IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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まったく、面倒なことをしてくれる。

 

 

「まったく、何時まで経っても直せんか」

 

 私、衛宮千冬は目の前で起こっている弟、織斑一夏とイギリス代表候補生のセシリア・オルコットのIS(インフィニット・ストラトス)を使用した戦いを見つめていた。

 面倒な事を仕出かした一夏は本来ならば私と夫である士郎の母校である私立穂群原学園へ入学を果たすはずだったのだが、何が狂ったのか一夏はIS学園の試験を受けてしまった。無論、ISは女性しか使用出来ないので、男性が試験を受けることは不可能と思われていた。

 当時の試験官もボーイッシュの中学生だと思っていたそうだ。しかも一夏はセイバーに小さい頃から剣術を習っており、また才能が有ったのだろう、私とセイバー以下ではあるが、中々の剣の腕前に成長した。

 まぁ、アイツに憧れたからなのか剣を持つときは普通の状態ではなくなるのが欠点なのが残念だがな。

 しかし、クラス代表を決める戦いとはいえ、これでは可哀そうすぎるな。

 

「クッ、何でですの!!? なんでわたくしの射撃をいとも簡単にッ!!」

「お前の射撃なんか! ランサーの兄貴に比べれば! 避けるのは簡単すぎる!!」

「ッッ!! 男なんかに! 男なんかにィィ!! わたくしは負けられませんのよ!!」

「俺を沈めたけりゃあ、この3倍は持ってこい!」

 

 ああ、そういえば一夏、ランサーにも特訓を受けていたな、確かに槍の突きを避けるのは困難だろう。ランサーが手加減をしているとはいえ避けられる様になったこと自体おかしいとは思わないのか?

 それにしても、3倍も出来る筈が無いだろうが、セシリア・オルコットの顔を見ろ。手一杯で焦っているだろうが、相変わらず修練以外で剣を握ると性格が変わるな、直せと言ったはずなのだがな

 

「AAAAAAAAA!!!」

「『インター・セプト』! 『スターライトmkⅡ』!」

 

 ついに思考で武器選択が出来なくなったか、右手にインター・セプト(ショートブレード)左手にスターライトmkⅡを言語で取り出して持つ。跳躍し近づいてくる一夏の接近用ブレード「葵」を受け止める、いや受け流してレーザービットで一夏のガラ空きになっている背中を打つ。

 が、一夏はセシリア・オルコットを足場にしてその場で跳躍することでレーザーの攻撃を避け、落ちていくタイミングを見計らいながら再びセシリア・オルコットへ「葵」を振り下ろす。それを読んでいたようにセシリア・オルコットは左手に持っているスターライトを一夏に狙いを定め、放つ。

 一夏は咄嗟に「葵」を盾にし、レーザーの軌道を反らした。刀の刃を斜めにすることでレーザーの軌道を反らしたのだ。反らすには微妙な角度が必要なのだが、よく知っていたな。私も良くやるが大抵は切り裂いて終わりにするのだが、まぁ初心者にしてはよくやっているというべきだな。

 

「そ、そんな!? なんて非常識な……!」

「非常識? アホか、戦いに常識なんてモンはねぇよ、あるのは勝者か敗者か、この2つだけだ。そらそら、いくぜ!」

 

 お前は武器を持つと変わる性格を直せ、お姉ちゃん悲しいぞ。

 あぁ、ライフルを投げつけるな、ライフルは打つモノだ。決して投擲用ではない。

 

「まだですわ! わたくしはイギリスの代表候補生! このような所で、男のアナタに負けるなどとわたくしのプライドが許しませんわ!」

「ならばそのプライドを持ったまま墜ちていきなぁぁぁ!!」

 

 一夏がセシリア・オルコットのレーザービットを2つほど破壊した後、ブレードの「葵」を投げつける。セシリア・オルコットに命中している間に長い棒状のIS武器を取り出す。

 この私が見た事が無い形状だ。だとすれば在校生か卒業生の武器創作科のアホ(変態)が作ったモノだろう。この一週間で良く見つけられたな

 

「その心臓、もらい受ける!」

 

 一夏が棒状の武器を右手に持ち、振りかぶる。

 足を開き、腰を落とす姿勢を見る限り投げつけるつもりなのだろう、空に舞うセシリア・オルコットのブルーティアーズに視線を集中させている。

 

「ゲイ・ボルグ!!」

 

 放たれた棒状の武器「ゲイ・ボルグ」は一直線にセシリア・オルコットに向かい、直撃する。

 

 それはまるでランサーの宝具の様に鮮やかだったが、ランサーめ、一夏に此処まで仕込むとはな、今度士郎と相談して何かやるか。

 

「キャァァァ……」

 

 一夏の眼の前にWINの文字が現れ、ビーーという音がコロシアム内に鳴り響く。

 

『勝者! 織斑一夏!』

 

山本先生の声が場内に鳴り響く中、一夏は倒れたセシリア・オルコットに近づいている。

そして、気を失っている様子のセシリア・オルコットを横抱き、お姫様抱っこと言うべきか。ふむ、クラス生徒、上級生に見守られながら一夏はセシリアを横抱きしたままコロシアムから出ていく。

 あの様子ではやりすぎたと感じているだろうな、だから何度も直せと言っているのに、今度長期休暇はアイツの修行(調教)とするか。

 士郎もそろそろ大会があるし、数日は帰っては来られないからその時がベストだろう。なにかと一夏を庇おうとするからな。たく滝登りなど修行前のウォーミングアップにすぎんだろうが。

 




お久しぶりです。
なかなか面白そうなのをっと妄想し続けたらもう4月!
早いですね! 読んでくださっている方の中に入学生はいらっしゃいますか?
その方が居れば、一言。
ご入学おめでとうございます!


あ、今回オリIS武装「ゲイボルグ」のグは間違えではありません。

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またアドバイス等も募集しています!

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