IS×Fate(笑) 衞宮家の非日常的な生活   作:カズノリ

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こうして私は衛宮邸で居候になった8

 

 

「織斑、一緒に帰らないか?」

 

それは学校の放課後、下校時間に起こった。誰もが耳を疑った。空耳だと何度も思った。だが、視線をそちらに向ければ真剣な眼差しで見る1人の男子生徒とどこか顔が赤くなっている女子生徒、しかも女子生徒はゆっくりと頷いた。

 さてこの中学校で二つ名を付ける一種の病気が流行っていた。

 剣道で大会優勝すれば『剣勇』と本人の了承なしで決められ、新聞部の一面に載る。

 柔道で大会優勝すれば『猛獣』と名付けられ、新聞部の一面に載る。

 

 では、剣道で大会優勝し、その美貌から数多の男子生徒からの告白を『断る』の一声で切り裂き、数多の年上のヤンキー、カモを狙った不良、女性を狙った未遂事件を起こした者、外国マフィアの部下と上司を捕まえ、助っ人として呼ばれた筋肉達磨の男を木刀一本で倒した者を何と呼ぶだろうか。

 答えは簡単だ。皆が憧れと恐怖と畏れを含めた二つ名『鬼神(オーガ)』。

 誰もがその性格は冷静沈着であり、顔を赤らめるなどという行為は妄想の中でしか行われていなかった。

 しかし、今、目の前で『鬼神(オーガ)』が顔を赤らめているのだ! しかも、頷いた後顔を伏せるように!!

 一人の勇者は立ち上がった。ポケットに隠し持ってきた携帯電話を取り出し、その光景を見つめる様に、「カシャ」と音を立てた。この日、彼は中学の歴史に『勇者』後藤の名は語り継がれるようになった。例え音を立てた瞬間にボゴォという顔に水筒をぶつけられ、一体いつの間に切り裂かれたのかは解らないが携帯電話は二つに切り裂かれてしまっても、彼の、『勇者』後藤の偉業はいつまでも語り継がれる。

 

「木刀を振り回したら危ないぞ?」

「す、すまない。少し鎌鼬の練習をしたくなってな」

「かまいたち?」

「あ、ああ。それより早くいくぞ」

「そうだな」

 

 二人はカバンを持ち、ゆっくりとクラスから出ていく。

 扉が閉められ、5分程であろうか、ようやくクラスの生徒たちは再起動し始める。

 そして、一言。

 

『えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?』

 

『鬼神(オーガ)』の織斑千冬と『ブラウニー』の衛宮士郎が付き合っているという噂はものの30分で学校中に拾回り次の日には生徒、職員、校長、理事長ですら知っている事実となった。 これほどまでに広がりが早いのはたった1人の女子生徒のおかげだとも言われているが、『鬼神(オーガ)』から守るため、誰もが知らないと語る。

 そして、彼女の偉業はここから始まるのであった。 おお怖い怖い。

 

 さて、場面を移動し、2人で肩を並べ……ゴホン、同じスピードで歩いているが、どうやら会話が無い様子。

 

「……」

「……」

 

 このまま行っても面白くないので、少し心を読んでみましょう。

 まずは男子生徒、『ブラウニー』の衛宮士郎君から。

 

 やっぱり、一度織斑の家に行って一夏も連れてきた方がいいかもしれない。藤村のじいさんの話が長くなったら一人で家に居る事になる。

 

 おや、全く隣にいる織斑千冬さんの事を考えてないみたいですね。これは悲しい! それにしても私の見立て通り、朴念仁のご様子ですね。

 いやぁ! 仕g、ゲフンゲフン、見ごたえがありますね! これがゲームの主人公に与えられるというスキルですか! 見るのは初めてですよ。そうは思いませんか? ゲストの八雲紫さん?

 

 そうね、たまにはこういう甘酸っぱいのも見るのはいいけれど、私としても早く今回の異変を終わらせて、アナタ達を回収したいのだけれど?

 

 まぁまぁ! そう言わずに! それに私たちは解決するまでは一緒に行動(人生謳歌)

するのですから、見つけるのは容易いでしょ? それなら少しくらいこう言うのを味わってから戻りたいじゃないですか! 文々。新聞の為に!!

 

 はぁ、まぁ今のアナタは力を失っていることですし、手伝ってもらうことも限られる。仕方がないわね。

 

 それにしても、いいですね、『サトリの瞳』! まさかこの異変が能力を物体化するとは思いませんでしたよ?

 

 と言っても所詮は借り物、所有者以外には負担が有ります。無論、人間(・・)であればですけどね?

 

 助かります! これであの甘酸っぱいのを新聞に載せられますから! では、次は彼女をお願いします!

 

 はぁ……

 

 

 どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする

 え、衛宮と何を話せばいいのだ!? そ、それになぜ私と一緒に帰ることに!!?

 ま、まずい! 昨日のアレを思い出してしまう!

 

 ほうほう! 流石ブラウニー! オーガに横抱き、いえお姫様抱っこをするとは!! 私たちに出来ない事を平然とやってのける! そこに痺れる、憧れるうぅぅぅぅ!! よし、これも記事に書かなければなりませんね!

 おぉ! チラ見! チラ見! あのオーガがブラウニーにチラチラと見ながら顔を赤くするご様子が見られるとは! これは紅葉(もみじ)と颯(はやて)を連れてこればよかったですね!

 

 ふふふ、可愛いわね、それにしても現代にもあれほどの『  』を持つ者がいるなんて、ね

 

 ほう、流石はオーガ、いえ『  』を持っているのですから『ゴット・オーガ(鬼神)』と呼ぶべきでしょうか? あ! 見てください! チラ見をしていた織斑さんが、衛宮君とバッチリ目と目が合いました! どちらも目をそらさずに見つめ合う2人!

 

 ふふふふ、私にもあんな頃があったわね

 

え? うそでしy《ピチューン!》

 




ちょっと東方入れてみました。

出来れば今日中にもう1話作りたいですね、甘くしてみたいですね。
ガンバリマス。

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