アラサー女子による巫女生活   作:柚子餅

15 / 28
魔理沙と一緒に弾幕ごっこをする私。

 

 ふわふわと宙に浮きながら、魔理沙による弾幕ごっこの講義が始まった。「こう、ギューンっとだな」とか「グワーってやると」とか擬音語が多いけれど、けっこう真面目に教えてくれている。

 紫はといえば縁側で我が家のようにくつろいでお茶を啜ってる。その隣には狐っぽい尻尾がわっさぁと生えてる金髪の女の人がお茶を注いで……って!? ちょ、なんで昨夜戸棚に隠しておいた月餅が紫の手に! 六分の一に割って六日分のお茶請けにしようと思ってたのに!

 ちらちらとそっちを見ていたら魔理沙に睨まれた。おっと、駄目だ駄目だ。月餅は名残惜しいが元は紫の取り分だし、昨日食べずに残しておいた分がまだ一個残ってる筈。教えてくれている魔理沙に悪いので私も真面目に聞くことにしよう。

 

 さて。弾幕ごっこは『スペルカードルール』やら『命名決闘法』やらというらしい。そういえば『スペルカード決闘法』の名前の巻物なら神社に置いてあった。斜め読みしてよくわからなかったので、巻いた状態のまま肩叩きの棒に使っちゃってるわ。言うと紫に怒られそうだから黙っておこう。

 件の弾幕ごっこだけれど、なんでも普通は人間じゃ妖怪に勝てないからルールを決めて戦いましょうってことらしく、飛び道具で相手を狙っては相手の飛び道具は飛んで避ける勝負で、幻想郷の少女たちの間で今もっともアツい遊戯とのこと。その飛び道具を綺麗に飛ばせる子はカリスマファッションリーダー的な存在で、完全不可避の絨毯爆撃するような空気の読めない奴は自己中女として以後は村八分にするようだ。幻想郷であっても少女であっても、女性特有の格差社会が垣間見えて微笑ましいことである。

 突っ込みどころとして、普通の人間は空を飛ばないと思うんだけどまぁこれは言ったら野暮なのだろう。加えて私の実年齢は世間一般から言われる『少女』からかけ離れてるので、若い子たちの遊びに混ざっちゃいけないんだろうけど、博麗の巫女として、そして何より私の明日の糧の為に必要不可欠なので、どうかそのあたりはご寛恕をいただきたい。

 

「……で、その弾幕ごっこに使う飛び道具はこれといった制限はないぜ。魔力・霊力・妖力等々で作った光弾でも、手持ちの物でも、飛び道具になりそうな能力でも、使えるものは何だって使っていい。例えば、私の弾幕はイリュージョンレーザーやマジックミサイルやらの魔法だな。元祖霊夢の奴はお札やら針やらを飛ばしてたぜ」

 

 ふむ。お札やら針やらが妖怪退治の道具だろうという私の考えは当たっていたようだ。妖怪退治とやらも基本は弾幕で妖怪をこらしめるとのこと。

 ただ、どうやら弾幕ごっことは実年齢はともかく、とりあえず見た目は少女の体裁を保った存在同士による勝敗の決め方らしいから、それ以外の妖怪らしい姿の妖怪とか、男の姿をした妖怪相手には単純に実力勝負となりそうだ。

 あとは弾幕ごっこに負けたからといって相手の言い分を全部聞かなきゃならないとか、食われなきゃならないという取り決めはないらしいので、妖怪と遭遇したらとりあえず弾幕ごっこに持ち込んでしまえば生存率はかなり高まりそうである。その弾幕ごっこで死ぬこともあるらしいけど、最悪は被弾する前に降参してしまえばいいだけだ。

 

「そんでお待ちかねのスペルカードだけど、これはあらかじめにパターンを決めた個々人必殺の弾幕だな。普通に垂れ流す弾幕がオードブルなら、弾幕ごっこのメインディッシュはこいつだ。事前に使用枚数を取り決めして、その枚数を相手に突破されたら余力があろうとなかろうとそいつの負けになる。独自に組み上げてくるから普通の弾幕とは違かったりするんだが……ま、こればっかりは実際に見て避けてのお楽しみだぜ」

「ふうん。スペルカードねぇ。それを用意しておかないと弾幕ごっこができないわけね。一枚も持っていないのだけど、それはどう作ればいいの?」

「カードにスペル名を書くだけだぜ。ちなみに私のだと、恋符『マスタースパーク』ってな感じになる。そのスペルを使いたい時はこうしてカード宣言して、事前に考えてあったとおりに弾幕を飛ばせばいい」

 

 魔理沙は懐からカードを出して空に掲げるとそのまま懐にしまった。別にカード自体が光ったり唸ったりするわけでもなければ、なんか飛んでったりもしていない。

 しばらく目を細めて魔理沙を見つめて待っても一向に何も起こらない。そうして、ようやく魔理沙の言った『スペル名を書くだけ』の意味がわかった。

 

「何よ。それじゃ、そのスペルカード自体は名前が書いてあるだけのただの紙だって言うこと?」

「ま、そういうことだな」

「書くだけなら時間もかからないか。それはそれとしてどこかに厚紙とかあったかしら?」

「霊夢、これを使いなさい」

 

 紫から声がかかり、地上を見下ろせば狐の尻尾がわっさぁ生えてる女性がすーっと私の前まで飛んでくる。そうして紫に頼まれたらしい数枚のカードっぽい紙が手渡された。

 さっきは月餅のことで意識を逸らしてしまったけど、いきなり神社に現れて当然のように紫にお茶を注いでいるこの人誰なの? 美人だし、おっぱい大きい。私だって一応は美人の部類には入る顔立ちしてたと思うけど、幻想郷の子たちと比べると大分見劣りするんだが。恐ろしいな幻想郷。

 

「で、えーっと、どちら様?」

「私は八雲(やくも) (らん)。紫様の式だ。お前のことは以前通りに霊夢と呼んでも構わないのか?」

「構わないわ。事情はそこの紫から聞いているみたいね。私が『博麗霊夢』の代わりに当座の博麗の巫女を務めることになった者よ。で、紫の式とか言ってたけど、それって陰陽師とかが使う式神って奴? 陰陽師なら映画で観たことあるわよ。ほら、あの安倍清明の奴」

 

 映画館で観たわけじゃなくて、地上波でやってた奴だけど。なんか安倍清明が相方の男の人を大好きっぽかったというか、新しい方のシャーロックホームズを観た時と同じ感じがしたというか。

 そういうのを好む女性の方々がいるらしいが、まぁ気持ちはわからないでもない。男同士の友情って女の身からすると何か羨ましいのだ。いい年してじゃれあってるのとか見てて可愛らしい。

 

「別に、式神が陰陽師しか仕えない術法というわけではないさ。……しかし安倍清明か。日ノ本を乱していた妖狐の正体を暴き、調伏した者の名だったな。映画とは確か過去の映像を映写機で映し出すという夢のようなものだろう? 平安の出来事を昨日のことのように見て知ることが出来るというのだから驚きだな」

「……何か勘違いしているようだけど、別に映画に映っているのは実際の出来事だけってわけじゃないわよ。私が観た映画だって、間違っても歴史に忠実とはいえない脚本に合わせて役者がそれっぽく演じているだけだし」

「そ、そう、なのか。機会があれば遥か昔に存在していたという邪馬台国の時代を見てみたかったのだけれどな。魏志倭人伝に卑弥呼という女王が鬼道なる術で民を治めていたと記述があったが、もしも大陸に伝わる式神とはまた違う術法があればと……」

 

 藍はあんまり喜怒哀楽を表情に出す感じではないけど、見て判るぐらいには感情表現が豊かである。なんていうか、わさわさの尻尾がふりふりしたりしゅーんとしたりね……。

 スペルカードの台紙を手に、藍の言葉は適当に聞き流しながら主に尻尾の動きを眺めていると、魔理沙が焦れた様子で視界に割り込んできた。

 

「おいおい、こっちの準備は一昨日のうちに済んでるんだぜ。霊夢の準備を終わるのを待ってるってのに、大事な大事な対戦相手を放って何を話し込んでるんだ?」

「おっと、すまないな。後のことは任すから、そちらでやってくれ」

 

 ふわふわと紫の近くに降り立ち、藍はまた紫の為にお茶の用意を始めた。藍の風に揺れる尻尾を名残惜しく眺める……ミニーみたいな短くてぴこぴこ動く尻尾も可愛いけど、ふわふわの尻尾も気持ちよさそう。ブラシで梳かしてたらそれだけで何時間でも飽きなさそうだ。

 

「ほら、霊夢もカードを作るならさっさとしようぜ。早くしないと日が暮れちまう」

「はいはい、わかったわよ。まったく忙しないわねぇ」

 

 魔理沙に手を引かれながら地面へと降り、私室へと歩き出す。慌てる様子もなくあんまりのんびりと歩いているものだから、魔理沙に後ろからぐいぐいと押される。

 足の進みが遅いことからもわかるだろうけど、正直なところあんまり気乗りはしない。この博麗神社で物を書くということの大変さを知っているのだ。一から墨を摺ったり書き終わったら筆の掃除しなきゃならないやらが今から面倒くさい。この前のお札の複製でわかったことだけど私はあんまり筆字は上手いほうじゃないみたいだし、流石に人前で二度書きはしたくないもの。

 

 

 

 

「よし、それじゃ練習ってことでカードは一枚。最初は普通に弾幕を撒いて、ある程度慣れてきたら私がスペルカード宣言するぜ。それを突破できたら霊夢の勝ち、二度被弾したら私の勝ちだ。霊夢も反撃してきていいけど、空を飛び始めたばっかりのお前じゃ知れてるから避ける方を優先させろよ。初心者を撃ち落として死なれでもしたら流石に目覚めが悪いからな」

「あら。藍を下に控えさせておくから、気絶して地面に落っこちたとしても死にはしませんわよ。というわけで魔理沙、このぐうたら巫女には遠慮なしに厳しくしてやりなさい」

「おっ、そういうことなら気兼ねなくやれそうだぜ」

「あんたらね。私は初心者って言ってるでしょうが」

 

 言って、ふわりと宙に浮かぶ。一応、袖には今さっき書き上げたばかりの一枚のスペルカードが入ってる。だけれども、使う機会があるかはわからない。

 相手のスペルカードを突破する方法は主に二つあるらしい。スペルカード弾幕をはれないぐらいにダメージを与えてやるか、一定時間被弾せずに逃げ切るかだ。結局『針』もお札も使ったことがないから上手く攻撃できるかはわからない。魔理沙の言うとおり、避ける方を優先しておいた方がよさそうだ。

 

「よぉし、今日はこっちでいくか!」

 

 魔理沙は帽子の中から瓶を取り出し、中から粉末を取り出すと右手で握りしめて私に向けて手を振った。

 拳の軌跡から遅れて、よくわからない形状の緑色に光るものが五つ、ぐるぐると回りながら加速を始める。なるほど。見れば見るほどよくわからない。

 

「なにこの変なの」

「変とか言うな! マジックミサイル!」

「ミサイルってこんな変な形してたっけ?」

 

 加速しながら私へ向かって飛んでくるので、こちらもゆるゆると上空に移動する。どうやら弧を描いて飛ぶらしく、位置を変えた私へと追ってくるようにちょっとずつ向きが変わっていく。

 けれども、このまま上へ上へと上昇すれば当たらないだろう。と、魔理沙を見ると手のひらを上空へ向けている。あれは一度見たことある。妖精サーチ&デストロイの時のレーザーだ。

 

「本当に飛べるようになってるみたいだな。流石霊夢の中身になっているだけあるというか、たいしたもんだ。さあて、次はこいつだ。うっかり当たれば熱いぜ」

「なるほど。当たらなければいいってことね」

 

 すぐさま宙に浮かぶのを止め、力が抜けた私の身体は自由落下する。同時に、直前まで私が向かっていた先へレーザーが放たれた。

 マジックミサイルとやらがいくつかレーザーに巻き込まれて消し飛んでいく。おおう、とてもじゃないけど熱いじゃ済まない威力がありそう。

 

「あっぶないわねぇ。こんな危険なの人に向けて撃つもんじゃないわ。当たったらどうするのよ」

「当たらなければいいんだろ? さあさ、前方不注意は衝突事故の危険がいっぱいだぜ!」

 

 レーザーもミサイルもやり過ごした私はまた同じ高さへ舞い戻ると、既にミサイルの次弾が発射されている。今度は十発、おまけに魔理沙はレーザーの準備にも入ってる。

 ミサイルは変化球だし、レーザーは逃げ道を塞いでくるしで、あっちこっちに飛んで逃げれば避けられないわけでもないんだろうけど、いずれ逃げ切れなくなりそうだしで面倒くさい。

 

「うーん……」

 

 ミサイルの軌道を見るに、私に誘導しているわけではないみたいだ。始めの七つは最初と同じでまっすぐ進んでから頭上方向へ、残りは地面へと向かってから私が今いる辺りへ飛んでくる。単純にミサイルだけを避けるなら、真下に潜り込んでしまえばよさそう。

 けれど、魔理沙のレーザーの予備動作を見るに、そこを狙っているっぽい。確証はないけど、そんな気がする。

 

「なーんか嫌な予感もするんだけど、いってみるしかないわね」

 

 悠長に考えている時間もない。風に煽られながらふわりふわりと浮いたり沈んだりを繰り返す。魔理沙が私の動きに釣られてか、レーザーを私の下方に向けて撃ち放った。

 やはり、下の安全地帯は潰された。次いで頭上を断続的にマジックミサイルが通り過ぎていく。この中を突き抜けるのは空を飛び始めた私じゃ不安が残る。残るは、放射状に広がり迫る三つの隙間に潜り込む道。

 

「いち、にの、さんっと。……で、避けたと思って安心していると、やっぱりね!」

 

 スカートにちりちりと掠らせながらマジックミサイル三発をくぐり抜けると、逃げ道にまっすぐ飛ばされた光弾が五つ。やっぱり、嫌な予感的中である。

 

「さあて、上手くいって頂戴よ!」

 

 左の袖からお札を三枚、抜き取って構えながらくるりと前方宙返りして、飛んできた二発をやり過ごす。しかし、これ以上は、避けられるスペースがない。

 問題はここからだ。飛んでくる三つの光弾に向けて、右手のお札三枚を投擲。私は飛んでくる光弾の軌道上においたつもりだったのだけど、投げた三枚のお札は空中の何もないところに張り付いた。垂直に立ったお札が光り輝く。

 

「おいおい、マジかよっ! 空飛ぶだけじゃなくて、昨日の今日で結界も使えるのか!?」

「えっ? そんなの知らないわよ!?」

「は!? こ、この適当巫女っ! よくわかってないものをわからないまま土壇場で普通に使ってみせんなぁっ!」

 

 魔理沙が喚いているけど、違うの。予定では一か八か、光弾と接触する時に「滅ッ!」とか言ってお札を爆発させて(するのかもわからなかったけど)ミサイルを吹き飛ばすつもりだったのだ。なにこの不可思議な現象。自分でやっておいて一番にびっくりしてるのは私だわ。

 空中にぺたりと張り付いたお札は、文字だけが青白く光ると紙から浮かび上がり、三倍ぐらいに大きくなって広がった。魔理沙が言ったのを信じるなら、結界ということらしい。防御してくれるのだろう。やたっ! 棚ボタラッキーだわ!

 

「あ……やば」

 

 なんて喜んだのも束の間。魔理沙の放った光弾が結界に到達する直前に、あることに気づいてしまった。

 私の目の前を守ってくれている三つの文字の壁。だがまぁ、なんというか、左で結界になってるシャープで綺麗で納まりのいい文字と比べると、真ん中と右の結界の文字のなんとお粗末なこと。まるで絡まって解けなくなった糸くずみたいである。あの小学生のほうがよっぽど上手く書けそうな情けないのは、どこの誰が書いたお札だってのよ!?

 

「書き損じたからって二度書きなんてするんじゃなかった!」

 

 文字に見覚えあるから知ってる。あの二枚を書いたのは何を隠そう私である。なんか言うまでもないことだけど、あの私が書いた方の二枚の結界は、駄目っぽい!

 予想外の出来事の連続で混乱する私に構わず、光弾は変わらず迫り来る。左の結界にぶつかるも、文字は揺るぎもせずに光弾を弾き飛ばした。綻び一つも見せやしない。お見事である。

 さて、残るお粗末な二つにも光弾が激突。瞬きする間も保たずに、ぱきんとガラスが割れたような音を残して宙に溶けた。光弾は「今結界なんてあったの?」といわんばかりに至って元気いっぱい、真ん中を抜けてきて私に直撃した。右側のは結界もどきに当たって軌道が逸れたお陰で、右の袖に掠めただけで済んだようである。

 

「うべゃっ! い、痛ったーい!」

「色気のない悲鳴ねぇ。まるでカエルが潰れたみたい」

「紫、うっさい!」

 

 咄嗟に身体を捻ったお陰で、何とか当たるところを左肩にずらせた。全身を揺らす結構な衝撃と、バチと電気が走ったような音。肩を見れば、すりむいたときのように真っ赤に腫れている。あのまま胸に当たるよりはマシだろうけど、痛いのは変わらないのだ。そりゃカエルの一匹や二匹潰れるっての。

 それにしても、くっそう。あのお札の何が悪かったんだろう。二度書きもだろうけど、何の字かわからなかったからぐしゃぐしゃって誤魔化して書いたのが良くなかったのだろうか。

 

「……まさか、最後の詰めにまで辿りつくとは思ってなかったからびっくりしたぜ。もっとすんなりいくと思ってたからな。あわよくばここで二機とも減らしてやるつもりだったけど、危うく被弾なしでスペルカードにいかれるところだった」

「だから、手加減しなさいっての」

 

 何故だかほっとした様子の魔理沙が、仕切り直して私を見据えてくる。対して、私は内心で焦っていた。

 神社に残っていたあのお札は有効ってのがわかった。だけれど、大量に複製した方は物の役にも立たない。先ほど無作為に取り出した三枚からわかるように、左腕の袖の中で純正品と粗悪品が混ざってしまっているのだ。袖の中には十二枚のお札が入っていて、うち当たりは三枚。残りは全部外れである。確率的には四枚取り出せば一枚は純正品が混ざってくれる計算だ。

 なんで一緒にして混ぜちゃったんだろう、弾幕ごっこを始める前の私は。(私的には)同じように書いたんだから同じ効果があるだろうというのが甘い考えだったのか。後悔先に立たずである。

 

「その余裕面を見て理解したぜ。相手にとって不足なしってことをな。当初の予定(イージー)を変更して、いっこ上(ノーマル)でおもてなしさせてもらおうか!」

「やっぱりあんた、他人の話を聞かない奴ね」

 

 今のへなちょこな結界を見てなかったのだろうか、なんでまた私のことを強敵みたいな感じで見てくるんだ。左肩は痛いし、なんか寒くなってきた気がするしで、無性に紫の隣であたたかいお茶飲みたい。

 現実逃避を始める私に、魔理沙がカードを取り出し、私に掲げた。今のやつよりすごいのが飛んでくるのがわかっているので、実際のところもう私は泣きそうである。

 

「さぁいくぜ、魔符『スターダストレヴァリエ』!」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。