IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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規格外の騎士、見えない絆の象徴

「おい、待やがれ!」

 

セイバーの言葉も空しくバーサーカーとそのマスターちんくと呼ばれた銀色ロングヘアーの少女は廃墟の中へ入っていき、視界から消える。それを追うように金髪のツインテールの女性が追う。

 ちらっと降りて来た2人の女性を見る。1人は白の帽子を被り短髪で深い青の瞳、服は白のジャケット、下には黒いワンピースの様な服。左右にある金の草摺。右手には十字架のような杖、左手には本を持っていた。まさに変わった格好だ。

 もう1人は茶色のツンテール、白いジャケットに白のワンピース、そして、白のスカートの様な草刷、右手に赤い宝玉のある杖、いや恐らくは槍だろう。

 

「(さてと、マスターからの念話もねぇし、変な奴らは来るし、面倒だし帰るか)」

「コチラ時空管理局の者です。さあき程の戦闘について詳しく聞きたいのでご同行してもらいます」

「それと、その質量武器、コッチに渡してもらえんか? コッチとしても無駄な戦闘はしとうない」

「ハン、俺の剣を取ろうなんざ100年はえよ。わりぃがコッチとしては口を封じさせてもらうぜ」

 

 セイバーは2人に向かってニィと笑いかける、その態度に2人は瞬時に距離を離し己の武器を構えながら念話で互いに話し始める、口に出さないというのは相手にバレないという事だ。声掛けをしないというのは相手にタイミングを計られないという事だ。

 2人は過去の戦いに置いて口に出すという事がどんなに相手にとって有利にさせてしまうかを知っている。Bランク試験会場で起こった大きな結界、それが破られたと思いきや今度は巨人の様な大きい男が二槍を持っている、目の前にいる女性、セイバーが剣を持っている。それだけならまだいい。だが、持っている武器は管理局では忌避されている『質量武器』だという事だ。

 

「《はやてちゃん、やっぱり簡単にはいかないみたいだね》」

「《そうやね、見た感じ、シグナムと同じベルカ式騎士みたいやけど、油断は出来へん、むしろうち等は後衛型、真面にやりやったら切られてしまうわ》」

「《でも、逆に言えば》」

「《後衛は後衛らしく、相手を寄せつかせない! ってところやね!

あ、そや、フェイトちゃん。そっちはどうや?》」

《ダメ、完全にロストした。今からそっちに戻るから前線は任せて》

「《了解や、時間かせぎするから、早めに戻って来てやー》」

 

「おいおい、黙ったままかよ。ふん、まぁぞれじゃあ蹂躙するかぁぁぁ!!」

 

『「《来る!》」』

 

 剣を構えたセイバーは走り出す、砂煙が舞いながらも走るその姿はまるで猛スピードで走る一台の車。距離を離していたとはいえ2人の女性はセイバーの速さに驚いていた。なぜならそのスピードは時空管理局の中でもトップ3内に入るだろう、そしてその1人は先ほど追いかけていった『心優しき金の閃光』と名高いフェイト・テスタロッサ・ハラオウンを超えるか、その速さに驚きながらも条件反射で2人は防御系魔法プロテクションによるボール型で周りを守り、ラウンドシールドによって前方を守るという自身を守る態勢に入った。ラウンドシールドで攻撃を防ぐ気だったのだろうとセイバーは一気に横へ飛びこむ。

 急な事で2人にはセイバーの姿が消えたかのように思った。周りを見渡そうとしたとき、茶色のツインテールの女性、高町なのはのプロテクションに強烈な衝撃が走った。そちらを見るといつの間にかセイバーは足元にこぶし大の石を複数転がっているのが見えた。

そして、セイバーは石を拾い、振りかぶり、投げつける。

 

「きゃあ!? な、なんや!?」

「はやてちゃん! あsk『Round Shield』

 

 3撃目の投擲による攻撃は高町なのはのインテリジェントデバイス、レイジングハートが張ったラウンドシールドを貫通し、プロテクションに当たるが先ほどよりは威力は落ちており、防げると確信できた高町なのはだが、逆にこのままプロテクションを張っていないと危険という事もわかってしまった。

 

「《はやてちゃん! プロテクションをもっと強力に! じゃないといずれ破けちゃう!》」

「《なんつーバカ力なんや! リィンを置いてきたのは間違いやったな》」

「《うん、私もノッブを置いてくるんじゃなかったよ、まさかこんなにも強いだなんて》」

 

「へぇ、アレを防いだか、ちょっとばかし力入れたんだけどな」

 

 セイバーはそういって、石を拾い、投擲、石を拾い、投擲、石を拾い、投擲、石を拾い、投擲、石を拾い、投擲、石を拾って投擲、石を拾って投擲、石を拾って投擲、石を拾って投擲、石を拾って投擲、石を拾って投擲、拾って投擲、拾って投擲、拾って投擲、拾い投擲、拾い投擲、拾い投擲、拾い投擲、拾い投擲拾い投擲、拾い投擲石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲投擲。

 まさに雨、いやマシンガンの様にサーヴァントの身体能力を使う石の投擲は高町なのはと帽子をかぶった女性、八神はやての行動を封じ、ラウンドシールドを貫いていく。そのたびに新たなラウンドシールドが貼られ、破かれる。

 一方的な攻撃に移動することも防御する事もままならない。しかし、2人は同じ思いで石の雨を防いでいた。

 

「「(これが騎士のやる行動!?)」」

 

 しかしそう思っていても、これほど原始的で空中に浮いている者に対して現在有効なモノはない。

 

 その時――。石の雨が、止んだ。

 よく見るとそこにはセイバーへザンバーで攻撃を仕掛けているフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの姿があった。セイバーは己の武器を振るい、攻撃を防ぎながら不利な体勢を直そうとしているが、セイバーを少し超えるほどの速さを持つフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの行動がそれを防ぐ。八神はやてと高町なのははすぐにその場で魔力をチャージし始める。終わらせるのは一瞬、ようやく石の雨が終わり、仕掛けた本人もコチラに攻撃できていない今がチャンス。

 

「《フェイトちゃん! もう少し抑えてて!》」

「《うん、だけどこの人ものすごく強い、このまま攻撃していても14手で倒されちゃう》」

「《なら残り3手になったら、離脱してや! このままなのはちゃんとウチで魔法砲撃で終わらせる!》」

「《わかった! 残り10手!》」

 

 そのままフェイト・テスタロッサ・ハラオウンのカウントが始まる、9手、8手、7手、6手、5手,4手と念話で高町なのはと八神はやてにタイミングを計りながら、離脱の機会を狙う。

 

 だが、それは熟練にして規格外の剣の騎士の前では意味はなかった。

 

「そんなに離脱したきゃあ、させてやるよ」

「なに?」

「おらよぉ!!」

 

 セイバーは己の剣投げつけ、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの隙を突き、右手でフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの左腕を取り、体勢を崩させてからそのまま、左足による、蹴りが食わられる。

 フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは背中にセイバーの蹴りが加えられ、体がクの字の様になりながら、空へ打ち上げられた。高町なのはと八神はやてがいる方向へ。

 急にフェイト・テスタロッサ・ハラオウンがこちらへフッ飛ばされた事でチャージをやめ、高町なのははフェイト・テスタロッサ・ハラオウンを受け止める。

 

「大丈夫!? フェイトちゃん!」

「クッ……! ア……!」

「ハッ、しもうた! ターゲットは!?」

 

 八神はやては先ほどまでセイバーがいた場所を見る、がそこには誰もいなかった。そのまま前後左右探すが、見つからない。

 

 こうして、高町なのは、八神はやて、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはミッドチルダで起こる事件と聖杯をめぐる戦いが絡まりあおうとしていた。

 

「たく、なんだって一般人の口封じは当たり前だぜ? じゃなきゃ無駄な犠牲が出るだけだからな、マスター」

「うん、それは分かっているよ。けれど。彼女たちだけは見逃してくれ」

「……まぁいいさ、オレは最強の騎士、モードレッドだからな。たとえこの聖杯戦争、一般人に犠牲出さずに終わらせやるよ」

「頼りにしているよ、セイバー」

 

 

 たとえそれが

 

「いたっ!?」

「どうしたの? フェイトちゃん、ケガ?」

「さっきの騎士にすごい蹴りやったからなぁ、背中大丈夫?」

『ノブ? ノーブ?』

「ううん、それは大丈夫だけど、なんか左手の甲が急に痛くなって」

「見せてください! フェイトさん! 私が治してあげますよー!」

 

 命を取り合う戦いの始まりだとは

 

「あれ? なんだかコレ、ケガというより、模様になっていますよ?」

「あ、本当だ。なんだろ? コレ」

「まさかフェイトちゃん、タトゥー入れたの?」

「入れてないよ!? そんなの!」

「けどこの模様、不思議やね」

 

 今はまだ、知るはずがなかった。

『フェイト』

 




お久しぶりです。
リクエストをいただいて、ありがとうございます。
色んなサーヴァントが候補にあがりました。
ランサー
ヘクトール、アルトリア・ペンドラゴン(オルタ)
アーチャー
ニコラ・テスラ アテランテ
ライダー
フランシス・ドレイク エドワード・ティーチ
ありがとうございます、まだまだ募集中です。
そこから出していこうと思います。
リクエストは「活動報告」でリクエスト版を出していますので、ソチラにお願いします


誤字脱字、ご意見、ご感想があれば「感想」にてお願いします。

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