バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第十八話

コニシ酒店に入ろうとする僕らの妙な声が聞こえてくる。

『ジュネスなんて潰れればいいのに』

『ジュネスのせいで……』

「なんだよ、これ……」

『そういえば小西さんちの早紀ちゃん、ジュネスでバイトしてるんだって……』

『ジュネスのせいでご実家が売上よくないのにねえ……』

「や、やめろよ……」

「誰が言ってるんだ!」

誰が言ってるか知らないけど好き勝手いう態度には腹が立つ。

「クマ、これはここに入ってきた人、つまり小西早紀にも聞こえていたのか?」

「うん、多分……」

「これが小西先輩にとっては現実だったって事かよ……」

「実際こういう陰口はあったんだろう、そして好き勝手言ってるやつらも自分ではジュネスで買い物してるんだろうな」

気に入らなそうに雄二は言う。

声を止めたいけど誰がどこで喋っているかわからない。僕たちは酒屋の中に入っていく。

「くそっ、またか」

酒屋に入るとまた同じように声が聞こえてくる。

『何度言えばわかるんだ早紀!』

「これ、先輩の親父さんの声か……?」

声の内容は父親からのジュネスでバイトをしていることへの批判……

「なんだよ、これ……バイト楽しそうだったし……俺にはこんなこと一言も……」

僕の家族は仕送りを止めたり家事を全部やらせたりとかするけど、それでも僕の意思は尊重してくれる。

異性関係に対しては理不尽に怒られるけど……

そのまま中を見渡すと台の上に写真が見える。

「この写真って……前にバイト仲間とジュネスで撮ったやつだ。なんでこんなこと……」

「へー、いい写真だね」

ムッツリーニのように高度な技術というわけではない。ただその写真は楽しそうな笑顔の小西先輩と花村くんたちバイト仲間が写っている。

『ずっと……言えなかった……』

この声……

「先輩!?」

小西先輩の声……

『私、ずっと花ちゃんのこと……』

「え? 俺のこと……」

まさか……告白シーン!?

『……ウザイと思ってた』

え!?

『仲良くしていたのは店長の息子だから都合いいってだけなのに……勘違いして盛り上がって……本当ウザイ』

「ウ、ウザイ……」

(ど、どうしよう、雄二こういう時どう声かければいいのかな?)

僕は雄二にアイコンタクトを送る。

(お、俺に聞くな、FFF団のやつらなら笑い飛ばせるが俺だってこんな状況で茶化せない)

この役立たずめ、これだから普段恋愛に縁のないやつは……

『ジュネスなんてどうだっていい……あんなののせいで潰れそうなうちの家も、怒鳴る親も、好き勝手いう近所の人も……全部なくなればいい……』

「う、嘘だよ、こんなのさ……先輩は……そんな人じゃないだろ!!」

僕も雄二もクマくんもこの状況の花村くんに声をかけられずにいた……

『悲しいなあ……可哀想だなあ……俺』

突如別の方向から花村くんの声が聞こえる。

『てか、何もかもウザイと思ってるのは自分のほうだっつーの、アハハ』

僕達がその声の方を振り向くと……

「あ、あれ……ヨースケが二人クマ!?」

「花村の兄弟とかそういうことなわけねえよな……」

「え!? 違うの?」

「もしいたとしてもテレビに入れないだろうしこの状況で都合よく出てくるわけねえ」

雄二の言葉を真実と証明するかのように花村くんが問う。

「お前……誰だ? 俺はそんなこと思っていない!」

たしかに兄弟なら花村くんがそう聞くはずがない。

『アハハ、いつまで格好つけるつもりだ、商店街もジュネスも全部ウゼーんだろ! そもそも田舎暮らしがウゼーんだよな』

「な、何を言ってる、違う、俺は……」

「そうだよ、君は一体誰なのさ!」

この状況で花村くんを相手に暴言を吐くこいつに僕は問いかける。

『ハハハ、吉井、お前に対しても同じだぜ、都会から来て腐ってる仲間が欲しい、良い人ぶりたい、お前と仲良くする動機なんてそんなもんなんだよ』

「ち、違う!」

『孤立するのが怖いから取り繕ってヘラヘラ笑う、転校生とも仲良くする。いい人ぶる。一人は寂しいもんな、みんなに囲まれてたいもんなあ。この世界にきた理由もだ。小西先輩のため? そんなんじゃねーだろ』

「やめろ!」

『なに焦ってんだ、俺はお見通しだって言ってるだろ、俺はお前なんだぜ』

「いいから黙れよ、てめえ! 好き勝手言ってるんじゃねえ!」

好き勝手話す花村くん2号に対して僕は殴りかかる。

『ハハハハハ、まあ、そう慌てんなよ、話はまだ途中だぜ』

けどその攻撃は避けられてしまう。

『お前は単にこの場所にワクワクしてたんだ! ど田舎暮らしにはうんざりしてるんだもんなあ! なにか面白いモンがあるんじゃないか……ここへ来た理由なんかそれだけだろ!』

「違う……やめろ、やめてくれ』

『カッコつけてあわよくばヒーローになりたかっただけ、大好きな先輩が死んだっていう口実だってあるしな』

僕が殴りかかってもすべて回避しながら話し続ける……

「違う!! お前なんなんだ! 誰なんだよ!?」

『ククク……言っただろ? 俺はお前、お前の影、全部お見通しだってな!』

「ふ……ふざけんな、お前なんて知らない! お前なんか俺じゃない!!」

『ハハハハハ、いいぜ、もっと言いな』

「あ、アキヒサ、この反応は……離れるクマ!?」

クマくんに言われて僕は一度花村くん2号と距離を取る。

「お前なんか……俺じゃない……」

『ああ、そうだ……俺は……俺だ! もうお前なんかじゃない!!』

花村くん2号は光に包まれる……そこにいたのは大きなカエルみたいな生き物に乗った大きな人。

「これもシャドウ!? 雄二、花村くんと下がってて」

『我は影……真なる我……退屈なもんは全部ぶっ壊す……まずはお前からだ!!』

「行くよ、イザナギ」

僕はイザナギを呼び出しシャドウと対峙する。

 

 

「くっ……」

ひとまず明久に言われた通り半分意識がない状態の花村を連れて戦闘と距離を取る。

近くにいれば戦いの邪魔になる。

『またそんな言い訳か?』

そのまま明久に戦いを任せよう、そう考えると俺の背後から声が聞こえた。

『そうだよなあ、怪我をするのは嫌だもんなあ、勝ち目のない戦いに飛び込みたくないよなあ』

「誰だ!」

そこに立っていたのは……ランドセルを背負った……俺の姿だった。

『あの時と同じ、自分が勝てない戦いには飛び込めない。例えその結果誰かが怪我しようとお前の知ったことではないもんなあ』

「は、当たり前だろう、適材適所というやつだ。戦う力をあいつが持っているならあいつにやらせるのは当然のことだろう」

どうせこいつも花村のと同じように俺に精神的な攻撃を仕掛けようとするんだろう、それに乗らなければ良いだけだ。

『ハハハハハ、あいつは飛び込んだのにか? 一年前のあの時も、そしてさっきも、力を得る前から花村を助けるために動いていたよなあ』

「っ……あいつは後先を考えない馬鹿なだけだ」

『そしてお前はそのバカ以下だ。お前は動けないもんな、臆病だものな、いくら身体を鍛えても小学生のあの頃と変わってないんだよ!』

「てめえ! 俺が明久以下だと!!」

大抵のことは耐えれても俺があのバカより下だと思われるのは我慢できねえ!

『だってそうだろ、勝ち目のない戦いだけじゃねえ、さっきの花村を相手にした時も同じだ、直線的で喧嘩慣れしてないあいつと違い、お前が殴りかかれば攻撃は当たった。そうしておけば今明久はこんな危険な戦いしないで済んだかもなあ』

「黙れ!」

『ああ、そうか、そういえばこの前勝てると確信した戦いに負けたよなあ……その結果として翔子との関係も変わっちまったよなあ』

「な!? て、てめえなんでそこまで!?」

花村が受けた精神攻撃は明久と花村、小西早紀についてのみだった。そしてその3人は直接ここに来ている。だからそれらを利用して精神攻撃をしかけてるのかと思っていたが……

『俺はお前だからな、全部知ってるんだよ!!』

「だ、黙りやがれ!」

『翔子との関係を変えるはずの大事な試召戦争で負けたんだ。そりゃ勝てる相手に立ち向かうのもためらっちまうよな』

「そんなこと考えてねえ!」

『勝って勉強だけが全てではないと証明してからのはずが段取り狂わされた、そして翔子の思いに答えられずにここに逃げて来ただけだもんなあ、わざわざ危険なことやってられないよな』

「違うって言ってるだろうが! デタラメばっかり言ってんじゃねえ!」

『デタラメ? 違うさ、言っただろ、俺は全部わかってるんだ、俺はお前なんだからな!』

「違う! お前は俺じゃない!」

『ククク……ハッハッハッハッハ……そうさ、お前は俺じゃない。俺は……俺だ!!』

 

 

「イザナギ!」

僕はイザナギに電撃は放たせる。

『ウゼーんだよ!』

シャドウに当たると僅かな隙ができるけどさっきのシャドウと比べても大きさが全然違う。この程度の威力ではカスリ傷程度にしか効いてない。

『吹き飛ばしてやる』

シャドウの方から強烈な突風が吹き荒れる。

「この程度の風がなん……くっ!?」

しかしその風をうけてイザナギがバランスを崩す。

「アキヒサ、気をつけるクマ、ペルソナにも弱点はあるみたいクマよ」

「早く言ってよ!?」

『いつまで耐えられるかな』

そのまま拳を振るってくる、このバランスを崩した状態じゃ避けられない!?

「うわっ!」

イザナギが吹き飛ぶと同時に同じ衝撃を受けて僕も吹き飛ぶ。

「こうなったらどっちが先に倒れるかの勝負かな……」

「アキヒサ、無理せずに守ることも考えるクマよ! クマが敵の攻撃が来るタイミングを分析してみるクマ!」

そうだった、召喚獣バトルでも点数の低い僕のでもうまく受け流せば力の強い攻撃でも捌ける。自分より強い敵でも戦い方次第では勝てるんだ!

「イザナギ!」

ジオを放ちながらも僕自身も木刀を握り直し立ち向かう。ジオを連発したほうが効率は良いのかもしれない、でもペルソナの魔法は召喚獣の腕輪と同じで発動に代償がある。魔法を使わせるたびに少しづつ気力が失われていっている。ペルソナと連携しながら戦うのが耐久力のある相手には必要そうだ。

『邪魔だ!』

「また風!?」

僕が木刀で殴りかかって体制を立て直す前に再び風を起こされて僕は吹き飛ぶ。

「アキヒサ、ダイジョウブクマ! でもこれで分かったクマ、次の来るときはクマが指示するクマよ」

「う、うん、頼むよ、クマくん」

今吹き飛ばされた時に切ったのか腕から少し出血している。軽く動かしてみてまだ木刀を振るのに支障がないことを確認する。

「よし、まだいける……」

傷を治せる力とかあれば良いんだけどそう都合よくはいかないしね。

攻め手の方は作戦を変える必要はない。ジオと木刀、あとは隙がればイザナギに切りかからせても良い。僕とイザナギではまだそんなにできることは少ないからね。

『ウザってえ、ウザってえよ、お前!!』

「来るクマよ!」

どんな攻撃だってくるのが分かっていれば怖くはない。僕はイザナギを手元に戻し攻撃に備える。

『ハハハ……消えちまえよ!!』

そして突風が吹き荒れるが……

『なんで消えねえんだよ』

「消えるのは……お前の方だ!!」

イザナギと僕が同時に斬りかかる!

『ガ……!?』

そのままシャドウを消滅させる。

「なんとか終わったあ……」

強敵を倒して僕は気を抜く。

「ア、アキヒサ、もう一体いるクマ、う、後ろー!」

クマくんに声をかけられ振り向く。

「ぐあっ……」

その瞬間なにかに殴られて吹き飛ぶ。

 

「え……雄二……?」

赤いたてがみのような髪、筋肉質な体に角を生やし怒りの形相を浮かべる顔、そんな鬼に隠れるようにしている子供……それに雄二の面影を感じる。

「ヨースケの時と同じクマ、ユージの影が暴走しているクマよ!」

よくわからないけど状況だけど……殴られて痛む体を起こす。

横目で様子を見ると花村くんだけでなく雄二も呆然としている。

「やれやれ……あのバカまで……」

雄二には去年から鉄人の生贄にさせられたり馬鹿にされたりし続けたけど……

「それでもあいつには借りがあるし……ね」

去年、あいつとつるむようになったきっかけの事件もそうだし観察処分者の肩書きを与えられた時もそうだ。色々酷い目にはあったけどあいつは協力してくれた。

「借りを返す機会だと思っておけばいいかな」

木刀を構えてシャドウと対峙する。

『てめえは初めて会った時から気に食わなかったんだよ!』

そういえば去年も同じことを言われて殴られたな……

「普通の喧嘩じゃ勝てないけど……ペルソナ使ってのバトルは別なんだよ!」

体格で劣っているということはリーチで劣っているということだ。でもイザナギの大きさと持っている武器を含めれば!

こちらの方がリーチも長くシャドウを切り裂く!

『明久のくせに舐めたことしてんじゃねえよ!』

だがシャドウはイザナギに斬られても怯まずに殴りかかってくる!

「この筋肉ゴリラめ……そんなとこまで雄二と同じかよ……」

イザナギが顔を殴られたせいで僕も顔に怪我を負う。

「僕だってお前相手に無傷で勝とうとは思ってないんだ!」

イザナギが僕の想いに反応し新たな魔法を覚え、それを放つ。

「ラクンダ!」

殴り合いなら……守りが弱い方が負ける!

『その程度ハンデにもならねえんだよ!』

去年雄二と殴りあったときは一方的にボコられた。僕が雄二に当てられたのはせいぜい一、二発、威力にしたって半分もなかっただろう。でも今は違う。

『てめえ、なんで……なんで倒れねえんだよ!』

ラクンダを使ったあとはジオを使う力が残っていないということもあるけど、あとはもうひたすら互いに殴り合いを続ける。僕もノーダメージでいられないけど確実にシャドウも弱まっている。

「言っただろ……普通の喧嘩じゃかなわないけど……ペルソナを使ったバトルじゃ負けないってね!」

疲れたのか、それとも僕の迫力に怯んだのかシャドウに大きな隙ができる。そこにイザナギが渾身の力で太刀を叩きつける!

『チ、チクショウ!』

その一撃でシャドウは消滅する。

 

 

「ヨースケ、ユージ、大丈夫?」

僕とクマくんが二人に駆け寄る。

「あ、ああ、さっきのは一体なんだったんだ?」

「!?」

雄二が驚きの表情を浮かべる。振り向くと花村くんと雄二が立っていた。なんか雄二の方は高校生にもなってランドセルを背負った痛い姿だけど……

「お前……お前は……俺じゃない」

花村くんは搾り出すような声で言う。

「あれはもともとキミたちのもとにいたものクマ……キミたちが認めなかったらさっきみたいに暴走するしかないクマよ……」

「やっぱりそうだったんだ……花村くんの方はわからなかったけど……雄二の方のシャドウは戦っていて雄二らしさを感じたんだ……」

花村くんはそれでも自分の影から目をそらす。

「くく……はっはっは」

「ゆ、雄二?」

突然雄二が笑い出す。

「ったく……わかってたのにな。自分の情けなさが……さっきは否定しちまっていたけどな」

「雄二の方は何があったの……?」

シャドウとの戦いに夢中で雄二の方に何があったかは僕は知らない。クマくんの方を見るとクマくんも首を横に振る。

「クマも見てなかったクマ」

「人に知られたくねえ……自分でも認めたくねえ……でもこれも俺か」

雄二は何か吹っ切れたような顔をしている。

「認めたくないけどこいつの言うことは正しい……でもそれだけでもない、な、花村」

そう言って雄二は花村くんに声をかける。

「坂本……」

「そうだよね、例えそう言う気持ちがあっても僕は花村くんと友達になれて良かったと思うよ」

「吉井……そうだよな……みっともねーし、認めたくなかったけど……」

「「俺はお前でお前は俺だ……」」

雄二と花村くんの二人の言葉に影たちは頷く。

 

そしてシャドウは変化する……ペルソナに……

 

「これが俺のペルソナ……」

「まさか俺たちにもペルソナが手にはいるとはな……」

「さっき聞こえた先輩の声……あれも先輩が心のどこかで押さえ込んでいたものかな……はは、ずっとウザいと思っていたか……これ以上ないくらい盛大に振られたぜ……ったく、みっともねえ……坂本、お前の方は頑張れよ、さっき影が言ってたしょ……もが!?」

雄二が慌てて花村くんの口を塞ぐ。

「は、花村、てめえ、聞いていたのか!?」

「あ、ああ、半分意識が飛んでたけど会話くらいは……」

「頼む、そのことはあまり口には……」

「はは、わかった、あまり触れたくないってのはお互い様だしな」

二人でこそこそ話していたみたいだけどなんだったんだろう。

「なあ、クマ、もしかして先輩は俺たちのような状態になって……」

「多分そうだと思うクマ……ここに居るシャドウももとは人間から生まれたものクマ。でも霧が晴れるとみんな暴走する……さっきみたいに意思のある大きなシャドウになって宿主を殺してしまうクマ」

「それが……町で霧が出た日に人が死ぬ原因なのか……」

「もうなんの声も聞こえなくなったし、ここには何もなさそうクマ」

「なら一度もどるか、俺達もかなりバテてしまったしな……」

 

 

僕たちは一度入ってきたスタジオみたいなところに戻ってきた。

「けどこれからどうしようか、手がかりとかはなかったよね」

「先輩たちは自分たちの影に殺されたっていうことだよな」

「クマやアキヒサがいたから助かったけど下手したら君たち二人も同じ目にあってたクマ」

「……なるほどな、そうなると今俺たちにできることは限られてくるな」

「え? どういうこと、雄二?」

「だれがテレビに放り込んだか、被害者が死んだ今特定することは難しい。実際犯人を捕まえることは不可能に近いだろう」

「そうだな」

雄二の言葉に花村くんが頷く。

「だがなにもできないわけじゃない。少なくても俺達なら放り込まれた被害者を助けることができる可能性もある、この短い期間に二度犯行を犯したやつだ、またやる可能性は高いと思うしな」

「なるほどな、それに被害者を助ければそこから犯人にも繋がるってわけか」

「そういうことだ」

「え? どういうこと?」

「つまりな、被害者なら犯人を見るだろ? そこから犯人を割り出すっていう作戦だ」

なるほど……って

「それって入れられた人は危ないんじゃない!?」

「ああ、だからマヨナカテレビと合わせてできる限り注意しないといけない」

そうか、今犯人捕まえられないならそれしかないよね……

「それじゃあ、マヨナカテレビを見られる僕と花村くんがしっかりチェックしないとね」

「そうだな……ところでさ」

「なに?」

「いつまで俺のことくん付けで呼ぶんだ? ダチなんだしさ、俺のことは陽介でいいよ」

そういえばずっとその呼び方で話してたよね、だけどこれから仲良くするんだったら。

「うん、わかった、改めてよろしく、陽介」

「なら俺もそう呼ばせてもらおうか、よろしく頼む、陽介」

「ああ、こちらこそよろしくな、明久、雄二」

「クマもー、クマもクマでいいクマよー」

 

 

 

花村陽介

アルカナ 魔術師 

ペルソナ ジライヤ

学力 Dクラス級

 

坂本雄二

アルカナ 刑死者

ペルソナ ウラ

学力 Fクラス代表

 

ペルソナ解説 ウラ

漢字で書くと温羅、吉備津彦に退治された鬼、わかりやすく言うならば桃太郎に退治された鬼の大将。

諸説あるが製鉄技術をもたらした技術者でもあり豪族でもあったと言われている。

 

ペルソナ能力

物 耐  雷 弱

 

スキル

ソニックパンチ

 

物理スキル強化系スキルを中心に覚え状態異常や低下系の少しづつ覚える。自分が直接戦うよりも周囲を操作するのが得意。一応自身も物理スキルで戦うことは可能。




長文読了お疲れ様です。
この話は一度に読んで欲しいという思いを込めて頑張って一話にしました。
この話では明久と雄二、明久と陽介の組み合わせだけでなく雄二と陽介との間でも友人関係が出来るといいなあと思いを込めてこのような構成になりました。

そして裕二のアルカナは刑死者、これは雄二が処刑されてるからというだけではなくアルカナの示すことから決めました。
刑死者のアルカナは現在の苦労を示していてそれが未来には報われることを示しています。ですがそれは将来的なことであり現在はあがいていて芽が出ていない状態です。また恋愛に関しても思うような付き合いができないという状態を示しています。
これらの要素を踏まえて裕二のアルカナは刑死者としました。

ねぎさださん、八旗さん、佐藤よしあきさん、正解おめでとうございます。

実際に多く寄せられた剛毅、悪魔、塔などは候補には上がっていました。多分バカテスキャラアルカナクイズでも最初のコイツが一番厄介だったと思います。
元々の刑死者のアルカナの小西尚紀は多分他の形で登場させると思います。

そして次の補足は最後の解説、ペルソナキャラに関してはペルソナ覚醒した時点でもし文月にいればこれくらいだろうというのを独断と偏見でクラス分けします。陽介の場合は頭は悪くないけど授業はあまり聞いてないしで中の下くらいのDクラスかなって印象です。
雄二のペルソナ能力については雄二らしさの物理系と自分で直接より指揮官としてみんなの勉強をみたりする面からの強化系、小細工好きの状態異常や一部低下系としています。電撃に弱いのは翔子にスタンガンをくらっている印象からなんとなく……
ではようやく場面も少しキリの良いところまで書けたのでまた次回以降ははのんびりペースで執筆します。
では次回もよろしくお願いします。

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