IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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クリスマスは不思議な出会いなのパート3

 

高町なのはがサンタ・オルタに抱きしめられ、頭を優しく、壊れ物を扱うかのように優しい手つきで撫でられ、ドクン、ドクンというサンタ・オルタの心臓音を聞きながらしばらくの間静かな時間をゆっくり、ゆっくりとうれしさと恥ずかしさが交じり合いながらも楽しんでいた。喜んでいた。

 

「落ち着いたか?」

「ウン……」

「そうか、だがこれからは私ではなく家族にしてもらえ」

「ウン……」

「自分では出来ない事など山の様にあるのだ。相手のことを考えるのは良い事だ。世の中には相手の心を利用する奴が多い、よく話し合え。でないと昔の王様のようなことになるだろう」

 

 なのはは不思議に思った。なぜ、この人は悲しそうに言うのだろうと、けれどそれを口には出来なかった。痛々しい笑みをこれ以上見たくないから、後ろにいるトナカイの女性も何かを知っているのだろう、難しい表情でこちらを見つめるだけであった。

 パン! とサンタ・オルタは両手を叩き、なのはの前に立ち上がった。

 

「さて、霜っぽい話は終わりだ。なのは、お前は自分で書いた手紙の内容を覚えているか?」

「う、うん!」

 

 なのはは自分の左手を胸に当て、深呼吸する。呼吸を落ち着かせて、ゆっくり、ゆっくりと自分の気持ちを手紙に込めたように、この口に出る言葉も気持ちを込めて、サンタ・オルタも折り紙の手紙を取り出し、読み始める。

 

「わたしは、」

「私は」

「ずっといっしょにいられるともだちがほしいです」

「ずっと一緒に居られる友達が欲しいです」

「どんなときでもいっしょにいられるともだちが。」

「どんな時でも一緒に居られる友達が……あぁ、上げよう、なのは。お前にはコイツをやる」

 

サンタ・オルタは袋に手を突っ込み、何かを掴む。そしてそれをなのはの方へ軽く投げた。なのはは行き成り投げられた事で驚きながらもそれをキャッチする。 

小さい、なのはが抱える位の人形のようであった。しかし、驚いたのは……

 

『ノッブーー!!』

「え!? きゃぁ!」

 

 人形と思っていたモノが動き出したことだ。なのははそれを放り投げてしまうが、空中3回転半を決めながら華麗に着地した。そしてどこからともなく現れた同じような人形たちがプラカードをひっくり返していく。 10点 10点 10点 10点 10点 合計50点!

 同じ人形たちが3回転半を華麗に決めた人形に集まり始め、胴上げをし始める。ここでようやく高町なのはは正気に戻った!

 

「え? え? えぇぇぇぇ!!? なんでお人形さんが動いてるのぉぉ!!?」

「お、オルタ? なんでノッブが袋の中にいるのぉぉぉ!?」

「簡単なことだ。 魔人アーチャーの目を盗んでくすね……ゴホン、拾ってきただけだ。ただし、1体だけの筈だったのだが……」

「あぁ、助けてマシュ。 私じゃあツッコミが足りないよ」

 

 ふと人形の様なモノ、ノッブを見ると今度は全員でなのはを胴上げしていた。掛け声は「ノッブ! ノッブ!」だ。胴上げされている本人はどこかしらうれしそうである。数十分ほど胴上げされ、飽きたのかなのはを下ろしたらみんなでトランプをし始めていた。

 胴上げから解放されたなのははサンタ・オルタに笑顔で振り向いた。

 

「サンタさん! ありがとう! ノッブちゃんとお友達にしてくれて!」

『ノーッブ! ノーッブ!』

「フッ、なに、気にすることはない。ノッブたちならばなのはも仲良くできるだろう」

「いいのかなぁ(ぼそぼそ)」

 

 なにも問題はないだろう、あるとすれば今ノッブを取り上げればなのはの可愛らしい笑みが無くなってしまうことだ。一応言っておくが、この場にいるノッブは元々1人である、分裂、分身などしているのはこちらでも把握できていないが、分かって居る事は分裂が8人(匹?)しかできず、それぞれがクラスサーヴァントになるという事だけだ。

 そして、1つになるという事も出来る。

 

『ノブ?』

「どうしたの? ノッブちゃん!」

『ノブ~。ノッブノッブ!』

「え? ちゃんづけ嫌なの?」

『ノッブ!』

「そっか、うん。じゃあノッブって呼ぶね?」

『ノ~ッブ!』

 

 訂正、高町なのははノッブと話しが出来るようだ。それも正確に。

 しかし、この時はなのははもちろん、トナカイやサンタ・オルタすらもまだ知らなかった。ノッブに隠された能力が発動されることも、哀れにもそれを食らった敵がいるという事も……

 

 

『これは一体!? なんで私とノッブが合体してるの!? フュージョンなの!?』

『なんでじゃあ!? 口調がおじいちゃんになっちゃのじゃあ!!』

『ほほう、何やら惹かれると思っておったが、よもやノッブがいるとはな、よかろう!

この第六天魔王、織田信長が力になってやろうぞ!!』

『三千世界に屍を晒すがよい……天魔轟臨! これが魔王の三段ディバインバスター撃ちじゃあ!!』

 

 

 衛宮邸で篠ノ乃束のイタズラに嵌められ、一日中髪が赤になっている冬士も巻き込まれるという事は誰も、誰も知らない事であった。

 




間に合った!! とりあえず、これでクリスマス編終了です。
さて、ノッブと友達になったなのは。これでさらなるFateが待ち受けるのか。

何時も道理マイペースにやっていきます。
あ、余談ですが、ノッブはステータスオールEです。
しかし、分裂することで
セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、バーサーカー、アサシン
シールダー、ルーラーになることが出来ます。
クラスチートですが、オールE。

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