落第騎士の英雄譚 ~もう一人の騎士の物語~   作:フライルー

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落第騎士は更新遅いかわりに文字数が2000こえます。


第9話 ストーカー

(・・・なあ一輝)

(・・・やっぱりそうだよね)

「なに話してるの?」

公式戦の帰り、一輝とコソコソばなしをしているとステラが話しかけてくる。

「実は僕ら、誰かにつけられてるみたいなんだ」

「一輝はわかるが、俺も視線を感じるんだよ」

「「「ス、ストーカー!?!?」」」

なんだっけ、恐怖の森にそんなのいたな・・・じゃねぇ、なんで加々美まで驚いてるんだ?

「ストーカーってあれよね、ヒゲソリを手紙にいれて・・・」

「「カミソリの刃です(な)」」

ヒゲソリ入ってたらありがたく使わせてもらいます。

「うるさいわね!ちょっと分解しわすれただけでしょ!」

どんな言い訳ですか姫様

「私が尾行に気づけないとは・・・オノレ」

加々美ならそのストーカーをストーカーしてそうなもんだがなぁ・・・

(で、一輝君。位置はもうわかってるよな?)

(うん。というわけで呼びかけてみたいと思います)

さっきから気づいてないと思っているのか木の後ろからちょこちょこ顔とかだしてくる。頭隠さず尻隠さず。

「そこで隠れてる人、僕たちになにか用かな?」

「う、うはわあああ!?!!?」

手に小枝をもった人物が倒れる。

「加々美」

「ほいさ」

名前を呼んでから返答までのあいだ0.6秒。パンチラはめったに遭遇できない。写真狂の加々美が逃すはずもない。

「ち、違う!これは違うんだ!」

後ろにさがっていく。おいそのさきは・・・

「うわああああ・・・」

鈍い音したあと、ぷかっと浮いてくる

「セット、アッガイ」

「アリス!手伝って!」

「あらあら・・・」

「・・・」

「つめ剥ぎ、水責め、アイアンメイデン・・・」

「雫、拷問つぶやくのやめて?」

「あなたもそのかっこうで体育座りするのやめてください」

「なんか気に入ったんだよ」

ただいまアッガイの状態で体育座りしています。そのよこでヤンデレが拷問の名称をぶつぶつつぶやいてます。とんだホラーです。

「うぅ~ん・・・ハッ」

あ、おきた

「うーん・・・?」

「グポーン」

俺と目(モノアイ)が合う。

「ひっ・・・!?」

「あ、大丈夫です。僕人食べません」

「そうです。この・・・人?はストーカーであるあなたを助けてくれたんですよ?」

「ひ、人・・・?そうなんだ、ありがとう。」

「今一輝に通信いれたからそろそろ来るよ。」

そんなこと言ってるうちに後ろにあるドアが開く。

「はやいな。おきたよストーカー」

後ろにモノアイを移動させる。便利。

「あなたまだその格好でいたの?」

「なんか気に入った。でも皆揃ったし戻る」

そういっていつもの俺になる。

「・・・」

「?」

さっきはがっちり目があったのにこんどは目をあわせようとしない。どういうわけか問いただす。

「なんで目を合わせようとしないの?」

「男の子と目を合わせるなんて・・・恥ずかしくて・・・」

そういい顔を梟ばりに回転させる。

(なにいってんだこいつ)

「僕は3年1組の綾辻 絢瀬(あやつじ あやせ)

(年上かよ)

衝撃の事実。俺君びっくり。

「綾辻!?もしかして、綾辻カイトさんにゆかりがある方ですか?」

一輝が綾辻という苗字に食いつく。

「綾辻カイトは僕の父さんだけど・・・」

「綾辻カイトって・・・?」

ステラが雫に聞く。

「ラストサムライと呼ばれた、天才剣士ですよ」

「だがブレイザーではない。こりゃ正真正銘の天才だな・・・」

もはや生徒手帳とよんでいいのかわからない生徒手帳でggる。トムクルーズが出てきたのはいうまでもない。

って一輝が虫を捕まえた少年のように目をキラキラさせてやがる・・・

「それで、お兄様を付け回していた理由を聞かせていただけますか?」

雫が絢瀬に問う。実の兄がストーカー被害を受けたのだ。これくらい当然である。

「剣術のヒントをもらえないかと思ったんだ・・・一人で修行をやっているとどうしても詰まっちゃうんだ。」

ふーん・・・あれ?

「じゃあなんで俺のほうにも視線が感じられたんだ?」

「それは君に質問したかったんだ」

ほうほう

「その質問とは?」

「一輝君と同じように、君の剣術を一度盗もうとしたんだ。」

「でもまったく盗めない、それどころか先の攻撃が読めない。どうやっているのか知りたかったんだ」

「確かに僕でも盗めなかった・・・」

一輝も俺のわざを盗もうとしていたようだ。

「うーん・・・じゃあ答えは・・・」

「答えは?」

「剣術とかない。適当に戦ってる。」

「・・・え?」

豆鉄砲でも撃たれたような顔をする。そんなびっくりすることか?

「剣術とかもってないから、適当に戦う。ようはごり押し。」

「え、でも・・・ねぇ?」

「え、なに、俺の答えそんなにダメだった?」

「ええ、一般生徒の間では齋の戦いは連劇(ダンス)って呼ばれてます。」

加々美がそう告げる。

「ファッ!?」

ごり押しダンスかよ・・・

「なんて声をかければいいのかわからなかった・・・本当にごめんなさい」

一輝と俺に謝る。

「危害加えなきゃいいよな?一輝?」

「うん。綾辻さん」

「?」

「よかったら僕と一緒に剣術の修行をしませんか?」




連劇(ダンス)・・・流れるように攻撃を繰り出すことから、まるで連続で劇をやるように見えたため、連撃と連劇をかけてこう呼ばれるようになった。

説明意味不すぎでさーせん。

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