IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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再会―消えない絆―

「あん?」

 

その日もセイバーとそのマスター、ユーノ・スクライアは街中を歩いていた。目的は他のサーヴァントもしくはマスターを探すためである。しかし、結果は順調とはいえない。今日で3日目となるが、未だに発見できていない。

 だがある昼下がりの頃、「女扱い」されるのが嫌いなのに来ている服は露出が多いセイバーが呟いた。

 

「セイバー?」

「……」

「居たのかい?」

「(ニャァ) ああ、これはたぶん召喚されてスグだろうな、アッチの森の方だ」

 

 セイバーが指をさした方向は、ユーノ・スクライアの眼からしてもほんの少し緑が見える位しかない森を指さした。見るだけわかるその遠さにユーノ・スクライアはため息をつく。

 

「これは、仕方ないね……」

「ん? ってことは」

「運転任せるよ、安全運転でお願い」

「よっし、そうこなくっちゃな!」

 

 嬉しそうにユーノ・スクライアの魔力エンジン改造地球産軽自動車『ベントレー・ユーノディエール』の運転席へ乗り込む。

 そして、窓を開けて

 

「おい、マスター? いーくーぜー!」

「わかっているよ。安全運転にね? この車気に入っているんだから」

「まかせな、俺の趣味はドライブなんでな!」

 

 ユーノ・スクライア助手席に乗り込み、シートベルトをする。と同時に車体が動き出し、スピード規則? 何それ美味しいの? と言わんばかりにアクセルを踏み込みトップスピードで街中を走りだした。

 その速度はミッドチルダスピード法で定められている速度を3回りほど上回っておりユーノ・スクライアはこれほどまでに魔力エンジン改造型Z-ONにしなければ良かったと思うほどだ。ちなみに魔力エンジンはガス欠ならぬ魔力欠になった場合、運転手の魔力をエンジンと使用できる為、最近の魔力車のカーレースでは人気のエンジンなのだ。

 セイバーのドライビングテクニックはプロも真っ青な腕前で見ている分には映画の撮影と思うであろう。しかしこれは現実なのだ、例え何台もの車を追い越し、車体がなぜか空中右2回転し、追ってくる魔導士を追い払い、車体がなぜか空中左2回転し、追っ手の管理局魔導士を完全に振り切りったとしても、現実、映画ではないのだ。

ユーノ・スクライアの愛車はタイヤを大きく擦り減らしながらセイバーの直感に従いはるか遠くの森へと向かった。

 

 1時間ほど立ち、ようやくユーノ・スクライア地面に生還した。そして、思った。

 

「(もう、セイバーの車には乗りたくない)」

「さぁって、こっからが本番だぜ?」

 

 そういうや否や、セイバーの服装は一気に白い鎧に包み込まれた。ユーノ・スクライア深呼吸で呼吸を落ち着かせ、脳を働かせる。

 

「セイバー、サーヴァントは森のどの辺にいる?」

「ん~。コレだと大体真ん中ってところか、マスターはこの森には居ねぇみたいだが」

「そうか、なら罠があるかもしれないn「なら、罠ごと踏みつぶすだけだな!」

 

 自身満々に言うセイバーを羨ましく思いながらもユーノ・スクライアは必ず、この戦争に勝つと自分に活を入れ、セイバーと共に森の中へと入った。

 

森へ入ってからはセイバーもユーノ・スクライアも口を固く閉じ、周りを警戒し進む。森の中を何時間ほど歩いただろうか、ふとセイバーの足が止まった。ユーノ・スクライアはスグに目の前を見る、目の前にいたのは真っ黒な鎧で身も、顔も隠した騎士がその場に立っていた。しかしその騎士は女性だとわかるほど、胸当ての部分は盛り上がっていた。

しかし、不思議に思うのはなぜかセイバーの様子がおかしいからだ。目の前にいる黒騎士を見た途端に子供が友達と会ったかのような嬉しそうであったからだ。

 

「この聖杯戦争、出てきてよかった。今ここで感謝するぜ、マスター」

「セイバー、あのサーヴァントは……」

「ああ、知っているやつだ。俺が最も会いたかったやつだ。なぁ! 顔隠してねぇで見せろよ! アーサー王!!」

 

 ユーノ・スクライアはその言葉を聞いて理解した。確かに彼女が最も会いたかった人物であろう。

 ――モードレッド卿、アーサー王伝説に出てくるアーサー王の不義の子であり、アーサー王に仕えた精鋭の騎士たち『円卓の騎士』の1人である。また当時の反アーサー派や敵戦力を纏め上げアーサー王へ叛逆し、相打ちという形でアーサー王よって倒された。

 叛逆の理由は、自分を息子と認めて貰えなかった。だという。

 

 そんなセイバー、いやモードレッドは自ら兜を取り、アーサー王へ投げつけた。しかしそれはアーサー王がいつの間にか持っていた黒い槍によって防がれ、片手で兜を外す。そこにはモードレッドとよく似た顔をした女性だった。

 

「まさか再び会うとはな、モードレッド卿」

「ハン! 俺も驚いたぜ、だが父上は召喚されて1日もたたずにリタイアだ」

「それはどうかな?」

 

剣を構えるモードレッド、槍を構えるランサーのサーヴァント:アーサー王。それは『アーサー王伝説』の再現であろう、両者がにらみ合い、静寂がこの森を包み込む。

 

 まるでここだけが切り離されたかのように木々の音も、風もすべてが聞こえなかった。しかし、1枚の木の葉っぱが両者の前に落ちたと同時に両者は互いに駆け出し、己と相手の距離を詰める。

 

「おらぁぁぁ!!!」

 

 セイバーの咆哮と共に剣(つるぎ)は振りぬかれる。上から振り下ろされた一撃をアーサー王は槍で防ぐ。

 

 ガキィィィィン!

 

 高い金属同士が当たる音が森の中が響かせる。ギチギチという剣と槍による力の均衡は続く。モードレッドは加えられている力に笑みが浮かぶ。

 

「叛逆の続きと行こうぜ! 父上!」

「ならば私はお前の叛逆を終わらせよう」

 

そこから始まる黒騎士と白騎士の激突、互いの武器のぶつかり合い、互いに武器を振るう。

 

 

 

 




大幅に変更しました。前回は感情入れすぎた。反省します。


今回、ランサー枠でリクエトしてくださったのは「メタルギア」さんです。
メタルギアさん、ありがとうございました。

あとライダー枠、アーチャー枠があるのでリクエスト希望の方は「活動報告」にある
「サーヴァントリクエスト」までお願いします。


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