テーマとしては、ユウキがとあるきっかけで蘇り、その後の人生をどう歩んだかを書いていけたらいいなと思います。
本作品に関しましては誤字、脱字が多く、オリジナルな部分が含まれますので不快にさせてしまう部分が多々あるかもしれませんが、どうか暖かい目で見ていただけたらいいなと思います。
また、オリジナルキャラを混ぜて今後の物語を作っていきますので、原作とは反れてしまう可能性がありますことをご了承下さい。
2015/11/23
あらすじを大きく変更しました。
――ある難病と闘い続けている少女がいた。
その難病には治療方法が存在せず完治することは難しい。そんな現実を突きつけられてしまった少女は若くして余命宣告をされてしまう。
だが、それでも彼女は決して諦めなかった。
己を死を受け入れながらも、時が来るその最後の瞬間まで謳歌しようと必死に往き続けてきた。
しかし、始まりがあれば終わりが来るように、とうとう彼女にもその時が来ることになる。
*
その少女は、数多くの仲間たちに看取られつつ、最愛の友に支えられながら今まさに息絶えようとしていた。
名は《
彼女は出生時に輸血用血液製剤からHIVに感染してしまい、15年間闘病生活を続けていた。ところが、闘病中に両親と双子の姉もエイズにより他界し、彼女は天涯孤独の身となる。そして日が経つにつれ、追い討ちをかけられるように彼女もとうとうエイズに感染してしまい、入院生活を余儀なくされたのである。
彼女は残された命を医療発展のために役立てたいと、自ら医療用VRマシンである《メディキュボイド》の被験者となり、3年間仮想世界で人生を過ごしてきた。この先、自分のような人がいない世界を作ってもらうために。
挫折や後悔もあったが、ユウキは仲間たちの強い支えがあったからこそ、死を受け入れる事ができた。
意味なんてなくとも、生きててもいい。最後の瞬間まで、共に歩んできた仲間に満たされていくことができたのだから。
――ボク、ぼく頑張って生きた。ここで……生きたよ……
アスナは涙を流しつつも笑顔で彼女を見送った。ユウキの瞳が二度と開かなくなるその瞬間まで。
その、私の大好きな親友が。仲間が。二度と目を覚まさない――。
「……逝か、ないで……」
そう悟った瞬間、アスナは今まで堪えていたものが溢れ出てしまった。
「ユウキ……やだ……やだよぉ……ッ」
抑えきれない声と涙。
その姿を見たスリーピング・ナイツのメンバーも堰が切れたように涙を流す。
ノリとシウネーが抱き合うように泣き崩れ、テッチ、ジュン、タルケンが声を押し殺すように嗚咽を漏らした。
――大丈夫だよみんな。またいつか、かならず会えるよ。ボク、ずっと待ってるから。だから、ゆっくりおいで。約束だよ。
ユウキにはその声が聞こえていた。
話す事はできなかったが、その思いは伝えられたような気がした。
やがて視界も消えて、唯一の聴覚も失われ、瞼を開くこともできず、手も足も動かない。
――そっか……これが死ぬってことなんだ……ちょっと、怖いなぁ。
僅かな恐怖が脳裏を過ぎったその瞬間、今までの思い出が走馬灯のようにユウキの全身を駆け巡る。
スリーピング・ナイツのメンバーとの数々の冒険。姉と過ごした日々。アスナとの出会い。みんなで挑んだボス階層討伐。学校の授業。久しぶりに見れた実家。そして、アスナが伝えてくれた最後の言葉。止め処なくあふれ出て来る数え切れない思い出。それだけでユウキの心は風船のようにふわふわと舞い上がった。
次々と溢れる、幸せの断片。
紡ぎ合わせて、一つの形と成す度に、自然と笑みが零れてくる。
最後の最後まで恐怖から救い出してくれた仲間との思い出に、ユウキは心から満たされていた。
――きっと、かならずまた会える。だから、僕は全然寂しくないんだ……ホントはちょっぴり寂しいケド。
それでも、ボクは本当に素敵な人たちと出会うことができた。だからね、アスナ。ボク、幸せだったよ……でも――
アスナの、皆の、看取ってくれた全ての人々の泣き叫ぶ声がユウキの心に突き刺さっていた。
未練がないといえば嘘になる。覚悟は決めた。全てを受け入れたはずだった。そう思えば思うほど、つい自分のやりたかった事が心の内を燻らせた。
本当はもっと、アスナと遊びたかった。
本当はもっと、スリーピング・ナイツのみんなと冒険したかった。
本当はもっと、自分のお家を見たかった。
海水浴、お祭り、雪合戦、クリスマスパーティー、初詣。
あれもこれも、もっと、もっと、もっと――。
抑圧された感情が膨れて、やがて破裂した衝撃が形のない涙となって零れ落ちる。
――先にいなくなっちゃって……ごめんね……みんな……ごめんね……アスナ……
ユウキが小さな後悔を口にした。
その時――
「駄目だ!!」
――……え?
薄れ逝く意識の中、確かに聞いた。
アスナではない。
ジュンでも、シウネーでも、テッチでも、タルケンでも、ノリでもない。
とても悲しくて、辛そうな声。
そして、仄かな感じる右手の温もりを最後に、ユウキの意識はぷつんと途切れる。
体の重みが次第に増して、深く、ただ深く。
底のない暗闇の世界に感覚を溶かしながら、ゆっくりと沈んでいった。
プロローグを閲覧していただき、本当に有難うございます。
これから少しずつ内容を濃くしていき、みなさんと思いを共有できたらいいなと思います。
今後とも宜しくお願い致します。コメントいただけると励みになります。
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