バカテスト
紀元前はBCと表す、なら西暦はどう表すか
また西暦は何を基準に始まったものであるか
天城雪子の答え
AD
キリストの生誕
教師のコメント
正解じゃ、さすが天城氏じゃの、ちなみにBCとはBefore Christ、ADはラテン語のAnno Domini(主(イエス・キリスト)の年に)じゃ。
吉井明久の答え
UC
人類が宇宙に生活圏を変えたとき
教師のコメント
宇宙世紀はまだ訪れておらぬな、未来にロマンを求めることは否定せぬがまずは正しい歴史を間ぶことじゃ。
土屋康太の答え
CC
胸のサイズBからCに上がった時
教師のコメント
西暦の基準の元となったキリストは男性じゃ。
4/14 木 雨
「よ、よう、あのさ」
放課後昨日のことを話そうと思っていた僕のところに花村くんが来た。
「や、その、大したことじゃないんだけど……実は俺、昨日、テレビで……」
花村くんもマヨナカテレビ見たのかな?
「あ、やっぱその……今度でいいや。あはは……」
花村くんの言いづらそうな態度……そうか、そういうことか。
「運命の人が男だったからって落ち込むことないよ、ほら、運命は変えるためにあるって言うじゃない」
昨日僕が懸念した自体、運命の人が同性だったらどうしようという問題、僕じゃなくて花村くんが直面したのか。
「ちげーよ! なんでそんな発想でてくんだよ!」
「花村ー、噂聞いた?」
そうして話していると里中さんが横から声をかけてくる。
「事件の第一発見者って小西先輩らしいって」
「だから元気なかったのかな……今日学校に来てないっぽいし」
「あれ? 雪子、今日も家の手伝い?」
僕たちの横を通り過ぎようとする天城さんに里中さんが声をかける。
「今、ちょっと大変だから、ごめんね」
そんなにお客さんが入っているのかな。
「なんか天城、今日特別テンション低くね?」
「忙しそうだよね、最近」
旅館が繁盛しているのなら良いかもしれないけど友達と遊べないっていうのは大変だろうなあ。
「ところでさ、昨日の夜、見た?」
ぼんやりそう考えていると里中さんが話題を変える。
「エッ……?」
花村くんはちょっと焦っている。
「や、まあその……お前はどうだったんだよ」
「見た! 見たんだって! 女の子! けど運命の人が女って、どゆことよ?」
里中さんも同性が運命の相手!? まともに異性を見たのは僕だけか。
「里中さん、今からでも男の子に興味持ったほうがいいよ」
「そんな趣味ないっての!」
あれ? 違ったのかな……
「誰かまではわかんなかったけど、明らかに女の子でさ……髪の毛がフワッとしてて、肩くらいでうちの制服で……」
「それ……もしかしたら、俺が見たのと同じかも。俺にはもっとぼんやりしか見えなかったけど……」
「え!? 花村くんきちんと女の人が見えたんだ」
「だからお前は俺をどんな目で見てるんだよ……」
言いづらそうだったから同性が見えたとか運命の人がいないと言われたとかだと思ってたのに……
「それじゃ、花村も結局見えたの? しかも同じ子? 運命の相手が同じってこと?」
「知るかよ……」
同じ相手が映った……つまり……
「わかった! その子はきっと双子なんだよ!」
「この学校双子なんていたっけ?」
「さあ……それでお前は見たのか?」
「あ、うん、見たよ、僕の運命の相手は髪の毛が肩くらいのフワッとした……」
「お前も同じ相手じゃねえか!?」
「あれ? じゃあ三つ子の女の子?」
「さすがに三つ子とかだったら知ってるよ! 狭い田舎なんだから!」
「まあ、でも驚いたよね、その後テレビに吸い込まれそうになったしさ」
「は?」
「うん、マヨナカテレビの映像のあとさ、『今は何時? 何時だワレ』とかって声が聞こえてそのあとテレビに触ったら腕が吸い込まれたんだよね。テレビが小さかったから腕だけで済んだけど」
「なんだよ、その声……しかもテレビに吸い込まれたって……動揺しすぎじゃね? じゃなきゃ寝落ちだな」
「けど夢にしちゃ面白い話だね、それ。テレビが小さいから入れないとかって妙にリアルでさ、決まった時間しか見れないマヨナカテレビなのに時間訪ねてくる声は変だけど夢ってそんなもんだしさ。でももしテレビが大きかったら……」
う~ん、確かに起きてたと思うんだけどなあ……顎はともかく頭にはこぶも残ってるし……
「そういえばウチ、テレビ大きいの買おうって話してるんだ」
「へぇ。今買い換えすごい多いからな、なら帰りに見てくか? ウチの店、品揃え強化月間だし」
「見てく、見てく! 親、家電疎いし、早く大画面でカンフー映画みたい!」
「だいぶでかいのまであるぜ。お前が楽に入れそうなのとかな、ははは」
「実家のテレビは大きかったんだよね。こっちに来てゲームやるのにテレビが小さくなって寂しいよ」
実家にあるテレビだったら顎ぶつけないで多分中に吸い込まれてたけどね。
とりあえず話をしながら僕たちはジュネスに向かうことにした。
「でか! しかも高っ! こんなの誰が買うの?」
「さあ、金持ちなんじゃん?」
「でもこういうテレビだったら迫力はあるよね」
僕たちの前にあるのは大型テレビ、ゲームをやるにしても大きいほうが良い。
でもここまで大きいと今の僕の部屋に置くのは厳しい。
「けど、ウチでテレビ買うお客とか少なくてさ、この辺店員も置かれてないんだよね」
「ふぅん……やる気ない売り場だねぇ。ずっと見てられるのは嬉しいけど」
そして花村くんと里中さんは画面に手を触れるけど昨日の僕と違って何も起きない。
「……やっぱ、入れるわけねえよな」
「はは、寝落ち確定だね」
「大体、入るったって、今のテレビ薄型だから裏に突き抜けてしまうだろ」
「僕の部屋のテレビ古いのだから」
だから入れたのかな?
「ってか、なんの話してんだっての」
う~ん……やっぱり昨日のは夢だったのかなあ……結構リアルだったんだけど……
僕が考え事をしているあいだに花村くんと里中さんはテレビを見て回っている。
「考えるより試したほうがいいよね」
僕の頭では考えるだけ無駄だし、もう一度入れるかどうか試して……
ズボ
一瞬画面に触ったあと僕の腕はテレビの中に吸い込まれていた。
「そういえばさ、吉井、おまえの家のテレビって……!?」
「なに? どしたの、花村」
テレビを見て回っていた二人が僕の方を振り向く。
「あいつの腕刺さってない?」
「うわ……あれ、最新型? 新機能とか……ってどんな機能?」
「ねーよっ!」
そして二人共駆け寄ってくる。
「ウソ、マジで刺さってるの!?」
「うん、昨日のは夢じゃなかったみたい」
召喚獣とかが出せる学校に通ってはいたけどこれは僕も初体験だ。
「マジだ……ホントに刺さってる……すげーよ、どんなイリュージョンだよ!? で、どうなってるんだ、タネは?」
タネ? ん~テレビに仕掛けあるのかな。
「何か仕掛けあるんならテレビの方だと思う、もう少し入りそうだから見てみるね」
僕はテレビの中に顔を入れてみることにする。
「バ、バカよせって! 何してんだ、お前!」
「す、すげぇー!!」
昨日みたいに引きずり込まれるとかじゃないみたい。
「うん、タネは分からないけど中は結構広いよ」
「な、中って何!?」
「ひ、広いって何!?」
「っていうかなんだよこれ!?」
僕も驚いているけどこれちょっと気になるよね。僕がテレビに吸い込まれるなら今後テレビ付きの携帯を使った時とか困りそうだし。
「やっべ、びっくりしすぎて漏れそう……」
「は? 漏れる?」
「行きどきなくて、ガマンしてたっていうか……うお、だめだ漏る漏る!!」
花村くんが走っていく音が聞こえたと思ったらすぐに戻ってくる。
「客来る、客! 客!!」
「え!? ちょ、ここに、半分テレビに刺さってる人がいんですけど!! ……どうしよ」
あ、そっか、これ人に見られたらちょっと困るかな? 怪奇テレビに刺さる人とかでテレビに刺さりながらテレビに出演とか……
ドン!
そんなことを考えてたのがいけなかったのか……後ろで慌てていた二人が僕にぶつかってくる。
そしてそのまま僕たちはテレビの中へと入っていった……
ということでテレビの中に突入前までです。
今回は冒頭にバカテストを入れてみました。カーメンこと祖父江先生の問題で珍回答が思いついたので出題、回答者にムッツリーニが入っていますがバカテストは文月側ペルソナ側両方が答えてペルソナ教師が回答という形式にすると思います。
またバカテストは珍回答が思いつくかどうかなので掲載は不定期とさせてもらいます。
西暦に関してはウィキペディアを参考に、明久の回答は私の意図としてはガンダムネタですね。ユニバーサルセンチュリー、宇宙世紀ですから他にもあるかもしれませんけど。
では次回もよろしくお願いします。