異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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リアルが忙しくまたしても遅くなってしまいました。
それではオリジナルダンジョン編ラストです。


決着

目の前に迫る黄金の魔神像(以下魔神像)。

 

今までスカルと多種のエネミーと戦ってきたがこれ程のプレッシャーは感じた事が無い。

 

エネミーのランクで言えばレジェンド級であろう相手に1対1で挑むのは初めてだ。

 

よくスカルはこんなのと1対1で戦えたものだと思ってしまう。

 

「(幸いな事に体力が通常のレジェンド級より遥かに少ないのが唯一の救いか・・・。)」

 

恐らくコイツも今までの奴と同じで例外では無いだれう。

 

だからと言って気を緩めれる相手では無い。

 

「(スカル程じゃないけどボクも切り札って程じゃないにしろ奥の手は有るからね。)」

 

などと考えている内にそこそこの距離まで迫って来ていた。

 

「それじゃあ派手に逝こうか!!」

 

バズーカ型の強化外装を装備し魔神像に向け放つ。

 

放たれた弾丸は魔神像の右足に命中し反撃とばかりに魔神像は手の平から火球を3つ放ってきた。

 

「カノン!」

 

スカルの悲鳴にも似た声で叫んでいる。

 

それもそのはすボクは今それなりに重量の有るバズーカを2つも持っている。

 

この状態ではジャンプする事は出来ず避ける事は出来ない。

 

そう今の状態なら・・・。

 

「セット、グランド・スピナー!!。」

 

ボイスコマンドを言い終えると同時に足元が赤く光出すと共に両足に何かが装着された。

 

それは一見只のローラーブレードだった。

 

ローラーブレードの車輪の部分が回転し始めた。

 

ボクはローラーブレードを操りその場から離れ火球を回避する。

 

そして移動しながら再び足に狙いを定め撃ちまくる。

 

普段のボクでは移動しながら重量のある銃は使えないがこのローラーブレード型の強化外装グランド・スピナーを使えばその限りでは無い。

 

これを装備すればボクの起動力は格段にアップし普段なら使わない重く移動を制限される銃を気がね無く安心して撃てる!

 

撃ち終わったバズーカをストレージに戻し代わりに少し大きめの四角い長方形の箱の様な銃を2つ出しバズーカの様に肩に担いで構える。

 

魔神像の側面に周り込みトリガーを引くと箱からそれぞれ4つのミサイルが飛び出し魔神像に向かって飛んで行った。

 

今使ったのはミサイルランチャー型の強化外装でこれは一斉に4発の追尾性能を持つミサイルを放つ事が出来るものだ。

 

それが全て命中し足を数本破壊する事が出来た。

 

反撃でくる火球も動いてさえいれば当たる事はない。

 

銃を次々に替えながら撃ち続けると漸く全ての足を破壊する事が出来た。

 

これで魔神像はそこから動く事は出来なくなったと一安心できると思ったがそうはいかなかった。

 

何故なら魔神像の上半身と下半身が分離し上半身だけが浮いた状態となってしまった。

 

「嘘でしょ!?せっかく足全部を破壊出来たと思ったのに!」

 

文句を言いながらも分離した上半身を破壊する為にトリガーを引こうと思ったのだが次の瞬間又しても魔神像に変化があった。

 

本体から両腕が分離したのだ。

 

分離した腕も本体と一緒に空中に浮きこちらに向かってきた。

 

「何をする気だ?」

 

恐らく分離した腕がボクを直接殴りに来るのだろうと思ったのだがその予想は外れた。

 

分離した腕はそれぞれ左右に別れ手の平から火球を何発も放ってきた。

 

「そんな攻撃に!?しまった!!」

 

避けたと思った所に不意に本体の口から2回り位大きな火球が放たれた。

 

「ぐぅ!」

 

直撃はしなかったが火球が地面に着弾した時に拡散した炎がボクを襲う。

「カノン!?」

 

「平気だよ!」

 

油断した・・・腕を囮にして、そちらに意識がいった所に本命の本体が攻撃する。

 

単純だけど効果的な攻撃方法だ。

 

「(この感じだと死角からの攻撃もきそうだね・・・。)」

 

ちらりとスカルの方を見ると今にも飛び出したいという感じだが必死に堪えていてくれているようだ。

 

「(とりあえず両腕を片方ずつ破壊していくしかないね。)」

 

3方向からの同時にくる攻撃にどう対応するかだが。

 

「(このパターンは今までに無い感じだねえ、ここは高威力の銃で多少のダメージ覚悟で一気に攻めるか小型の銃で回避を優先しながら堅実に攻めていくかだけどどっちにしようかな・・・。)」

 

等と考えながらも迫りくる火球を避ける。

 

「どっちも捨て難いけど、なら両方にしますか!」

 

そう言って装備したのはオートマチックタイプのショットガン2丁、これは足軽に使った物とは違い1発撃った後に自分でポンプアクションを行い使用済みの弾薬を排出し、新しい弾薬を装填する必要がないというメリットを持つがカノンは余りこれを使おうとはしない。

 

何故ならこちらは威力が後者よりも低くリロードも若干だが長いというデメリットを持っているからである。(只単にカノンがポンプアクションが好きなのもある。

 

「まずは右手から!」

 

手から火球を出そうとしている右手の下に潜り込みすれ違い様に至近距離で撃つが流石にショットガンの反動を片手で抑え切る事は出来ないのでくるりと回転させる事で対処する、その為連射する事は出来ない。

 

「次左手!」

 

今度は左手を先程の右手の様に攻撃する、撃った後は回避に専念する。

 

それを繰り返し行う事で両手を破壊する。

 

「後は本体を残すのみ!」

 

すると本体は口から更に大きな火球を出した、それらは一旦空中に浮かぶと10個程の小さな火球となった。

そしてそれらはボクに向かって飛んできた。

 

ショットガンで相殺しようと試みたが1個1個が時間差を付けてくるので思うようにいかない。

 

これだけでは無いはずと思い避けながら本体を警戒していると本体の目が光そこからレーザーが放たれた。

 

「んなアホなっ!?」

 

予想外過ぎる攻撃にすっとんきょな声を出して驚きながらも回避するが反応が若干遅れてしまい左肩に掠ってしまった。

 

「痛たたた今ので体力ゲージの残りは3割切っちゃたよ、次喰らったらヤバイね・・・。」

 

時間差でくる火球に目からレーザーこれでは時間が経つにつれてこっちが不利になる、ならば・・・。

 

「負ける前に勝つしかない、来いリベンジャー!!」

 

ボクの声に応じて現れ火球とレーザーを避けながら弾を装填する。

 

「エンガー・エクスプローション!!」

 

魔神像は先程から浮いてはいるが移動する事はしていないので当てる事は容易なので銃弾は吸い込まれるかの様に命中し爆発する。

 

「どうだ!」

 

爆発の煙りで見えないが恐らく決まったと思った瞬間煙りを突き抜ける様にして放たれたレーザーがボクの脇腹を貫通した。

 

「あああっ!」

 

「!?」

 

体が焼かれているような痛みが襲いバランスを崩し転倒しそうになるが気合いでなんとか踏み止まる。

 

「はあはあ、仕留めたと思ったんだけどな。」

 

そして煙の晴れた先に姿を現した魔神像だがカノンの必殺技をまともにくらった為命中した胸の表面は皹割れ中の歯車みたいなのが見えている。

 

「流石に効いているみたいだけど思ったより頑丈だね。」

 

ちらりと体力ゲージを見ると僅かだが数ドット残っていた。

 

「どうやら運はまだボクに見方してくれているみたいなね。」

 

必殺技ゲージの方も先程のエンガー・エクスプローションで半分消費してしまったがレーザーをくらった事により一気に満タンになっている。

 

「(丁度必殺技ゲージは満タンになっているし次ダメージを受けたら即アウトか・・・なら今度こそ確実に仕留める!)」

 

再び魔神像に狙いを定めリベンジャーを構え力の限り叫ぶ。

「エターナル・ヘイトレッド!!」

そして放たれた必殺技は現在カノンの持つ必殺技の中で最強の威力と速さを持つ技だ。

 

そして放たれた銃弾は発射音が終わよりも早く魔神像に命中した。

 

それは純粋な貫通力と速度を極限まで高められた物である、そして命中した魔神像は全身に皹が入り粉々に砕けその体を消滅させた。

 

「やっ、やったああ!!やったねカノン!」

 

「はあはあ、かなりギリギリだけどね。」

 

「だけど凄いよ!やっぱりカノンは凄いよ!」

 

「そっそうかな・・・ありがとう、でもスカルもさっきの凄かったよ。」

 

「僕はあの時無我夢中だったからよく分からないや。」

 

そんな風に互いの健闘をたたえあっていると部屋の真ん中に何かが出現する音が聞こえた。

 

聞こえた方を見るとそこには台座が有った。

 

2人で見に行くと台座の上に滑らかな黒い鞘に納められた刀が置かれていた。

 

「これが・・・。」

 

「このダンジョンに隠され秘宝だね。」

 

台座に置かれた刀をスカルが手に取り鞘から刀を抜くと刀身は鞘とは真逆で透き通る様な白い。

「うわあ・・・。」

 

「綺麗・・・・。」

 

それを見たボクもスカルも感嘆の声しか出なかった。

 

少しして刀を鞘に納めるとそれを「じぁあこの刀はカノンが使ってね。」と言ってボクに軽く手渡す感じで差し出してきたので一瞬思考がフリーズしてしまった。

 

「えええ!?ちょっちょっと待って!何でボクなの!?刀なら近接型のスカルが使うべきじゃん!」

 

ボクが刀を持ったって使い道が無い、それはスカルも分かってると思うんだけど何故?

 

「だって僕にはデスサイズが有るから使わないし、カノンも少し位は銃以外の近接戦闘も身に付けないとね。」

 

うぐっ、確かにボクは近接戦闘になってもマシンガンとかの取り回しの良い銃で戦っている為照準が合わせれない位近づかれたら対処が難しくなる。

 

それならスカルの言う通りこれを期に少し刀を使った戦闘にもふれてみようかな。

 

「それもそうだぬ・・・スカルが言うならやってみるよ。」

 

「その活きだよ。」

 

スカルから刀を受け取りストレージに入れると刀の名前が表示された。

 

「この刀、白雪て名前みたいだね。」

 

「刀身と同じで綺麗な名前だね、カノンにぴったりだよ。」

 

「ふぇっ、あ、ありがとう・・・。」

 

急にそのような事を言われ戸惑ってしまったが一度咳ばらいをしてごまかす。

 

「じゃあ無事クリア出来たし帰ろうか?」

 

「そうだね。」

 

こうしてボク達は台座の横に何時の間にか出現していたポータルを使いその場を後にした。

 

 

 

 

「う〜ん、太陽の光が眩しいね。」

 

長い時間ダンジョンの中に居たので久しぶりの日の光りが眩しく感じる。

 

「そうだね、ちょうどステージも草原だから景色も良いね。」

 

「よし、じゃあ帰ってダンジョンクリアのうちあげしようか!?」

 

「うん、じゃあリーブポイントまで行こうか。」

 

ボク達は並んで近くにあるリーブポイント目指し歩く。

 

「それにしても今回は今まで以上に大変だったね。」

 

「だね、まっその分楽しかったけどね。そうだ!今度刀の使い方教えてよ。」

 

「う〜ん僕刀とか使った事無いから多分無理だよ。」

 

「そういえばそうだね、じゃあデスサイズはどうやって使える様になったの?」

 

刀よりも扱いが難しい鎌の扱いををどうやって習得したのだろう。

 

「ああそれはね簡単だよ、ネットの動画サイトで探してそれを参考にしたんだよ。」

 

「へ〜その手が有ったね。」

 

確かに動画を見るだけでも結構参考になりそうだね。

 

「あっでも教える事は出来ないけど実戦での練習相手にならなれるから大丈夫だよ。」

 

「ならその時はよろしく!」

 

そう言ってから気付く、スカルと実戦で訓練するという事はボクの首もスパッとやられちゃうのかなと少し不安になってしまったのは余談である。

 




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