今回ヒロイン登場です。では、どうぞ!
ジュニアと野球を始めてから、二ヶ月が過ぎた。時期的には夏に近づいてきて、少し暑い。まぁ野球をしたといっても、キャッチボールや軽いバッティングぐらいだが。
今日までボールを投げてきて気付いたことがある。それはなんか俺の肩が強いということと、左手でボールを投げると、右手で投げた時とは違って変な回転がかかることだ。左手で投げた時に変な回転が掛かるのは、元々左利きじゃなかった事が関係しているのだろうか。しかし、前世では運動なんて全然やらなかったんだけど、プロ野球選手の息子だからか、前世の時よりも運動能力が高くなってるような気がしする。
朝のホームルームが始まる前に俺が一人考えていると、ジュニアが話し掛けてきた。
「なんか今日は、上の階が随分とにぎやかだよね」
「そういえば、そうだな。……何かあるのか」
俺は一人考えていたり、興味もなかったので特に気にしなかったが、今日のクラスの皆はにぎやかだ。特に男子。
「さっき小耳に挟んだんだけど、三年生に転入生が来るとらしいよ。それもかわいい女の子だって」
「ふーん」
「あれ、亮太だったら年上だし、もっと喜ぶかと思ったけど……」
「小学生じゃ興味ないよ。まぁ、十年経ってから出直してくるんだな」
「はぁ……」
まぁ、俺にとっては三年生でも十分子供だしな。
俺の一言を聞いたジュニアは溜め息を吐いた……何故だ?
ジュニアと会話していると、先生が教室に入ってくる。それに気付いたジュニアは自分の席へ戻って行った。
午前中の授業が終わり、給食を食べ終わると昼休みになる。そして俺のもとに、ジュニアがやって来た。
「転入生見た?」
「見てないな。トイレでも行くときに、運よく会えると思ったんだけどな」
「僕も会ってないな」
「というかなんで転入生一人で、皆はそんなに騒ぐんだろうな?」
「やっぱ珍しいからじゃない?」
「ふーん」
俺はジュニアの話を聞きながら、いつも通りにキャッチボールをするため、グローブを取り出す。
「それじゃあ、行こうか」
「おうよ」
俺とジュニアはグローブを持って、勢いよく校庭に向かい走って行った。
校庭へ行き、暫くキャッチボールをしていると、とある女子が俺たちのことを見ているのに気付いた。
「なんか、見てるね」
「もしかして、俺のことが好きなんじゃね?」
「……」
「バカ、そんな冷たい目で俺を見るな」
ジュニアのいつもの冷たい眼差しが、俺に突き刺さる。俺は別にMではないので、喜ばない。
そして、俺たちのキャッチボールが一旦中断したのを見て、その女子が俺たちのところへ歩いて来た。
「あっ、あの……私も混ぜてくれないかな」
女の子は恐る恐るといった感じで、話しかけてくる。心の中では断られるだろうなんて、思っているんだろうが……あまい!俺はその考えをぶち殺す。
「いいよ」
「……えっ」
「なぁ、ジュニア。別にいいよな」
「もちろん!」
少し離れたところから、ジュニアは大きな声で答えた。
「生憎俺らは、男女とかで差別はしないのさ」
俺が一言告げると、女の子は何故か泣き始めた。
「えっ、ちょ……大丈夫か?」
「大丈夫……ありがとう。ほら、女の子で野球やってる子いないし、男の子には女の子だからって混ぜて貰えなくて……」
女の子は自分の涙を右手で拭く。俺はその動作を見て、左手のグローブに気付いた。
「というかグローブして、やるき満々じゃないか。そんなとこで泣いてないで、速くキャッチボールしようぜ」
俺は女の子の手を取ると、少し離れたジュニアのところへ向かった。
「へぇー、川瀬はピッチャーになりたいんだ」
彼女は噂の転校生で、川瀬涼子っていうらしい。しかし、確かに背は高く見えるが、とても俺には年上には見えなかった。俺の精神年齢が高いからなのか。
川瀬の球を受けてみたが、それなりに速く、しっかりグローブのところまで届いた。
「私、ギブソンに憧れていて……」
「っ……」
「げっ……」
ジュニアはギブソンの名前が出てきたとたん、顔を曇らせる。しかし、道理で少しフォームかが似てると思ったら……憧れねぇー。
「あれ、どうしたの二人とも……」
「わりぃ、そういえば自己紹介してなかったな。俺の名前は茂野亮太。で、こっちがジョーギブソンジュニアね」
「ジョーギブソン……って、まさか……」
「そう、ジョーギブソンの息子さ」
「……」
「嘘……」
アカン、川瀬が驚いて固まっている。……なんとかせねば。
「いや、一応俺の親父も野球選手でな」
「ブルーオーシャンズの」
あっ、知ってるんだ。まぁ、最近親父よく試合に出てるからな……。
「なんかほら、野球選手の息子だからとかそんな感じで接しられると、ちょっと嫌なんだよね。しかも、ジュニアは少し訳ありなんだ。だから、普通に接してくれると嬉しい」
「分かった。それと…なんかごめんね」
「別に、誰が親父をどう思おうと勝手だし……」
「まぁまぁ、とりあえずよろしく」
こうしてなんか嫌な空気だが、俺たち二人に野球少女が仲間に入りした。
指摘があったところで、本田選手はバッターの時の活躍時でした。さらに、茂野も同時にピッチャーてして活躍してるということで。いろいろ変えて申し訳ない。