IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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連鎖の破壊、それは終わり

闇の書の闇を倒す事に成功した高町なのは(新・魔王)とその配下たち(フェイト、ユーノ、はやて+その他)は世界を守ったことによる安堵(と畏怖)による緊張から一部魔力コントロールを誤り空から落ちる者(絶望の末に逃亡する者)などがいたが無事に長年次元世界の間で恐怖と絶望、破壊と殺戮を繰り返したロストロギアの魔本、闇の書は消え去った。 たった一人の少女の未来(かよわいおんなのこ)を破壊しつくし、違う未来(魔王誕生)が確定してしまったのは致し方ない事であり、1を捨て9を救う為だったのです。

 

 そう、少女の悲しみの涙(魔王確定)が悲しみに染まる少女と騎士たちを救ったのです。ここで終わればすべてはハッピーエンドになるでしょう、しかし何かを得るには何かを捨てる様に、1を捨て9を救う様に、結末には必ず何かを捨てなければいけなかった。

 

「それは、本当なの?」

「ああ、私が生きている限りあの闇は私を媒介に復活するだろう」

「けど、それは今すぐってわけじゃないのよね?」

「そうだな、今は力尽きているかのように眠っているが、じわじわとわかるのだ。『私』という権限が乗っ取られていることに、と言っても爪の伸びる速さより遅いがな」

 

 次元航行船アースラ内にある艦長室で艦長のリンディ・ハラオウンと『夜天の書』のリィンフォースがソファーに座りながら今後の事について話し合っていた。

 闇の書は消滅、ロストの確認は出来ただろう、だが、コップに水を入れ捨てる様に小さな水滴がコップの中にあるように『夜天の書』の中には『闇の書』の残骸と言うべき小さな、ほんの小さな残骸が生き残っていた。

 そしてそれは意思が無いプログラムであるが故に忠実に「無限再生機能」を起動させていた。しかしながら小さな残骸故に再生機能は圧倒的に遅かった。だが先延ばしにすれば必ず復活する。

 

「はぁ、『闇の書』の事件がまだ終わってない、なんてね。この事はやてちゃんには?」

「言っていない。それに我が主には悲しみの顔を作ってほしくない」

「そう、時空管理局員として現在も闇の書が残り、再生しようとしているのであれば、今度こそ完全に復活しないよう、消滅させたい。けど……」

 

 消滅させたいと言ったとき、リンディ・ハラオウンの脳内に夫のクラウド・ハラオウンの微笑みが彼女の言葉を止めさせる。しかし時空管理局員としての『正義』が彼女の中でせめぎ合っていた。ここで消滅させれば八神はやては確実に自分と同じ思いをする、けれど野放しにすれば……。

 悩むリンディ・ハラオウンの姿にリィンフォースは安堵した。確信したのだ。

 リンディ・ハラオウンなら、彼女ならば我が主を、八神はやてを託せると。

 

「大丈夫だろう」

「え?」

「我が主の周りにはあの小さな勇者たち、ヴォルケンリッターもいる。1人ではない。それに」

 

 お前も我が主を守ってくれるのであろう? と微笑むリィンフォースにリンディ・ハラオウンは強くうなずく、その表情は先ほどとは違い悩む姿はなく、1人の平和を守る者、時空管理局員としての姿と1人の「親」としての姿があった。

 悩む事など出来ない。何時、どこで『闇の書』が復活するか、10年後か? 5年後か? 5か月後か? いや、明日かもしれない。残骸だからと言って油断は出来ない。犯罪者に対して捕獲したからと言って油断するという愚かな行為をしないように。

 常に考えることは最悪の事態。

もし、ここで説得し時空管理局の研究者に調べ解決するようにとしたとして、誰が彼女を強制的に主の席替えさせないとわかる? いや闇の書の残骸を盗み新たな『闇の書』が生まれないという事がわかるというのだ? 人は『人』だ。

脅し、恨み、好奇心、悪意が時空管理局の中で渦巻いているのに「誰も危険だからしないであろう」と考え、思考を停止させるのは最も最悪な事だ。

その判断が自分の家族を、身近な人に害を振りまいたとき、自分自身を恨むだろう。自分だけならまだいいかも知れない。だが、それはありえない。必ず彼女の家族に対して強い風当たりがある。

それを家族に言われれば自ら命を絶つかもしれない。世界を破壊する、幸せを絶望に変える『闇の書』を残すというのは絶対に出来ない。

 

「わかったわ。『夜天の書』のリィンフォース、貴方を消滅させる事にします。

 これは、1人の親としての温情として何かやりたい事や希望はあるかしら?」

 

 1人の親として子供に悲しみの表情をさせたく無い。リンディ・ハラオウンは最後に主の八神はやてとヴォルケンリッターと過ごさせたい思いで出来る限りの事はしようと考えていた。

 リィンフォースはリンディ・ハラオウンの思いを感じ取り、小さく頭を下げた。

 本来ならばスグにでも消滅させるのがベストの筈だ。しかし家族として最後を過ごさせたいという思いを、何かを残させてくれるという気持ちに感謝した。

 

「ならば、私は………………。」

 

 その言葉はリンディ・ハラオウンにとってありえない言葉であった。しかし良く考えればリィンフォースは最後の八神はやての表情を悲しみで終わらせたくないのであろう。

 

「そう、わかったわ、時間を考えて明後日の深夜に行いましょう」

「ありがとう」

 




アスターズほとんど書いてないのに、終盤とか。
すんません、物凄く書きやすいんです。
気分次第ですがナノハ編は無印から完成させたいですね。

今回はシリアス風味(?)にしてみました。(最初以外)

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