プロローグ 私、織斑千冬は結婚します
「私、織斑千冬は結婚します」
日本の東京での行われた記者会見、「ブリュンヒルデ」と名高く孤高の存在とまで思われていた織斑千冬が開いた会見は文字道理世界中の人々テレビに注目し、海外でもテレビの前で翻訳者がスタンバイしており、アナウンサーと共に陽気な会話をしている。誰もが「ブリュンヒルデ」の重大発表に耳を傾ける。現在日本中の学校では全校女子生徒が校長先生、会長、PTAに意見し、見られないのであればストライキを起こすという脅しをするほどだ。
その学校は生徒の熱い熱意(ストライキ)と想い(脅し)により全校生徒がその時間は自習になった。後日、とある新聞で『日本女子生徒ストライキ寸前!? 清く正しい記者が行った学校の真相』という記事が電車に乗る大人たちに読まれるのはごく自然な事であろう。
さて、記者会見開始まで1分を過ぎるとテレビのアナウンサー達やゲスト達はごくりと唾をのむ。
記者会見が始まった、会場に織斑千冬が入場し挨拶をする、席に着き織斑千冬は問答無用で放ったこの言葉は数秒全世界の人々は止まった。
この時全世界中で車に乗り運転している人たちは赤信号でもないのに全く同時にブレーキを踏みこんだおかげで全く交通事故が発生しなかったという奇跡があったのだが、それは置いておこう。
10秒? 1分? もしくは1時間かもしれない、再び人々が機会を起動させるがごとく一人の記者が起動ボタンを押すように質問をした
「け、結婚、ですか……?」
「ああ」
世界最強(ブリュンヒルデ)の短い返事にその場にいた記者たちはカメラを連続撮影のように何十、何百枚もとっていた。そんな訓練された記者たちとは別に世界中の翻訳者たちは隣いるアナウンサーに揺さぶられながら続きを翻訳するように言われているのは訓練されてない証なのだろう。どういった訓練なのかは知りたくもないが。
さて今現世界中は女尊男卑である。
女性はIS(インフィニット・ストラトス)と呼ばれるガ○ダムのような機械を身に纏うパワースーツが使えるがゆえに上であり、使えない男は下という思考、及びその考えに基づいた制度が作られているのだ。
それもこれもISが女性しか使えず、尚且つ今まで使っていた従来の機械兵器を多く上回っているからだが、そんなことはどうでもいい。最も素晴らしいのは人が空を飛ぶことができる。という事だ。
世界最強とはIS乗りが目指す称号「ブリュンヒルデ」を持つことを認められる者のことであり、織斑千冬はその称号を持っている、世界中の女性達にとっては『英雄』であり憧れでもあり目指すべき頂点というべきだ。
ではそんな目指すべき頂点が世界中女尊男卑なのに、男と結ばれる。ということは今の今まで全く、誰もが考えも思ってもいなかったことだった。
例えるのならば成人し立ての王族、皇族が突然にコンビニでバイトをしている女性と結婚します。というところか。
または誰もが知っているイケメン俳優が突如家に来て結婚指輪を出して「結婚してください」と告白してくる。
「い、一体どこの誰とご結婚されるのですか!?」
記者の女性は叫ぶような悲鳴を上げながら質問をした。この時男性、女性問わず誰もがテレビ又はラジオに耳を傾けていた。
多くの女性は「一体どこの馬の骨だ」と思っているのだろう。
そいつはブリュンヒルデというだけで選んでいるに違いない! 絶対に騙されているのだ!とも考える女性もいるかもしれない。だが、織斑千冬は無常にも何時もの声色で答えた。
「中学から付き合っているやつだ」
絶句した。
淡々とした態度で記者の質問に答える織斑千冬は記者の態度にため息を1つついた。そのため息には様々な思いがあったという事をしているのはこの会場には2人しかいなかった。
「ちょうどいいからこの場を使って言うが、私は女性が上、男性が下という考えを一度もしたことがない」
ドカーン! という漫画やアニメの効果音が出た、いや出たに違いない。
まさに爆弾発言なのだ。 まさかブリュンヒルデが女尊男卑ではないなんて!!
女性達はISが動かせられる! これだけが誇りである。
軍にも強い兵器はISの前では形無し、ISを動かせられる女性は強い! と考えるものもいる。
「そもそもだ。世界で流行している「女尊男卑」だが、ほとんどが男性を奴隷のように使っているのが問題だ。 そして、奴隷のように使っている女性はレズか結婚を諦めている者なのだろうと私は考えているし思っている。」
またまた爆弾発言だ。確かに近年、日本でも女性がウィンドショッピングで散らかした衣服を他人の男に任せ、否定したら警備員を呼びチカンしたなどと冤罪をかけるという事があり、しかもそれは有罪として片づけられている。
これには政府も頭を抱えているが、政府の中にも「女尊男卑」の女性がいるとこれに対する法律はすべて否定され、不成立となる。
また選挙でも公平で無ければならない役員たちや、男性に脅しをかける女性達によって政府内に「女尊男卑」の女性が急増し、今では男性49%女性51%まできている。
「なぜならばそんな事をしていれば男は確実に女性不信になるだろう、当たり前だ。冤罪なのに有罪にされるのだからな。ソイツは一部の女性としか関わろうとはしないだろう。
むろん、それが広がればその分女性不信の男が増えるは言うまでもないな」
女性で埋め尽くされている会見場で確かに。と思う記者たちは多かった。
誰も無罪が有罪にされては嫌な気分になるだろう、それが今なら女性と関わりたくないと思うのは当たり前だろう。
「この会見を見ている又は聞いている女性達に言っておく。
お前たちは自分で産んだ子を腕に抱きたくないから、男が嫌いだから男を奴隷のように扱っていることをわかっているのだな?」
その言葉は女性にとって衝撃的な言葉だった。
自分の子供を腕に抱くというのは女性の特権ともいえるだろう、この会見を聞いている特に16歳以上20代未婚の女性は耳を疑い、さらに集中して会見に耳を傾ける。
「さすがに小学生はともかく中学高校大学生は特に、彼氏がいない者が多いのではないか?」
まさに電光石火のごとく、ブリュンヒルデの言葉の矢が彼女たちの胸に突き刺さる。
学校の授業を自習にして聞いている女子生徒は胸を抑える、そして周りをよく見渡すと男子が座っている位置と女子が座っている位置の間に明確に幅があることに気が付いた。
ついでに、男子達は静かに駄弁っている者もいれば寝ている者、勉強している者もいる。いや殆どテレビを見ていないのだ。
「そして諦めていき、どんどんと男を奴隷のように扱い、それが噂となり男が寄り付かなくなるだろうな」
今度は20,30代の女性達の胸に巨大な矢が突き刺さった。
事実、モテない女性達は憂さ晴らしとして男性に強く当たる正社員が多い、男性とは違い女性は精神的攻撃な為、関わり合いなれば恐ろしいことになるだろう。
「それにだ、子供を持っている女性がそういうことをしているとは思いたくもないが、
一応言っておく。お前たちは子供に対して立派な姿を見せていると確信できるか?」
どこかでドキっとおもった女性は多いか、少ないか……。
この際置いといて、どうやらまだまだ続きそうだ。
「私は、弟に対して大会前でも後でも立派な姿をと頑張ってきた。
両親が死んで、どんなに生活が苦しくなっても、どんなに睡眠時間を削りバイトに励んでも一夏だけには立派な姿を見せ続けているつもりだ。だから私は言える。
織斑一夏には立派に育ってほしいと!」
この時織千冬は瞼を閉じると、妹と織斑一夏が生まれてから今日までの日々が浮かんできた。初めてできた弟。両親から立派なお姉ちゃんになるのだよと言われたあの日。
突然の生活の一変、心からバカができる親友。
そして―――。
「すまない、少し熱くなったな。子供を持つ女性、弟妹をもつ女性に言っておく。汚い姿を見せるな。女は綺麗な方がいいだろう?」
その言葉には何が含まれているのか。
何が汚いのかは心打たれた女性にしかわかるはずがないだろう。人は解釈の違いで感情を怒りにも泣きにもできるのだから。
「これで言って変わらない者には……まぁいい、私には関係ないからな」
よくないです!と思った世界中の未婚の女性達は心の中で叫んだ。
なにかアドバイスをくれぇぇ!と思った女性もいるかもしれない。
「それにだ、私は前でも今でも変わらん。 むしろISが出来たがゆえにブリュンヒルデという称号を得ることができた。 だが、昔のままなら私は道場の師範かOLだろうな。
しかし変わらないこともある、結婚相手と私の態度だ。
特に私の態度は意識してなければ相手を見下すように言ってしまう。今でも直そうとしているがこれがなかなか治らんのが現状だ」
いや、ため息を吐かれても私たちの胸の矢はとれないッスよ。
思いっきり刺さって、むしろ貫通ッスよ?
「む? もうこんな時間か。 では質問に入ろうと思うが……ではそこの方」
「清く正しい文々。新聞社の射命丸文です。早速ですが、お相手は誰なのでしょうか!?」
文々。新聞社の記者の質問にその場にいた人々は静まり返り耳を傾けた。
誰もが知りたいのだ、ブリュンヒルデを射止めた相手を、一体どんな人物なのか。ヒョロ系? ガチムチ系? インテリ系? いやいや!ショタ系だろ!! と思ったアナタはブリュンヒルデ直々に校舎裏へ連れていかれるだろう。 ん? ああ。屋上ッスか。
ふふふ、いいですね、物凄く震えてきました。
織斑千冬は文々。新聞社の記者を見て、微笑むように見ながら答えた。
この微笑む写真は全女性の宝物となることになろうとは織斑千冬は思いもしなかった。知っていたら世界中を回って焼け野原にしている。絶対に。
「相手はISとは無関係の仕事をしているとだけ言っておこう」
「つまり一般の方で中学の同期なのですね!?」
「ああ、私も結婚をすれば苗字が変わる、出来れば結婚後までは静かにして欲しい」
「ほうほう! ではもう1つ質問をよろしいでしょうか!」
「ああいいぞ」
「では織斑千冬さんには1人弟さんがいますよね? 弟さんからは反対とかはあったのでしょうか?」
「いや、無かったな。 むしろ一夏は喜んでいたぞ」
「そうですか! ありがとうございます! これで文々。新聞社の質問を終了させていただきます」
それからほかの記者からの質問はあったが、すべて結婚のことではなく女尊男卑のことばかりだった故省略する。
数か月後、織斑千冬は衛宮千冬になったことで中学生の同期や先生方から驚きの声が上がったのは言うまでもない。
タイトル決定。
ジルさん提督さんとNCドラゴンさんのタイトル意見をフュージョンしました。
誤字脱字があれば感想で教えてください。
お願いします。
また、どんな意見、ご用件でも構いませんご感想お待ちしております。