LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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総長あらわる!

 

 

 

 

 

ハルジオンの街でひと騒動を起こしたナツとティアナとハッピーは、新たな仲間であるルーシィを連れて、妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドがあるマグノリアへと帰ってきた。

 

 

「わぁ…大っきいね」

 

 

ギルドの建物を見て感嘆の声をもらすルーシィ。

 

 

 

「「「ようこそ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ!」」」

 

 

 

そんなルーシィに三人は笑いかけながら歓迎の言葉を口にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二話

『総長あらわる!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー!!!」

 

 

「ただー」

 

 

「ただいま帰りました!」

 

 

ギルド内に入って開口一番にそう口にする三人。

 

 

「ナツ、ティアナ、ハッピー。おかえりなさい」

 

 

そんな三人を笑顔で迎えたのはギルドの看板娘…ミラこと『ミラジェーン』

 

 

「またハデにやらかしたなぁハルジオンの港の件、新聞に載……て」

 

 

「テメェ!!! 火竜(サラマンダー)の情報ウソじゃねぇかっ!!!」

 

 

「うごっ!」

 

 

ナツはいきなり一人の男を蹴り飛ばし、蹴られた男はテーブルなどを巻き込んで吹き飛ばされる。

 

 

「あら……ナツが帰ってくるとさっそく店が壊れそうね」

 

 

「ミラさん、壊れてます」

 

 

「うふふ」と笑いながら暢気に言うミラにティアナが静かにツッコム。すると……

 

 

 

「ティーーーアーーーー!!!」

 

 

 

ドゴッ!

 

 

「きゃあっ!!!」

 

 

突然ティアナ目掛けて藍色の髪をした一人の少女が飛び込んできた。それを受けたティアナはその少女と共に床に転がる。

 

 

「ティア!! おかえりーー!!」

 

 

そう言いながらティアナに頬ずりをする少女。だが……

 

 

「ス~バ~ル~……」

 

 

当のティアナは殺気の篭った目で『スバル』と呼ばれた少女を睨む。

 

 

「アンタは毎度毎度……その馬鹿力で突っ込んでくるなって何度言ったら分かるのよっ!!!」

 

 

「わー! ティアが怒ったー!!」

 

 

「待ちなさいバカスバル!!!」

 

 

キレたティアナはクロスミラージュを構えながらスバルを追いかけた。

 

 

 

『誰かナツを止めろー!』

 

『ぎゃふっ!』

 

『てめ…ナツ……!』

 

『痛てて……ハッピーが飛んできた!』

 

『あい』

 

『うおっ!? ティアナが銃を乱射してるぞ!!』

 

『痛てー!! スバルに足踏まれた!』

 

 

ナツ達を中心にギルドが段々と喧騒に包まれる。

 

 

「すごい…あたし本当に…妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来たんだぁ」

 

 

その喧騒の中ただ一人、ルーシィだけが感激に震えていた。すると……

 

 

「ナツが帰ってきたってぇ!!?テメェ…この間の決着(ケリ)つけんぞコラァ!!!」

 

 

「!!!」

 

 

一人の黒髪の少年『グレイ』が現れた……パンツ一丁で。それを近くで見ていた女性が口を開く。

 

 

「グレイ……アンタなんて格好で出歩いてるのよ」

 

 

「はっ! しまった!!!」

 

 

「これだから品のないここの男どもは……イヤだわ」

 

 

そう言って、大樽一杯の酒を一気飲みする女性『カナ』。ルーシィはそれを見て絶句する。

 

 

「くだらん」

 

 

すると、そんなルーシィの背後から巨漢の男『エルフマン』が現れる。

 

 

「昼間っからピーピーギャーギャーガキじゃあるまいし……漢なら拳で語れ!!!」

 

 

「結局ケンカなのね……」

 

 

そう言ってケンカしているナツとグレイに突っ込むエルフマン。だが…

 

 

「「邪魔だ!!!」」

 

 

「しかも玉砕!!」

 

 

あっさりと二人に殴り飛ばされてしまった。そこへ、また一人の男が現れる。

 

 

「ん? 騒々しいな」

 

 

「あ!!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!!」

 

 

「まざってくるねー♪」

 

 

「がんばって~~♪」

 

 

「(ハイ消えたっ!!!)」

 

 

きゃっきゃと女性とイチャつくロキを見てズッコけるルーシィ。

 

 

「な…なによコレ……まともな人が一人もいないじゃ……」

 

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

 

「え?」

 

 

突然声をかけられたルーシィが顔を上げると、そこにはルーシィと同じ長い金髪にメガネをかけた青年が心配そうにルーシィを見ていた。

 

 

「えっと……」

 

 

「君はもしかして、新入りさん?」

 

 

「は、はい。ルーシィです」

 

 

「初めまして。僕はこのギルドの魔導士で、ユーノと言います」

 

 

「は、はぁ……どうも」

 

 

未だに戸惑っているルーシィにユーノは優しく笑いかけると、近くに居たミラに話しかける。

 

 

「ミラ、この人新入りさんだって」

 

 

「あら本当?」

 

 

ユーノに呼ばれたミラはにこやかに笑いながらルーシィに歩み寄る。

 

 

「ミ…ミラジェーン!!!キャー!!本物~~!!……はっ」

 

 

憧れだったミラに会えたことに感激するルーシィだが、すぐに正気に戻る。

 

 

「ア…アレ止めなくていいんですか!!?」

 

 

そう言ってケンカしている集団を指差すルーシィ。それに苦笑しながらユーノが答える。

 

 

「あぁ…大丈夫だよ。いつものことだから」

 

 

「そうそう。放っておけばいいのよ♪」

 

 

「あららら……」

 

 

「それに……」

 

 

ミラが何か言いかけたその時、ミラの頭に流れ弾ならぬ、流れビンが当たった。

 

 

「楽しいでしょ?」

 

 

それでもミラは何事も無かったかのように言葉を続けた。額から血を流しながら。

 

 

「(怖いですぅーーー!!!)」

 

 

そしてその後も喧騒は続き、収まるどころか段々と激しさを増していった。そしてついに……

 

 

「あーうるさい、おちついて酒も呑めないじゃないの」

 

 

さっきまで大樽いっぱいの酒を呑んでいたカナがキレた。

 

 

「あんたらいい加減に…しなさいよ……」

 

 

輝くカードを構えるカナ。

 

 

「アッタマきた!!!」

 

 

手のひらに拳を乗せて構えるグレイ。

 

 

「ぬおおおぉ!!!!」

 

 

魔法で腕を変形させるエルフマン。

 

 

「困った奴等だ…」

 

 

光る指輪をはめるロキ。

 

 

「本気で行くわよ……」

 

 

クロスミラージュを構えるティアナ。

 

 

「魔法なら負けないよっ!!」

 

 

右手にガントレットを装着して構えるスバル。

 

 

「かかって来いっ!!!!」

 

 

両手に炎を纏うナツ。

 

 

「魔法!!?」

 

 

「これはちょっとマズイわね」

 

 

「うん。確実にギルドが吹き飛ぶね」

 

 

さすがに困り顔をするミラとユーノ。その時……

 

 

 

「そこまでじゃ…やめんかバカタレ!!!!!」

 

 

 

全身が真っ黒な巨人が現れ、一喝する。するとその一喝で、全員の動きがピタリと止まる。

 

 

「あら、いたんですか?マスター」

 

 

「マスター!!?」

 

 

目の前に居る巨人がギルドマスターであることに驚愕するルーシィ。

 

 

「ち」

 

「ふん」

 

「酒」

 

「…はぁ」

 

「ちぇ~」

 

 

マスターの一喝で全員はケンカを止めるが、ナツだけは違った。

 

 

「だーはっはっはっ!!! みんなしてビビりやがって!!! この勝負オレの勝…ぴ」

 

 

調子に乗ったナツはマスターに踏み潰される。

 

 

「バーカ」

 

 

それを見たティアナは小さく言った。

 

 

「む、新入りかね」

 

 

見慣れない顔に気がついたマスターはルーシィを見る。

 

 

「は、はい……」

 

 

ルーシィは完全に怯えていた。

 

 

「ふんぬぅぅぅ…」

 

 

突然力み出すマスター。あまりの恐怖に口をパクパクさせるルーシィ。そして、次の瞬間……

 

 

プンプンプン

 

 

と、奇妙な音を立ててマスターは小さくなり、最終的にはルーシィの膝くらいの大きさになった。

 

 

「よろしくね」

 

 

フランクに片手を挙げて言うギルドマスター『マカロフ』

 

 

「とう!!」

 

 

すると、マスターは二階の手すりの上に飛び移る。その際に誤って頭を打ち付けてしまったのは見なかったことにした。

 

 

「ま~たやってくれたのう貴様等、見よ評議会から送られてきたこの文書の量を」

 

 

そう言って書類の束を見せるマカロフ。

 

 

「まずは…グレイ」

 

 

「あ?」

 

 

「密輸組織を検挙したまではいいが…その後街を素っ裸でふらつき、あげくのはてに干してある下着を盗んで逃走」

 

 

「いや、だって裸じゃマズイだろ」

 

 

「まずは裸になるなよ」

 

 

マカロフはため息をついた。

 

 

「エルフマン!! 貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」

 

 

「『男は学歴よ』なんて言うからつい……」

 

 

マカロフは首を横に振る。

 

 

「カナ・アルベローナ、経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個しかも請求先が評議会」

 

 

「バレたか…」

 

 

「カナさんって怖いもの知らずだね~」

 

 

スバルは楽しそうにカナを見ていた。

 

 

「ロキ……評議員レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも損害賠償の請求がきておる」

 

 

「女の敵ね」

 

 

ティアナは軽蔑の目でロキを見る。

 

 

「スバル・ナカジマ!! 貴様は盗賊退治に行き、盗賊と間違えて旅の商人たちを襲う!!」

 

 

「あう……」

 

 

「そして、ナツとティアナ……」

 

 

マカロフはがっくりと項垂れる。

 

 

「デボン盗賊一家壊滅するも民家7件も壊滅。チューリィ村の歴史ある時計台倒壊。フリージアの教会全焼。ルピナス城一部損壊。ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止。ハルジオンの港半壊」

 

 

「それやったの殆どナツなのに……」

 

 

ナツの巻き添えをくらったティアナは落ち込む。

 

 

「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ…etc…」

 

 

次々と名前を呼ばれ、呼ばれた者は気まずそうな顔をする。

 

 

「貴様等ァ…ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……」

 

 

プルプルと震えているマカロフはを見て、全員気まずい顔をする。

 

 

「だが…」

 

 

すると、マカロフは口を開き……

 

 

「評議員などクソくらえじゃ」

 

 

そう言って書類を燃やし、ナツに食わせた。

 

 

「よいか、(ことわり)を超える力はすべて(ことわり)の中より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある〝気〟の流れと自然界に流れる〝気〟の波長があわさりはじめて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、(おの)が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いている目ン玉気にしてたら魔導は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」

 

 

そう語りながらマカロフはにんっと笑う。

 

 

 

「自分の信じた道を進めェい!!!! それが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士じゃ!!!!!!」

 

 

 

『オォォォォォォオオオオ!!!!!』

 

 

マカロフの言葉にギルド全員が歓声を上げ、ケンカしていた事が嘘のように笑い合ったのである。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「へぇ~。それじゃあ、他の街ではナツが火竜(サラマンダー)って呼ばれてたの?」

 

 

「そうみたい。まぁ、確かにナツの魔法にはピッタリだけどね」

 

 

目の前で火の料理を食べているナツを見ながらスバルとティアナが言う。因みにスバルの目の前にも大量の料理が置かれている。

 

 

「ナツが火竜(サラマンダー)ならオイラはネコマンダーでいいかなぁ」

 

 

「マンダーって何よ……」

 

 

ハッピーの的外れな発言にティアナは呆れる。すると、何やら嬉しそうな顔をしたルーシィがやってくる。

 

 

「ナツー! ティアナー! 見てー! 妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃったぁ」

 

 

そう言ってルーシィは嬉しそうにギルドの紋章が書いてある手の甲を見せる。

 

 

「ふーん、よかったわね」

 

 

「よかったなルイージ」

 

 

「ルーシィよ!!」

 

 

ナツとティアナが興味無さそうに言うと、ルーシィが怒鳴る。

 

 

「ルーシィって言うんだ。私はスバル! よろしくね!!」

 

 

「うん! よろしくスバル!」

 

 

スバルは自己紹介しながら手を差し出し、ルーシィはその手を掴んで握手を交わした。すると、ナツがゆっくりと席を立つ。

 

 

「あれ? ナツ、どこ行くの?」

 

 

「仕事だよ、金ねーし。ティアはどうする?」

 

 

スバルの質問に答えながらナツはティアナに問い掛ける。

 

 

「遠慮しとくわ。最近仕事続きでクタクタだし、今日はもう(うち)に帰って休むわ」

 

 

そう言うと、ティアナは席を立ち、出口に向かって歩いて行った。

 

 

「じゃあナツ、私と一緒に行く? ちょうどヒマだし」

 

 

「おう、別にいいぞ」

 

 

帰ったティアナの代わりにスバルが同行することになった。

 

そしてナツとハッピーとスバルの三人は仕事が貼り出されている依頼板(リクエストボード)の前に立った。

 

 

「どれにする?」

 

 

「報酬がいいやつにしようね」

 

 

「お! コレなんかどうよ」

 

 

そう言ってナツは一枚の仕事を選ぶ。

 

 

「盗賊退治で16万J(ジュエル)だ!!」

 

 

「いいねそれ!!」

 

 

「決まりだね」

 

 

仕事も決まり、クエストを受注しようとしたその時……

 

 

「父ちゃんまだ帰ってこないの?」

 

 

そんな声が聞こえた。見るとそこには、一人の少年とマカロフが話をしていた。

 

 

「くどいぞロメオ。貴様も魔導士の息子なら親父を信じておとなしく家で待っておれ」

 

 

「だって…三日で戻るって言ったのに…もう一週間も帰って来ないんだよ」

 

 

「マカオの奴は確か、ハコベ山の仕事じゃったな」

 

 

「そんなに遠くないじゃないかっ! 探しに行ってくれよ!! 心配なんだ!!!」

 

 

「貴様の親父は魔導士じゃろ!! 自分のケツも拭けねぇ魔導士なんぞ、このギルドにはおらんのじゃあ!! 帰ってミルクでも飲んでおれい!!!」

 

 

マカロフにそう怒鳴られたロメオは……

 

 

「バカー!!!」

 

 

「おふ」

 

 

マカロフを殴って泣きながらギルドを出て行った。

 

 

「厳しいのね」

 

 

「ああは言っても本当はマスターも心配してるのよ」

 

 

それを見ていたルーシィは気の毒そうに言う。すると……

 

 

ズシッ!

 

 

突然轟音が響く。見るとそこには、ナツが先ほどの仕事の紙をリクエストボードに叩き付けて戻していた。

 

 

「オイイ! ナツ! 壊すなよ!!」

 

 

そんな抗議の言葉を無視して、ナツとスバルは無言で出口へと向かって行った。

 

 

「マスター。ナツとスバルの奴、ちょっとヤベェんじゃねえの?」

 

 

「アイツ…マカオを助けに行くつもりだぜ」

 

 

「これだからガキはよぉ……」

 

 

「んな事したって、マカオの自尊心がキズつくだけなのに」

 

 

そんな言葉を聞いて、マカロフはキセルを咥えながら笑う。

 

 

「進むべき道は誰が決めることでもねえ。放っておけぃ」

 

 

それを見ていたルーシィは近くに居たミラとユーノに尋ねる。

 

 

「ど…どうしちゃったの?あの二人…急に……」

 

 

「ナツとスバルもロメオくんと同じだからね」

 

 

「たぶん…自分とたぶっちゃったんだろうね」

 

 

「え?」

 

 

ミラとユーノの意味深な言葉にルーシィは首を傾げる。

 

 

「ナツのお父さんも出ていったっきりまだ帰って来ないのよ。お父さん…って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」

 

 

それを聞いたルーシィは引っ繰り返る。

 

 

「ドラゴン!? ナツってドラゴンに育てられたの!!?そんなの信じられる訳……!」

 

 

「ね。小さい時そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や…魔法なんかを教えてもらったんだって」

 

 

「でもある日、ナツの前からそのドラゴンは姿を消した。何の前触れもなくね」

 

 

それを聞いたルーシィはナツの探していたドラゴンの話を思い出す。

 

 

「そっか…それがイグニール……」

 

 

「そう。そしてナツは、いつかイグニールと再会する日を楽しみにしてるんだ」

 

 

「そーゆートコがかわいいのよねぇ」

 

 

ミラの言葉にルーシィは苦笑いで返す。

 

 

「あはは……あ、それじゃあスバルも誰か帰って来てないんですか?」

 

 

ルーシィのその問いに二人の表情が曇ったのが分かった。そして、ユーノが答える。

 

 

「スバルの場合はね…あの子が小さい時に母親が仕事先で……亡くなったんだ」

 

 

「え…?」

 

 

それを聞いたルーシィは絶句する。

 

 

「スバルの母親『クイント・ナカジマ』さん。こことは違うギルドのすごい魔導士だったんだけどね」

 

 

「原因は不明。仕事先から瀕死の状態で帰って来て、クエスト失敗を知らせたあとでそのまま亡くなって……何が起こったのか、分からず仕舞いなんだよ」

 

 

「だからスバルには、ロメオくんの気持ちが痛いほどよく分かるのよ」

 

 

「………」

 

 

その話を聞いたルーシィは気の毒そうな顔をしていた。

 

 

「僕たちは…妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士たちは……みんな何かを抱えているんだ」

 

 

「キズや、痛みや、悲しみや……私も…」

 

 

「え?」

 

 

「ううん。何でもない」

 

 

笑みを浮かべながらそう言うミラを見て、ルーシィは何とも言えない表情をしていた。

 

 

 

 

 

そしてナツ、スバル、ハッピーの三人はハコベ山へマカオを探しに行ったのだった。

 

 

 

 

 

つづく


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