あの約束を   作:厨二王子

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今回ヒロイン登場です。では、どうぞ!


6話 野球少女

 ジュニアと野球を始めてから、二ヶ月が過ぎた。時期的には夏に近づいてきて、少し暑い。まぁ野球をしたといっても、キャッチボールや軽いバッティングぐらいだが。

 今日までボールを投げてきて気付いたことがある。それはなんか俺の肩が強いということと、左手でボールを投げると、右手で投げた時とは違って変な回転がかかることだ。左手で投げた時に変な回転が掛かるのは、元々左利きじゃなかった事が関係しているのだろうか。しかし、前世では運動なんて全然やらなかったんだけど、プロ野球選手の息子だからか、前世の時よりも運動能力が高くなってるような気がしする。

 朝のホームルームが始まる前に俺が一人考えていると、ジュニアが話し掛けてきた。

 

 

「なんか今日は、上の階が随分とにぎやかだよね」

 

「そういえば、そうだな。……何かあるのか」

 

 俺は一人考えていたり、興味もなかったので特に気にしなかったが、今日のクラスの皆はにぎやかだ。特に男子。

 

「さっき小耳に挟んだんだけど、三年生に転入生が来るとらしいよ。それもかわいい女の子だって」

 

「ふーん」

 

「あれ、亮太だったら年上だし、もっと喜ぶかと思ったけど……」

 

「小学生じゃ興味ないよ。まぁ、十年経ってから出直してくるんだな」

 

「はぁ……」

 

 まぁ、俺にとっては三年生でも十分子供だしな。

 

 俺の一言を聞いたジュニアは溜め息を吐いた……何故だ?

 

 ジュニアと会話していると、先生が教室に入ってくる。それに気付いたジュニアは自分の席へ戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 午前中の授業が終わり、給食を食べ終わると昼休みになる。そして俺のもとに、ジュニアがやって来た。

 

「転入生見た?」

 

「見てないな。トイレでも行くときに、運よく会えると思ったんだけどな」

 

「僕も会ってないな」

 

「というかなんで転入生一人で、皆はそんなに騒ぐんだろうな?」

 

「やっぱ珍しいからじゃない?」

 

「ふーん」

 

 俺はジュニアの話を聞きながら、いつも通りにキャッチボールをするため、グローブを取り出す。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「おうよ」

 

 俺とジュニアはグローブを持って、勢いよく校庭に向かい走って行った。

 

 

 

 

 

 校庭へ行き、暫くキャッチボールをしていると、とある女子が俺たちのことを見ているのに気付いた。

 

「なんか、見てるね」

 

「もしかして、俺のことが好きなんじゃね?」

 

「……」

 

「バカ、そんな冷たい目で俺を見るな」

 

 ジュニアのいつもの冷たい眼差しが、俺に突き刺さる。俺は別にMではないので、喜ばない。

 そして、俺たちのキャッチボールが一旦中断したのを見て、その女子が俺たちのところへ歩いて来た。

 

「あっ、あの……私も混ぜてくれないかな」

 

 女の子は恐る恐るといった感じで、話しかけてくる。心の中では断られるだろうなんて、思っているんだろうが……あまい!俺はその考えをぶち殺す。

 

「いいよ」

 

「……えっ」

 

「なぁ、ジュニア。別にいいよな」

 

「もちろん!」

 

 少し離れたところから、ジュニアは大きな声で答えた。

 

「生憎俺らは、男女とかで差別はしないのさ」

 

 俺が一言告げると、女の子は何故か泣き始めた。

 

「えっ、ちょ……大丈夫か?」

 

「大丈夫……ありがとう。ほら、女の子で野球やってる子いないし、男の子には女の子だからって混ぜて貰えなくて……」

 

 女の子は自分の涙を右手で拭く。俺はその動作を見て、左手のグローブに気付いた。

 

「というかグローブして、やるき満々じゃないか。そんなとこで泣いてないで、速くキャッチボールしようぜ」

 

 俺は女の子の手を取ると、少し離れたジュニアのところへ向かった。

 

 

 

 

 

「へぇー、川瀬はピッチャーになりたいんだ」

 

 彼女は噂の転校生で、川瀬涼子っていうらしい。しかし、確かに背は高く見えるが、とても俺には年上には見えなかった。俺の精神年齢が高いからなのか。

 川瀬の球を受けてみたが、それなりに速く、しっかりグローブのところまで届いた。

 

「私、ギブソンに憧れていて……」

 

「っ……」

 

「げっ……」

 

 ジュニアはギブソンの名前が出てきたとたん、顔を曇らせる。しかし、道理で少しフォームかが似てると思ったら……憧れねぇー。

 

「あれ、どうしたの二人とも……」

 

「わりぃ、そういえば自己紹介してなかったな。俺の名前は茂野亮太。で、こっちがジョーギブソンジュニアね」

 

「ジョーギブソン……って、まさか……」

 

「そう、ジョーギブソンの息子さ」

 

「……」

 

「嘘……」

 

 アカン、川瀬が驚いて固まっている。……なんとかせねば。

 

「いや、一応俺の親父も野球選手でな」

 

「ブルーオーシャンズの」

 

 あっ、知ってるんだ。まぁ、最近親父よく試合に出てるからな……。

 

「なんかほら、野球選手の息子だからとかそんな感じで接しられると、ちょっと嫌なんだよね。しかも、ジュニアは少し訳ありなんだ。だから、普通に接してくれると嬉しい」

 

「分かった。それと…なんかごめんね」

 

「別に、誰が親父をどう思おうと勝手だし……」

 

「まぁまぁ、とりあえずよろしく」

 

 こうしてなんか嫌な空気だが、俺たち二人に野球少女が仲間に入りした。




指摘があったところで、本田選手はバッターの時の活躍時でした。さらに、茂野も同時にピッチャーてして活躍してるということで。いろいろ変えて申し訳ない。

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