IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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束さんは夢の1つを叶えました。

薄暗い部屋の中、ISを作り出した天災篠ノ乃束はソレを作っていた。魔法陣のように複雑な文字を円の中に打ち込み、複数のISとよく分からない機械を組み込まれている。よく見れば未来的魔法陣、それもISを使った機械的魔法陣だ。

 

「ふぅ、ようやく出来る、ね」

 

 IS(インフィニット・ストラトス)を作り出した篠ノ乃束は中学生の頃に人の体には不思議な力があることに気が付いていた、化学では証明しきれない力だ。一時的に篠ノ乃束はこの力のことを『気』と呼び、性質を調べていくが、その際人間の体内以外に大気にも『気』があることに気が付きそこからは『魔力』と呼ぶようになった。そしてオカルト本を読み漁り、それに応じて『オド』と『マナ』と使い分けた。中学生の篠ノ乃束はそれはもう夢中になってその力を使えるように様々な方法を使った。しかしそのどれも難しく、肉体は傷つけやすく、精神的にも異常があることに気が付いた。故に考えを変えその力で動かせられるモノを作ることにしたのだ。

 

それがIS。

 膨大の(魔術師から見れば微量の)魔力を人間の体から流れる様に引き出し魔力エネルギーを循環させ、さらにエネルギーを増幅させる。これによって篠ノ乃束はISという魔術師から見れば聖杯の様なモノを作り上げることに成功した。しかし天災と言えど分からないことは沢山あった。

 魔力の性質、資質、なぜ魔力は人にあり、外にもあるのか。調べれば調べるほど時間が過ぎ、ISは完成に近づく。

 

「さぁってと、リーちゃんのこの動画道理なら出てくるはずなんだけどなぁ」

 

 そういって部屋の中にあるテレビをつける。

 

 移るのは今より少し幼い遠坂凛の姿。そして場所は彼女の家にある地下室。そしてこれから起こるのはまさにファンタジー、魔術師ではない篠ノ乃束が6年の歳月かけて作ることを決意するきっかけ、天災の名をかけて作り出したIS式召喚陣。

 

『素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。

  降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

みたせ  みたせ みたせ みたせ みたせ

 閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

  繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する

      セット

 ―――――Anfang―――告げる

  汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 誓いを此処に。

  我は常世総ての善と成る者、

  我は常世総ての悪を敷く者。

  汝三大の言霊を纏う七天、

  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!』

 

 魔術師遠坂凛の詠唱と共に血の一滴が落ち、魔法陣は輝きを増して……!

 光が消えるとそこにはナニもいなかった。しかし遠坂凛を見張っていた複数のカメラには映っていた。いや、壊された。上空にあったカメラが何かにぶつかったかのようにカメラDはザー! と地面へ落下したのだ。そしてカメラGは捕らえていた。

 天井を突き抜けて赤い塊が部屋をめちゃくちゃにしながら現れたことを。ソレをみた篠ノ乃束は歓喜していた。長年見張っていた存在がついに魔術を使う姿を捕らえたのだ。すぐさまに全てのカメラを帰還させ、魔法陣の模様を映し出し、解読に励んだ。

 そしてわかったのはこの赤い人を召喚するには膨大な魔力が必要であり、数値にするならば1億8千21万と出た。しかし篠ノ乃束の魔力は20、これでは召喚の足しにはならない。ISを使ったとしても一体何年になる事やら、

 しかし、そこで閃いたのだ。なければ集めればいい。456個のISは魔力を持った者しか反応しない。また自分と織斑千冬しか調べた事が無いため、女性しか乗ることが出来ない。だが、魔力を増幅させるISが複数の人間に毎日バレない程度に集めればスグに集まるのでは?

 そう考えた篠ノ乃束の行動は早かった。ネットワークを使いデータをアップロードし、篠ノ乃束の秘密基地☆に置いてある特殊ISへ集めることに成功したのだ。だが、喜んだのも束の間、世界各国のISは候補生以外全て研究などに使われるようになったのだ。しかしバレるわけにもいかない。

 しぶしぶ妥協し、時を待った。

 

 そして、今日、必要魔力の3倍を用意し、IS式魔法陣を作り上げた。

 

「うー! ドキドキするなぁ!!」

 

 篠ノ乃束はISを起動させ、魔法陣に魔力を流す。中心には『媒介』を置いて。

 

「よーし! いっくよー!

ええっと、素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 私の名前は篠ノ乃束!

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 みたせ!みたせ!みたせ!みたせ!みたせ!

 閉じよ!閉じよ!閉じよ!閉じよ!閉じよ!

  繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却するぅ!

     

 セット!―――告げる!

  汝の身は私の下に、私の命運は汝の剣に。

  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えて」

 

 膨大な魔力によって魔法陣は稲妻を発生させながら光りだす、ここに遠坂凛が居ればすぐにわかっただろう、膨大な魔力というごり押しでさらには魔法陣はめちゃくちゃ、媒介はバカらしいもの、これでは失敗は必然であり、スグに止めるべきであることに。

 しかしそんな止めるべき存在は誰もいない。あるのはまさに破局だろう。だが、彼女は止めない。

 

「誓いを此処に! 

 私は常世総ての善と成る者、

  私は常世総ての悪を敷く者。

  汝三大の言霊を纏う七天、

  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 魔力は暴走をはじめ、部屋にあるモノを破壊し尽くす、まるで爆発寸前のように。

光が全てを包み込み――――――――――。

 

 篠ノ乃束が瞼を開けるとそこにはテレビで見た、真紅のような赤い外套を纏った浅黒い肌の男性がそこに立っていた。

 

「まさか、こ「やったー!!!!!」

「おい、おちつk「さっすが! 束さんだね!! ほんとに成功するなんて!!」

「人のh「やったー! やったー!」

「ええい落ち着きたまえ!!」

 

 そこから30分後、疲れ切った男性と正座する篠ノ乃束の姿があった。

 

「ふぅ、まさかこの私を召喚するとはな」

「ふっふふ!! その通りだよ! ブラウニーのサーヴァント!」

「信じられんよ、このアー……すまない、今何といった?」

「その通りだよ!」

「いや、その先だ」

「ブラウニーのサーヴァント?」

「……」

「……」

「な、なんでさぁぁぁ!!?」

 

 ブラウニーのサーヴァントは叫んだ。もう心の先から叫んだ。

 しかし、そんなブラウニーのサーヴァントにとどめを刺すかのように篠ノ乃束は行動を起こす。

 

「だって、アナタの媒介、アレだよ?」

 

そういって指さすモノ、

 

 ホウキ、チリトリ、ブラウニーの絵本。

 

「なんでさ」

 




すまない。やりたかったんだ。

とりあえずアーチャー……いやブラウニー召喚です。
ブラウニーは今後ISから十分すぎるほどの魔力を貰うことで維持が出来る設定。

やったね! 束さん! お部屋がきれいになるよ!

ブラウニーのクラススキル

キレイキレイ
奇麗にするので敏捷をSランクまであげる。
重いものを持つ場合もあるので筋力をSランクまで上げる。

単独行動
主が居なくても掃除が出来る様に1ヶ月は一人だけでも行動できる。

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