LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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信念

 

 

 

 

絶対氷結(アイスドシェル)!!?」

 

 

「「アイスドシェル?」」

 

 

グレイの構えを見て、リオンが驚愕の声を上げる。そしてそれを聞いたナツとスバルは首を傾げる。

 

その時、二人はグレイの言った言葉を思い出した。

 

 

―ウルはこの悪魔に絶対氷結(アイスドシエル)っつー魔法をかけた―

 

―ウルが命をかけて封じた悪魔だ―

 

 

「「!!」」

 

 

そして、グレイが今何をしようとしているのか合点が行った。

 

 

「き…貴様…血迷ったか!?」

 

 

「今すぐ島の人の姿を元に戻せ…そして仲間を連れて出ていけ。これはおまえに与える最後のチャンスだ」

 

 

「なるほど。その魔法は脅しか……くだらん」

 

 

だが次の瞬間、グレイの周りには冷気が吹き荒れ、強い風が巻き起こった。

 

 

「くっ!」

 

 

「ぬおおっ!」

 

 

「うわあっ!」

 

 

「うっ…!」

 

 

吹き荒れる風にナツとスバルは飛ばされ、リオンとギンガは何とか踏み止まる。

 

 

「本気だ」

 

 

「コイツ…」

 

 

「させない!」

 

 

リオンとギンガは阻止しようとするが……

 

 

「うおぁっ!!」

 

 

「きゃあっ!!」

 

 

それは叶わず、吹き飛ばされる。

 

 

「この先何年たとうが俺のせいでウルが死んだという事実はかわらねぇ。どこかで責任をとらなきゃいけなかったんだ」

 

 

グレイに巻かれていた包帯やガーゼが取れていく。

 

 

「それをここにした。死ぬ覚悟はできている」

 

 

「本気…なのか…!!?」

 

 

「答えろリオン!! 共に死ぬか、生きるかだ!!!」

 

 

グレイは決死の言葉でリオンに問い掛ける。すると、リオンはニヤリと笑い……

 

 

「やれよ。おまえには死ぬ勇気はない」

 

 

と言った。

 

 

「残念だ。これで全て終わりだ!!! アイスド……」

 

 

グレイが魔法を発動させようしたその時……

 

 

 

「どアホォ!!!」

 

「バカーー!!!」

 

 

 

「!!!」

 

 

横からナツとスバルが現れ、グレイの顔面にダブルパンチを炸裂させた。それにより、魔法は中断された。

 

 

「ナツ…スバル……」

 

 

「勝手に出てきて責任だ何だうるせぇんだよ。人の獲物とるんじゃねえよ」

 

 

「え…えもの?」

 

 

ナツの獲物発言にグレイは目を丸くする。

 

 

「あいつはオレが倒すんだよ!!」

 

 

「そして私がギン姉を倒す!! それで全部解決でしょ!!」

 

 

「な……! オレにケジメつけさせてくれって言ったじゃねーか!!!」

 

 

「『はい了解しました』ってオレが言ったかよ?」

 

 

「もうこれはグレイさんだけの問題じゃないからね」

 

 

「テメェ等……」

 

 

「お? やんのか?」

 

 

ナツが挑発的な笑みを浮かべると、グレイはナツの胸倉を掴んで怒鳴る。

 

 

「アイツとの決着はオレがつけなきゃならねぇんだよ!! 死ぬ覚悟だってできてんだ!!!」

 

 

ナツは胸倉を掴んでいるグレイの腕を掴み、スバルはグレイを睨むように見据える。

 

 

「死ぬ事が決着かよ…あ?」

 

 

「それは覚悟じゃない……逃げてるのと一緒だよ!!!」

 

 

ナツとスバルの言葉にグレイは絶句し、呆然とする。すると……

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!

 

 

 

「な…何だ!!?」

 

 

突然遺跡全体が再び揺れ始めた。そして……

 

 

「遺跡が……元に戻った…?」

 

 

スバルの言う通り、ナツが傾かせた遺跡が元に戻ったのである。

 

 

「ど…どーなってんだ!?」

 

 

「こ…これじゃ月の光がまたデリオラに……」

 

 

「お取り込み中失礼」

 

 

すると、ザルティが姿を現した。

 

 

「もしかして…貴方が?」

 

 

「ほっほっほっ、そろそろ夕日が出ますので、元に戻させてもらいましたぞ」

 

 

「俺があれだけ苦労して傾かせたのに…どうやって元に戻した!!?」

 

 

「ほっほっほっ」

 

 

ザルティはナツの質問に答えず、ただ笑っている。

 

 

「どうやって戻したーー!!?」

 

 

「さて…月の雫(ムーンドリップ)の儀式を始めに行きますかな」

 

 

「シカト」

 

 

二度目の質問を無視されたナツはカチンっとなり……

 

 

「上等じゃねえかナマハゲがぁ!!!!」

 

 

思いっきりキレた。

 

 

「ほっほっほっ」

 

 

「待てやコラーー!!」

 

 

「「ナツ!!」」

 

 

ザルティを追いかけるナツをグレイとスバルが呼び止める。

 

 

「オレはあのクソッタレを100万回ぶっとばす!!! こっちはお前等に任せるぞ!!!」

 

 

ナツの言葉にグレイとスバルはコクッと頷く。

 

 

「負けたままじゃ名折れだろ? オメー等のじゃねえぞ」

 

 

「「わかってる(よ)」」

 

 

「「「妖精の尻尾(フェアリーテイル)のだ!!!」」」

 

 

三人同時にそう言うと、ナツはザルティを追いかけて行った。それを見送った後、グレイはリオン、スバルはギンガにそれぞれ向き直った。

 

 

「ギン姉……」

 

 

「……ここではリオン君の邪魔になるわ。場所を変えましょう」

 

 

ギンガの提案にスバルは頷き、二人はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十六話

『信念』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレイとリオンから離れた場所。そこでスバルとギンガは対峙していた。

 

 

「あれだけ忠告したのに、まだ邪魔をするのね…スバル」

 

 

「当たり前だよっ!! 私はギン姉を間違った道になんて進ませない!!!」

 

 

「……そう。だったらもう二度と歯向かって来れないように…叩き潰してあげるわ!!」

 

 

「っ!!」

 

 

ギンガは思いっきり地面を蹴り、素早くスバルの懐に潜り込んだ。それを見たスバルは即座に反応し、リボルバーナックルを翳して正面にバリアを展開した。

 

 

ドガァァァアアン!!!

 

 

激突する拳とバリア。力は互いに拮抗していたが……

 

 

「ふっ!!」

 

 

「っ、ぐうぅ!!」

 

 

ギンガは即座にバリアが張られていないスバルの横頭部に上段蹴りを放ち、それを喰らったスバルはよろめく。

 

 

「でぇえい!!」

 

 

「がっ!!」

 

 

そしてすぐさまギンガのリボルバーナックルがスバルの腹部に叩き込まれ……

 

 

「ハァァァア!!!」

 

 

「うあぁぁぁあああ!!!」

 

 

トドメと言わんばかりのギンガの回し蹴りが炸裂し、スバルは吹き飛び、壁に叩き付けられて土煙が舞い上がる。

 

 

「……………」

 

 

スバルが飛ばされた方向を静かに見据えるギンガ。

 

 

「うおぉぉぉぉおおお!!!」

 

 

すると、土煙の中からスバルが飛び出してくる。そしてギンガに向かってリボルバーナックルを振るう。

 

 

「はっ! せいっ! でりゃあ!!」

 

 

「…………」

 

 

スバルはパンチ、キックなどを連続で放つが、ギンガは冷静にそれを全てかわしている。そして……

 

 

パンッ

 

 

「あっ!!?」

 

 

スバルが放とうとした拳の側面を叩いて弾き……

 

 

「ハァァァァアア!!!」

 

 

がら空きになった腹部に渾身のリボルバーナックルを叩き込んだ。

 

 

 

……かのように思えた。

 

 

 

 

「っ……!!」

 

 

ギンガは目を見開いた。何故ならギンガの拳を、スバルはリボルバーナックルをしていない左手……つまり素手で受け止めていたのだ。

 

 

「くっ…うぅ……」

 

 

しかしやはり素手で受け止めるのはキツイのか、スバルは顔をしかめる。だがそれでも、スバルは受け止めて掴んだギンガの拳を離さなかった。

 

 

「リボルバァァァア……!!!」

 

 

そしてスバルはリボルバーナックルに魔力を込めながら構え……

 

 

 

「キャノン!!!!」

 

 

 

魔力を纏った強力な拳を放った。

 

 

「か…はっ……!!」

 

 

それを喰らったギンガは後方に大きく飛ばされる。

 

 

「っ…ウィングロード!!!」

 

 

だがすぐに体勢を立て直してウィングロードを発動させ、先ほどスバルが激突した際に出来た壁の穴から遺跡の外に飛び出す。

 

 

「ウィングロード!!」

 

 

それを見たスバルもウィングロードを発動し、遺跡の外に飛び出した。

 

 

「うおぉぉぉぉおお!!!」

 

 

「はぁぁぁぁぁああ!!!」

 

 

互いのウィングロードを交差させ、何度も激突するスバルとギンガ。

 

 

「(……どういうこと?スバルの力が昨日よりも強くなってる)」

 

 

ギンガはスバルが昨夜自分と戦った時よりも遥かに強くなっていることに疑問を覚える。そして、再び激突したのち、二人は一定の距離を保ちながら攻撃を止める。

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ……!」

 

 

「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」

 

 

肩で息をしながら互いを見据えるスバルとギンガ。すると、ギンガが口を開く。

 

 

「一つ聞かせないさい……スバル」

 

 

「……なに?」

 

 

「今のアナタは昨日のアナタとはまるで別人……どうして急にそこまで強くなれたの?」

 

 

ギンガの問い掛けに、少しの沈黙の後…スバルはゆっくりと口を開いた。

 

 

「私は…ギン姉がデリオラの氷を溶かそうとしている間に、妖精の尻尾(フェアリーテイル)で多くの事を学んだ。魔法も…強さも…仲間との絆も…」

 

 

「……………」

 

 

スバルの言葉をギンガは黙って聞いている。

 

 

「そんなある日…私はマスターに聞いたの。『どうしたらもっと強くなれるのか』って……その時にマスターが言ってた言葉は、今でも覚えてる」

 

 

そう言って、スバルは自分の胸の心臓部分をドンッと叩きながら……

 

 

 

「心に強い〝信念〟を持った妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士は…いくらでも強くなれる!!!!」

 

 

 

と、力強い声で言ったのだった。

 

 

「信念? なら、アナタをそこまで強くする信念ってなに?」

 

 

そう言って再び問い掛けるギンガ。そしてスバルはまたもや力強く答える。

 

 

「ギン姉を救うこと!!!」

 

 

その答えにギンガは面食らった表情をする。

 

 

「私を…救う?」

 

 

「そうだよ。ギン姉を復讐の道から救い出す!!それが今の私の〝信念〟だから!!!」

 

 

「……くだらないわね」

 

 

すると、ギンガは吐き捨てるように言う。

 

 

「私は自分の意思でこの道を選んだのよ。それをアナタにとやかく言われる筋合いは……」

 

 

「ある!!!」

 

 

ギンガの言葉を遮るようにスバルが叫ぶ。

 

 

「筋合いならあるよ!! だって私は…妹だから!!!」

 

 

「っ!!?」

 

 

「家族が困っていたら全力で助ける!! 家族が間違った道に進もうとしたら全力で止める!! これも妖精の尻尾(フェアリーテイル)で学んだこと!!!」

 

 

スバルは手のひらに拳をぶつけながら続ける。

 

 

「島の人達にに迷惑をかけてまで復讐しようとしてるギン姉は間違ってる!! だから私は全力でギン姉を止めて、復讐と言う道から救い出すんだ!!!」

 

 

「っ………!!!」

 

 

スバルの言葉にギンガは目を見開き、拳をグッと握り締める。

 

 

「……そこまで言うのならやってみなさい。この私を…倒してみなさいっ!!!」

 

 

「止めてみせるよ!! 絶対に!!!」

 

 

そう言うと、スバルは拳を構えてギンガに迫る。

 

 

「うりゃぁぁあああ!!!」

 

 

そしてギンガに向かってリボルバーナックルを振るう。だが…

 

 

「はっ!」

 

 

「っ!!」

 

 

その攻撃はギンガのリボルバーナックルから発せられたバリアによって防がれた。

 

 

「くっ…おぉぉぉおお……!!」

 

 

それでもスバルは何とかバリアを突き抜けようとするが……

 

 

「無駄よ」

 

 

バチィ!!

 

 

「うわぁぁああ!!」

 

 

呆気なく弾き返された。

 

 

「(くっ……やっぱりギン姉は強い!!)」

 

 

体勢を整えながら、スバルは心の中で呟く。

 

 

「(魔力量…格闘センス…技術……どれを取っても私を上回ってる。ギン姉に勝つには……)」

 

 

スバルは思考を巡らせ、ギンガに勝つ方法を考え、そして一つの結論に至った。

 

 

「(あの技しかないっ!!)」

 

 

そう決めたスバルは再びギンガに向かってウィングロードを駆ける。

 

 

「うおぉぉぉぉおおお!!!」

 

 

「無駄だって……っ!!?」

 

 

スバルの攻撃を防御しようとしたギンガは目を見開いた。何故なら、スバルが振るったのは右拳ではなく左拳…つまり素手である。その行動に驚きながらもバリアで防御するギンガ。

 

 

「(ここだっ!!)行っけぇぇぇええ!!」

 

 

ドガァァァァアアアン!!!

 

 

左手を引き、突き出した右拳…リボルバーナックルがギンガのバリアと衝突する。しかし…

 

 

バチィィン!!

 

 

「うわぁっ!!」

 

 

バリアを突き抜けることは叶わず、再び弾き返される。

 

 

「てぇぇぇえええい!!!」

 

 

その隙を逃さず、ギンガはスバルの腹部にリボルバーナックルを叩き込む。

 

 

「うあぁぁぁぁあああ!!!」

 

 

吹き飛ばされ、思いっきりウィングロードの上に叩き付けられるスバル。

 

 

「ぐっ……うぅ…!!」

 

 

スバルは倒れた体を起こそうとするが、今までのダメージが大きく、思ったように動かない。

 

 

「(体が動かない……やっぱりあの技は私には無理だったのかな……)」

 

 

「……終わりね…スバル」

 

 

自分の勝利を確信し、スバルを見下ろしながら言うギンガ。

 

 

「くっ……」

 

 

スバルが半ば諦めかけたその時……

 

 

 

―オレたちは妖精の尻尾(フェアリーテイル)だ!!! 止まることを知らねえギルドだ!!! 走り続けなきゃ生きられねえんだよ!!!―

 

 

 

「っ!!!?」

 

 

スバルの脳裏にナツに言われた言葉が蘇る。

 

 

「(そうだ…私は妖精の尻尾(フェアリーテイル)……こんな所で立ち止まるわけにはいかないんだ!!!)」

 

 

すると、スバルは動かなかった傷だらけの体に鞭打ち、ゆっくりと体を起こし始める。

 

 

「うっ…おぉぉぉぉおお!!!」

 

 

そして高らかに雄叫びを上げながら、スバルはしっかりと立ち上がる。それを見たギンガは驚愕する。

 

 

「あの傷で立ち上がるなんて……でも…」

 

 

しかしギンガは即座に落ち着きを取り戻し、冷静にスバルの状態を見定める。

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……!!!」

 

 

今のスバルは見るからにボロボロで、とても動けるような状態ではなかった。

 

 

「あの状態では何も出来ない……この一撃で終わらせる!!」

 

 

ギンガはリボルバーナックルを装着した拳を握り締め、スバルに向かってウィングロードを駆ける。

 

 

「ハァ…ハァ…スゥゥ…ハァァ……」

 

 

ギンガが迫ってくる中、スバルは深呼吸をして乱れた呼吸を整える。

 

 

「(思い出すんだ……あの技のやり方を……!!)」

 

 

スバルは迫ってくるギンガに向かって拳を構える。

 

 

「(脱力した静止状態から…足先から下半身へ…下半身から上半身へ…回転の速度で拳を……)」

 

 

「っ!!!」

 

 

拳を放とうとしているスバルを見て、ギンガは即座にバリアを展開して防御体勢を取る。だが……

 

 

 

「押し出すっ!!!!」

 

 

 

ドガァァァァァァアアアアン!!!!!

 

 

 

スバルが放った拳は、バリアを容易く打ち破り……ギンガに命中させたのであった。

 

 

「──────────!!!!」

 

 

それを喰らったギンガは声にならない叫びを上げながら吹き飛ばされて遺跡の壁に激突し、遺跡内で愕然とした倒れていた。

 

 

「今のはまさか……〝繋がれぬ拳(アンチェイン・ナックル)〟……?」

 

 

「そうだよ」

 

 

驚愕しながら倒れているギンガのもとにフラフラの状態のスバルがやってくる。

 

 

「アンチェイン・ナックル……私たちの母さんがもっとも得意だった技」

 

 

「その拳はどんな防御魔法をも打ち破ると言われている最強の技……まさか、私でも出来なかった技をアナタが完成させるとはね…」

 

 

「ううん…今のは本当に一か八かで偶然出来ただけだから、完成とは言えないんだ」

 

 

アハハ…と笑って後頭部を掻きながら言うスバル。そして表情を引き締めてギンガに問い掛ける。

 

 

「それで、どうするギン姉? まだやる?」

 

 

その問いに対してギンガは……

 

 

「……遠慮するわ」

 

 

と言った。

 

 

「何故かしらね? 負けたって言うのに、すごく清々しい気分なの」

 

 

そう言うギンガの表情は、先ほどまでの鬼気迫る表情ではなく、穏やかなモノとなっていた。

 

 

「分かってたのよ…復讐なんかしても虚しいだけだって…でも、デリオラに対する憎しみが抑えられなかった……そして次第に憎しみが暴走して、ついには何の罪悪感も感じなくなってしまった」

 

 

そう語りながらギンガは静かに涙を流す。

 

 

「本当は……誰かに止めて欲しかったのかもしれないわね」

 

 

そう言ってギンガはスバルに視線を移し……

 

 

 

「ありがとう…スバル」

 

 

 

と、笑顔を浮かべながら言った。

 

 

「ギン姉……」

 

 

その笑顔を見たスバルの心は、姉が昔のような笑顔を見せてくれたことの嬉しさに満たされていった。

 

 

その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!』

 

 

 

「「っ!!!?」」

 

 

突如、この世のものとは思えない程の大きな雄叫びが遺跡…いや、島中に響き渡る。

 

 

「こ…これってまさか……!!」

 

 

「デリオラ…」

 

 

スバルとギンガは雄叫びの主がデリオラのものだと確信する。

 

 

「スバル…私をデリオラのもとへ連れて行って」

 

 

「え? でも……」

 

 

「お願い!!」

 

 

「………わかった」

 

 

ギンガの必死の頼みにスバルは頷き、ギンガに肩を貸した。そして二人一緒にデリオラの居る地下へと向かって行ったのだった。

 

 

 

 

 

つづく


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