LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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さあついに始まりました冥府の門編!!!

一種の集大成とも言えるこのシリーズ……作者オリジナルも加えて盛り上げて行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!!!!

因みに今回の話は結構悩みましたが、とりあえずこんな形で収まりました。

感想お待ちしております。


冥府の門編【序章】
九鬼門


 

 

 

 

 

 

魔法評議会院『ERA』。そこでは9人の議員による会議が開かれていた。

 

 

「大魔闘演武、妖精の尻尾(フェアリーテイル)が優勝か……」

「やれやれ」

「天狼組が帰ってきたらさっそくコレですよ」

「やはり目立つギルドだのう」

「そもそも大魔闘演武なる大会の是非について論じる必要がありそうですな」

「しかし一国が主催してるとなると、扱いが難しいわい」

 

 

そんな大半の議員たちのやっかみのような言葉を、会議場の外で聞いていた護衛として立っているドランバルト、ラハール、アルフの3人は呆れたように嘆息している。

 

 

「皆……静粛に。本日の議題は冥府の門(タルタロス)に関してだ」

 

 

そう言って議長であるグラン・ドマが杖で床を叩きながら、本来の議題に話を戻す。

 

 

「知っての通り、冥府の門(タルタロス)傘下と思われる闇ギルドがここ数日で7つも消滅している。何者の仕業かは知らんが、我々にとってはありがた迷惑というもの。正規ギルドの仕業だとしたら、報復の可能性もあるからな」

 

 

「あれではないのかね? ホラ……独立ギルドを名乗っている…」

 

 

魔女の罪(クリムソルシエール)か!? ウム…可能性はあるな」

 

 

「どうせまた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の仕業ではないのかね」

 

 

「強い力は誇示したくなるのが心理」

 

 

「そうやって何でもかんでも妖精の尻尾(フェアリーテイル)と関係付けるのはどうかと思いますぞ」

 

 

「オーグ老師はやけに妖精の肩を持ちますな」

 

 

「あなたたちが無意味に妖精の尻尾(フェアリーテイル)を敵視し過ぎなのよ」

 

 

今回の一件を妖精の尻尾(フェアリーテイル)の仕業だと言った議員を、オーグ老師とリンディが戒める。

 

 

「それに……可能性…という話でしたら、親ギルドである冥府の門(タルタロス)が子ギルドを接収しているとも考えられませんかな」

 

 

「何の為に?」

 

 

「さあ。しかし軍備増強、末端人員切り捨てなど、いくらか考える余地がある」

 

 

そう言って自分なりの考えを話すオーグ老師。しかし……

 

 

「「「ぶははははははははっ!!!!」」」

 

 

そんなオーグ老師の話を、リンディとグラン・ドマを除いた議員たちは笑い飛ばした。

 

 

「闇ギルド同士の共食いですと?」

「それこそありえませんな」

冥府の門(タルタロス)はすでに十分な軍備が整っていると推測すべきじゃ」

「オーグ老師もお年ですかな」

 

 

そう言って笑いながら、どこか事態を楽観視しているかのような議員たちの言葉に、オーグ老師は苛立ったような表情を…リンディは呆れ果てたような表情を浮かべていた。

 

 

そんな彼らを戒めるように、グラン・ドマが口を開く。

 

 

「まあ待て、オーグ老師の意見も一理ある」

 

 

「議長!!!」

 

 

「今まで棚上げにしてきた冥府の門(タルタロス)問題に今こそ取り組む時じゃ」

 

 

そう言うと、グラン・ドマは威圧感を込めた瞳で議員を見据えながら、静かに言い放つ。

 

 

「敵の正体は不明。だがここを崩せばバラム同盟は無限の欲望(アンリミテッドデザイア)のみとなり、ほぼ全ての機能を失う。今こそ我々、魔法評議院最大の力をもって戦う時なのだ」

 

 

そんなグラン・ドマの言葉を聞いて、さっきまで笑っていた議員たちは息を呑み…オーグ老師とリンディは安堵したように顔を綻ばせた。

 

 

だがその時……

 

 

「大変です皆さん!!!」

 

 

何やら血相を変えたカエルの議員がやって来た。

 

 

「バカモノ!! 議会中だぞ!!」

 

 

「そ…それどころじゃ……侵入…者……」

 

 

 

 

 

そして次の瞬間──ERAの建物全体が、凄まじい大爆発に襲われた。

 

 

「うわぁ!!」

「ぎゃあ!!!」

「がはっ!!!」

 

 

その爆発によって瞬く間にERAは倒壊し、それに巻き込まれた評議員たちは火の手に呑まれ…瓦礫に潰され…次々とその命を散らしていった。

 

 

その後…完全に倒壊し、見るも無残な姿になってしまったERA。

 

 

「う……うぅ…く……」

 

 

「痛っ…つう……」

 

 

その中で、ボロボロになりながらも運よく生き残ったドランバルトとアルフ。

 

 

「ドランバルト…無事かい……?」

 

 

「な…何とかな……何が起きたんだ……」

 

 

そう言って2人は何とか起き上ると、近くで倒れているラハールへと歩み寄る。

 

 

「ラハール…しっかりしろ……」

 

 

「早く起きな…評議院がえらい事に……」

 

 

そう言ってラハールに声をかける2人だが、ラハールは倒れたまま何の反応もしなかった。まさかとは思ったドランバルトは、すぐさまラハールの体を抱き起す。

 

 

「ラハール!!! オイ!!!!」

 

 

「そん…な……ラハール……!!」

 

 

だが2人は気づいてしまった……すでにラハールの命が──失われているという事に。

 

 

親しかった同僚の死にショックを隠せない2人。だがそんな2人に、更なる絶望が襲う。

 

 

「そんな……」

 

 

「みんな……死んで……」

 

 

グラン・ドマを含めた議員たちが……先ほどの爆発と倒壊により死んでいたのだ。

 

 

「だ…誰か!!! 誰か無事な奴はいないのかい!!?」

 

 

そう言って辺りを見回すアルフ。すると……

 

 

「うっ……アルフさん…ドランバルト君……」

 

 

「!! リンディ!!!」

 

 

「リンディ提督!!!」

 

 

瓦礫にもたれかかるようにして倒れているリンディを見つけ、アルフがすぐさま彼女に駆け寄って助け起こす。

 

 

「大丈夫かい!?」

 

 

「ええ…何とかね……あなたたちも…無事で……」

 

 

安堵したようにそう言うと同時に、ガクリと意識を手放してしまうリンディ。よく見るとそんなリンディの体の至る所からは血が流れており、ほとんど瀕死の状態であった。

 

 

「リンディ提督!!」

 

 

「大丈夫、気を失っただけだよ」

 

 

「そうか……他に無事な者は……ぐっ!!」

 

 

「ドランバルト!!」

 

 

リンディの他に生存者がいないか探そうとするドランバルトだが、彼自身も先ほどの爆発で大きなダメージを受けていた為、その場で倒れ込んでしまう。

 

 

「ドランバルト……アルフ……」

 

 

「「オーグ老師!!!」」

 

 

瓦礫の中で倒れているオーグ老師を発見し、もう1人生存者がいた事に安堵するドランバルトとアルフ。

 

 

「ぐふっ!!」

 

 

「「!!!」」

 

 

だがその瞬間……突然現れた何者かが、倒れているオーグ老師の頭を押さえつける。

 

 

そしてその人物はニタリと笑うと、ゆっくりと口を開いた。

 

 

「アカンアカン、あんたとそこの女は生きてたらアカンわ。狙いは9人の議員全員やからな」

 

 

その人物は獣のような耳と尻尾をはやし、首にスカーフを巻いた男であった。この口振りからして、この男がERAを爆破した犯人である事は明白であった。

 

 

「爆」

 

 

そして男がそう呟くと同時に、オーグ老師を押さえつけている男の右手が輝きだす。それを見て嫌な予感がしたドランバルトは堪らず叫ぶ。

 

 

「よ……よせ…!!!」

 

 

「ドランバルト……アルフとリンディを連れて……逃げろ……」

 

 

「できません!!!!」

 

 

「お前たちまで死んでどうする」

 

 

そう言ってドランバルトたちに逃げるように言うオーグ老師。すると、男の右手がさらに輝きを増し始める。

 

 

「逃げられへんわ、オレの爆発からはな」

 

 

「行け!!! ドランバルト!!!!」

 

 

「…………!!」

 

 

確かにドランバルトの魔法なら、アルフとリンディを連れて一瞬でこの場から離脱する事は可能であった。だがそれはオーグ老師を見捨てるも同然の行為である為、ドランバルトは首を縦に振る事ができなかった。

 

 

「オレの名はジャッカル。冥府の門(タルタロス)、九鬼門の1人──地獄で思い出せや、評議院を皆殺しにした男の名をな」

 

 

そう言って邪悪な笑みを浮かべる男……ジャッカル。そして未だに迷いの表情を浮かべるドランバルトにオーグ老師が強く言い放つ。

 

 

 

「己の正義を貫く為に生きろ!!!! ドランバルト!!!!」

 

 

 

「オーグ老師ィーー!!!!」

 

 

そして次の瞬間……更なる大爆発がERAを襲った。

 

 

 

 

 

この日……たった1人の侵入者によって、評議院が壊滅したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第236話

『九鬼門』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔導士ギルド〝妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

 

そこではギルドのメンバーたちが飲んだり騒いだりケンカしたりなど、いつもと変わらない光景が繰り広げられていた。

 

 

「あのミネルバが闇ギルドに?」

 

 

「はい」

 

 

「ふむぅ、まったく…とんだバカタレ娘よのう。奴の父親は? 確か剣咬の虎(セイバートゥース)の元マスターの」

 

 

「今の所、行方はわかりません」

 

 

カウンター席では、エルザが先日出会ったミネルバの件をマカロフに報告しており、それを聞いたマカロフは呆れたように嘆息していた。

 

 

「そう言えばヴィヴィオ、今の剣咬の虎(セイバートゥース)のマスターってスティングなんだよね?」

 

 

「若くてイケメンのマスターって事で、週ソラでも特集してたよね~」

 

 

「まぁね。でも本人は書類とか始末書とかの仕事が多いって愚痴ってたけど…」

 

 

その後ろでは、ヴィヴィオとその友達であり最近ギルドに加入したばかりの『リオ・ウェズリー』と『コロナ・ティミル』がそんな会話をしており、それを聞いていたマカロフはどこか複雑な表情を浮かべていた。

 

 

「しかし、これは評議会に報告せねばなるまいのう」

 

 

「私もスティングに一声かけておこうと思います」

 

 

とりあえずミネルバの事は評議院と剣咬の虎(セイバートゥース)に報告するという形で終わった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「見て見てグレイ~♪」

 

 

「ジュビアとなのはさんでパンを焼きました」

 

 

「ぐはっ!」

 

 

一方で少し離れた場所では……なのはとジュビアが2人で焼いたパンをグレイに差し出していた。だがそのパンの表面にはデフォルメされたグレイが描かれており、それを見たグレイは思わず呻いてしまった。

 

 

「名付けてグレパンです」

 

 

「いや……うまそうだけど、さすがに自分の顔を食うのはな~」

 

 

「そうですよね、グレパンはジュビアとなのはさんで食べます」

 

 

「だからグレイにはこっちの…なのパンとジュビパンを♪」

 

 

「ハメられた!!!!」

 

 

断られる事も織り込み済みで、すかさず自分たちの顔を描いたパンを差し出すという2人の巧妙な罠に、グレイは堪らずそう叫んでしまった。

 

 

「何だい何だい、グレイの奴、なのはとジュビアはキッパリはねのけるとか言ってたのに」

 

 

「いつも通りねー」

 

 

「食わねえならオレがもらうぞ」

 

 

「あっ! 私も食べるー!!」

 

 

「きゃーーーっ!!!」

 

 

「あ、こらスバル!!」

 

 

すると、横から現れたエルフマンがジュビパンを…スバルがなのパンを食べ始めてしまった。

 

 

「ウム……これぞ漢の味!!!」

 

 

「エルフ兄ちゃんもスバルも、空気読みなよ」

 

 

「ああ…意味のわからない感想と共にジュビアが別の男性に食べられちゃう」

 

 

「とってもおいしいです!! なのはさん!!」

 

 

「にゃはは…そこまでストレートに感想言われると、怒る気もなくなっちゃうな~」

 

 

「せっかく焼いたんだし、1コずつもらうよ」

 

 

そう言うと、グレイはなのはとジュビアが焼いたパンを1コずつ手に取って口に運んだ。

 

 

「グレイ様……」

 

 

「グレイ……」

 

 

「「それ2コともグレパンだよ(です)」」

 

 

「ぼふ!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「あった…これだね」

 

 

また別のテーブルでは、ユーノが古い文献を開いており……その後ろからナツ、ティアナ、ハッピー、ルーシィ、ガジル、リリー、ウェンディ、シャルル、エリオ、リニスが覗き込んでいる姿があった。

 

 

「ENDにエンドレス。詳しくは書かれてないけど……どうやらララバイやデリオラとは比較にならない悪魔らしいね」

 

 

「最強のゼレフ書の悪魔って事かしら」

 

 

「アトラスフレイムから聞いた話から考えると、その可能性が高いわね」

 

 

「怖いですね」

 

 

どうやらその文献はゼレフ書の悪魔に関するものらしく、ENDとエンドレスについて調べていたようである。

 

 

「そもそもゼレフ書の悪魔とは何なのだ?」

 

 

「知るかよ」

 

 

「私も詳しくは……」

 

 

「ゼレフが生み出した悪魔よ。その召喚法を1冊の本にまとめてるって訳」

 

 

「じゃあ、その本があればゼレフ書の悪魔を呼び出せるって事?」

 

 

「そう……悪魔1体につき本1冊」

 

 

「そのENDっていう悪魔を冥府の門(タルタロス)が持ってるかもしれねえんだよな。そんで……そのENDを破壊しようとしていたイグニール。うん……わかってきたぞ」

 

 

「え? 何がですか?」

 

 

冥府の門(タルタロス)に殴り込む」

 

 

「「賛成!!」」

 

 

「わかってないじゃん!!」

 

 

「エリオ君まで!!」

 

 

さらりと物騒な事を言ってのけるナツとガジルとエリオに、ルーシィとウェンディが叫ぶ。そしてそれを聞いていたティアナが呆れたように嘆息しながら口を開く。

 

 

「そもそも冥府の門(タルタロス)はバラム同盟の中でも謎が多いギルドなのよ。評議院でさえギルドの位置をつかんでいないのに、どうやって殴り込むっていうのよ」

 

 

「でもなァ……イグニールの居場所の手がかりだしな」

 

 

「そうですね、グランディーネも」

 

 

「ボルテウスとも」

 

 

「もしかしたらメタリカーナともつながってるかもしれねえ」

 

 

長年探している親でるドラゴンの居場所の手がかりになるかもしれないと話す滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の4人組。

 

 

すると突然……バンッ!!!という音と共にギルドの出入り口となる扉が荒々しく開け放たれた。

 

 

「「「!!?」」」

 

 

ギルドにいたメンバーたちが何事かと目を見張りながら一斉に扉の方へと視線を向ける。するとそこにいたのは……

 

 

「ハァ…ハァ……誰か……!!」

 

 

「アルフ!!? それに……」

 

 

「母さん!!!」

 

 

ボロボロの姿のアルフと、傷だらけで瀕死の状態で気を失っているリンディであった。それを見たノーヴェとクロノが叫びながら、2人に駆け寄る。

 

 

「誰だ?」

 

 

「バカ、フェイトさんの親友のアルフにクロノさんの母親のリンディさん。2人とも評議院に所属してる人よ」

 

 

「評議院!?」

 

 

評議院という言葉を聞いて、顔を歪めるナツ。だがこちらはそれどころではなく、ボロボロの2人にすぐさまマカロフが駆けつける。

 

 

「どうした!? 何があった!!?」

 

 

「大変なんだ…評議院が……評議院が……!!!」

 

 

震える声でそうマカロフにそう告げるアルフ。すると同時に、慌てた様子のジェットとドロイが新聞を片手にギルドに駆けこんで来た。

 

 

「大変だぁーーーーっ!!!!」

 

 

「大ニュースーーーー!!!!」

 

 

そしてその後……2人が持ち込んだ新聞の情報と、アルフの証言によって、彼らは評議院が壊滅した事を知ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃……ERAの跡地。

 

 

軍隊の兵たちが瓦礫の撤去や遺体の回収に勤しむ中……唯一無事であった地下の牢獄。

 

 

そこではアルフとリンディを妖精の尻尾(フェアリーテイル)に送り届けたドランバルトが、ある人物に会う為に1人通路を歩いていた。

 

 

「そろそろ来る頃だと思ってたぜ」

 

 

そしてドランバルトがやって来たのは、六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラが収容されている牢獄であった。

 

 

「〝上〟の様子は聴こえてたんだろ」

 

 

「バカ言うなよ。この牢の中じゃ魔法は使えねえ。ただ爆発音が聴こえただけさ」

 

 

冥府の門(タルタロス)についての情報を吐け」

 

 

ドランバルトがコブラに会いに来た理由。それは彼が持ってるであろう冥府の門(タルタロス)の情報を聞き出す為であった。

 

 

「言っただろう? ただじゃ吐かねえ。六魔全員の解放が条件だ」

 

 

「オレにそんな権限はない」

 

 

「だったら上と相談してこいよ」

 

 

「上は………議員は全滅した」

 

 

ドランバルトが言い放ったその言葉に、コブラも僅かに目を見開く。

 

 

「だいぶハデにやられたなァ」

 

 

その瞬間……瞬間移動(ダイレクトライン)でコブラの背後に移動したドランバルトは、彼の首筋にナイフを突きつける。

 

 

「友も死んだ。オレにはもう余裕がねえんだ。情報を吐かねばお前を殺す」

 

 

「六魔全員の解放は譲れねえ。アレだってオレの仲間だ」

 

 

だがそれに動じる事無く、コブラからの要求は変わらなかった。

 

 

「だがな…特別に1つだけ教えてやる」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所はどこかの古城。そこへやって来た1人の人物。

 

 

「いつ見ても気持ちの悪ィ建物だぜ。こんなのがオレの(ギルド)っていうんだからねえ」

 

 

そう言って古城を眺めながら嘆息するのは、冥府の門(タルタロス)の九鬼門の1人であるシルバー。そう…この古城は冥府の門(タルタロス)の本拠地なのである。

 

 

そしてシルバーがギルドの中へと入っていくと……

 

 

「久しいなシルバー」

 

 

「キョウカの姉ちゃんか。相変わらず色っぽいね」

 

 

同じく九鬼門の1人であるキョウカがやって来た。

 

 

「〝人〟の姿で来るとは」

 

 

「男前だろ。気に入ってんだ」

 

 

「お前の部下2人はどうした?」

 

 

「オレからの別任務に行かせてある」

 

 

「そうか。ジャッカルとテンペスターはいないのか?」

 

 

「2人とも別任務にございます」

 

 

「すでに作戦は始まっているという事か」

 

 

そしてそこへさらに……5人の九鬼門が加わる。

 

 

 

 

 

「よかろう、人間どもに冥界の力を見せてやろうぞ──冥府の門(タルタロス)、九鬼門の地獄を」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「奴等は全員人間じゃねえ。全員がゼレフ書の悪魔。マスターの名はEND──ゼレフ書史上最強の悪魔だ」

 

 

そう言ってコブラがもたらした情報に……ドランバルトはただただ戦慄したのであった。

 

 

 

 

 

つづく




今回さらっとリオ&コロナが出てきていましたが、2人ともヴィヴィオやアインハルトと同じく大人姿です。

リオは普通に大人モードの姿ですが、コロナの大人姿は公式にはないので、読者様の想像にお任せいたします。

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