IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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闇、終焉の作戦会議

 

 

 

海鳴市の海上に存在するソレ、闇の書の『闇』にして数百年の間絶望と恐怖と悲劇を振りまいた魔本、元が魔法収集用の本型ストレージデバイスだとしても今が今、空に浮かぶ勇者達はその存在を改めて目にした。

 

 形状は丸いスライムの様にぐねぐねと丸いからだが唸り、数十本の生き物の顔が付いた触手が海より現れる。その中に1人の女性の様な姿をしたモノが現れた。下半身は埋まって見えず、上半身だけが見えていた。腰にまで伸びた髪は周りの触手と同じように唸り、その真っ赤な瞳は空に舞う勇者たちを見つめる。

 

「あれが、闇の書の、闇……」

「ああ、幾つもの次元世界を崩壊し人々に絶望を与え続けた闇の根源だ」

「けど簡単には行かへんよ、闇の書の闇には対魔法と対物理のバリアを重複させてるんや」

 

 闇の書、いや『夜天の書』の主である八神はやては厳しく、そして悲し気に闇の書の闇を見つめる、それは一体何を思っているのか。今まで歩けなかった原因を恨むのか、それとも知らずとも生活してきたことで愛着があるのだろうか、少なくともこの勇者たちの中で悲しみを覚えているのは八神はやて1人だけだ。

 

『うん、確かにSランク級のバリアがあるね、魔法と物理を交互に2ずつ、合わせて4つの対バリアだね』

「対魔法、対物理はこの際どうでもいい。少なくともこの場では関係はない」

「うん、問題はその後の事だね、無限書庫で資料を探していたからわかるけど、管理局は何度もこの闇の書の闇を破壊してきた。けれど止めることは出来なかった」

 

 そう時空管理局も闇の書の悲劇を止めようと事件に何度も関わったことがあった。しかし止める事は出来なかった。幾ら魔本『闇の書』にアクセスを掛けようとも主、マスター以外のアクセスを完全に封じられた。中には時空管理局員が主になったこともあり、その際に時空管理局は魔法技術で研究を繰り返したが、それすらもあざ笑うかのようにアクセスの道は閉ざされていた。結局時間切れとなり職員は自らの時空管理局員としての自覚と覚悟を持って自ら命を絶つ事で殉職した。

 こうして時空管理局が出した答えは不可能、破壊でしか救いはないと出た。主にすら崩壊寸前でしかアクセス権を与えないのでその数分を狙いアクセスしなければならない。またそれすらも時間制限があり完全に調べ切るのは不可能という事だった。

 

「ねぇ、もしこのまま破壊したらどうなるの?」

『私と分離している今なら自動防衛運用システム、闇の根源を滅することが出来るだろうが、難しいだろう』

「どうしてなん?」

『簡単に言えば砂場から1つの石コロを見つけるようなものだ。あの巨体にある小さな核を見つけ破壊することは難しいだろう、破壊できなければ再び復活するのは目に見えている』

 

 公園の砂場で考えてみよう、砂場は巨体で遊んでいる子供たちは触手だ。その中で1人色のついた石コロは砂の中にあり、どの深さにあるか、どの辺にあるかはわからない。その中で石コロを見つけるには相当な時間を掛けなければならない。装備品として大き目のスコップ1本だけだ。

 掘って探してまた掘ってを繰り返し一体何時間で終わるだろうか? 沢山いれば良いが1人だけでは探しきるのは難しい。もしかしたら、堀った砂の中に混じっていているかもしれないのだ。

 

「そっかぁ」

「エイミー、センサーで探すことは?」

『ダメだね、今もだが探しているけれど、エネルギー反応が高すぎて感知しきれない!』

「やはり今までと同じアルカンシェルで一気に破壊するしかないのか?」

『……このままだと、そう、なるね』

『……そうだな、それしか、方法はあるまい』

「ダメだ!」

 

 1人、夜天の守護者、ヴォルケンリッターの特攻隊長、鉄槌の騎士ヴィータは叫んだ。

 

「こんなところでアルカンシェルなんか打ったらはやての家までふっとんじまうじゃねぇーか!」

「え!? アルカンシェルってそんなにすごいの!!?」

「えっと、地球でのことを考えると、核爆弾っていえばわかる?」

 

 その時、高町なのはの頭はぷゅーっと煙を噴出して停止した。容量オーバーのことを言われ一時的に停止することで処理をしているのだ。

 

「えっと、カクバクダンは解らないけれど、私もアルカンシェルは反対」

「わたしやって反対や!」

「ボクだって反対だ。けれど何もできなければ打つしかない。出なければ他の人たちに、アルカンシェル以上の被害が出てしまう」

 

 クロノ・ハラオウンは俯く。その様子にフェイト・テスタロッサ・ハラオウンと八神はやては頭では理解しているが心では理解は出来ていなかった。

 誰も、人の家に他人が入り込み、部屋を全て破壊しつくしてから「こうしなければ他の部屋に被害が出ていた」と言われ大切な思い出、大切なモノすら残っていなければ理解は出来ないだろう。例え詳しい事情を言われたとしても出来る筈が無い。

 

「シャマル、何か手はないか?」

 

 夜天の書の守護者、ヴォルケンリッターのリーダー剣の騎士シグナムは同じヴォルケンリッターの仲間にして参謀の湖の騎士シャマルに問う。

 

「そうね、バリア自体はみんなでやれば大丈夫、邪魔な時はサポートとしてザフィーラとアルフちゃんがしてくれれば、私とユーノ君で核を探すわ」

「うん、僕もそれがいいと思います。では次に核を見つけてどうするか、見つけられたのなら核を転送しアルカンシェルで消滅させてもさせるのがベストだと思います」

「おぉ! そりゃあいいね! アタシとしても簡単でわかりやすい!」

 

 アルフは嬉しそうに笑う、隣いた夜天の書の守護者、ヴォルケンリッターの守護、ザフィーラも黙ってうなずく。

 

「リィンフォース、これならどうでしょうか?」

『そうだな、可能だ。ただしそこに我が主と高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの三名による極大砲撃魔法で体積を削ればより核の探索をしやすいだろう』

 

 こうして、闇の書の闇、根源を消滅する話がまとまった。

 




ネタが思いついたので、一気にアスターズ、最終。
飛ばしまくりで、ほんとすんません。
けど、何時かは完結しますので!!

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