IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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なんで、俺ここにいるのさ……

「なんで、俺ここにいるのさ……」

 

織斑一夏は今現在の現状に呟かずには居られなかった。身に纏うはIS(インフィニット・ストラトス)。本来女性しか着用出来ないはずが現役ぴちぴち男子中学生の一夏が付けられるはずがないのだ。そうでなければ今頃様々なテロやデモのニュースは無く、お茶の間の心安らぐニュースになっているはずだ。そう願いたい。

 

「それに、なんで俺がコロシアムでバトル(実技)しないといけないんだ」

 

 すでに目の前にいる女性はきわどい水着を着ながらISを付けて準備満タン、一歩この赤ラインを越えれば戦闘開始という鬼畜使用であった。コロシアムにはたくさんの人、人、人の群れ。よく見ればテレビ局ぽいのも来ており今の一夏の精神状態は……

 

「なんでさ」

 

 現実逃避状態であった。

 非情にも目の前にいる女性からスピーカーのようなモノだろう、声がこちらまで聞こえて来た。

 

『時間も一杯一杯なので、あと1分後に開始いたします。それまでに準備を整えてください』

 

 ああ、諸行無常。現実逃避はもうできないようだ。一夏は1度大きく息を吐いてから吸い込む。そして、ISの武装覧にある1つの武器を取り出す。タッチパネル式は楽でいい。無論これは初心者専用のプログラムであって、本来は掛け声か己の意思で取り出せるのだが、受験生にやれっと言っても可哀そうだ、という事で作られたシステムなのだ!

 取り出したのは1本の刀剣、近接用ブレード「葵(あおい)」。一夏はその刀剣の重さを感じながら両手に持ち、正眼に構える。

 

「ふぅぅぅぅ……」

 

 集中―――。

 ビィィィィィィッィィイィィ!

 

 開始の合図が鳴った。

 瞬間、一夏は構えを解き、走り出した。狙うは目の前のIS! コロシアムにある障害物を時に大きくジャンプし、時に大回りをし、時に横飛びで軽々と避けながら一気に近づく!

 しかし、予測をしていたのか敵ISはライフルをこちらに向けて――――放った。

 タァン! 銃から放たれる弾丸は一夏のISへ真っすぐに飛び、甲高い音を立てた。

 キィン! 弾丸は一夏が持っていた葵の腹で受ける。敵ISはそのことに驚き、ライフルから目を離してしまう、一瞬の隙であった。一夏は自分の足に力を入れて足指を立てながら走る、この時ISに関して素人である一夏には気が付かなかった、シールドエネルギーがISの足についているスラスターに集まっていることに、そしてそれが力を籠め続けるがごとくため続けている事も、今の一夏は知る由もない。あるのは目の前にいる敵ISを切り裂くのみ、己に気合いを入れ障害物を使い思いっきり蹴った。 

 

「うぉぉぉっぉぉぉぉぉぉ!」

 

 足に込めた力が抜ける感覚を感じながら、スラスターに貯められたエネルギーが一気に放出された事で一夏はまるで鉄砲から放たれた弾丸の様に勢いよく飛び出した。

 それは奇しくも『瞬時加速』、イグニション・ブーストと呼ばれるIS戦闘技術の1つであった。これにより一気に間合いを詰めた一夏は大きく振りかぶった切落による一撃を振り下ろす。

 

 

 

 

 目の前の敵ISは初心者が使うとは思ってはないかった行動によって思考が停止し、するべき防御、回避などの行動へ移ることが出来なかった。

 一夏の一撃は敵ISを切り裂く、がまだシールドエネルギーは大幅に減ったが、0では無い。切り裂かれたことにより、ようやく思考を動かし一夏をライフルで薙ぎ払った。

 

「クッ!?」

「はぁ、はぁ!(驚きました。まさか入学もしてない。代表候補生でもない娘がライフルの弾丸を弾き、イグニッション・ブーストを使うなんて! コロシアムのダミー観客による精神的テストは満点ですし、私相手に此処までできるなんて実技も100点満点あげちゃいますよ!)」

 

 敵ISを装着している試験担当の女性は心の中でそう考えながら距離を取りライフルを構える。本来ならこのまま追撃するべきなのだが、この場は試験。 そのような事は出来ない。相手の出方を見ているのだ。

 砂煙が晴れて女性は衝撃を受けた。 一夏のISスーツが破けていたのだ。上半身だけだが、びりびりと。一夏の逞しい筋肉を見てしまい、女性はハイパー・センサーでよく『観察』した。

 

「(顔、は男の子にも見えますね、上半身は、はわ! す、すごい筋肉です! か、下半身は……?)え?」

「いつつつ(クッ仕留めきれなかった! いや、なんかに遮られた感じがする。手ごたえが変だったしな)」

「あ、あああの!ひ、一つ質問よろしいですか?」

「え? ああ、なんですか?」

「あなた、性別は?」

「男ですけど?」

「……」

「……」

「えぇぇぇぇええええええええええええええええ!!!?」

 

 叫んだ。彼女は腹の底から隅から隅まで使わんと声を上げた。一気に気が抜けると言ってもいいだろう。だからだろう、移動のためにと背中に留めていたエネルギーが一気に噴き出しイグニション・ブーストをしてしまった。

 ドジマヤ。これは彼女の同僚からつけられたあだ名だ。原型はかの有名な三幻神の1つ、『オシリスの天空竜』の二つ名『ドジリス』から取られている。

 

結果――。

ドォォォォン!!!!

一夏の隣にあった障害物に思いっきりぶつかり少なかったシールドエネルギーは0となった。そして一夏の目の前に「WIN」の文字が現れた。

 

 

 

その後、一夏は受験担当者から責任者によって捕まってしまった。何とか衛宮邸に帰るも「鬼神千冬」よって尋問され衛宮士郎の心温まる料理によって救われたのであった。

 衛宮邸には一夏の体を狙って様々な組織が来日し、ライダー&セイバーのダブルサーヴァントによってすべて追い返されたのは言うまでもない。

 




すみません、かなり遅れました。
つい、友達とやるためのシナリオ作りに夢中になってしまい気が付けばクリスマス近い。
その間にもコチラのネタは着々と考えてます。
①本編 セシリア戦
②「アリサちゃん!すずかちゃん!私、サンタさんに会ったの!!」「ノッブー!」
③はやて、父の親友と会うの巻
④居候編第4話 悩み、ワカメの答え
⑤聖杯戦争、千冬「待たせたなぁ!」 
⑥束「ふっふー! これが私の旦那様さ!」

取りあえずこんな感じです。けれどマイペースに好きなやつを作っていきます。
③,④はシリアスにするつもりです。てかシリアスやってみたい。
⑤は哀れにも捕まってしまった犠牲者(旦那様)の馴れ初めです。

これはアンケートではないのでお気をつけてください。

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