オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか? 作:シフシフ
FGOの報告。
茨木童子が2レベになったゾイ。あともう少しでヘラクレスの絆が10に・・・・・・!
あとスパルタクスがスキルマになったゾ。・・・・・・ランスロバサカが宝具3に・・・・・・
バサカ、楽しい。
そして内容は進まぬぇ・・・・・・!
俺達の誕生日パーティーは盛大に開かれることになった。
本当は家族だけの小さなパーティーにする予定だったけど、ファミリアの団員達が黙っていなかったらしい。一気に人手が増えた事で夕方に終わるはずの準備がおやつの時間には完了してしまったとか。
武錬の城は色紙やら花々で色とりどりに飾られている。城の中庭、鍛錬を積む場所である筈のそこは、即席にしてはよく出来たテーブルや椅子が幾つか、如何にも数合わせですというようなテーブル達が無数にあった。
とは言え、我らがタケミカヅチ・ファミリアは団員数三百人近い大規模ファミリアである。武錬の城に入り切る訳ない。まぁなので武錬の城から最も近い剣の館にも会場は設けられた。
まぁ、そんなこんなで俺と妖夢は・・・・・・なんて言うか罪悪感を感じていた。もちろん、嬉しさの方が上なんだけど。
『ど、どうしよう妖夢・・・・・・こんなにお金使わせちゃうとは思わなかったよ俺!!』
「わ、私もです!何ヴァリスかかってるんですかねこれ。私達で稼ぎきれる金額でしょうか?!」
『ええっと、この前のベル達との乱獲で得たのが二百万くらいだろ?アレを何回も続ければいいってことだ!』
「そ、そうですね!行けますね!」
2人でワタワタしながら、会場の裏で待機させられている。なんか一言言わなきゃいけないらしい!!どうしようなんて言えばいいんだー?!
分からないですよー!じゃないよ妖夢!もちつけ、考えろ、まだあわわわてるようなあわわ
「慌ててるじゃないですかっ!」
『落ち着けとか無理ですぅ!』
さらに、神力つかって生放送するらしいぜ!馬鹿なの!?恥ずかしいんだけど!!嬉しいけどさこんなに手間とお金かけてくれてさ、嬉しいよ?もう心臓があったら飛び出るくらいには嬉しいけどさ!大袈裟じゃない?ただの誕生日パーティーだよ?!
「て、照れますねっ」
『うん・・・・・・やばいね』
お互いに赤面しつつ、顔を見合わせる。妖夢が何か我慢しているような顔をしてるな。・・・・・・トイレか?
『トイレ行っておくか?』
「トイレじゃないですよ!うー・・・・・・えいっ」
『ひゃい!?』
う、うぉわぁ!?は、は、恥ずかしさがっ!!一気にぃ!感覚共有はやめてくッッ!?
「は、恥ずかしさも半分こですっ」
『倍になってますがそれは!?』
顔が焼け爛れるんじゃ無いかって位に赤くなってしまう。どうしてくれんじゃー!つかなんでだ!?前までこんな感じにはならなかったのに!!
「わ、私、上がり症なんです!」
『マジかよぉ!』
そこまで共有ですかぁ!?うわー血管がドクドクいってるのが感覚共有で分かってしまう・・・・・・妖夢の心臓バックバクじゃないですか、凄いなこの感覚。俺心臓無いから余計にはっきり感じるぜ!
よし!どうにか安心させてあげなくちゃな!男として!
『まぁ、あ、安心しろよ。おおお俺がいるんだぜ?』
「・・・・・・そうですね!安心です!」
『お、おう!・・・・・・その、自信ないけどなっ!』
なぁに、始まりの一言くらい余裕ですわ。まじ、マジ余裕だから?つか、今までモンスターと戦ってて余裕なんだから、困難で緊張とか有り得ねぇし?
ただ話して終わりなんだから余裕に決まってらぁ!!
よし!行けるな(慢心)
その日、オラリオは久方ぶりとなる大賑わいをみせていた。「妖夢達の誕生日やるぜ!」という声明に「おっいいねぇ。俺達もお祝いしてやろう!」と我先にと商人達が便乗し、店には良い品が安価で並び、道では看板娘たちが大声で客寄せをしている。
最近では仕事が無い冒険者達も、思わず財布の紐を緩めているようで、商人達の顔も明るい。
個人の誕生日に人々が便乗を重ねた結果、お祭り騒ぎになった今回をきっかけに後のオラリオでは「昨年のMVPを獲得した冒険者の誕生日」を盛大に祝う祭りが毎年恒例となったのだがそれはおいておこう。
人混みに溢れる街中を駆け回る影が無数、それは妖夢達の知人や友人であり、若しくは少しでも妖夢達にお近付きになりたい者達であった。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、妖夢に合いそうな物を選ぶ者がいれば、個人的な趣味で選ぶ者もいる。
「おいテメェ!それ寄越せ!!」
「あぁ!?なんだテメェは!これは俺が妖夢様に・・・っ!!べ、べート・ローガっ!?しゅ、しゅみましぇん!!命だけは・・・・・・!」
「取らねぇよ!?おい店主、これ幾らだ」
「3万ヴァリスです」
「よし、ほら受け取れ」
「毎度ありー!」
「へい店主ー!そこの、そこの服をーくれやー!」
「はいはいロキ様、落ち着いて。どうぞ、こちら8万ヴァリスとなっています」
「ええでええで!むしろ安く感じるわ!」
各々が思い思いにプレゼントを選ぶ中、空中に神力によって作り出された映像が浮かび上がる。
そこに映っているのはタケミカヅチ・ファミリアの本拠地、武錬の城だ。
「やっべぇ時間がねぇ!あぁくそ!何やりゃあいいのか分かんねぇ・・・・・・とりあえず手当りしだいに持ってくか!」
べートがそれを見て慌てたように駆け出した。もう時間が無い、友として実際に会って祝わなくてはいけない。そう思ったべートだが、他人に何かをプレゼントすると言う事自体の経験が少ない上、相手は女の子だ。何をあげればいいのか完全に不明。アイズならとりあえずじゃが丸でいいのだが・・・・・・。
下手な鉄砲数打ちゃ当たる。それを信じ、べートは目に付いた女物っぽいものを買い漁り武錬の城へと急いだのだった。
空中に映し出された武錬の城、その映像にようやく2人の姿が映し出される。妖夢とハルプだ。2人とも普段の緑に統一された服ではなく、妖夢は白のワンピース、ハルプは黒のタキシードだった。
「おお」という声が上がる中、妖夢は顔を真っ赤にしてハルプの後ろに隠れる。ハルプは余裕ありげに胸を張り立っているが、その目はぐるぐると渦巻いていて誰が見ても緊張していることが伺えた。
一生懸命に背伸びをする子供のようでたくさんの者が癒される中、スピーチは始まった。
『み、皆様。今回は俺・・・私たちの為に誕生日を祝ってくれてありがとうございます。今回は妖夢が恥ずかしがって話せないので俺・・・私が話します!』
ハルプが話し出すと、妖夢がうんうんと頷きながら両手を胸の前でギュッと組んで応援している。
その様はオラリオ全域に生放送されているのだが、2人は知らない。知っているが、オラリオ全域に流れてるとは思っていない。
『え、えっと・・・わ、私達がその、何歳かはちょっとよく分かんないんですが。このオラリオに来てから3年目です!色々お騒がせしましたが、今日も元気ですっ!
自分が何を言っているのか分からなくなったのか顔が赤くなっていくハルプ。それをみて絶望したような顔になる妖夢。小さく呟いた言葉もしっかりと
『えっと、そのぉ・・・・・・うーんと。な、なぁ妖夢!どうすればいいんだ!?もう俺わかんなくなってきた!!』
「は、ハルプ!素が出てますよ!と、と言うか私にも分からないですよー!」
『え、え、えっ!でもほら、お礼は言ったし、迷惑かけたことも言ったし、後なんかあるかな!?』
「あと何かですか!?みょ、みょーん分かりませんっ!こ、こうなんかアレですよ、これからも頑張りますみたいな!」
『がっ頑張るます!』
「噛んでますよハルプっ!?」
『みょーん!もう無理逃げよう妖夢!恥ずかしくて死ねる!』
「私のセリフです!」
限界は早くも訪れ、ハルプが両腕をバタバタさせて妖夢を呼べば妖夢もアワアワと慌てふためき、あーでもないこうでもないと慌てた結果、「頑張ります」という一言すら噛み、恥ずかしさが限界を超えて逃げ出した。
「可愛いなー」と言う思いがオラリオを一瞬だが一つにした。
そのあとをタカミカヅチが引き継ぐ。内容としては集まってくれたことに関する礼、そしてこれからも妖夢達をよろしく頼む、とのことだった。
「ふえええぇぇん、無理です!私たちには荷が重いですぅー!」
『そうだそうだ!あんなに人いるなんて聞いてない!しかも放送って!俺を殺す気か!?』
「ハルプ死なないじゃないですか!」
『恥ずか死ってやつだよ!』
2人がスピーチを終えたタケミカヅチに詰め寄り飛びかかり、胸板をポカポカ叩いたり服を引っ張ったり抗議する。これがロキであれば「天国やー」となっただろうがそこはタケミカヅチ。
「わ、悪かった!こんなに広まるとは思ってなかったんだ」
決してわざとでは無い。酒に酔ったヘスティアや、それを共に介護していたミアハに妖夢たちが誕生日であるとこぼしてしまった、ただそれだけなのだ。だがそれは広がっていき・・・・・・。と言うのが現状。
『わざとじゃないのか?』「ですか?」
ハルプと妖夢が上目遣いでタケミカヅチを見上げる。潤んだ瞳がタケミカヅチの良心をチクチクと刺激する。下手なことは言うまい。そう決めたタケミカヅチはコクリと頷く。
「あぁ」
『「・・・・・・じゃあ、許す(します)」』
ハルプがそう言って隣の妖夢の目から涙を拭き取る。妖夢はなされるがままだ。
『もう、どうするんだ?みんな見てるってことはさ、見たいってことだろ?スピーチはもういいけど、誕生日会の様子は見たいんだよな』
「まぁ、そうなんでしょうね」
「まぁな」
『うーん、普通に楽しめばいいんだよな。うん。・・・・・・白楼剣使って迷い切ろうぜ!』
「おー!名案です!」
「『【我が血族に伝わりし、断迷の霊剣。傾き難い天秤を、片方落として見せましょう。迷え、さすれば与えられん。】────白楼剣』」
結局は白楼剣に頼る事にした2人、お互いに迷いを切り落とし、にっと笑う。
『覚悟、完了!』
「なんの覚悟か分かりませんけどねっ!」
しばらくしてさっきの格好のまま会場に俺たちはやって来る。僅かにざわめく参加者達。
「妖夢ちゃーん!誕生日おめでとー!」
「ハルプ殿もおめでとうございます!」
「おめでとうございます!良き誕生会に致しましょう!」
命と千草と春姫が駆け寄り、俺達に抱きついた。なお、春姫と俺の身長差があり過ぎたせいで胸に埋まったのは仕方の無いこと。けして恨んでいない。いないったら無い。
「ありがとうございます!」
『ふごふごふごふごー!!!(俺じゃなきゃ死ぬよねこれ!)』
「わ、も、申し訳ございませんっ!?」
『ははは、ありがとう・・・・・・』
「?」
和気あいあいとした姦しい様子に、男達はあと1歩を踏み出せず、今か今かとタイミングを見計らっているらしい。安心しろお前達、俺も今すぐそちらに加わりたい。なんて思っていると現れるのは彼女達だ。
「おめでとー!リーナさんは君らの誕生をお祝いする気満々だよー!」
「私もだ。貴女方の誕生を祝ってささやかながらプレゼントを用意した」
「私なんかが烏滸がましいですけど、おめでとうございます!もう少しでメインが出きるので期待しててくださいっ!」
「うわー!みんな綺麗な格好してるねー!あっ、やっほー!私も誕生日プレゼント買ってきたんだ〜。おめでとうっ!」
「もうティオナ、置いてかないで。妖夢ちゃん達誕生日おめでとう」
「ししょー、私もじゃが丸く「あ、アイズさん!ダメですよ言ったら!あ、おめでとうございます!」レフィーヤ・・・そうだった。おめでとう、ししょー」
「ふふ、皆一様に浮かれているな。おめでとう妖夢、今日を楽しむといい」
錚々たる面子だなぁ。では!僭越ながら私、不肖ハルプが彼女達の説明をバッ!
弓を射たならオラリオ一位。団長の色恋沙汰を見逃さない!鷹の目の持ち主【
可愛いぞっ!!
弓盾剣槍隠密に魔法、何でもござれのサムライニンジャ!堅実実直、真面目です!【✝︎絶影✝︎】ヤマト・命。
うん可愛いぞっ!
胸がデカァォアイ!説明不要!くそぅ!何が俺らを分けたんだ!サンジョウノ・春姫っっ!
やっぱり可愛いぞ!
オラリオ最多の魔法を扱う事で有名!最高の魔法詠唱者と名高い女!但し仕事は勘弁な!睡眠惰眠春眠、とにかく眠るぜ兎に角食うぜ!【
真面目にやれば強いんだ!真面目にやらないだけで!
謎の大飢饉からオラリオを救った激ウマ料理人─食材は
若干人見知りがあるがとりあえず料理の話をすれば仲良くなれるぞ!・・・・・・勢いについていけるならなっ!
硬い固い堅いの三拍子!とりあえず居たら安全圏、味方絶対守るウーマンこと【
性格は頑固?いいえ、割と柔らかい!胸もな。腹は硬いぞ。
褐色黒髪貧乳怪力!とあるファミリアを泣かせ続ける問題児【
抱きつかれると痛いので気をつけるべき。
の、姉であり某ショタアラフォーにゾッコン、ヒュリテ姉妹の大きい方こと【
抱かれると幸せになれると思うよ。そのまま絞め殺されそうだけど。
俺の一番弟子?正直レベルで負けてるので弟子な気しないぞ!【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインっ!!
1日20個のじゃが丸くんを与えることで手なずけることが出来ます(未検証)
レズっぽいチョロイン、リーナの魔法をパクったら強そうだと思います。【
正直全然絡みがないぞ。話したのいつだっけ?
お母さん!【
ふむ、お母さん度では命を圧倒しているなー。
「ふふっもう、ハルプっ、やめて下さいよぉ、笑っちゃいますっ!」
『えぇ、いいじゃん。わかりやすいだろ?』
「いや、わざわざ私にそれを言う必要は無いのでは?」
『んー、気分!』
「ですよねー」
「「「「「「「「?」」」」」」」」
まぁ、そんなことよりもお礼をいう方が先だぜ!
うん、だろ?なんて言う?・・・・・・ふむふむ、こういう場合は普通にありがとうでいいのか。んー、うん。別にそれで険悪なムードにはならないみたいだな。よし。
『みんなプレゼント用意してくれてありがとうな!』
「あッ先に言うのはずるいです!ありがとうございます皆さん!!」
「あったりまえだってぇ〜」とリーナやティオナがいう中、ええいままよ!と男達が突っ込んでくる。・・・・・・ふっ!残念だったな妖夢!俺は逃げるぜ!
俺は半霊になって透明化、空中に避難した。
「えっ!?」
ふふっふっ、我が魂は世俗には浸からぬのよ・・・・・・。実は一気に来たからビビっただけだぜ。しかし、感覚共有をしていない今、妖夢には分かるまい。
「いや、してますからね!?」
「妖夢様受け取ってください!」「おめでとうございます!」「おいそこのアンタ!約束守れよ!」「そうだ!プレゼントは最後だろ!」「わー!」「わー!」
はーはっはっ!みろ、眼下に蠢く人々をぉ!妖夢がもみくちゃにされてるな。良かった飛べて。それにしてもプレゼントは最後に渡すらしいから楽しみだぞ!
俺のところに人が詰め寄ってくる?HAHAHAっ!半霊って最強だわー、だってふよふよ浮いて上から見下ろせばいいんだからな!しかも透明!
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます!」
え?なんです?ずるい?いやだなぁ妖夢さん、俺は自分に出来る方法で逃げ出しただけだよ?・・・・・・え?逃げるのはダメ?・・・・・・お願い!?わ、分かったぜ仕方ない。
妖夢にせがまれたので人型になる。すると目の前には男の子。と言っても俺よりも歳上っぽい外見だがね。
『あー、うん。何かな?』
「は、ハルプ様!ぼ、僕、同じタケミカヅチ・ファミリアで」
『うぃ、知ってるぜ。ライ君だろ』
うん、名前は知ってるぞ。何してんのかは知らないけど。確か一番最初に剣を握った子だよな、沢山人が入ってきたとき。・・・・・・・・・・・・ほほう?猿師の元で勉強している可能性がすごい高いな。・・・・・・いや、タケミカヅチ・ファミリアに入ったらほぼ確実に薬師やってるのか。それはすごい。
「!?きょ、恐縮です!その、ファンなんです!サインくださいお願いします!」
『おうっ!・・・・・・ん?名前書けばいいのか?』
へー、俺も遂にサインを書く時代か〜。サインねサイン。ん?名前・・・・・・ハルプ・ゼーレ?それとも二つ名?いやまぁ、二つ名はコロコロ変わるしね、名前だろ。
「二つ名でお願いします!」
『うぐっ・・・・・・【
「あ、ありがとうございますぅ!!」
『はっはっ気にすんな』
まさかそっちとは。・・・・・・ん、俺から二つ名のサイン・・・・・・?二つ名は妖夢と共有してるってことは、なるほど。2人からサインをもらったも同然と。やるじゃねぇか。それによく考えたらギルドの方の記録には二つ名はしっかりと記録されるからな!
おれも!わたしも!と俺にも人が群がってきた。とはいえみんな一言言うだけなのだけど、数が数だった。
うーむ!俺の考えてた誕生日ではないね、まぁこう言うのも新鮮でいいけどさ。
「おいハルプ!」
『ん?おぉ!ベート!!来てくれたのか!?』
やった!ベートが来たぞおい!よく来たな友よ!歓迎するぜ、盛大にな!
ということでてってけ走ってベートに飛び付く。が、ベートは俺を避ける。
「あはは、だろう?ベル君はってえぇ!?うべぇっ!?」
『わーヘスティアだー、ごめんな?あっもしかしてヘスティアもプレゼントを!?』
「へ?え、えっと、ととと当然じゃないかっっ!!」
あ、持ってないパターンですね。にしてもべート避けるなよなー。どうやらヘスティアは隣にいた人と話していたらしい。
む?ヘファイストスか!ニコニコとこっち見てる。
「おいハルプ、向こうの財布事情も考えてやれ馬鹿が」
「うぐっ!君、割とぐさっと来たぞぅ」
『べートが、優しい・・・・・・だと?・・・・・・彼女でも出来たのか?』
「出来てねぇよ!?」
おーべートがまさかのフォローに回った。まぁトドメを刺したみたいになったけど。にしても・・・・・・あんなにも稼いだのになぁ、数百万円ヴァリスも稼いだんだぞ?少しくらい・・・いや、仕方ないか。勝手に期待するのもひどい話だろうし。
『そっか、ごめんなヘスティア勝手に期待してさ。来てくれてありがとう!それだけでも十分に嬉しいぜ!!』
「・・・・・・!そうかそうか、やっぱりハルプ君は良い子だね。所でタケはどこにいるんだい?」
『タケか?タケなら多分奥の建物だぜ』
「それは本当かい?なら行ってくるよ!あっ誕生日おめでとうっ!ベル君達が来れない事を残念がっていたぜっ!みんな気持ちは同じだからね」
『おう!』
ヘスティアが走っていく。バインバイン揺れる。くそう。
「・・・・・・あー、おいハルプ」
『ん?なんだよべート』
べートがなんか話しかけづらそうに頭を掻きながらチラチラとこっちを見る。
ほほぅ?なるほどなるほどー!くっくっく、分かりましたぞ。
「なんだ、その・・・・・・」
『なにさ?』
俺は首を傾げ、べートを見上げる。べートから見れば上目遣いになっているはずだ。さらにっ!出来るだけ可愛く・・・・・・・・・・・・・・・・・・?今更思ったが揶揄うのはいけないことなのでは?
「っ!・・・・・・誕生日おめでとう。ま、依然ガキのままだけどな」
『んだとぉ!?仕方ねーだろ!妖夢は長命種なんだぞ!?俺に至っては死んでっからな!このっ!』
「いでっ、いででで!?やめろ馬鹿がぁ!」
俺が猛抗議して割と力を込めてべートの胸を殴りまくる。
『くっくっくっ、やめて欲しければ・・・・・・そうだな、うーん』
「考えてねぇのかよ!?」
『う、うーん。何がいいかな?』
「はぁ?」
『あっ!耳!耳触らせて!』
「させるか!」
『あー待ってよ耳ー!』
「俺の本体は耳か!?」
『尻尾忘れるなよバカ!』
「バカはテメぇだ!」
ぐ、ぐぬぬ!届かない!
つま先立ちしながら懸命に手を伸ばすがべートのお腹辺りまでしか身長が無い俺では体を仰け反らせたべートの耳を触ることなど到底不可能!・・・・・・ふっ!だがべートよ、我らを侮ったな!我ら個にして群(2人)、つまり、俺は囮だァ!!
「セイバーっっ!!」
「なにィ!?」
謎の掛け声と共に妖夢がワンピースのまま突貫!ベートはさすがの速度で反応するが、残念なことに妖夢に耳を捕まれる。痛そう(他人事)
「いてぇよ馬鹿が!」
『尻尾ががら空きだぁ!』
「あってめっ!」
俺たちがベートにじゃれついてるのを見たヘファイストスら観客が爆笑するなか、俺たちの手は止まらない。
「あぁーー!うぜぇ、今ここで殺す!」
『いいね!かかってこい!』
「望むところです!」
遂には堪忍袋がちぎれたのか、ベートが怒る。放送されるのは嫌なようで顔が赤い。怒ってるのも関係してると思うけど。
『この前は負けたが、あれは半分しか本気出して無かったからだ!』
「その通り、私たちは二人で一人です!」
『宣言するぜ。俺たちはオラリオで一番強い!!』
「かかってきなさいベート!やっつけてあげます!」
俺と妖夢の宣言で観客が「おぉ」とどよめき後ろに下がる。簡易的な闘技場が完成した。
ふっ、なぜ戦うことになったのだろう。まぁ嬉しいからいいけどな!!
「いいぜ、やってやる。全力でなァ!!」
戦いが幕を開ける。
「ねぇ!ねぇっ!どうしてなのよオッタル!?」
「い、いえ、ですから・・・・・・フレイヤ様が誕生日会に向かった場合、多くの者はフレイヤ様の魅力に骨抜きとなり誕生日を祝う事を忘れてしまう筈です。・・・・・・はっきり申し上げるなら2人に嫌われます」
「うぅ、そんな・・・・・・そんなの嘘よ・・・・・・じゃ、じゃあ何か私から個人的にプレゼントを贈るわ。オッタル、届けてくれる?」
「はっ。お任せ下さい」
「ええっと、どうしようかしら。グリモアはもう要らないわよね?じゃあ・・・・・・」
「あのふたりは不壊属性の武器を求めていました」
「それは確かなの?」
「は、魂魄妖夢の護衛を行っていた際、そう言っていたのを確認しております」
「流石よオッタル!!愛してるわ!」
「ありがたき幸せ(フレイヤ様可愛すぎる・・・・・・)」