転生少女さやか(!?)☆マギカ    作:ナガン

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ここからの展開、どう考えても人を選ぶ展開になってしまいます。
申し訳ない。ただ、さやかはちゃんと活躍しますよ。これは決定事項なので




33話 おかしな魔女

 

 

膝まで届く黒髪のツインテール

 

黒のヘッドセット

 

黒のミニスカートに太もも辺りまで覆うこれまた黒のロングソックス。

 

本家とは違い、某黒い色の携帯ゲーム機をイメージしたそれ

 

そして、脇をだしているその特徴的な服装と、思わず疑問符を浮かべてしまう、背中に担ぐネギ。

 

色が違っても、この要素だけでわかる人はわかる。

 

「初音、ミク?」

 

自然と、マミの口からその名前がこぼれでた。

 

才色美人なのに隠れオタクなマミだからこそ、だれをモチーフにしていたかわかった。

 

「誰?」

 

当然、杏子やほむらは首を傾げる。

 

「何でもないわ」

 

まずい、とマミはさっきの発言を無かったことにしようとした。

しかし、マミの言葉に対するみきの反応は正しく「えー」だった。

 

 

 

 

 

 

えー

 

この人ボカロ知っているんだ。歌えとか言われないよね。

 

 

あ、こんにちは。改めて自己紹介するね。

あたしの名前は時音みき。永遠の16歳だよ♪

身長:158cm 体重:42kgで、スリーサイズは教えて欲しかったら生物と契約してね♪

 

「はーい。アタシ達キュゥべえと契約したぞ。」

 

外野は黙れ。

 

あたしはさやかに居候していて、まりょ『てんめぇ何してんだゴルゥアア!!』

 

前触れ無しに大音量の念話が頭の中で響いて、思わず顔をしかめる。

 

『何?大声出さないでよ』

『あんた今どんだけ広い結界張ってるんだよ! 今すぐ解け!! 人の魔力ばかすか使うな!』

『でも、これ解くとワルプルギスそっち行くよ?』

『能力使えぇぇぇ!!』

『あ、能力あたしも使えるんだ』

『そうだよ!! だから早く空間広げろ!!』

 

成る程、空間を広げる……広げる………

 

『……やり方わかんない』

『イメージだよ!!ぐーっと広げていくイメージ!!』

 

ぐーっと広める……

 

言われた通りにやってみると、また別の力で空間が広がっていく感覚がした。

 

おお……て言うことは

 

結界を縮めていきながら、空間を広げていく。すると、結界にかかる魔力量が大分少なくなった。

 

『ぐっ……まあ許容範囲か。今度からこうしな……あ、そっか』

『どったの?』

『いや、もしかしたらそっち行けるかも』

 

え?

 

それってどういう意味?って尋ねたけど、すでに切れて繋がらなかった。

 

「で、あなたは何者なの?」

 

黒髪の少女……ほむらだっけ? がそう聞いてくる。

 

「あたしはさやかの魔女。さやかの胸騒ぎが止まらないらしいから代わりに援護に来た」

「証拠は?」

「ない(キリッ。確認して」

 

ほむらは念話でさやかに確認をとる。

しばらくした後、「確認がとれたわ」と赤髪(杏子)と金髪(マミ)に伝えた。

 

けれど、三人はなんか納得がいかない表情をしている。

 

「さやかの魔女なら、なんか似てる部分があると思ってたけど、そうじゃないのか?全然似てないじゃん」

「それは本人に聞いて。あたしだって、色違いになると思っていたんだから。名前の響きで容姿を決めたらしいし」

 

そう言うとマミはなぜか一瞬無人島で仲間を見つけたようなすごく嬉しそうな顔をした。

 

「それにしてもなにもない結界だな」

 

杏子はあたりを見渡して出た感想を言う。

あたしの結界は今現在特に目立った建造物等はなく、ただ結界の模様として数多の時計が宙に浮かんでいるだけな状態である。

 

 

「まあ産まれたばかりだし、なにも設定してないしね」

 

三人の表情がえ?と意外な真相を聞かされたものになる。

 

「魔女って自分で結界造ってんのか?」

「ん~どうなんだろ? 性質で結界の模様は決まるみたいだけど、使い魔とかはいないし。後で追々決めないといかないっぽいのかな?」

「私達に聞かれても困るわよ」

 

 

――キャハハハハ

 

いい加減ワルプルギスも結界の元凶がわかったみたいで、こっちに使い魔を寄越してきた。

 

「ちっ、来やがった」

 

 ふむ。使い魔か……

 

「下がって。あたしがやる」

 

三人の前に立つ。

 

 攻撃手段は、ってこれも決まってないし……

 

「ねえ、あたしってどんな攻撃したらいいと思う?」

「いやどんなって言われても……」

「つーか決まってねえのかよ!」

 

ほむらと杏子は呆れていたけどマミは……

 

「歌、なんてどうかしら」

 

流石マミさんは格が違った。

 

それにしても歌か……

 

「よし。耳塞いで」

 

息を大きく吸う。

 

あ、これって歌じゃないな……ま、いっか。

 

「■■■■■■■■■■!!!!!」

 

声にならない叫び!(今命名)  ……やっぱ今のなしで。

 

 

指向性を持たせたあたしの出した声(?)は、正しく音速で地面を抉りながら、使い魔へと突き進む。

声は使い魔を切り揉まして消し、なおビルの壁を抉りとった。

 

「……おおう」

 

自分でもビックリ

正にディザスターボイス

 

「ゆまも「やめんか」いたい!」

 

ゆまが真似しようとしたが、杏子にたしなめられる。多分正解。魔法少女でも喉が潰れる。事実のど痛いし。

 

使い魔が消えるやいなやワルプルギスが衝撃波を放ってきた。

 

 

「次、防御方法は?!」

「ネギで「ド却下!!」」

 

 仕込み刀で防御なんてできるか!?

 

取り合えず壁!! 壁になるもの・・・

 

 

 

「これ、だ!!」

 

 

地面に手をつき目的の物を呼び寄せる。

 

ドコォ!!

 

「ぐっ!!」

 

呼び出したのは巨大な正方形の時計。

ただの盾では色気がないと言うわけで外見をこうした。

 

バキィ!!

 

何とか防御の任務は完遂してくれたけど、直ぐに壊れて無に帰る。

 

防御力に難あり、か。

 

「やってくれたな!!」

 

あちらに攻められまいと反撃に転じる。この距離だとディザスターボイス(仮)は届かない。

 

 だったら……

 

 

「来たれ!」

 

剣を抜いて掲げ、戦輪と御柱を具現させる。

 

さやかの親友の双神じゃないから威力はそこまでないけど……

 

「食らえ!」

 

――魔符「チャクラムオンバシラ」――

 

 魔女相手なら充分、だ!!

 

 

戦輪と御柱がワルプルギスを殺到させる。

元々あんなにでかいから狙いは大雑把でも当たってくれる。

 

 

 

着弾

 

 

 

 ……あれぇ?

 なんか全然攻撃通った感じがしないんだけど。

 そこの戦輪。一応刺さっとこう的な感じがすんごくするんだけど? 尽く弾かれた御柱の方がすがすがしいよ? なんでバインドボイスあんなに威力高かったの?

 

 

て言うかこの空気どうしよう。まじでこのビミョーな空気嫌だ。

 

 役に立……あれ? 立たねえの? 的な視線止めてください。

 

「なるほどなるほど。ほむらちゃんたち何してるのかなって思ったら、こんな茶番をやっていたんだぁ……」

「うわ!?」

「ワルプルギスが正位置になってから、私の所に使い魔が殺到してね……、あの時はマジで死ぬところだったなぁ。で? どこの魔女かは知らないけど、ほむらちゃんたちを守ってくれたんだよね? じゃなかったら殺す」

 

いつの間にか合流に成功していたまどかの目は据わっていた。マジで怖い。下手なこと言うと本当に殺されそうだから、黙ってコクコクと頷く。

 

「……今わかっているあなたができることを教えてくれない?」

 

まどかは有無を言わせない威圧感を出しながら、口を開いた。

 

ちなみにほむらはこの時、やっぱり作戦の重要性を改めて認識した。

 

 

 

 

 

さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい

この美樹さやか、一世一代の大博打をとくとご覧あれ。

 

掛け金は自分の命

当たりは仲間の命。

外れは……なにもない、と思う

 

 

……

 

 

雰囲気出して言って見たけど、実際そんなことは有るわけない。

 

『みき。ちょいこれから魔力供給出来ないと思うから』

 

みきに魔力が送れなくなるだけ。

ついでに失敗しても何も起こらない。

 

『はあ?! ちょっ、それってどういう……』

『言葉通りの意味だよ。つーかあんたが持ってる魔力で大丈夫でしょ?』

『結界維持にしか手が回らなくなるんだけど』

 

 む、ちょっと突っ走り過ぎてるな、みき。(うっさい自分でなんとかしろ)

 

『別にそれで充分。ワルプルギス閉じ込めるだけで大手柄よ』

『でも……』

『大体生後一時間も経ってない奴にそんなに任せられるか。それにさ、みきは一人じゃないの。討伐は杏子達に任せて、信じるのがあんたの役目』

『信じる……』

『そ。何でもかんでも一人で守護するのがみきの性質だから難しいとは思うけど、少なくともそこにいる三人は守護される必要は全くない。自分のやるべきことを間違えるな』

『……わかった。やってみる』

『ま、心配しなくても戦闘に関してはずぶの素人なんだから、そこら辺はまどかやほむらあたりが決めてくれるでしょ。それにこれからビシバシ鍛えていくから、くれぐれも怪我のないようにね』

『うへぇ……』

 

 よし、丸め込めた

 

念話を切り、こちらも準備に取りかかる。

 

 

 

 ……はぁ、痛いのやだなあ

 

 


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