24の様に裏での進み具合も、書いていかねばならんとです。
本隊に合流したコジマ中佐を待ち受けていたのは、労いの言葉ではなく、査問会であった。
ガンタンク十二機を中心にした部隊が、全滅とも言っていい被害を受けたのはおかしい?
敵に通じていたのではないかという疑いが、建てられて居たからであった。
ワッケイン中佐の隊が待ち伏せを喰らったのも、それが原因ではと言われ、バスクが遅れた事、ジャミトフの指示した空爆が、的外れなとこを狙い、味方に被害が出た事などには触れず、コジマのみが吊るし上げられる形になっていた。
「では君は敵に内応した事も無いし、自隊が被害にあった事にも責任は無かったと言うのだな」
「はいそうです。
確かに兵を失った事には私にも責任があります。
しかし、こちらの想定外の武器を敵が使われた為に、予定の戦いが、出来ずにいたのは間違いありません」
「君の言う兵器と言うのは、これだな、戦闘記録を見たが確かに機動力という面では、砂漠において有効だとは思う、ガンタンクもこの手の相手は苦手であろう、しかし、君が慌てず隊列を整えて対処していたら、このような事にはならなかったのではないか」
「ゴップ大将、確かに整えてられたら、被害は小さかったかも知れません。しかしここら辺には流砂という呑み込まれると、人間は疎か、ガンタンクでさえ呑み込まれるものがあります。
それを避けながら展開した為、余計な時間が、かかってしまいました、そこで配置が間に合わなかった小隊に、私は各自迎撃の命令を出しました、あの時の私に出来たのはその位でした。」
「そうか、では君はできる事をし、大きなミスをしたという事は無いのだな」
「はいっ、自分の出来ることを全うし、キチンとした行動を致しました。
ところでこのような訴えは誰がしたのですか」
「ジャミトフ准将が部下の報告を受け、その様に話をしてきたのだが」
「そうですか、ではこちらの映像を見ていただけますか」
「何だねそれは」
「ジオン軍のHIVに取り付けられた、高感度カメラの映像です。
これが私達の陣、こちらがワッケイン隊、これがバスク隊、そしてこれが敵です。
この後、ジャミトフ准将の航空部隊が、爆撃して行くのが見えますが、明らかに敵よりこちらの方へ、爆撃しているのがわかります。
最初は敵が凄く近くまで、来ていたのかと思いましたが、そうでは無かった様です。
そしてバスク少佐は私どもに、敵に行く手を阻まれ遅れたと言ってきましたが、その様な事は無く爆撃前に、目的地に到着していたのがわかります。
以上を纏めますと敵へ内応していたのは、バスク少佐及びジャミトフ准将では無いかと、想像出来るのは私だけでしょうか」
「この様な映像を見てしまうと疑いたくは無いが彼らを問いたださないとダメだな、これは私が預かっても良いかな」
「どうぞ、私はこれから部下の所を、回らねばなりませんので、お任せ致します」
「中佐、君に疑いをかけ申し訳無い、この件は有耶無耶にしていい問題では無いので、しっかり追求したいと思う。
まずは一休みし、部下たちを労ってやってくれ」
「そのお言葉ありがとうございます。
ではお言葉に甘えたいと思います」
「あぁ中佐あと一つ、ジオンの兵はやはりかなり強いのか」
「正直あそこまでとは思いませんでした。
人数こそ少ないですが、彼らの戦闘能力は、あなどれません、今回、彼らが居なければ、私どもはここに居れませんでした」
「そうかそれ程の戦闘能力を持っているか・・・・分かった中佐ありがとう、ゆっくりとは行かないが、少し休んでくれ」
「では失礼致します」
コジマ中佐が部屋を出た後、色々と厄介な事があるなと考えていた。
「遠く無い未来に、彼らも何とかせねばなっ」
そんな事が、起きてる事を知らない前線では、今も連邦とイスラム軍が、壮絶な戦いを繰り広げていた。
日本軍が今回投入した白虎と言われる、兵器はボバークラフトで動く事が出来るが、いかんせん砂漠での実戦を想定されておらず、機関に砂が詰まり、最初の出撃では猛威を奮うもその後、整備に時間がかかり再出撃が出来ずにいた。
ガンタンクやガンヘッドは対策をキチンとしていた為、特に大きな問題は無かった。
降下部隊はかなりの効果で、次々と戦線を押し上げ、イスラム軍を次々と散り散りにさせて行ったのだが、散り散りになったはずのイスラム軍は直ぐに、合流し直し反撃に出てきたのであった。
次々と倒しても現れる敵に、連邦軍は恐怖を覚えはじめていた。
恐怖というモノは次々と伝染していき、前線で戦う者は戸惑っていった。
イスラム軍の方では、宇宙からの降下は予想外だったが、それ以外は予定通りであり、むしろ善戦している事を前に司令官達は手ごたえを感じていた。
実は中東では数十年かけて、地下に秘密の基地及び道を
作り、それは色々な所に繋がり、連邦に敵がいつ、どこから来るかわからないという緊張感を与え、戦いを有利な形で進めていった。
連邦軍もソナーを使い地中を探ったが、砂漠に多層に掘られている為、効果は無かった。
連邦軍は地上に地雷源、地下にイスラム軍を警戒して進まなければならず、進行速度は非常に遅いものとなっていた。
そんな中、快調に進んでいるのは、初陣で名を上げたジオン軍の精鋭であった。
総勢300人の二個中隊ではあったが、その力は倍とも三倍とも言われる程のものであり、実際その制圧力は、侵略する事火の如しと言われるほどであり、幾つもの砦を落としていった。
それには訳があり、ラ・ンバ・ラルが長年かけて作った、中東のパイプが、ここでしっかり使われ、敵の情報を知った上での行軍であった。
ジオン軍はその規模からは想像出来ない働きをしていたが、これ以上の進撃は難しいと考え、堕とした中で一番守りやすいと判断した、砦に布陣した。
ジオン軍が戻らなかった、各砦は功を焦った連邦と取り返そうとする、イスラム軍との遭遇戦が起き、血で血を洗う戦いがそこらかしこで起きており、少なくない犠牲を両軍に与えていた。
ここまでの戦闘データを纏めたトレーズは、自分の立てた計画と違う事に、苛立ちを覚えたが、次々と入る情報の前に、新しい作戦を立案する事を、迫られていた。
更に連邦内に事件は続いた。
まずは補給路が狙い撃ちに会い、次々と物資が焼かれて行き前線に、物が届かずにいた。
これに対応する為、補給部隊を充実させるにはどうしたら、良いかという話をし続けていた。
そこで出たのが、地上での輸送を諦め、新型輸送機であるミデアを使い、搬入する事になった。
幸い制空権は支配していた、連邦軍はムリをして地上を進む必要もなく、滑走路を必要としないミデア輸送機はこの様な、場所でも問題無く、補給活動をする事が出来るのであった。
ただ、全体に物を届けるには、数が足りない為、通常より多く、そして飛行を続けるというリスクを負っていた。
そしてゴップ大将より追求を受けたジャミトフが、側近を連れてイスラム側に亡命した。
軟禁状態のジャミトフの監視に付いていた者は皆、殺されていた為、詳しい話は分からないが、軍部に居るジャミトフ派がクーデターを起こし、手勢を引き連れて亡命して行ったとの報告が、入ったのは彼らが、行き掛けの駄賃として、補給基地を一つ襲い物資を奪っていた時であった。
バスク少佐も同じように、亡命しておりその際に大量の、補給物資も一緒に、持って行ったとの報告に、頭を傷ませる報告であった。
ジャミトフやバスクという、今回の戦いで中心に居た人物の亡命というのは、非常に重たい物であり、味方の戦意に凄く影響する事が容易に想像できた。
連邦軍内には彼らと繋がっていた者も多々いたので、この先も情報の漏洩や、いきなりの裏切りの可能性を考えると
、今このタイミングでの亡命には色々な意味があるのが見て取れた。
さすがのトレーズもこの様な事態は想定外であり、戦線の押し上げどころか、撤退も視野に入れねばならない状況に立たされていた。
困ったトレーズはゴップ大将に連邦軍のトップに、今後の方針の話し合いの必要性を訴えた。
ゴップはそれを受け、将校を招集し今後を話し合う場を作った。
それは宇宙にも、及びドズルと入るキシリアが参加する事になった。
何か一筋縄では行かないですね。
闘いは難しいとです。