オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか? 作:シフシフ
ほのぼーの。こっから先はシリアスなんてないハッピーエンドまっしぐら。
77話「口答えはラメれふ!私のお願いなんれすからね!」
俺はアタフタしながら姿勢を正す。髪型も直して、服装も直そうと自分の体を見て・・・・・・固まる。
ぺったんこの胸、綺麗な肌。何も隠さないあられもない姿・・・・・・裸っ!?
『は、は、・・・・・・はわ・・・・・・!?』ポフン
ななななんでこんな格好に!?おおお落ち着け、半霊に戻るぞ!!セーフ!セーフだよな!?三秒ルール!・・・・・・あ、あれ?もしかしてずっと裸だった!?
か、顔が熱い・・・・・・!
って、いやいやいや、何を俺は言っているんだ?俺は元男、裸なんて恥ずかしくないもん!という訳で再び人型に戻る。着替えも忘れないぞ。短パンに白いTシャツ、そして青いパーカーを装備。べートと出かけた時の格好だ。
『コホン・・・・・皆には沢山迷惑を掛けたと思います、いや沢山迷惑を掛けました。ごめんなさい!罪は償います、一番下っ端だと思って何でも言ってください!』
そう言って頭を下げる。記憶があったり無かったりで上手く謝罪の言葉を並べる事が出来ないけど、それでも自分がやった事は迷惑で危険であったと理解している。
何をしてでも償おうと、そう考えていた。
「「「「ん?」」」」
団員たちの一部がそういう。なんか知ってるネタだなおい!?
「ほほう・・・・・・続けて?」
『えっとつまり、頼まれたら断らないって事です。あ、でも俺に出来る事だけだよ?あとは人道的にダメなやつはダメだけど・・・・・・』
頼まれたら断らない。一部の団員たちが浮き足立つ。
俺は若干怯えながらみんなを見る。これで納得してくれないならどうすればいいか分からない。納得してくれただろうか・・・・・・?ならいいんだけど
「ぅ、あの、とりあえず、休みませんか?」
すると妖夢が辛そうに手を上げる。あんな技を使った後だ。凄まじい疲労だろう。俺は特に問題ないけど。・・・・・・俺のために使ったんだよな!?俺のせいじゃん!
『うわ、ごめんな妖夢俺なんかのために』
「いいんですよ、と言うか私の為ですから」
「ふぅ、終わったな。・・・・・・取り敢えず帰るか!」
「「「おう!」」」
タケの一言で、皆帰宅の準備を始めた。と言っても皆武器と少しのアイテムを持っているか居ないか位の装備だ。準備は数分程度で終わった。
あとその・・・・・・みんなが「何してもらおうかなぁ!」とかわざとらしく大きな声で言うから、だんだん怖くなってきたぞ。
「ふぅ・・・・・・暴れましたねぇ」
『そ、そうだな・・・・・・ごめんなさい・・・・・・』
「ふふふ、許しませーん!」
『ごめんなさい!?』
妖夢が振り返り歓楽街を見る。最早そこに歓楽街は無く、あるのは廃墟だけだ。残骸には微かに残り火があって暖かい。俺の心にはとても冷たいですわ。ヒヤッとした気持ちになる。
『あ、そう言えばイシュタルはどうしたんだ?』
俺はふと思い出す。そういえばあの神様どうしたんだろうか。
なんて思っていると、猿師が参上した。
「拙者が薬で眠らせたでごザル!はっはっは、あの瞬間の拙者の働きぶり・・・・・・正しく忍びでござったな!にしても美しい御方でござった」
猿師はその瞬間を思い出しているのか興奮気味だ。若干魅了に掛かっている様だ。恐らくは遠くから見たのだろうが、それでも掛かってしまうらしい。
と言うか、神様って薬で寝るのね。・・・・・・ポーション効くのかな?使ってるとこ見たことないけど。
「ほい」
「はっ!?拙者は何を興奮して・・・・・・」
タケやって来て手刀を振るうと、魅了が斬られて猿師が正気に戻る。困惑して目をぱちぱちしている猿師は正に猿といった感じ。
「猿師、イシュタルは今どこにいる?」
「こっちでごザル」
「私も行きます」
『妖夢は休んだ方がいいんじゃないか?』
「平気では無いですね、だからハルプ、私を操作してください」
『へ?』
「私の身体を操れば動けます!」
『いや、強引に動かしたら痛いと思うんだけど?』
「構いません!」
『頼まれたら断らない!いくぜ!』
猿師の案内で俺たちは進む。妖夢が
うん、今俺に発言力は無いので何も言わないことにするけどさ、あのー、春姫は?春姫助けるのが目的なんじゃなかったっけ?
はっ!そうでした・・・・・・じゃないぞ?
比較的無事な建物が多く残る区画を移動中、裏路地から
ちょいちょいと手招きする鱗付きの手が見えた。リドだ。
俺は妖夢の身体を操作しつつ、妖夢にそのことを告げる。リドの事はどうやら知っているらしい。良かったぁ、いきなり殺されたら泣くぞ。
「あっ、タケ!少し用事があるので先に行っていてください」
「ん?分かった」
タケは俺達が何をしたいのか分かったらしく、頷いて先に進んでいった。横道にそれ、薄暗い路地の中に向かうとリドとグロスは春姫を守っていた。この2人も懐かしく感じるな。
「よ、妖夢様・・・・・・!!」
春姫が怯えたように2人を見ている。しかし、妖夢は俺と脳内会議中。
会議と言っても、なんて話しかける?的なものだ。
「おい、グロス。平気なのか?(小声)」
「大丈夫ダロウ、タブン(小声)」
しばらく思案したあと、妖夢はニコリと笑う。
「春姫、無事でしたか?助けに来ました」
シンプルイズベストだ。わかりやすく行くことにした。
ホッとした様に溜息をつき力を抜く2人、何が何だか分からず困惑する春姫。
そんな春姫に手を差し伸べる妖夢は、少しいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「怖かったですか?」
「は、はい」
「ふふふ、実はこの子たちは私のお友達なんですよ!」
いや俺のだからね!?あげないからね!
え?私達は2人で1人なんですから、2人の友達?今の「私」は「私達2人」をまとめて言った?分かりづらいわ!
「「!?」」
「そうだったのですか!申し訳ありませんリド様グロス様!私、誤解しておりましたっ!」
「「「信じるの早っ!」」」
単純か!?このこの将来が不安なんですけど!?
ちなみにイシュタルは切り捨てられる事なく、オラリオ郊外に追い出されたらしい。
タケ曰く、「なんか神威全力で放出して魅了してきたから斬った。しかし神を斬ってしまうとお叱りが増しそうだからとりあえずゲンコツして街から追い出した」らしい。さり気なく酷い事してるなぁ。何時かできるようになりたいぞ。
まぁそんなこんなで家に帰ったのだ。
俺達の家が目の前にある。でもどうしても玄関前でとまってしまう。
「どうした?」
『いや、その・・・・・・』
「・・・・・・?あぁ、そういう事か」
「なるほど」「了解です」『へ?』
「「「「「おかえり、ハルプ!」」」」」
『っ!おうっ!!』
あれから少し、大体2日位だけど俺はそれこそ馬車馬のように働いた。みんながみんな俺に頼み事をしてくるからだ。多少後悔したが、みんな満足してくれたようで何よりだ。
タケもギルドからの追求を逃れたらしい。どうやったのか気になったから聞いてみたら、「アイツらが暴れるぞ多分」と言ったら「よし居ていいからとりあえず暴れさせるなよ!?」と返事が返ってきたとか。
・・・・・・まぁ許されやすくなるように可能性操ったんすけどね。
そんな訳でよっす!俺だっ!
「ハ〜ルプっ♪えっへへ〜」
なんだかこんなやり取りも久しぶりだな。うん、で、だ。どうしてこうなった?
どうして妖夢は俺に抱きつき頬をすりすりしてくるんだ!?擽ったいよ?!
「ハルプがいなくて私すっごい寂しかったんですよっ!だからもうはなしましぇん!」
いや、うん。予想・・・・・・と言うか答えはあるんだ。うん、宴会だね。酒だね。酔ってるねっ!
妖夢のおバカ!なんで酒飲むの!?弱いんだからさ、俺の記憶に存在する魂魄妖夢と違って君は若いの!分かる!?多分俺の知識に居る魂魄妖夢は50代だぜ?!
いや、いいんだよ?「お願いですっ!ハルプと一緒にご飯が食べてみたいです!」って言ってくれたからさ。俺、すごい嬉しかったよ?求められているというか、居場所があると言うか・・・・・・うん、でもね?体に悪いよ?成長を妨げられてペチャパイが2度と大きくなれない事態にだね?
『でも、ほら』
「口答えはラメれふ!私のお願いなんれすからね!」
『・・・・・・はい』
お願いなら仕方ないね、うん。一緒にご飯食べようって言ってたけど、お酒しか飲んでないんじゃないかな妖夢君。宴会だー、飲めー!からのこれですよね?宴会始まってからまだ10分経ってないですよね?ぶっ潰れてるの君だけだよね?
「わっはっはっ!!流石に早すぎるやろ!!妖夢たんお持ち帰りしよ!」
『と言うか、なんでロキがいるの?』
「なんでって・・・・・・ハルプたん、壊したんやろ?べートのブーツ」
『うぐっ・・・・・・ごめんなさい』
「だ、か、らぁ〜、お願いしに来てしもうてんな〜?うしし」
うう、ロキが俺をいじめる。しかしめげるな俺。やったのは俺なんだからな。
して、お願いってなんだろう。許してくれるかな?
『お願いって何?』
「え、まじで聞いてくれるんか!?ネタやないの?!っしゃー!!!」
何でも来いやー!俺に出来そうになければやらないからね。
「とりまウチと結婚しようか」
ニコニコと笑いながら言うロキ。俺は別に構わないけど、妖夢が困るだろう。これ以上迷惑をかける訳にはいかない。
『俺は良いけど妖夢が多分ダメっていうよ』
「ええの!?ハルプたんはええの!?」
『結婚するだけだろ?判子ポンで終わりじゃん』
「その後の生活は入ってへんのかい!!」
当然だろ。やだもん。
「えー、じゃあなぁ〜・・・・・・は!分かったでぇ!ウチも家族に入れてーなっ♪」
家族って・・・・・・そんな簡単にほいほい行けるわけ・・・・・うーん・・・・・・タケと結婚して夫婦になれば・・・・・・いける?
『タケと結婚したらいいと思うよ?』
「無理やな」
「へっくしゅん!!・・・・・・なんだ?」
即答!?ま、まぁいいけど。
うわ、タケがくしゃみしたせいで千草含めた小心者達が飛び跳ねたぞ。マシューが気絶した・・・・・・!?なぜ!?
「にしてもウメェな!!」
「ぁ、ぁ、ぁり、がとうござ、います!」
とべートの声。それに応えるように各ファミリアの団員たちが声を上げる。
ふっふっふ、当然。なにせクルメの全力料理だぞ。俺は幽霊なので食べても意味無いし遠慮しておくが、とても美味しいに違いない。あとべート、クルメ狼苦手だから止めとけ、料理されるぞ。
「っ、そういや、おいハルプ!」
『ん?どうしたべート』
「お前、俺に飯作ってくれるんじゃ無かったか?・・・・・・ん?いいんだよな?お前があの時は中身で・・・・・・?そんでいまは中身が違くて・・・・・・いや、中身は一緒だけど、おぉ??」
ややこしくてすまぬ。にしても料理のこと覚えてくれてたのか!ふふふふ、任せておけべート。正直クルメに勝てる気がしないがなっ!!公開処刑かっ!まぁけど、お願いされたら仕方ない。
『いいぜ、作ってやるさ!濃いめがいい?薄いほうがいい?』
「あー、濃いのくれ。今は塩分が欲しい気分だ」
『あいあいさー。でもなべート』
「あ?んだよ」
『その、クルメの後じゃ多分物足りないぜ?』
「うっせーな、さっさと作れよバーカ」
『わ、分かった』
そうだよな、別に怒られる理由でもないし、不味かったら不味かったで仕方ないよね。うん。とりあえず後でバカにするとして、頑張るぞい。
という訳で厨房に突撃した俺は忙しく働くクルメに事情を説明。すると快く厨房を使わせてくれることに。とは言えクルメも手を止める訳には行かないから2人で使うぞ。
「わぁ、凄いですっ。手際が良いですね!」
『そうか?まぁ昔からやってるしな!妖夢の体使ってたけど』
「へぇ〜そうなんですね。私も大分前からやってます」
『おう、クルメ自身から聞いたぜ?ほら、ゴライアスとの戦い前にさ』
「あれ、えっといつからお2人に?」
『ゴライアスとの戦いの後からだな』
「・・・・・・最近の事なのに、何だか遠い昔を話してるみたいです。」
『そうか?』
「はい、だってあの時はこんなふうに一緒に料理するなんて思ってませんでしたから」
クルメと話ながら、料理を作っていく。確か牛の煮込み料理だった筈。角煮だったかな・・・・・・あれ、あってるよな?
「そう言えば、今回の騒動って結局目的は何だったんですか?私が聞いた限りでは誰かの救出が目的だったらしいですけど」
『んー?あぁ、それね、宴会会場の奥の方、タケの隣りに居た金髪の狐人いただろ?あの子を助けに行ってたんだよ。・・・・・・俺のせいで破茶滅茶だったけど・・・・・・』
「わわわっ、ごめんなさいっ!そんな顔しないでください!?」
そこから春姫の話しをして、昔の話をして、気がつけば料理は完成していた。本当はもっと時間かけたいけど、べートは待ってるし時間は無い。
さてさて、運びますか。
『よいしょ』
「!?」
とりあえずは体に閉まっておこう。・・・・・・ん?
『ん?どしたの』
「今どこに料理を!?」
『え?身体の中』
「なんて勿体無い・・・・・・!!」
あー、もしかして身体の中に色々と入れるの見たことない?戦争遊戯でも刀出したりしてたんだけど・・・・・・まぁ魔法で作ってるようにも見えるか。
『あ、安心してくれ。中身空洞だから。しかも汚れも無いし清潔!!料理の味は落ちないぜ!』
「おーーー!凄い!一家に一台欲しい!!」
『俺は家具じゃないぞ!?』
歩けて戦闘できる冷蔵庫とか、確かに便利だね!!だが俺は嫌だぞ!お腹いっぱいまで食べ物詰められるとか嫌だぞ!!
ヒャッハー最高の調理器具だァーとか言いそうなクルメから逃げるように俺はみんなの所へ。
『べートー、ほら、出来たよー』
「おぅ!はっはっはっ、でよぉ、そんとき妖夢がさ」
「「「うんうん」」」『お?何の話?』
べートの所に行ったら何やら話し込んでる。しかも俺達の話だ。なんだろ
「なんか無駄にカッコつけてよ、これは決して避けれない魔剣!とか決して防げない魔剣!とか言っててよぉ!しかもそれがマジでさ、ビビったけど行くしかねぇ!って突っ込んで蹴り飛ばしたんだ!」
「「「おぉ!」」」
うげ、べートとの初戦の話しか。あれ痛かったよなぁ・・・・・・。多分妖夢の「痛い」って思考が俺に流れてきてたんだろうけど・・・・・・。
「ありゃ痛かったぜ?なにせよ、レベル2に脇腹片方持ってかれたんだぞ?!何なんだよアイツら、今戦ったら確実に俺が・・・・・・いや、まだだ!まだ負けねぇからな!!」
『べート、おーい!!作ったよ!!』
「うおぃい!?居たのかよ!」
居たよ、少し前から居たよ。てか返事したよね?
『ほれ、今から出すから』
「あ?どこからっておい!?」
『じゃじゃーん、どうだ?美味そうだろぅ?』
「いやお前、腹から出すなよ・・・・・・」
『えぇ、だって人間形態だと他に出せるの胸かお尻くらいだぞ大きさ的に』
「「「「「ゴクリ」」」」」
「おいテメェら後で外な」
「「「「「「へっ!?」」」」」
『あ、あと頭からも行けるな』
「それはそれで見たくねぇ」
それもそうか。冷めないようにとの配慮だったけど、確かに食べる側からすれば少しアレだな。次は気をつけよう。
そして、べートが1口パクリと食べる。
「・・・・・・旨い」
『おー、良かったぜ。もし不味いとか言われてたら若干凹んだぞ?』
「ハ~ル〜プ〜置いてかないでくだしゃい~」
『わー、はいはい、分かったよ妖夢』
妖夢が抱きついてきたので介抱しつつ座り込む。肩に頭を乗せて「ふふふ」とか笑ってる妖夢はとりあえずそのままにしておこう。うん。
「・・・・・・大変だな」
『そうかな?割と楽しいよ。みんなに頼ってもらうってさ』
「へぇ」
その後もべートと他愛の無い話しを続けていたのだが、なんかみんなが遠慮している節がある。もう少しこっちに話しかけに来ると思ってたんだけど・・・・・・自惚れてすみません!
「聞いてよ妖夢ちゃん!」
「はひ、なんれふか」
「もうっ、桜花がね!桜花がさぁ!!」
「しょうれふか、大変れすね」
お?なんか千草も酔ってるね。お酒は早いと思うんだけどなぁ。
話しの桜花君はどこかね?っと見てみると、タケの近くで酒を飲んでいた。その隣には大人妖夢の姿が。
なるほど把握。千草ちゃん嫉妬ですね?
「それで、これからどうするんだ?」
タケが大人妖夢にそう切り出している。
「はい。私はレベル8。このファミリアに居てはファミリアランク的にも不味いです」
「そ、そうだな・・・・・・」
「とは言え、偽装するとしても、これ以上の問題はファミリア存続に関わります」
「うぐっ・・・・・・!」
「もうすぐ家宅捜査の様なものがはじまるんでしたよね?ギルドの方から。そうなれば私の存在は露見します」
お、おう。すごい真面目な話しているんですが?
てか、そうだよな・・・・・・タケとか権能使っちゃったし不味いよな。ほとぼりが冷める前に問題起こしたし、ギルドも本格的に動くよね。
「結論から言えば、私はこの国をでて修行を積もうと思います。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「そうか、悪いな」
「いえ、私の決めた事です。桜花には何度も止められましたけど、これもあなた方の為ですって言ったら諦めてくれました。」
「・・・・・・桜花、ありがとう。約束を破らせるようで悪い!」
「いえ、いいんです。時折顔を出すと言ってありますから」
ほほー、どうやら話は付いていたみたいだ。俺が口を出す必要なんて無いね。そもそも何を言うかとか考えてなかったけど。
なーんて思っていると大人妖夢は俺の方に来る。ちょ、妖夢離れて、え?嫌です?わ、分かったけどさ・・・・・・今話すみたいだからさ、少し・・・・・・は、はい。分かりやした、
「少し良いですか?」
『おう、何でも言ってくれ』
「できるだけ、甘えさせてあげてください。私は貴方と一つにはなれなかった未来です。本来ここにいるのはおかしい瞞しです。だから・・・・・・」
『うん、分かったよ。約束する。』
「ありがとうございます。」
そう言って頭を下げて、宴会に溶け込んでいった。やっぱり妖夢は妖夢だな。優しいし。
「そう言えばタケミカヅチ、知っとるか?ドチビの所の戦争遊戯」
「なに?戦争遊戯がまたあるのか」
え、戦争遊戯・・・・・・ってあれか!ベル達の!まぁでもベル君強くなってるし平気だろうん。
能力は結構使えるようになってるし、ベル達を強くすることも可能だぜ。
「そうや。でもな、あまりにも差があらへんか?ってなってな、オラリオ郊外からの冒険者ならヘスティア陣営に付いていい、なんて非現実的な許可は降りとったけど、まぁ無理やろうな」
うんうん、確かに普通に考えたら無理だよね。ヘスティアファミリアにそんな外との交流なんて無いし。じゃあどうなるの、ってなるけど、そこでリューさんですよ。
「ふむ、なら俺達が参戦することは出来ないか」
『俺はスキル扱いされてるけどダメか?』
「うーん、分からへんけど、妖夢たんの所属はタケミカヅチ・ファミリアやし、無理やと思うで」
『そうか、分かったよ』
頼まれたら参加しよ。あ、鍛えてって言われたら全力で鍛えよう。
「ハーループー!たすれてくらさいー!」
『はいはいー。ほら、千草やめなー』
「だって、だってぇ・・・・・・」
『ほら、後で桜花一緒に殴ろ?』
「うん・・・・・・」
「なんでだ!?」
その日、ベルが訪ねてきた。
まぁ最も、起きてるやつなんか俺しか居なかったけどな!
俺のやったことをまとめようか。
ベートとロキをロキ・ファミリアに送り届けた。
裸踊りを使用とした命を取り押さえ気絶させ寝かせた。千草が包丁を取り出そうとしたので寝かせた。
妖夢が抱き着いてきていい加減イラついたので寝かせた。
タケが酒に酔って刀を振り回すご乱神となり掛けたので寝かせた。
ダリルが燃え始めたので寝かせた。
リーナが結界に閉じこもってたので狡いな!と寝かせた。
クルメは普通にご飯食べてて別段悪い事して無かったけど寝かせた。
アリッサはそもそも来てなかった。
・・・・・・あれ?寝かせてばかりだわ。そして数人ごめんよ。
そんな死屍累々の様を見、酒のむせ返る匂いを嗅ぎ、ベル君が変な顔をしている。それが面白くって俺は少し笑う。
『ふふ、どうした?何か変なものでも見たか?』
「え、あっ、いやぁ楽しそうだなぁ、なんて」
そう言えばベルは今回の事件を何も知らないのだったか。じゃ、いつも通り行きましょか!
『そか、で要件は?鍛錬に付き合え?一緒に戦え?ファミリアに来い?』
「な!?何で知ってるですか!?」
『なっはっはっ、俺はなんでも知ってるのさー!嘘だけどね。ロキから聞いただけだよ』
「そうだったんですか・・・・・・アイズさんがもうすぐ遠征に行くらしくて・・・・・・い、いえ!その、ダメならいいんです。でももっと強くなりたくて・・・・・・」
ベルが俺の目を真っ直ぐ見てくる。俺が前に言ったことは覚えてるらしい。俺からすると少し黒歴史だが、まぁそれで此奴が成長したなら俺ってイイヤツ。
『いいぜ』
「分かってます、無理な事を言ってるって事は・・・・・・え?」
『いいぜ?俺でよければ好きに使ってくれ』
「つつつ、使うなんてそんな!!」
『おいおい、俺はスキルだぜ?使われてなんぼなんだよっ』
「あいたぁ!?」
俺はベルの背中をベシッ!と叩く。さてさて、では・・・・・・地獄のメニューを開始するとしようか!!!
尚、タケミカヅチ直伝《レベル4のお前達鍛錬コース》を受けろ!