IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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結婚記者会見(裏)

 

 

「で? 一体どう言う事かしら?」

 

 

衛宮邸のリビングで机を囲むように女性達が座っていた。その中の赤い服を着たツインテールの女性、遠坂凛が向かい側にいる織斑千冬を睨み付けながら言う。それに便乗する。

 まるで裁判所のような状態だ。しかもこちらには弁護士がおらず、明らかに不利な状況で、アカイアクマ最高裁判長は罪人チフユに優しく問う、

 

「さて、一体何のことか」

「惚けるのは必要ないじゃないかしら? だって」

 

 っと、遠坂凛は突然にテレビをつけ、ニュース番組に変える。

 そこには昨日行われた結婚記者会見での事をニュースキャスターが真剣なまなざしで語っていた。

 

『いやぁ、驚きましたね、まさかブリュンヒルデがご結婚されるとは!』

『世界中でデモも起こっていますよ、『ブリュンヒルデを騙した男を牢に入れよ』っと言う』

『それはそれでおかしな話ですね、しかし中学時代から付き合っている男性がいるというのは初耳でした』

『全くですね、ブリュンヒルデと言えば孤高、最強という文字が似合う女性。こういっては何ですが、孤高であるが故に結婚はされないと思っていました。』

『他にも』

 ピッ!

 テレビを消す、そして再度遠坂凛は織斑千冬を睨み付ける。

 遠坂凛の後ろにはタバコを咥えたデフォルメのリンと額に三日月のマークが有る黒猫がにらみ合う、どちらも劣らず譲らず、あるのは一瞬の隙のみ。

 

「これはどういう事かしら? 条約10条の1つに反すると私は思うけど?」

 

 衛宮士郎条約! それは力を持った複数の女性達が衛宮士郎を獲得しようと行った『士郎戦争』が冬木市で勃発された。それぞれが己の力(サーヴァント有)を使い他の者を蹴落とすという赤い騎士のサーヴァントの髪に白髪が10本以上出来た苦労と嫉妬と八つ当たりとくすくす笑ってゴーゴーな戦争を一時的に条約を結ぶことで冬木市に平和が戻ったモノだ。

 条約1! 衛宮士郎を独り占めしない!

 条約2! 士郎戦争は3ヶ月に1回行う!

 条約3! 諦めるのは自由! ただし、他の人にも言う事!

 条約4! 士郎戦争が行われるまでは戦闘はダメ!*1

 条約5! 決着をつけるまで相手の領分を取らない!

 条約6! 勝手に士郎と子供を作ろうとしない!

 条約7! 勝手に決めつけるようなことを言ってはいけない!

 条約8! 戦争中以外は士郎の事でウソはダメ!

 条約9! 士郎を拉致・監禁しない!

 条約10! 略奪愛有り*2

 *1 駆け引きはあり

 *2 誰かが結婚してもOK

 

 3日3晩寝ずに考えた10つの条約だ。ちなみに最初の条約1~3以外は誰かが

その行為をしようとした結果、作られていった。

 全く、一体ダレガヤッタノデショウネ? シラナイデスヨ?

 

「全くですわね、野蛮人が言う通りミス・オリムラ、これはどういう事か

教えていただきますわよ?」

「そ、そうです! 私はまだ先輩を諦めてないのですから!」

「そーだー! そーだー! お兄ちゃんはイリヤを結婚するだからー!」

 

 周りに座っていたドレスを着た貴族、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、珍しい紫の髪をした腹黒そう(ペシッ!!) ゲフン、ゲフン、心優しそうな間桐桜、いかにも小学生な銀髪ロリっ子、 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが騒ぐ、しかし織斑千冬は動じない。

 むしろ、勝ち誇ったかのようにニヤリと笑う。

 

「甘いな、遠坂。悪いが中学で付き合っていた。と言う噂は流れている、マスコミは中学の同期に聞きまわっているだろう」

「クッ!」

「ですが、アナタが条約に反していたのは事実、これはどうする気ですか?」

「ムッ」

 

 せんべいを食べていた騎士、セイバーのサーヴァントであるアルトリア・ペンドラゴンの言葉に織斑千冬は止まった。いや止まるしかない、下手なことを言えば簡単に覆されるし、事実織斑千冬は条約を破っている。

 この条約を作るのに、何度衛宮士郎がタイガー道場へ行ったかは解らない。たぶん60回くらいかな? うん。

 

「うむ、確かになぜアナタは条約を破る様な事を?」

「まさかとは思うけど、アンタ士郎と……!」

「い、いや! そ、そこまではしていない!」

 

 遠坂凛の言葉に慌てて否定する織斑千冬の顔は真っ赤だ。もしこの場にブリュンヒルデファンクラブ日本本部のメンバーが居ればカメラ連写であっただろう、ただしカメラもろとも叩き潰されるのは確定済みだが。

 しかしこの場にいるメンバーは見慣れているためその様な事はしない。なぜならば、その様な事をすれば次に自分が晒されるだろう、束印の超高性能自動3D撮影搭載80テラバイトの最小カメラで撮られるのがオチなのだから。

 全員が全員の人質ならぬ、写真質を撮られているのだから、そのような行動は取れない。だが、どこぞのあかいあくまやきんいろのあくまの様に交渉して交換すれば弱点となる写真は消えるが。

 

「し、仕方ないだろう」

「あら? 何が仕方ないのかしら?」

「わ、私は、レズなんかになりたくないんだぁぁぁ!!!」

 

 織斑千冬の心からの叫びであった。

 何があったのか? それは至って簡単だ。1年以上も女性からのラブレター、お見合い写真(女性)がどこに居ても届くのだ。軍なら平気か? と一時期軍にいたが、無駄な行動に終わり、むしろ余計に増やしてしまったのだ。

 最初こそは無視をしていた。だが、どんどんと来るようになり、最終的には一ヶ月に2山出来るほどの量に……。

 ストレスと衛宮士郎の言葉に正常ではなくなった織斑千冬がとった行動、それが今回の事件なわけだ。

 己は男(衛宮士郎)が好きだ! だから同性愛になど芽生えたくない! そのような扉を開きたくない! ならばどうするか? 異性(衛宮士郎)と結婚すればいい!

 織斑千冬の心からの叫びはこの場にいた女性全員に察しられた。学生時代から多かったのだ。おねぇさまぁぁあ! と呼ぶ後輩や 貴方を殺して私も死にます! な同級生が、まぁ、全て衛宮士郎の言葉巧みな話術によって、同性愛の後輩は異性愛(衛宮士郎)にし、ヤンデレ同級生は男の良さ(衛宮士郎)に気が付かせたのだ。

 

「ああ、うん、そうだったのね」

「これは大変失礼しましたわ」

「チフユ、大変でしたね」

「織斑先輩、今回は見逃してあげます」

「……ガンバ」

 

 みんなからの視線が織斑千冬の心を傷つけていく。

 こうして、第23回士郎争奪戦会議は無事終了した。

 

 

 

 その夜、今回の事を織斑千冬が思い出していると、衛宮士郎が2つお茶を持ってきた。

 そっと、お茶を置いて

 

「な、なぁ千冬、結婚しないか?」

「……え?」

 

 

 




記者会見では冷静であった千冬姉、しかし本当はかなり焦っていた。
というのであれば面白いなぁと
この続きを書くのであれば、甘くしたいですね、



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