女の近くが再び光だし誰かがワープして来た、そこに現れたのは180cm位で全身を薄い紫色の装甲を纏い肩や腕腰回りなど体の至る所に短剣がマウントされ頭部は十字を模したバイザーに赤い単眼のモノアイとこの世界では珍しい姿をしたデュエル・アバターだった。
「遅いよダガー君」
「わりーわりー、でスカルが言ってた2人って誰よ?」
そう言われおのずと前に出る2人。
「私がセレスでこっちのエビさんぽいのがクレイ君です、これからよろしくお願いします。」
カズ君もハサミを振って挨拶する。
「おっよろしく」
これで一通り顔合わせが終わった。
「じゃあ皆ブリーフィングを始めようか」
「今回の編成はどうします?、前回と一緒っと言う訳にはいきませんし」
「その事だけど今回は4人2組の2チームに分かれて防衛しようと思うんだ。」
「そりゃいいけど残りの1人はどうなるんだ?」
「まあ恐らく王様の所やろな」
「正解、でその役は今回は僕にやらせて欲しいのとクレイとセレスには今回別々のチームで戦ってもらいたいんだ」
「「えっ!?」」
「理由を聞いてもいいですか?」
僕の提案に不安そうに驚くカズ君とナギちゃん、そしてそれを聞いて2人の心境を理解したのかマリーさんが理由を聞いてきた。
「これから2人が領土戦で戦い続けるなら必然的に色々な人と一緒に戦う事になるだろうからね、
2人はタッグ戦の経験は豊富だけどこれからはそれよりも人数の多いチーム戦での経験も積んでもらいたいんだ」
今の説明を聞いてマリーさんは頷いて答えカズ君とナギちゃんもどうやら納得してくれたみたいだ。
「それで組み合わせはどうするのです!?」
「まず第1チームが王様と僕、次にリアとマリーさんにシャンさんと最後にクレイの第2チーム。
残りのダガー君とロウさんアントにセレスを加えた第3チーム。
担当地区は第2、第3チームが豊島区の防衛で第1チームが北区の防衛に回るよ、以上だけど何か質問は有る?」
チームの組み合わせと防衛場所の説明を一通り終え確認すると特に質問は無いみたいだ。
「じゃあ最後にクレイとセレスは今回チーム戦に慣れてもらう為に最初は他の3人の戦いを後ろの方で見ていて徐々になれてきたら戦闘に参加するという事でいいね?」
「「は〜い」」
「じゃあ僕は王様の所に行くよ」
「王様の事頼んだぜ」
「頑張って下さいね」
「任せたのです」
「皆さんもお気を付けて」
仲間からの声援を聞いて王様のいる北区にワープする。
「おし!じゃあ俺達も行くぜ!ロウ!、ウル!、セレス!」
「おっしゃ!ほなやったるで!!」
「今回もこんがりキツネ色にしてやるのです!」
「頑張ります!」
第2チームはダガーを筆頭に気合いを入れながら自分達の防衛するエリア向かってワープして行った。
「じゃあクレイ君、私達も行こうか。」
「お、おう!」
「・・・緊張しなくてもいい」
「微力ながらワタシ達が援護しますのでもっと気を楽にして下さい」
「だからもっと肩の力を抜いていつもの対戦みたいな気持ちで行けばいいんだよ」
クレイの声からは緊張の色が伺えるがそれに気付いてすかさずフォローするベテラン3人。
「俺は大丈夫ですよ!さあ初陣だ!行くぜ!!」
そう言って1人早々とワープしそれを見届ける3人。
「まあスカル氏も始まってしまえば2人はいつもの調子に戻ると言ってましたし大丈夫でしょう」
「そうですね」
「リア達も行く」
「ええ、ですが貴女は余り先行し過ぎないで下さいね、でないと我々の出番が有りませんし。
何より援護するこちらがもの凄い苦労するので」
「・・・努力する」
「取り敢えず今回はクレイ君の様子を見ながら戦いましょう」
「そうですね、では我々も参りましょう」
そう言って彼等もクレイのいるエリアにワープして行った。
北区防衛側スタート地点
手頃なオブジェクトに座りじっと佇むデュエル・アバターが1人いた。
「・・・来たな」
何かに気付いたのか先程まで俯いていた顔を上げある所に目線を動かす、するとその場所が光だし1人のデュエル・アバターが出現した。
「遅くなりました王、サファイア・スケルトン只今参りました」
ワープして来たであろうサファイア・スケルトンは膝を着き一礼する。
「なーに気にするな、それでスカルの言っていた子達は今回から領土戦に参戦するんだよな?
一緒にいなくて心配じゃねえのか」
「僕は特に心配はしていませんよ、初めてのチーム戦に少し緊張しているみたいですがあの子達なら大丈夫ですから」
自分の問に対し彼は何等迷いも無くそう答えた。
「信頼してんだな」
「ええ」
「まあそう言うのならあっちは問題無さそうだな、さてそろそろ敵がこっちに近付いて来る頃だな。
そんじゃま、オイラ達も行くとするか」
その場から立ち上がり敵がいるであろう方に移動する為に歩き出す、それに対し臣下は。
「仰せのままに」
と答え王の後ろに控え共に歩いて行った。
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