リズのアトリエ 麻帆良の錬金術師   作:マックスコーヒー

1 / 26
プロローグ

side:ネギ/学園長室

 

 

「え! 転校生ですか?!」

 

 麻帆良学園にも慣れ、2-Aの皆さんとも親しくなって、先生らしくなったんじゃないかと思えるようになった。

 

 そんなある日、学園長先生に呼び出された。

 

 なぜかその場には瀬流彦先生もいた。

 

 

「うむ、分校から転校してくる生徒なのじゃ」

 

 そう学園長先生は言うと、手元の資料を眺めながら、

 

「ウチは広いからのぉ、迷ってしまうかもしれん」

 

「なるほど、僕も始めて来た時は迷いそうになりました」

 

 

「それで、中等部までの道案内をお願いしようと思っての」

 

「なるほど。では、どんな方なんですか?」

 

「リーゼロッテ・音無といっての、目印に真っ赤なコートを着ておるらしい」

 

 

 学園長先生が手元の資料を僕に差し出した。

 

 資料にはウエーブがかかった桃色の髪の毛が印象的で、ふんわりとした表情をした青い瞳の女の子の写真が張ってあった。

 

 

「それでは、ネギ君。よろしくたのんだぞい」

 

「わかりました! 任せてください!」

 

 そう言って、僕は学園長室から退出した。

 

 

 

 

side:瀬流彦/学園長室

 

 

 学園長先生とネギ君の会話を横で聞いていたが、少し気になって事があったので、聞いてみることにした。

 

「なんでまた2-Aに? あのクラスは色々と個性のある生徒が多いのに、ネギ君大変になっちゃいますよ?」

 

「ちょっとばかし訳アリでのぉ」

 

「訳アリと、いうと?」

 

 ふむ、と、学園長先生はあごをなでて『もう一枚の資料』を眺めた。

 

 

「錬金術師」

 

「は? れん――」

 

「卑金属を貴金属に変え、死すら退ける『賢者の石』を精製する為に研究する者たちの総称じゃな」

 

「はぁ」

 

 とてもじゃないが信じられない。漫画やアニメでしか聞いたことの無いような話だ。

 

 

「それともう一つ」

 

 学園長先生はそう言うと『もう一枚の資料』を僕に見せた。

 

 その書類には“リーゼロッテ・音無 ※三億円の借金アリ”と書かれていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。