ご注文はうさぎですか?~私はあなたあなたは私~ 作:れんにゅう
遅くなりましたがけっこう長くなってしまいました。
大学の先輩に"小説家になろう"に何か書いて投稿してみてよ。と言われただでさえ遅い更新なのにもっと遅くなっしまうと心で叫んでました。
「このあたりだっけ?」
「聞いた限りではこのあたりのはずです。名前は何でしたっけ」
「確か...甘兎庵だったかな?」
『甘兎じゃと...?』
今私たちは千夜ちゃんのお家がやっているお店に行こうとしている。なんかパン作りのお礼にと千夜ちゃんから招待されたんだよね。
「あれ?チノちゃん知ってるの?」
「昔、おじいちゃんと張り合っていたと聞いています」
「ふ~ん、なんだかいろいろ偶然が重なってるね...ん?」
辺りを見ていると看板がやけに渋いお店を発見した。それにしても大きい看板だね。
「え~と...ああ..右から読むんだ。甘兎庵...うんここだね」
「すごい看板だな...この辺りでは目立ちそうだな」
「そのおかげで早く見つけられました。はやく入りましょう」
私たちは渋い看板のお店に入った。名前からして和風のお店となんとなく理解している。
その考えは当たっていた。中に入ると着物を着た千夜ちゃんが接客をしていた。お店も落ちついた感じでゆっくりするにはもってこいの場所だ。
「あら、みんないらっしゃい♪」
「「「こんにちは」」」
「あ、その和服やっぱりお店の制服だったんだ。あの時は違うことで頭がいっぱいであまり見れてなかったよ」
「あの時は仕事でお得意様に羊羹を届けていたの」
ふむ、やっぱり茶色の紙に着物はよく合うね。それにエプロンもまたアクセントになって良い。
「こ、ココアちゃん..?そんなにジロジロ見られると恥ずかしいのだけど...」
「あ、ごめんごめん!あまりにも似合ってたから。私も着物着てみたいな」
「じゃあ、今度着てみる?着物はいっぱいあるから大丈夫よ!」
おお、それなら着られるかも。こっちにきて着物は着てなかったからちょっと楽しみ。
「じゃあ、今度着させて...あれ?うさぎ?」
「ああ、この子はお店の看板うさぎのあんこよ」
「置物かと思ったぞ」
「あんこはよっぽどのことがない限り動かないのよ」
それはそれは...怠け者なのかな?それにしても名前も和風か...
あんこを見ているとちらりと目が合った。なんか嫌な予感...
「へぶしっ!?」
「ココア!?」
そう思っていたらあんこがいきなり私の顔面にアタックしてきた。私は尻餅をつきあんこは私のおなかに座っていた。
「お、おい大丈夫かココア?」
「あはは、大丈夫大丈夫」
この子やるな...まぁ今は放って置こう。
あんこを元にいたところに戻すと今度はチノちゃん...いやティッピーを見た。
これはチノちゃんが危ない...
「あ、チノちゃんちょっとティッピー貸してくれるかな?」
「え?かまいませんけど...」
「ありがと、よいっしょ...ひでぶっ!?」
ティッピーを抱いた瞬間またもあんこは私にアタックしてきた。衝撃でまた尻餅をつきティッピーを放してしまった。
「ココアさん大丈夫ですか?」
『アァァァァァァァァァァァー!』
「2回目...まぁ大丈夫だよ」
立ち上がって下を見ると。ティッピーがあんこに追われ一生懸命逃げていた。
『アァァァァァァァァァァァー!』
気のせいだろうかなにか悲鳴が聞こえる...
『アァァァァァァァァァァァー!』
「縄張り意識が働いたのか?」
『アァァァァァァァァァァァー!』
「いえ、あれは一目惚れしちゃったのね...」
『アァァァァァァァァァァァー!』
「一目惚れ...」
『アァァァァァァァァァァァー!』
...気のせい気のせい。それにしても一目惚れか...なんだかすごいことになってきた。
「恥ずかしがり屋くんだと思っていたのに、あれは本気ね」
『アァァァァァァァァァァァー!』
「ティッピーはメスですから...まぁこうなりますね
あ、ティッピーでメスだったんだ。なんでかオスだと勘違いしていた。
『アァァァァァァァァァァァー!』
「(中身は違いますが...)」
『アァァァァァァァァァァァー!』
そのまま外に走っていったティッピー...それを追いかけるあんこ。良い運動になると思うよティッピー...
それはともかく、私たちはお茶をしに来たので一先ず席に着いた。
「そうそう、私も抹茶でラテート作ってみたのだけど...どうかしら?」
「へ~どんなのかな」
「ココアちゃん見たいに可愛いのは書けないのだけど...」
机に置かれたお茶碗を見るとそこには...
「北斎様に憧れていて...」
「浮世絵...?」
そうそこには浮き終え出かかれたラテアートがあった。これは違う意味ですごい。
「芭蕉様にも憧れていて...」
そこには『ココアちゃんどうして今日はおさげやきん?千夜』と書かれていた。
「ふ、風流だね」
「あ、これお品書きよ」
千夜ちゃんからメニューを貰い、私たちは頼むものを決めようと開いた。
「煌めく三宝珠...雪原の赤宝石...海に映る月と星々...なんだこの漫画みたいなメニューは...」
「流石にこれはわからな...あれ?」
私たちは理解不能な名前で何のデザートかわからかったが、ふとメニューを見ていると何故かどの名前のデザートもどんなものか理解できた。
「これは...抹茶パフェで...これがクリーム餡蜜で白玉がこれ...」
「わかるのか!?」
自分でも驚いた。さっきまでぜんぜん理解ができなかったのにいきなりわかったのだから。なんだこの感じ...なんなんだろう...
「と、取りあえず私はこの黄金の鯱スペシャルで...」
「よくわからないけど私は海に映る月と星々で」
「花の都三つ子の宝石...」
「はーい♪ちょっと待っててね」
注文を取り終わると千夜ちゃんは奥へと歩いて行った。
「それにしてもさっきのメニューよくわかったな」
「いや、自分でも驚いていますよ。なんでわかったのか今でもわかりませんし」
「不思議なものですね」
本当にね...世の中わからないものだね。
その後、出てきたデザートを食べながらゆっくり話した。途中、あんこに少し食べられたりラビットハウスと甘兎俺とのコラボをしようなどの話があった。
「「「ごちそうさまでした」」」
時間は夕方。そろそろ帰ろうかな...ん?チノちゃんがあんこのほうを見ている。
「チノちゃんあんこには触らないの?」
「チノは昔からティッピー以外の動物には懐かれたことがないんだ」
「それはまた...でも一回触ってみたら?」
「は、はい...!」
意を決したのかチノちゃんはあんこの方へと歩いていく。頑張れチノちゃん。
「....」
おそるおそる指先であんこの耳を触ろうとしている。....超可愛い
「...ッ!」
耳の次は抱っこのようだね。軽くなでた後ゆっくり胸へと持ち上げた。
「んぅ...!」
...可愛い動物に可愛い女の子。絵になるね...うん。
抱っこに堪能したのか次は頭の上へにあんこを置いた。
やっぱりそこに置かないと落ち着かないのかな。
「頭に置かないと気がすまないのか!?」
「まぁ、ティッピーを乗せていますから」
こうして、わたしたちの心は癒されチノちゃんも満足そうにしていた。
「じゃあ、そろそろおいとまするか」
「みなさんまた来てくださいね」
「うん。そういえば私の下宿先が千夜ちゃんのところだったら着物を着てお店を手伝っていたのかもね」
そう話をした瞬間、千夜ちゃんの目が輝いたような気がした。
「ふふ、今からでも来てくれて良いのよ?いえ、来て♪」
「え?そ、それは...」
「従業員は常時募集中だもの!それにココアちゃんが来てくれたら楽しくなるわ♪」
「え~と...」
どうしよう...困ったことになっちゃった。今のところチノちゃんの所から出る気はないし...
「「だめだ(です)!!」」
困っているとチノちゃんとリゼさんが話に入ってきた。
「ココアさんは家に来ています。ですから千夜ちゃんの所には行けません」
「同じ喫茶店でもそれだけは譲れないな」
「いいじゃない~こっちは私一人なのよ?しくしく」
は、話がすごいことに...どうしよう。とにかく止めなきゃ。
「それとこれとは別です。それにココアさんは言ってくれました。私を家族として思ってくれると...」
「「なんて羨ま...こほん」」
え?ちょっと待ってチノちゃん。それをここで言っちゃう?私すごい恥ずかしいんだけど...
「ですからココアさんはラビットハウスで暮らすんです」
「くっ...まさかそんな良いことを言われているんなんて」
「まぁまぁ...それはともかく。ごめんね千夜ちゃん、今のところチノちゃんの所から出る気はないんだ」
「うぅ...わかったわ」
「その代わりお店の手伝いぐらいはしたいなと思っているんだけど...」
「もちろんだわ!!」
千夜ちゃんが勢いよく私の両手を握ってきた。正直ここまで喜んでくれるとは思っていなかった。最近の女子高生がわからない。もう歳かな...
「それじゃあ、また明日千夜ちゃん」
「ええ、また明日ココアちゃん♪」
甘兎俺を出た私たちはラビットハウスへと帰った。
途中、ティッピーとあんこが入れ替わっていることに気づきもう一回甘兎庵に戻る羽目になった。
「それじゃあ、おやすみチノちゃん」
「はい、おやすみなさいココアさん...それとココアさん」
「うん?どうしたのチノちゃん?」
ドアを開けて部屋に入ろうとした時、チノちゃんに止められた。
「その...甘兎庵での...ことで...」
「甘兎庵のこと...あ、下宿のことかな?」
「はい...千夜さんの話を断って私の所にいてくれると言ってくれたことで...本当によかったのですか?」
「よかったって?」
チノちゃんの声が少し震えていた。たぶん私が千夜ちゃんの所に行かなかったのは自分のせいと思っているのかな。
「それは...私のせいで...「チノちゃん」...は、はい」
私はドアから手を離しチノちゃんの方へと歩き出した。まったくこの子ったら...
「あれは私がチノちゃんと一緒に居たかったから言ったのであってチノちゃんのせいじゃないよ」
「でも...同じ歳で同じ学校の...」
「歳も学校もそんなの関係ないよ。私はチノちゃんだからいいんだ。チノちゃんと一緒にお店を手伝ったりご飯を食べたりお風呂入ったりすることが好きだからね」
「ココアさん...」
「恥ずかしいけどこれが私の気持ちだから」
頬を掻きながら言ってみたもののすごく恥ずかしい。こんなこと今までに言ったことがないから...なれないことはするものじゃないね。
「ありがとうございます...それだけのことを聞ければうれしいです」
「そ、そう?」
「はい、その...寝る前に1つお願いしても良いですか...?」
「お願い?私にできることなんなりと」
お願いか...なんだろう...少し顔が赤くなっているチノちゃんを見てそう考える。
「その...頭をなでてもらえませんか...?」
「頭を?それだけでいいの?」
「はい、昔よく母にしてもらっていたので...」
そうかずっとお父さんと暮らしていたからそういうことしてもらいたかったのか。もう可愛いところあるね。
「それなら喜んで」
私は優しくチノちゃんの頭をなでた。チノちゃんの顔は天使と思うほどの可愛い笑顔だった。
「これで大丈夫?」
「はい、ありがとうございました。これで気持ちよく寝れそうです」
「ならよかったよ。それじゃあおやすみチノちゃん」
「はいココアさんおやすみなさい」
こうして、私たちは部屋に入った。今日の疲れが出たのか目元が重くすぐに寝れそうだった。
それから時間がたったのかわからないがふと目を開けると私は真っ黒い明らかに自分の部屋ではないところに立っていた。
「ここは...あの時に似ている...でも体はちゃんとある...夢かな?」
そうか、夢を見るくらい疲れていたのか...納得していると
「ん~夢だけど夢じゃないんだよ?」
「ん...?」
後ろのほうから声がした。こんなところに人がいるなんて...私は恐る恐る後ろを振り返った。いや振り返ってしまった。
「えへへ、なんて説明したら良いのかな?私にもわからないよ~...」
「え...そんな...あなたは...わた...し!?」
私の目の前には私と同じ姿の人物がいた。いや、私はすぐにわかったわかってしまった...この子は"ココア"だ。私が死ななければ保登心愛として暮らすはずだった子だ。
私は口を開いて今までのことやこうなってしまった謝罪、今の感情を話そうと話さなければならないと思った。
しかし、急に頭が重くぐらつきはじめた。
やばい...意識が薄く...
体に力が入らなくなり"ココア"に体を支えてもらった。
「私はいつもここから見てるよ。私の気にしないで、あなたのことは私がよく知っているから」
そしてそこから私の意識がなくなった。
なんかココアの性格が違うような...言葉遣いが違うような...と思った方!!すいませんわたしも途中にわからなくなってしまいました。こんなのココアじゃないと思うかもしれませんが目を瞑ってください。orz
急いで書いたので誤字や脱字が多いかと思います。報告してくださると助かります。
感想を書いてくださった方、本当にありがとうございます!!