IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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ちふゆ姉!おれ、サーヴァントしょーかんした!

「ちふゆ姉!おれ、サーヴァントしょーかんした!」

 

「はぁ?」

 

 突然、私織斑千冬の弟である織斑一夏〈小学4年生〉はこんな状況の中、ありえない言葉を聞いてしまった。私の後ろで荷物を降ろしている遠坂と衛宮もその動きを止めたのがわかるほど、周りはしんと静まりこんだ。

 

 私たち姉弟はこの聖杯戦争中、衛宮の家で安全確保をしている。巻き込んでしまった一夏には悪いが、一夏のためだ。学校も家庭の事情により休みを取らせている状況だ。とはいえ食糧調達のために私、衛宮、遠坂とサーヴァントのアーチャー4人で商店街へ買い出しに行っていた。一夏はセイバーと共に留守番をさせていた。

 ふむ、やはり聞き間違えか。

 

「一夏。もう1度教えてくれるか?」

「だから! おれ、サーヴァントしょーかんしたんだって!」

 

 聞き間違えではない。

 ギギギギギという古い機械が出す音をだしながら私は一夏の後ろで下向いているセイバーを見る。顔を上げない。どこか恥ずかしそうにしている気もしている。

 

「ど、どどどどういうことよー!!?」

 

 あ、遠坂が噴火したか。

 荷物を放り投げて遠坂は一夏の両肩に手を置き、物凄い勢いで一夏の頭を揺らす。見て入れず、私が止めようとしたとき、赤い人、アーチャーが遠坂を止めた。

 

「まぁ落ち着け凛。今は情報が最優先だ。一夏、そのサーヴァントはどこにいる?」

「いま? 今はえんがわだっけ?そこでお昼寝しているよ!」

「では居間へ行くぞ」

 

 私はアーチャーの指示に従い、一夏の手を握り衛宮家の居間へと向かう。

 居間にて、見慣れない桃色の髪に金の瞳、ドラ○もんのような赤い首輪と黄色の鈴をつけ赤い着物、だが脇を出しており花魁のような服装だ。しかも上だけであり下は私には到底着ることができない短すぎるミニスカートに黒のストッキング。

 その光景に少しイラつくがそこは置いておく。この雰囲気の中居づらそうにしているセイバーから話が始まった。

 

 私たちが買い物へ出かけた数分後のことだったらしい、それまでテレビを見ていた一夏が紙に何かを書き始めていたようだ、それをセイバーは見守っていた。

 

「できたー!」

「む? 何ができたのですか?イチカ」

「まほーじん!」

「え?」

 

 一夏はその時見ていた「0の使い魔」というアニメを見ていたようだ。プロローグからのようで、登場人物たちが魔法陣を使い、動物を召喚しているところを見ていた一夏は自分も動物を召喚したいと思い、そのアニメで使っていた魔法陣を見様見真似で書いたらしい。

 セイバーもそのことを聞いて一夏を微笑ましく見ていたようだ。小学生の考えであり、魔術師でもない一夏ができるわけがないと思ったからだそうだ。

 ふむ、私も一理ある。だが現実起きている。 話を続けよう。

 

「ふふふ、そうですか。では早速召喚するのですか?」

「えっと、えっと、あとは動物のしゃしんがいるんだ!」

 

 そう言って一夏は家から持ってきた動物図鑑を部屋から持ってきてセイバーと一緒にどんな動物がいいかを見ていたようだ。

 一夏は偉いのか、もし家の中で大きな動物が出てきたら大変!っと考えたらしく、庭で作った魔法陣の紙をしいて、上に動物図鑑を猫のページで開きおいた。

 

「えっと、わがな?は織斑一夏! 五つの力を司るペンドラゴン!われのうんめいに、した、がいし使い魔をしょーかんせよ!」

 

 当然出るわけがない。当たり前だ、そんなので出たら世界中で子供たちが召喚している。

 だが、一夏は諦めなかったようで家中で同じことをしたそうだ、無論セイバーも付き合ってみていた。どうせ出るわけがないのだから好きにやらせればいいと考えたとのこと。

最終的に土蔵で同じようにくしゃくしゃになった魔法陣の紙と動物図鑑をしいた。

 

「わがなは織斑一夏! 五つの力を司るペンドラゴン!われのうんめいに、したがいし使い魔をしょーかんせよ!」

 

 起きるはずがない、ハズだったのだ。

 一夏が作った魔法陣から魔力があふれだすのではなく

 紙の魔法陣の下にあったサーヴァント召喚に使う魔法陣から魔力があふれだしたのだ。

 魔力が渦を巻きながら一夏の動物図鑑がその影響でペラペラと捲れだした。

 キィィンという音が耳に入ったところでセイバーは正気に戻った。

 

「イチカ!」

 

 すぐさまセイバーは一夏を抱えて魔法陣の外へ連れ出し、剣を構えた。

 驚いたのはあふれだした魔力が人の形へと顕現した。

 

「ふふふ、まさか我を呼び出したのがこんな幼子とはな。

我こそはタマモナインの一角、野生の狐タマモキャット! ご主人、よろしくな」

「うわぁぁぁ! せいばー姉さん! 出てきたよ! 成功だよ!」

「すまない、イチカ。少し待ってください。 アナタはサーヴァントですね?」

「サーヴァントかどうかは気配でわかると思うが?」

「ッ! 失礼した、ではクラスはなんですか?」

「バーサーカーのクラスをもって顕現したようだな」

「イチカ! 体は大丈夫ですか!?」

「ほへ? なんともないけど」

 

「ちょ、ちょっとまちなさい! ば、バーサーカーのサーヴァントなの!?」

 

 話の途中、と言っても殆ど終わっているが遠坂が身を乗り出して一夏とサーヴァントを見つめる。

 後で聞いた話だがバーサーカーのサーヴァントは弱い英霊を強化するためのクラスだという。あの時戦ったバーサーカー、ヘラクレスは思いっきり例外中の例外だそうで、狂化という理性を消し本能のままにすることでランクを上げる。代わりに制御が難しく、マスターは体に影響があるほどだという。

 

「一夏、本当に体は何ともないんだな?」

「フッ、安心するがいい。召喚されたのがこの私でよかったと喜ぶがいい」

 

 膝枕されて頭を撫でられていたサーヴァントが身を起こして私たちの方を見る。

 バーサーカーのクラスのはずなのに、ヘラクレスとは大違いだ、理性があるように見えるし、狂っているようにも見えない。

 

「お前たちにも自己紹介しておこう。

我こそはタマモナインの一角、野生の狐タマモキャット!

好きな者はご主人! 嫌いな者は他のナイン共だ」

「……まさかタマモって「玉藻の前」のことかしら?」

「ふっふふふ、その通り!」

「なぁ、遠坂「玉藻の前」って、九尾の妖狐だよな?」

「その通りよ、けど彼女のしっぽは一尾。一体どういうことなのかしら?」

「今回はご主人のことだから答えてやろう! 私は自分に必要魔力はご主人であるイチカから受け取っておらん! ついでに言っておくが他人からも取ってないぞ。

大気の魔力ですべて補っているだけだ」

「……大気から魔力を? そんなことできるわけ、ないんでしょうね。いえ出来ているからこそ一夏君は生きているだし」

「ふっふふふ~感謝するがいいぞ! バーサーカーではあるが、玉藻から分かれた私は魔術が使えるのだ!」

 

 そう、だな。魔術とかはわからん。だが、タマモが一夏から奪うはずの魔力をすべて補っている。これは喜ばしいことだ。一夏は死ぬことがないだろう。あとでもう少し確認するべきだな。だが、問題は……

 

「タマモ、お前は聖杯に何を願う?」

 

 聖杯だ。聖杯戦争中に味方が一騎増えたのは喜ばしい、だがそれは聖杯を願うものが増えたという事でもある。 もし、タマモの願いがそれ相応の事柄ならば今すぐにでも一夏から引き離し、消す必要がある。

 

「聖杯だと!? それは伝説に聞く、ゴールデン猫缶なのか!?」

「「「「はぁ?」」」」

「ゴールデン猫缶はどこにあるのだ!? 山か? 海か? 川か? ええい!早く答えろ!」

 

 なんだか怒り出した。

 うむ、タマモは大丈夫だな、喜ばしいことだ。どこか束に似ていることを除けばだが。

 

「タマモおなかすいたの?」

「む、そうなのか? よし、イチカ一緒に作るぞ」

「うん! シロウ兄!」

「あんたらねぇ、状況わかってんの?」

「なんでさ。もう夜の6時になるし、それに今から作らないと藤ねぇが突撃してくるんだぞ?」

「シロウ、今日の晩御飯は何ですか?」

 

 ああ、警戒していた私がばかだったと思うほどいつもの日常に戻っていく。だれか、私にお茶をくれ、それで落ち着くから。タマモをちらりと見ると尻尾をぶんぶんと振っている、その姿につい、頭を撫でる。

 あ、ごろごろ言っている。 かわいい。

 

 夕食までの間、私はこうして癒された。いや、聖杯戦争中タマモを撫でるという癒しを見つけた私は急速にタマモと仲良くなっていった。

 




時間列めちゃくちゃすぎて笑える。

はい、すんません。

聖杯戦争がどうとかという感想改めて読んでいたら
アイフォンを見ました。
グランドオーナー起動→サーヴァント見た→リリィはダメだしなぁ。→あタマモ。
という感じで決まりました。

また書くときは時間列はどこになるかは私にもわかりません。
幻の藤ねぇルート書くかもですね


誤字脱字があれば感想で教えてください、お願いします。

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